IS 化け狐と呼ばれた男 リメイク   作:屑太郎

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Oh...Let's party...

さて、色々あってこの文化祭が終わり、俺こと相澤康一の肩の荷も一つ下りたと言うものだろう。俺が骨折している時にはもう、喫茶店は終わっていたし、その利益を集計すると…………。

 

「…………ねえ、これ脅威的な数字だよね?」

 

と、会計を手伝っていた笠森さん(アレ?居たの?)がそう言った。

 

「フフフフフッ。さすがAK④⑦商法だ。百万越えするとは、正直俺でも驚いている。」

 

「私は君のキャラのぶれように驚いているわ。」

 

ま、一夏との撮影許可券1券に付き2000¥の注文だからな、がっぽり行くわ。俺のおかげか?まあ、ここまでくれば誰のおかげでもいいんだけど。

 

「それじゃ、この金で何かする訳でなかったら、打ち上げでもするか」

 

「え!?あれ、本気だったの?」

 

「YES。もちろん一定以上の売り上げを記録していなかったらやらなかったけど。」

 

嘘だ、元々やるつもりではいた。変な話、打ち上げは俺の罠に(無意識的ながらも)協力してくれた報酬みたいな物だ。打ち上げの幹事を笠森さんに押し付けようと思うくらいにはやる気がある。

 

「もうすでに用意はしているんだけどな。」

 

「なんというか、クラスの出し物と言い準備が早いわね。」

 

「チャッチャとやってチャッチャと帰ろうが座右の銘だった時がありましてね。」

 

「なにそれ?」

 

「それだから打ち上げもチャッチャとやりたいと思います!」

 

「へえ、ま、私も楽しみにしてるよ。」

 

「え?本当?それなら早く行こう!」

 

「え?」

 

俺は指を鳴らした。

 

 ◆ ◆ ◆

 

「ああ、これ、テレビで飛んだら別の場所に行く編集点だったんだ。」

 

虚ろな目をして目の前にある雑居ビルを見た。なにが不満なのだろうか?

 

「それじゃ行こうか。」

 

俺たちは会場に身を踊りだした。

 

 ◆ ◆ ◆

 

「はい!やってまいりました!幹事を勤めます私こと相澤康一の感想としては、サラリーマンが家から帰ってきて冷蔵庫を漁りビールを取り出し煽るようにして飲んだあと「くぅ~やっぱこのために生きてるなぁ~」と言うような気分です。さあ、騒げ!女ども!」

 

「「「「OK!Let's Party!!!」」」」

 

ノリの良い人たちである。こうして、俺の戦いは終焉を見せた。

 

「よ、康一」

 

「おう、一夏。最後まで渋ってたけど、結局出てくれたな、幹事としても嬉しい限りだ。」

 

一夏が話しかけてきた。全く女が居るのにそっちのけで俺に話してきやがった、ホモかこいつは。(この作品に同姓愛者を貶める意図は何一つ入っていません。むしろ作者としてはプラトニックな愛っていいよねと思います。)

 

「まあ、千冬姉から行くなって言われたんだけど。しょうがないよな。」

 

「一夏ッ、お前ってやつは!…………本当に!本当に来てくれて…………ありがとうッ!!」

 

「なんで消え入りそうな声で喋ってんの!?」

 

一夏から突っ込みが入った。良いねやっぱ男同士の会話も、バカっぽくていいもんだ。

 

「ま、冗談だ。立食パーティーみたいになっているから自由に取りに行ってくれ。」

 

オードブルや色々あるからな。冷めないうちに食って欲しいものだ。

 

「おうよ、じゃ、俺は先に行ってるぜ。」

 

「分かった。」

 

…………さて、この打ち上げは私服可だ。むしろ俺としては推奨したいのだが、その理由はアレだ、撮りたいんだよ!

 

「金にもなるしな。」

 

さて、じゃ一夏をストーキングしながら近づいて来る人を撮るか。最初に来たのは。

 

「あ!一夏!」

 

「どうした?シャルロット?」

 

「い、いや…………ちょっとね?」

 

一夏に話しかけて先手を取ろうとしたのだろうが、それに足る理由がなくて一夏の後を付いて行くだけになってしまった。そして、私服も良いね!

 

さてはてお次は。おお、ラウラさん。白のワンピースか。いいねぇ!

 

「嫁よ…………に、似合っているか?」

 

「ああ、似合ってるよ。」

 

はい!頂きましたー!赤面いただきましたー!ヒャホー!!

 

『それにしてもこの男、ノリノリである』

 

波乗りジョニーと呼ばれた俺には不可能はないぜ!

 

『ジョニーに何の力があるんだ!?』

 

 

『お前は、いっぺん地獄の苦しみを再度味わった方が』よし!次の人が来た!箒さんだな。綺麗なドレスを身に纏って一段とそのおぱーいが映えるぜ!

 

「…………な、何か行ったらどうだ?」

 

「あ、ああ、綺麗だよ箒。」

 

キタァー!!一夏の歯に衣着せぬ物言い!箒さんのハートに直撃ィィィィィィィィィィ!!!

 

「ば、馬鹿なことを言うな。」

 

そして赤めェェェェェェェェェェェェェェェェェンッ!!顔に朱が混じって良い表情です!おおっと、そこで箒さんが引いてしまった!そして入れ替わり立ち代り一夏の元に行く女性たち、その一つにオルコット嬢が行きたくてうずうずしているがなかなかいけないで居る。

 

というか、幹事の俺がなんでこんなことしているんだろう?。そこらへんの人の写真でも撮るか。

 

「あ、仲よさそうね。写真とってもいい?」

 

「いいよー。」

「撮って撮って!」

 

「はい!チーズ!…………後で渡すから。楽しみに待っててね~。」

 

「「「「はーい」」」」

 

とまあ、このようにカモフラージュをしながら一夏の後を追っている。オルコット嬢は、途中でクラスの友達と同じく一緒くたにされて話しかけていた。

 

え?凰?ああ、あの人は雑用だよ?…………今は二階上のホストクラブで雑用しているんじゃないかなぁ。

 

「康一君がとんでもなく下衆な顔をしている!?」

 

 

 

 ◆ 回 ◆ 想 ◆

 

俺はスマホをいじる手を止めて、一つの部屋に入る。その部屋の主は女であるが。ここに遠慮は要らない、別に欲情するわけでもないしな。

部屋に入る前にノックを二つ。名前と「入るぞ」とだけ伝えて、部屋の内部に入る。

 

「よう、凰」

 

「来たのね。」

 

男の俺を部屋に入れて少し警戒心を上げているのは、本名凰 鈴音、通称鈴だ。俺は凰と呼んでいる。

 

「で、打ち上げの話よ詳しく聞かせて貰うわ。」

 

そう、打ち上げのことだ。早すぎる話、凰は2組の転校生で、1組の打ち上げに好きな人がが居るというだけで行くのは少し、心が痛むと言うことだ。それなので…………。

 

「なに気持ち悪い笑みを浮かべているのy」

 

 回 ◆ 想 ◆ 終 ◆ 了

 

 

 

「なんで、こんな所で働いているのよ…………」

 

私が今、憎き男、相澤康一の策により、ホストクラブで働いているわ。なんでホストクラブなの?疑問が尽きない、もしかしたらチャラチャラした男に触れさせる精神修行の意味合いなのかも知れない。

 

それにしても、まだホストクラブなんてものがあったのねぇ、今では絶滅危惧種だって言うのに。

 

とりとめもないことを考え、周りのチャラチャラした男に声を掛けられながら私はしゃがんで黙々と作業を進めていく。あの男の話だと、適当な時間を見計らって連絡を寄越すとは言っていた、それを信じるしかないと思う。

 

その時、私の後ろに人が立つ気配がした。私の立場上、命を狙われてもおかしくはない、緊張しながら私のデットゾーン(自分が最大限に有利になる領域)に獲物が入るのを待つ。そして獲物がデットゾーンに入り私はしゃがんだ状態から脚に蓄えたエネルギーを伸ばし、踵を斜めからたたきつける。

 

「おうわ!?」

 

「あらっ?」

 

だが、その一撃は空を切り、その避けた人物をみると、私が警戒していたのはチャラいホストで、驚いて尻餅をついて避けられたのだった。…………なによ脅かせないでよね。胸を撫で下ろし、ホストに謝っておこう。

 

「ごめんなさい、ちょっと驚いちゃって。」

 

「い、いや。大丈夫だよ…………それより、僕はここのオーナーなんだけど、どうして君はここで働いているんだい?」

 

「え?知り合いに手伝えって頼まれたからよ?其方に連絡は行ってないの?」

 

あれ?もしかして私これ、嵌められた?

 

「…………あー、いやこちらも知り合いにそんなこと言われたような気がする。」

 

わたしが言えることじゃないけど、知り合いはちゃんと選んだほうが良いと思いますよ?、と言いかかって止めた。

正直、わたしがここで嵌められてこうしている時点で同じ穴のムジナだ。

 

「そうですか、それなら良かったです。」

 

「しかし、あの男も酷いことさせるね。こんな女の子に仕事をさせるなんてさ。」

 

ウザイ。父のようにウザイ。

私は両親が離婚し中国に帰国そしてまた代表候補になって日本に戻ってきた、と言う経緯を持っている。

こっちに残った父親は知らないが、記憶の端から辿っていけば、厳格か溺愛かのベクトルは違えど中学のころにはウザイと感じていたが、感謝はしている。

 

「いえ、それで止めていいのでしょうか?」

 

とりあえず嵌められたとは言え、康一の顔を潰す様な…………いや潰していいのか?

 

「うん、問題ないよ。」

 

「そうですか、それでは失礼しました」

 

ああ、やっと荷物運びから逃れられ、一夏に会いに行ける。

 

「あ、そうだ。」

 

「なんです?」

 

「頑張れよ鈴。」

 

「そうですか。それでは。」

 

私は曲がり角でダッシュするようにエレベーターに乗った。

 

…………あれ?あのホストに名前を名乗ったかしら?

 

 ◆ ◆ ◆ 

 

 

 

「なにそれ怖い。」

 

「E!?」

 

とまあ、凰の話から総合するに、めっちゃ面白い事になっていたと言うことが分かった。

 

「クククッお前も有名になったもんだな。」

 

「代表候補生だし、名前顔を覚えられても仕方ないわよねぇ…………」

 

そう思い当たったのか、勝手に納得してまた一夏の元に駆け寄っていった。ま、整形技術が凄いからね気が付かないのも無理はない。

 

「さて、俺もパーティーを楽しむとしますか。」

 

こうして俺は人ごみ中を行き、からかう為にその歩みを進めた。

 


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