迷い家のお椀   作:ハム饂飩

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作者が麻雀素人でスマンな。シロちゃんに役満上がらせたかっただけなんや。強引でご都合主義な展開だけど仕方ないね。


でもコレで友達が増えるよ!ヤッタネシロチャン!


塞さん出てきてるけど、名前すら教えてないぞ!なお次の話ではもう普通に喋ってる予定の模様。たぶん夏祭り回になる。

あと京ちゃんハンドボール部…どうしようか。ちゅ、中学から始めさせるから(震え声)


第五話

年が変われば学年も変わる。当たり前のことだ。私は今年から中学生。

 

中学になってから私の周りの環境は一気に変化した、と思う。

 

中学校でも麻雀を打ちたがっている人を見るようになった。この辺りは田舎だから娯楽があまりない。

しかし、最近の麻雀ブームは田舎にも影響があったのか、最近麻雀喫茶が近くにできたらしい。

いや、こんな田舎にまでそういう店ができるのだ、ブームなんてレベルではないのか。

 

そこはどうでもいい。私にはあまり関係が無いことだから。問題があるとすれば、

 

 

「小瀬川さん!今日一緒に麻雀しない?」

 

 

「…今ダルイから、また今度誘って…」

 

 

「ありゃ、今日もダメみたい。じゃあ今度ね!」

 

 

やけに同性にモテはじめた感じがすることだ。なんでだろう、確かに周りより少し背が高いような気はするが、男に見えるような体つきではないはずなんだけども。

胸も最近少し出てきたしなぁ…とか考えたり。

 

あぁ…ダルいなぁ。普通に友達とか、そういう関係になりたいのならまだ対応できるのだけど、先ほどの彼女は明らかにそういう目つきではない。

あれは獲物を狙ってる目だった。こわい。

 

一度だけだ…と思って麻雀を打ったのが間違いだったのだ。それ以来いろんな人が来るようになった。ほぼ女だけど。なぜかラブレターも来た。やっぱり女から。

 

 

「ダルい…」

 

 

その麻雀を思い出す。表情は陰り、気分は曇る。ちょっと調子に乗ったかもしれない。天気を見てみればそちらも曇りだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入学してから1週間、中学といっても、小学校がそのまま持ち上がったような面子。初めて見る人たちは少ない。…いや覚えてないだけかもしれないが。

 

つまり、なにが言いたいかというと、親睦のための時間は必要ないということ。それなのに、、

 

 

 

「ツモ!2000・4000!これで暫定トップだね!」

 

「あちゃー、逆転されたか…でも次満貫上がれば私達のチームがトップだよ。7000点差だし。」

 

「ラス…」

 

「私達も差を付けられての3位…駄目みたいですね…」

 

 

 

「………」

 

 

 

クラスでのレクリエーションと称して、何故か麻雀大会が始まったのだ。

 

ルールは簡単、クラス全体を四分割して、チームをつくり、半荘を打つというシンプルなものだ。

 

トップのチームにはお菓子が美味しい店の割引券が配られるらしい。正直要らない。早く帰りたい。

 

 

「オーラス、まだ打ってない人が行くべきだよね?」

 

「じゃあ…小瀬川さんだねー」

 

 

ずっと端の方でおとなしくしていたけれど、不参加は認められない空気。もう逃げ場はなかった。

 

 

「だ、ダルいなぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南四局0本場 親 シロ ドラ{八}

 

シロ 40700

南家 11200

西家 33700

北家 14400

 

 

 

 

オーラストップ目だから、無茶なことをせずに速さだけ考えていればいい。できれば天和で…

 

 

 

{三三八八一筒二筒六筒33[5]6中北發}

 

 

そんな物なかった

 

…鳴いて進めるには遠すぎる…しかも対子の1つはドラときた

 

ツモ次第…だなぁ

 

 

打{北}

 

 

 

 

南家 

 

 

{一二五九七筒八筒22799東白}

 

ツモ{5}

 

(3位にもなれそうにない配牌だわ…どうしよう…とりあえず…)

 

打{東}

 

(トップには役満条件とかちょっとつらいなぁ)

 

 

 

 

西家 

 

 

{一筒二筒四筒[⑤]七筒八筒九筒368南南西}

 

(配牌二向聴…!しかも一通ドラ1でリーチをかければ条件クリア…!ツモが良ければ…)

 

ツモ{7}

 

(嵌張引いての一向聴…!この引き…もうなにも怖くない…!)

 

打{西}

 

 

 

 

北家 

 

 

{六七九2579南南北白發中}

 

(あ、コレもうだめだわ)

 

ツモ{3}

 

(南チャンタ三色ドラを西家に当てれば2位…くらいしか無いね

 

でもそんな都合よく行くはず無いし、いきなり{5}切ってまで行きたくない。トップか2位が上がって終わるでしょ)

 

打{發}

 

 

 

 

流れというものはやはりあるのだろうか、クラスメイトたちはそれぞれの配牌を見てそんな感想を抱く。

 

しかし、それぞれの打ち方で前に進もうとしている。打ってなくても見ているだけで楽しめる。それがあまり喋らない人でも、だ。

 

そんな良い雰囲気でオーラスは進んでいった。

 

 

 

 

6巡目、シロのツモは{八}、ドラである。

 

 

{三三八八二筒四筒六筒(横八)六筒33[5]6中}

 

コレでドラはほぼシロが握り潰した形になり、赤が3枚なので、他の人がドラを全部集めてやっと三枚。そうでなければ満貫には役を絡めなければならない。

 

 

(2位も流石に運任せでリーチ一発裏裏狙いなんてことはしないよね…。)

 

 

打{中}

 

 

(ドラが雀頭とかも無くなったし、楽になる。)

 

 

そう思っていたのだが、運はまだ相手にも有った。

 

 

「リーチ!」

 

 

西家がリーチをかけてきた。

 

西家 捨て牌

 

{西東七筒1四筒横3}

 

 

(この場面だし、リーチってことは、リーチ入れて満貫確定…かなぁ…

 

しかも捨て牌が東からリーチまでツモ切りでヒントがほとんど無い…ダルい…)

 

 

この時の西家の手牌は、

 

{一筒二筒四筒[⑤]六筒七筒八筒九筒678南南}

 

(リーチ一通赤1!萬子も引いてきてないし手出しも殆ど無い、捨て牌からは読めないでしょ!)

 

辺{三筒}待ちである。

 

 

 

ツモは良かったが、西家に不運があるとすれば2位と3位以下の点数が離れすぎたことと、リーチをかけなければ満貫にならなかったことだろう。

 

 

北家 

 

 

{[五]六七九九筒(横四筒)234579南南}  打{四筒}

 

 

シロ 

 

 

{三三八八八二筒四筒六筒(横1)六筒33[5]6}  打{1}

 

 

南家 

 

 

{一二五六七筒八筒(横一)2257999}

 

(うわ…萬子1枚も出てないよ…ラスだし、突っ張っても勝てない…降りよう)

 

打{七筒} 

 

 

そう、この状況でリーチがかかれば、当然のように3位とラスは降りてしまうのだ。

 

つまり、もうシロと西家の勝負になったということ。この展開に周囲はざわつき始める。

 

 

西家は一発でツモれずに悔しそうに{②}を捨てて、南家も北家も現物を切っていく。

 

次順、北家が{7}を切る。

 

シロの鳴ける牌である。しかし、シロはそれを一瞥すると、そのまま山から牌をツモった。

 

 

シロ

 

 

{三三八八八二筒四筒六筒(横六筒)六筒33[5]6}

 

(重なった…一向聴、{7}鳴かなくて良かった。

 

鳴いてたら{3}以外に、南家にツモられてたこの{六筒}か{三筒五筒}、河にほとんど出てない萬子の{三}を鳴くかツモるかしか無かったか…

 

現物になった{二筒四筒}を切って、後は相手がツモらないでいてくれるのを祈るしか無い…)

 

 

打{二筒}

 

 

 

南家

 

 

{一一二三五六八筒(横2)225999}

 

(現物が無くなっちゃった…{3}でリーチだし…暗刻落とすなら{2}よりは{9}…かなぁ)

 

打{9}

 

 

 

西家

 

 

{一筒二筒四筒[⑤]六筒七筒(横中)八筒九筒六索七索八索南南}

 

(うぅ…ツモれないし出ないなぁ…)

 

打{中}

 

 

北家

 

 

{[五]六七九五筒九筒(横三筒)23459南南}

 

(宣言牌の{3}を切ってもいいけど…親はそこらへん切ってないんだよね…先に今通った{9}切っておこう)

 

打{9}

 

 

そして…

 

 

シロ

 

 

{三三八八八四筒六筒(横三)六筒六筒33[5]6}

 

(張った…誰か最後の{7}出してほしい…

 

しかし、もう少し落ち着いてくれないかなぁ…)

 

打{四筒}

 

ついにシロが聴牌すると、それに比例するかのように回りがざわついてしまっている。

 

 

(ダルい…張ったのばれる…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西家、シロのお互いのロン牌は出ず、1順して、またシロのツモ番が来たときだった。

 

 

 

{三三三八八八六筒(横西)六筒六筒33[5]6}

 

 

要らない、完全に安牌の西。リーチ者が切っていて他の二人はベタオリ。100%不要牌のこの牌は、

 

 

 

「ちょいタンマ」

 

 

 

シロに迷いを創りだした。

 

 

 

(普通ならノータイムでツモ切りレベルの牌なのに、手が止まった。()()()()()()()()()()()()()()()

 

西家は第一打で切ってる。まず持ってない。…ベタオリの二人も、こんなものツモってきたり、手に持ってたらすぐ捨てるよね。)

 

 

 

 

つまり、この手が更に、高くなるってことは

 

 

 

「変だけど、コレで」

 

 

 

打{6}

 

 

 

 

周囲のざわつきがひどい。どんな打ち方をしようと個人の勝手だろう。私は、今までの私と同じことをするだけ。

 

 

一緒に打ってる三人も1位のラス親が、2位のリーチに対して降りたのか?と言う目で見てくる。関係ない。

 

 

西家は上がれず、次の私のツモ番が回ってくる。

 

 

 

ツモ {西}

 

 

 

ほら、見つけた。迷いの先への道標。

 

 

 

打{横[5]}

 

 

 

「…リーチ」

 

 

 

気分が良い。教室の中なのに、私だけ、違う世界にいるみたいな感じ。どこかで感じたことがある。いつだったか。

 

 

また私のツモ番。対面は上がれなかったみたいだ。

 

 

どれだけ、おかしいと思われようと、コレが彼と一緒に麻雀を打って気づいた、私の打ち方。

 

 

あぁ…そうか、彼と初めて会った時もこんな気分だった

 

 

 

{西}

 

 

 

たどり着いた、迷いの一番奥底に。

 

 

 

「ツモ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春先の長閑な田舎の学校。その中の一クラスが全員で一局の麻雀を見ていた、と言う状況のせいで外のあったかーい陽気よりも雰囲気は熱くなっていた。

 

特に、今1位のチーム。オーラスの打ち手が。ものすごい上がりを出した。

 

しかもその打ち手は今までろくに関わることのなかった人物だ。さらに注目も集まるのは仕方のない事。その人は麻雀が終わるとダルそうに賞品のチケットを受け取って、ふらつきながら帰っていった。

 

かっこいい、とか、すごい、なんて陳腐な褒め言葉が飛び交う中。

 

シロ手牌を注視しているのは所謂『オカルト』の力を持った少女、臼沢塞だった。

 

 

 

(明らかにおかしいでしょ、山に西があるからって…聴牌崩してまで四暗刻に行く理由がある…?あるとしたら、西をツモることでも分かったって?

 

私みたいに、何か特別な力でも持ってるの…?よくわからないけど…)

 

 

「悪い気はしないかなぁ…」

 

 

 

しかし、

 

 

(相手がオカルト使ってるかどうかわかる便利アイテムとか無いかなぁ…)

 

 

それがあれば『塞ぐ』のが簡単になるんだけね。




ぬわぁぁぁぁん疲れたもぉぉぉん!


(もうしばらく麻雀描写はやら)ないです。

(てかコレで4,000字行ってないとか考えたく)ないです。

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