風邪ひいたからかな?(無関係)
お気に入り30件ありがとうございます。完結まで頑張るわー
時間は昼過ぎ、夏の暑さやうるさい蝉は相変わらずで、違うことといえば今は麻雀を覚えようとしている事くらいか。
京太郎が掘り出してきた麻雀セットを使って何度か打っているが、麻雀というものはとてもダルい物だと気がついた。
まず山を作るのがダルい。テレビでは勝手に山が作られる仕組みのあるテーブルみたいなのが有ったけど、そうそう個人の家で持てるようなものではないらしい。
私も京太郎も、山の牌の数を間違えたり、上に乗せるときに崩れてしまったりとひどかった。
次に牌をツモるのがダルい。手を伸ばして掴んで捨てるという行動を繰り返さなければいけない、とてもダルい。配牌で毎回和了っててくれないかな、とか思ってたりしたけど、そうそうそんなことは無いわけで。
「ダルいなぁ…」
牌をツモるたびに言っている気がする。でも仕方ない。やっぱりダルいものはダルいのだ。
また困るところをツモってきて軽く考えこむ。
「…ちょいタンマ」
よくわからない麻雀のことで悩んでいても仕方ないのは分かってるが、コレは勝負事、やるからには勝ちたい。なぜなら最近、京太郎は私のことをお世話していると思い込んでるふしがあるのだ。
バシッと勝って、京太郎にどちらが上か思い知らさなきゃいけない。プライドの問題なのだ。
深く考えるより思い切ったほうがいい気がしてきた。結局運なんだ、この手のものは。
「じゃあコレ」
私は直感で牌を切る。悩むといい方向に物事が進むのは麻雀にも影響するのだろうか。何故か調子が良い。
「また最初から変な所切って…頑張ってよシロ姉ちゃん。俺が代わりに打つわけにもいかないんだしさ」
その一言で私の頭に電気が走った気がした。
「その手が有ったかぁ…」
「いや、無理だから」
まるで天啓を受けたかのような私と、呆れ顔の京太郎のそんな会話を聞いて、おばあちゃんはおかしそうに笑っていた。
「あ…そろった」
持ってきた牌で、ちょうど3つを4つと同じの2つそろったので私は牌を倒す。
テレビみたいに綺麗に倒せなくて何牌か倒れず残ってしまった。ダルい。
「えっと…これ何点?」
今日始めたばかりの私じゃわかるはずもない。だから計算はおばあちゃんに頼む。
「えっとねぇ…混一色一通のツモだから、跳満だね。12000点だよ。でも三人麻雀だから、どうしようか…」
慣れてるはずのおばあちゃんが何故か悩んでいる。確かにテレビだと4人でやってるから、1人足りない。それでも麻雀はできるのか。
「じゃあ仲良く折半でいいかな、ほら京太郎、7500点払いなさい。おばあちゃんは4500点払うからねぇ」
「えー!おばあちゃんが多い方渡せばいいじゃん。なんで俺のほうが点数減るんだよ!」
「親は京太郎だからねぇ、もう忘れたのかい?」
「うぅ…」
悔しそうに箱から点棒をこちらに渡してくる京太郎と、笑いながら渡してくるおばあちゃん。仲のいい家族だと思う。
たしか、今のが最後だったはずだから、これで私の勝ち。
これで少しは年上の面目は保てた…はず。悔しそうに私の点箱を見ている京太郎に点箱をゆすって音を聞かせてやると、京太郎は叫びながら走り去って行ってしまった。
「もう姉ちゃんなんか知らない!ご飯もよそってあげないからぁ!」
今日は両親が遅くなるらしいので夕食は京太郎の家で、らしい。
別に一人でもいいんだけどなぁ…と思っていたが、母親的には私が自分で食事を用意することが想像できないようで。
なぜかきっちりおばあちゃんにもその話は伝わっていた。娘を信頼してないのだろうか。
夕食の時間になってもまだ京太郎は膨れたままだったけれど、きちんと私の食事も持ってきてくれるあたり根が優しい。
作り立ての食事のいい匂い。おなかが減って仕方がない。
「ほら、豚の生姜焼き。食べてみてよ」
「…うん。おいしいよ」
柔らかくて、味もしっかりとついていて。すこし、焦げているけれど。そんなの気にならないくらいにおいしかった。
「良かったね、京太郎」
「うん、頑張ったかいがあった。今日のおかず、俺が作ったんだぜ」
…びっくりした。いつの間に料理など覚えたのだろうか。
最近、やることがあるといいながらさっさと帰っていたのはこのことだったのかもしれない。
「いや、さ。やっぱりおばあちゃんばっかりに作ってもらってるから。料理くらい手伝ってあげたくてさ…」
私のコップが空なのが気になったのか、麦茶を注ぎながら答える。うん、ダルくない。やっぱり京太郎は優しいのだ。
「…私も、料理覚えようかなぁ…」
「え…シロ姉ちゃんが料理…?」
私の言葉が予想外だったのか、なにか恐ろしいものを見る目でこちらを見てきた。
そこまで私はだらけている印象なのだろうか。ちょっと話し合う必要があるかもしれない。
私の家へ帰り道、京太郎はなぜか私についてきた。いわく、一人で帰すといつ座り込むのかわからないらしい。ダルい。
街灯がぽつぽつとある田舎道をゆっくり歩く。昼の蝉はどこへ行ったのか、今では名前も知らない虫の声が響く。
ゆっくり歩いていると、少し遠くの方で何かが光ったのが見えた。
「そういえば…お祭り、今日だったね」
近くの町で、小さいお祭りが開かれることをすっかり忘れていた。行くつもりもなかったけど。
「そうだね、シロ姉ちゃんとはお祭り、行ったことないけどな」
「だって、ダルイし」
「いつも通りのシロ姉ちゃんで安心したよ」
料理覚えようなんて言うからシロ姉ちゃんの偽物かと思った、などと失礼なことを言う京太郎は拳骨でぐりぐりしてやった。慈悲はない。
それはともかく。
「来年、一緒に行ってみようか」
「え…」
「ちょっとお仕置き足りなかった?」
「じゅ、十分いただきました…」
京太郎とお祭りに行くのは、ダルくないと思うよ。
シロちゃんまだ無自覚(恋心的な意味でも依存的な意味でも)
とりあえず麻雀覚えさせて中一のクラス編成の時にあのお二人とは会ってもらうことにした。
てきとー加減がさらに増してる。どうするべきなのか
(追記)
他の作品みて、やっぱり麻雀描写少し入れようと思うから次遅くなるね。ない頭必死に絞って牌譜作ってくる。一局だけね(小声) テスト
{一筒
{1234[5]6789} {横東東東■}