転生して原作キャラと仲良くなりたい。@異世界から問題児がくるそうですよ?   作:冬月雪乃

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第6話

両手に持つは黒鍵。

投げつける。

しかし、軽く薙ぎ払われた。

さしもの鉄甲作用も当たらなければ意味はない。

 

「ち、ならば……X-wi!」

 

私の背後、光の翼が展開される。

量子化を解くのは折れても折れても瞬時に復活する青龍刀、無列。

空中から叩きつけるように斬りかかる。

当然刀身は折られるが、気にせず振る。

 

「ぬ!?なんだその青龍刀は……!」

「銘を無列。超高速無限再生概念をなじませた概念兵器だ。--そして、・--攻撃力は無限となる。範囲、このゲーム盤内」

 

斬りかかる。

火の玉やら何やらが飛んでくるが、それらを無列で相殺。

 

「なるほど、強化のギフトか!」

「さてね!」

「ならば……これならばどうじゃ!」

 

炎の弾幕。

あまりの密度に、無列では追いつかない。

が。

私に当たる瞬間にはすでに、白夜叉の背後に移動している。

時間遡行カウンター。

 

「そら、スターライト・ブレイカー!」

「なんと!」

 

極太の桃色ビームが白夜叉を飲み込んだ。

続いて、量子化を解くのはG-sp3。

私用に調整した10th-G概念核兵器だ。

つまり、この槍には世界一個が詰まっている。

 

「一気に決着をつける。第三形態!タイタニック・ランス!」

 

槍の穂先がズレて、中から砲身が現れる。

引き金を引くと、雪原を噛み砕きながら巨大な光の龍が射出される。

 

「--……ふぅ……どうかね白夜叉。今のような攻撃が、あと十二通りはあるが」

「……甘い、と言わざるを得ないのぉ」

 

光の龍が断ち割れた。

平然と立つ人影は確かに白夜叉で。

 

「……ふむ。・--文字は力の表現である」

 

腕に書く文字は銃身。

弾丸を意味する文字を幾つも書き出し、人差し指から射出。

 

「ほぉ、それがおんしのギフトか。面白い」

「ふふ。ただの弾丸と思っていただくと痛い目を見るよ、白夜叉」

 

弾丸は白夜叉に腕で弾かれる。

 

--貰った。

 

腕にストックした弾丸に文字を書き足す。

 

“昏倒弾頭。当たりもう一発”

 

射出。

しかし、白夜叉は私の言葉から何かを悟ったのか、回避を選択。

通り過ぎた弾丸は大きく迂回し、白夜叉を追尾する。

 

「残念。先ほど当たっていたので、この一発はおまけだ」

「ふ、舐めるな小娘!」

 

プロミネンスという太陽の活動がある。

白夜叉から放たれたそれはまさしくプロミネンス。

呑まれた弾丸は消滅。

私ごと焼き払わんとせまる。

 

「・--温度は低下する」

 

私は全力で概念を作り、プロミネンスを凍りつかせる。

目の前まで肉薄されたが、なんとか間に合った。

危ない。

 

「……ッハァ……ハァ……」

「だいぶ息が上がっているようじゃの。ほれほれ、今ならおんしが土下座したら許さんでも無いぞ」

「……ふ、・--願いは、叶うッ!」

 

--凍ったプロミネンスがいきなり復活して、白夜叉を燃やしたらいいのに。

 

果たして、私の願いは叶えられたのだろうか。

体力の大幅な消耗により薄れ行く意識の中、灼熱を感じ、慌てる白夜叉の声を聞いてほくそ笑みながら私は気絶した。

 

 

 

 

 

 

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「……ここは……」

 

サウザントアイズ内らしい。和室に私は寝かされていた。

辺りを見回すと、黒ウサギがいて、笑顔で寄ってきた。

 

「あ、気がつきました?詩織さん。白夜叉様相手に大健闘でしたね!」

「引き分けに持ち込むつもりだったのだが……太陽と白夜の星霊相手にそれは無謀だったか」

「えぇ、ほとんど白夜叉様無傷でしたし」

「……それは……自信が無くなりそうだね……」

 

結構全力だったんだが。

向こうからほとんど攻撃してこなかったし。もしかしたら概念作ると体力使うのばれていたのかもしれんね。

もしかしたら様子見の段階で私が勝手に自滅しただけかもしれないが。

……全く、本当に強くて腹立たしいね。

 

「で、問題児一行はどうなった?」

「えっと、十六夜さん達は挑戦を挑み、見事勝利しました。景品として、ギフトカードをいただきましたよ」

「……ふむ。物々交換でいただけるだろうか」

「……えっと、物次第かと……」

 

ふむ。

概念核兵器とならイケるか?

……あ、蜻蛉切が大量にあったな。

試作なので性能はマチマチだが。

 

「では白夜叉のところに案内してもらえるかね?」

「えぇ。みなさんお待ちです」

「私待ちかね」

 

襖をあけると、すぐに白夜叉の部屋だった。

 

「おんし、わしが反撃を始めるまえに自滅しおって……わしは不完全燃焼じゃ!」

 

スルースルー。

 

「おぉ、起きたか詩織」

「怪我、ない?」

「よかったわ……」

「ふむ。心配をかけたようだね、諸君。申し訳ない」

 

素直に頭を下げると、その場の全員が意外なものを見たような顔をした。

……なんだか無性に腹立たしいね?

 

「……何かね」

「……実は凹んでる?」

「盛大に、な」

 

トドメは黒ウサギだが。

 

「ふむ。おんしのギフトも知りたいところじゃが、教えてくれるかの?」

「……よかろう、白夜叉。逆に問うが、諸君らは私のギフトをどう捉えている?」

「高速移動、攻撃力強化、意味不明なビームを出す」

「……身も蓋もないね。では答えは、概念--物事の究極の理由。物事が『そう』在る為に必要な、絶対の『理由』--それを操ったり作ったりする能力と、攻撃を受けると背後からカウンターを仕掛ける能力、そしてビームを放つ能力だ」

「ほう、ギフト名が気になるところじゃな」

「それについてだが、白夜叉。この試作蜻蛉切三千本くらいとギフトカード、物々交換は可能かね?」

 

蜻蛉切を一本だけ量子化を解く。

白夜叉に渡すと食い入るように眺め出した。

 

「……ふむ……どんな武器かの?」

「刃に映した対象を割断する武器だ。試作なので性能はマチマチだが」

「……ふむ……まぁ、大丈夫であろう。ほれ」

 

拍手を二回。

私の前に現れたのは透明な水色のギフトカード。

 

七海詩織

“概念創造(クリエイトコンセプト)”

“時間遡行反撃”

“星砕の光線(スターライトブレイカー)”

 

スターライトブレイカーはそういう意味じゃないと何回言えば……。

 

「というか、現物を見なくて大丈夫なのかね?」

「このレベルなら一本だけでも構わんよ。……多分」

「とりあえず、三千本は隣の部屋に置いておくよ、白夜叉」

「見せて見せて」

 

耀が近づいてきたのでギフトカードを渡す。

 

「……星砕の光線って……」

「時間遡行反撃なんて反則ね」

「概念創造の方が反則じゃね?」

 

三人集まってなんだか議論を始めたのでギフトカードを取り上げ、手早くISコアに登録、量子化して仕舞い込む。

 

「ほぉ、優れた科学者でもあるのだな、おんしは」

「これでも未来では教科書に載っているらしくてね。どう書かれているかは知らないが」

 

知っている耀が挙手したので発言を促す。

 

「世界の九割を征服したけど囲まれて倒された悪の科学者……」

「……まぁ、そうとられるように動いたが」

 

十六夜が爆笑し始めた。

 

「言っておくが、囲まれて倒されたのは八百長だ」

「そ、そうよね、あれ程好き勝手暴れられる貴女を囲んで倒すなんて事出来る人がいるわけ無いものね」

 

残念ながら二人程いたが。

 

「まぁ。それも過去の話だ。さて、そろそろコミュニティに案内していただけるかね?」

 


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