IS 化け狐と呼ばれた男 リメイク   作:屑太郎

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準備は大事、大惨事

前回。色々とイタズラや、新たなるイベントと言う名の波乱の情報を得た。

 

まあ、俺としては前のイベントと同じように、台風が過ぎるのをおびえながら待つ子供の如く耐えるだけだ。

 

さて、今日は休日。惰眠をむさぼるために俺は何時もの如く布団を掛けた。眠いねぇ日光の暖かさが丁度いい子守唄になっている。あ、もうすぐ寝そう。

 

「電子くすぐり棒ってあったっけ?」

 

身の危険を感じて俺はすぐに飛び起きた。

…………あれ?誰の声だっけ?。俺は何処かで聞いたことがある声を探してきょろきょろと辺りを見る。

 

「一葉?ふざけるなよお前…………」

 

妙な武器とは思えない形状の棒を持って、俺のところを一夏のベットから見下していた。ベットの主はもう居ない、九時となったら完全に一夏はどこかにいってISの訓練か飯を食っている。どこに行ったんだ?

 

「いやいや?そっちに遊びに行くって言ったじゃないですか。」

 

「聞いてねえや。」

 

「ちゃんとメールで送りましたよ?」

 

「あ」

 

俺めんどくさくて一斉削除しちゃってたわ。そうだそうだ、それだ。完全に俺が悪いじゃねーかふざけんな。

 

「で一葉様。今日はいかような用事で?」

 

「むかつく。会いたくなったからって言うのと、それに近頃キャノンボールファストがあるって聞いたんですよ。」

 

ああ、また余計なことを聞いたな。まあ良いやとりあえず一葉のほうを向いておこう。

 

「だから、カゲアカシの整備にもきたってことか」

 

「ええ、私の作ったものは子供みたいなものですからね。いちいち気にかけてあげないと。」

 

そういいながら一葉は、むふーと鼻息を荒くした。めんどくさい妹だと感じながらもそれを近くにあった本を見流して聞き流す。

 

「それでですねぇ、にゅふふふふ。キャノンボールファスト用のパッケージがついに出来たんですよ!お兄さん褒めて!」

 

「偉い偉い。」

 

ってかパッケージってなんだっけ?

 

「ヒャッホー!!右手に持っていた本が無かったら嬉しさ100倍で死んでしまいそうでしたよ!」

 

「さすが自慢の妹だ!お兄ちゃんとして鼻が高いぞ。ほーれなでなで。」

 

俺は立っていた一葉を俺のほうに引き寄せて、頭をなでる。ヒャッホーゥ頭が爆発してしまいそうだね。このくらいやっておけば死ぬだろう。

 

「デヘヘヘヘヘヘ」

 

死なないな、おでこにでもキスしてやろう。

 

 

「おーい。一夏。あ」

 

 

扉が開いた。俺に極まともな神経をしていたらここで赤面の一つでもご披露できるのだが、そんなものは一度も持ちえていない。だが、俺は見られる人によっては顔色も変わるものだということを学習した。

 

最も、今回は赤面ではなく、顔面蒼白と言ったほうがいいだろう

 

何故なら、傍から見たら知らない女といちゃついているようにしか見えないこの状況下で。俺のクラスの担任、織斑千冬が扉を開いていたからだ。

 

え?これどうするの。俺ここで終わり?第三部完?

 

「失礼した…………ごゆっくり。」

 

襟元を正して逃げるようにここを出て行った。何かあったのか?一発ぶん殴るぐらいはしてくると思ったが、そんなことは無かった。

 

「やん、お兄さんとの蜜月を見られちゃいましたね」

 

いや、蜜月とか言うのはやってないはずだが…………まあいっか。後で半殺しの目に会うだけだろうし。殺さない、はず。

 

「はぁ。バカもほどほどにしてくれよ。」

 

飯にいくぞと一言声を掛けて俺はベットから立ち上がった。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

少し早めの朝食を食べた後、ISの整備室に向かった。俺がここに来たのはいつ振りか?確か、簪と仲良くなる為に、足しげく通っていたぐらいか。

 

あまり使わないしなぁ。それに、たまに使う時に酷い傷があるから回りの人を驚かせちゃうんだよなぁ。

 

「さてと、整備がてら、ちょろちょろっと弄っちゃいましょうか。」

 

言いつつスマホをISの待機状態に繋ぎいくらか操作をする。そのスマホも多分俺とは違い魔改造しているのだろう、ISがいきなり出現して形状を少しずつ変えていく。少しだけ、記憶にある形から変わっている。

 

具体的に仏像の後輪のような形のバックパック『灯火』が一回り大きくなっている。因みにそれにそれに多機能ビット『ペトゥル』が15個ほど付いてそれを閉じる事によってホオズキを背負っているような形になる

 

「よし、これでこちらが用意した『灯火』拡張パッケージ『虚口(すぐち)』です」

 

「もっといいネーミングは無かったのか?まあ、音声で勝手に使える機能があればいいんだけど。」

 

あっ、はいと言ってスマホを操作する。つーかそれでシステムを変えられるのかよ。

 

「で、まあ、虚口はですね。まあ、端的に言えば罠です。」

 

いいねえ罠。燃える武器の一つだ。

 

「灯火に増設したワイヤー射出装置。それが虚口です。まあ、ワイヤーにも色々な技術を詰め込んでいますが、そのうちの一つが、射出した二本以上のワイヤーをエネルギーで繋げて本当に網にしてしまうんですよ」

 

「へえ、ただのワイヤーとしても使えるのか?」

 

「もちろんです!」

 

ですよね、やっぱり変に汎用性が高いな。

 

「後、他に作るようなものありますか?…………といっても、手の加えようが無いんですけど。」

 

まあ、カゲアカシは第四世代とは言わないがもっとも完成された第三世代のISと言っても過言ではないだろう。

 

「そうだな。剣をくれ物理剣な。」

 

「なにをしでかすんですか?」

 

なにをしでかすって……………。

 

「色々試してみたいんだよ。それにビームサーベル見たいなのは装備されているけど、やっぱり軽過ぎるんだよなぁ。まあ、最悪ただのひらべったい鉄の板でもいいからさ。」

 

「なるほど…………。分かりました!全力で取り掛からせていただきましょう!」

 

鉄の板に全力を注がず、本来の目的である世界の科学技術の飛躍に対して熱意を向けてくれませんかね?まあ、そんなこと言ったら殺されそうだが。

 

「よし、これで材料は集まったな。」

 

「ええ、私達の技術力を世界に知らしめるためにも。勝ちに行きましょう」

 

俺は反芻する。この大会によって得られる利益を。そして、欲が鎌首をもたげて俺に襲い掛かってくる。その欲が俺をどうするかは分からない、だが今俺は。

 

 

「ああ、勝利をくれてやる。」

 

 

見なくとも分かる、俺の隣に居る妹を自称する奴の顔が。驚愕で目を見開いているだろう。

自分でも分かっている、らしくないことは。分かっている、絶対に俺は欲によって身を滅ぼすだろういうことは。

 

 

ま、いいんじゃない?それでも、俺にはやる、いや、やりたいことがある。

 

「ムフーそれじゃいっちょ凄いの作ってやりますか。」

 

俺と相棒のタッグが、キャノンボールファストをどうかき回すか。まだ、誰も知らない。それじゃあ、俺は情報収集にでも言ってきますかねぇ…………。

 


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