IS 化け狐と呼ばれた男 リメイク   作:屑太郎

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戦闘序曲はISに

【自分の気持ちは移ろいやすい。だから、他人に依存し自己を形成する・・・ありふれたことだ。だが・・・それが出来ない人間がやると違和感がある。

 

そういう話】

 

前回のあらすじ。

 

気絶状態から戻ってきたら、ロリ巨乳が居ましたそして、今後の生死を決める入学試験を受けることになったのでした。

 

 

 

受験会場に向かう廊下を俺と山田さん二人並んで歩いていた。

やることが移動しかないのも暇なので俺は、暇つぶしをかねて情報・・・と言うより世間話をしていた。

 

「それで、山田さん?入学試験といいましたが、具体的にどんなことをするんでしょうか?」

 

「ええ、戦ってもらいます。」

 

「ISで?」

 

「ええ、その通りです。」

 

「なんですかその無理ゲーは。」

 

素人にチェーンソー握らすようなものだぞ?それ・・・。

 

「すっ、すみません・・・そういう受験内容なので・・・。」

 

「・・・いや、私が不用意に触らなければよかったことです。気にしないでください。」

 

まあ、この事件(・・)は俺の不注意と貧乏性が原因なのだからそこまでかしこまられると、此方が居た堪れない。

 

「ええ、えっと、元はといえば私たちがちゃんと警備していなかったのが原因ですから、そこまで落ち込まなくても・・・。」

 

この人はかなり謙虚な人間らしい。この女尊男卑の時代の女性にしてはかなり稀有な存在だな・・・。ちょっといじってみよう。

 

「いやいや、私が触らなければよかったんですし・・・。」

 

「いやいや、私たちがちゃんと警備していなかったからで・・・。」

 

「いやいや、私がさわらなけれb。」

「私たちがちゃんと警備してなかったからです!!。」

 

「いやいや、私が藍越学園に入学試験を届けなければこういうことには。」

 

「え!?。い、いや・・・個人の自由なので気にしないほうが・・・。」

 

「もっと私が、藍越学園に入学できないくらいのバカであればこんなことには・・・。」

 

「え、えっと・・・頭がいいのは罪ではないですよ?・・・。」

 

おお、面白くなってきたし涙目になってきた・・・。

 

「いや、そもそも私が生きてることが「卑屈になりすぎてませんか!!??」」

 

イジリータイム終了。

けどかなり転がったな。まあ、フォローでもしておくとしましょうか。

 

「冗談です・・・けど、もうどうでもいい、死んでもいいって思っているのは確かですね。」

 

「はい?」

 

「必死こいて勉強して、金を工面し、入学資金まで自力で調達したのに。それが自分の不注意でパーと来たものです、気力なんてものも吹っ飛びますよ?」

 

と、俺は一般論を言った。

 

「・・・そう・・・ですか。この度はまことn「やはり私が生きているからいけないんでしょうね」違います!!。」

 

「いやこちらとしてもそろそろ、水掛け論は終わりにしたいんですけど。」

 

「責任がかなり・・・と言いますか・・・。謝罪を受け取ったって形式上でもしておかないと、あなたの親や世間にかなりの批判が・・・そもそも、IS学園やIS自体国家機密の塊であって学園の場所から言っても問題があると他の国家から大バッシング・・・そして。皺寄せが・・・「あ、そこらへんは大体分かってるんでいいですよ、山田さんを困らせてみたくなっただけです。」・・・謝罪を受け取ってもらったって事で良いんですか?」

 

苦虫を噛み締めたような顔で俺が割って入った言葉に返答した。

 

「ええ、いいですよ。しかも、さっきのは一般論であって私の意見ではありません。」

 

と、俺は水掛け論をぶった切るべく新たな話題を提供した。

 

「どういうことですか?」

 

「簡単なことですよ。IS・・・まあ、簡単に言えば世界中の爆弾が女性と言うステージから離れようとしているんですよ?同時に現れた二人の・・・あ、そういえば織斑 一夏はISを動かせました?。なんかコイツ動くぞ・・・とか言っていたんで。」

 

「ええ、もう入学試験を終えたところですよ。」

 

「そうですか・・・どうです?一夏君は合格しそうですか?」

 

合格しなかったら・・・人体研究で解剖でもされるんじゃないか?

 

「ええ、私を倒しましたし・・・合格すると思いますよ。」

 

「・・・一夏君は何かの武術の達人なんですか?」

 

仮にもその道の教職が負ける・・・かなりの手馴れか!!。

 

「い、いえ・・・そんなことは聞いていませんし・・・私があがってしまって・・・。」

 

「ああ、男性に慣れていないんですね。」

 

それなら納得だ。()でもあがっていた訳だし、不思議ではないな。

 

「・・・そ、そういうわけではありませんよ?」

 

・・・目をそんなに泳がせていたら説得力も何もないと思うんだが。

 

「なるほど、毎日男をとっかえひっかえと言うわけですか・・・。」

 

「そういわれると、いささか語弊があると言うか・・・。」

 

「ん、まあ分かっていますよ。・・・そろそろ着きますか?」

 

「そこの扉です。」

 

と、数メートル先の扉を指差した。

 

「ああ、そこですか・・・そういえば、試験に関して注意事項とかあるのでしょうか?」

 

「えっと・・・強いて言うなら・・・心を強く持っていてください。」

 

「大雑把過ぎませんか!?」

 

「いえ・・・ISは何より防御力に長けている兵器・・・いや、スポーツ器具です。」

 

「兵器ってまんまですね・・・聞かなかったことにしておきます。」

 

「だから、一般の人がIS学園を受験すると・・・。」

 

「受験が戦闘だから、トラウマになると?」

 

「はい、近接武器はもちろん銃器または、最近のものになるとビームや見えない弾なんてのも・・・あ、でも試験ではそんなものは使いませんから安心してくださいね?。」

 

「銃器でも一般人にはキツイですよ・・・。」

 

と言いながらほほを引きつらせておいた。

 

「じゃあもうはじめますけど、聞きたいことはないですか?」

 

「いいえ、ありません。」

 

そういいきったあと先に言った扉の前に来ていた

 

「では、こちらに・・・。」

 

と言って手を掛け、開けた。

そこには、前にも見た鎧が鎮座していた。俺は、エネの言っていたことや、エネの存在自体が虚像でないことを願いそれに触った。

 

刹那、数多の情報が頭の中に流れ込み少し、俺の脳を圧迫するような感覚を覚えた。それをこらえながら情報を頭で噛み砕き咀嚼し飲み込む。

 

「それでは装着してください。それを着ている自分をイメージすれば、比較的簡単に装着することが出来ますよ?。」

 

そんな、山田さんの言葉が聞こえた・・・そして、その一言が装着するプロセスを論理的に解釈するキーワードとなり・・・装着方法を知った。

 

知ると言うことが、終わった瞬間俺の身には鎮座した鎧が纏わり付いていた。

 

「大丈夫ですか?・・・不快感とかはありませんか?」

 

「ええ、大丈夫ですよ。」

 

とはいったものの、正直不快感だらけだった。しかし、そんなことで生死を分かつ受験に落ちるわけにはいかないので我慢することにした。

 

「では、こちらに移動してください。普通に歩いていけば動作は、ISが補助してくれるので大丈夫ですよ。」

 

そんな山田さんの言葉も少し気を抜けば飛んで行ってしまいそうになるが何とか気を持ち歩く。

そして変なピットみたいなところまで出てきた時。一際大きい不快感を感じた。

 

強いストレスを感じたかのように視界が大きく揺れ、体温が上昇し、倦怠感を覚える。ふと気づくと目の前には噛み砕いた情報の中にあったウィンドウが存在した・・・そこには。

 

『ワタシハ・・・イヤ、ワタシタチハ、ミナオマエガ嫌イダ。ダガドウシテ、ワタシタチヲ肯定スル?肯定スルノハ、エネダケナノカ?。ソレトモ、ワタシタチモ肯定スルノカ?』

 

と半角文字でかかれてあった。

 

俺は不快感で頭が回らなかった、だから・・・。

 

「望みがあれば俺を呼べ・・・それが答えだ。」

 

本心を、誓いをこいつ等に捧げた。

 

『ワカッタ・・・。じゃあ・・・私もがんばるね。』

 

最後の文字はやけにきれいで明らかに感情が込められていた。

そして、ウィンドウが消える。それと比例するように体の不快感が消えて一気に最初に触ったときに感じた爽快感に切り替わった。

 

・・・多分、コイツに認められたのだ。俺の意思が信じられなくて、俺を試したんだ。きっとあの程度で済んだのはエネのおかげだろう。

 

「どうしたんですか?」

 

と俺の思考をに割り込むように聞いてきた。

 

「いえ・・・何でもありませんよ。ただ・・・。」

 

「何ですか?」

 

「コイツや、こいつらの世界は・・・好きになれそうです。」

 

「そうですか・・・では、受験を開始します。」

 

と言って誘導されたところに立っていた、俺の目の前にあったドアが開けられる。

 

そこから入ってくる光に目をしかめながら俺は頭を戦闘モードに切り替える。

 

「大丈夫・・・これまでも、一人で戦って来たんだ。そして、今は一人じゃない・・・そうだろ?」

 

と、ここに居ない協力者に問う。

 

当然のごとく返事は返って来ない・・・だがそれで良い。返ってきたらなにを言われるか分からない。と付け加えながら俺は、ごく自然に生死の境をまたぐ一歩を・・・。

 

 

歩んだ

 

 

 


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