○月○日 全学年合同タッグマッチでの出来事。
この日、四つのアリーナで展開していた上に書いてある大会に五機の無人ISが襲来した。
教師部隊と、試合に参加していた専用機持ちが破壊。特例として専用機持ち相澤康一の一名が大会不参加となっている。
生徒のみで無人機を撃破したのは、更識楯無、更識簪、篠ノ之箒、織斑一夏の四名のみ、他は教師部隊との連携で撃破した。
関連性があると思い備考として書くが、IS学園で保有していた教師用ISが二機、練習用ISが四機。
盗難、もしくは紛失していたことをここに記す。
◆ ◆ ◆
俺は、歩みを進める。それはあるひとに会うためだ。
「やっはろー」
「…………ノックをしろ相澤。」
「すみませんね、担任殿」
俺こと相澤康一は、天敵…………じゃない、担任殿こと織斑千冬に会い来る為に、寮長室まできたのだ。
「まあいい、何か用事があってきたんだろう?」
「ええ、それはもちろん。」
当たり前の問いに、俺は当たり前に返す。なんで魔王のところに一般人が好き好んで乗り込まなければならないんだ?まあ良い、早めに本題に切り出すか。
「ことの顛末とかって聞かせてもらえませんかね?」
「はあ、立場が立場からな。良いだろう。」
一旦深い溜息を付いて、そうして担任殿が事務的に話した。
「無人機の襲来は分かっているな?」
「はい。」
「無人機は四つのアリーナに襲撃、生徒単体で撃退できたのは更識簪ペア、篠ノ之箒ペアだ。ほかは教師部隊と一緒にだ」
「よくやりましたね一夏も。」
「まったくだ。話せるのはこのくらいか。」
「…………少し、動けないのが辛くなってきましてね。」
「私も同じだ、気にすることは無い。」
だけど、それは動けないの意味が違う。俺は弱すぎて動けない、戦えない。対して強すぎるから動けない、戦えない。
「ま、冗談ですけど。………本当に、如何しようも無いな。」
「悩め悩め、そして私に言え。生徒の悩みは面白いからな。」
ちょっとイラッとしたので反撃に出る事にした。
「俺からしてみたら独身女性の悩みほど滑稽なものは無いですけどね。あれ?せんせいけkk」
ミシミシミシッ!
急に視界が暗転した。
「…………ハッ、俺は一体なにを。」
「おはよう、目覚めは良かったか?相澤。」
少し悪寒がする体を抑えながら受け答えする。
「それはもう。」
「なら良かった。…………今度言ったら粉砕する。」
「なにをッ!?ああ、それはそうと一夏の誕生日のことなんですが…………。」
「それか…………ケーキぐらいは。」
こうして夜が更けていった。