転生して原作キャラと仲良くなりたい。@異世界から問題児がくるそうですよ?   作:冬月雪乃

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第11話

「十六夜は本当に人間なのだろうか」

「完全にイエスとは言えませんね」

 

超高速で飛来する槍を素手で殴り返すなど、完全に人外の所業だと思うのだが。

回避が難しい様なので私が・ーーものは下に落ちる。の概念を使って砕け散ってショットガンみたいになった槍を落とし、それでも抜けてしまった槍の破片から守る為に黒ウサギがレティシアを掻っ攫う。

範囲で絞らずに砕けた槍にすればよかった。

ついでにギフトカードを見れば、レティシアが魔王のギフトどころかほとんど全てのギフトを失っているらしい。

 

「ヤハハ、お前だって出来るだろう?」

 

それは言外に自分ごと私を人外だと言ってるのかね。

だが残念。

 

「私だったら別のものに作り変える程度だ」

「それは十二分に人外ですよ!?」

 

なに、私が人外ではなく、私に与えられた能力が外れているだけなのだよ。

そんな益体のない漫才を繰り広げていると、褐色のレーザーが飛んできた。

 

「ゴーゴンの威光!?」

 

障害となる全てを石化させて私達を--正確にはレティシアを狙って撃たれたそれに黒ウサギがウサ耳を立てて反応する。

 

「ふむ。撃ち返すか」

 

スターライトブレイカーで威光を相殺。

当たったそばから石に変わり、地面に散らばるが、何一つ問題はない。

 

「・--名は力を持つ。スターライトブレイカー・ストライカー」

 

スターライトブレイカーの名前を変更。

褐色ビームを引き裂くように貫通し、夜空に花を咲かせる。

 

「汚い花火だね」

 

ノーダメージに近いようだが。

 

「さて、レティシア君。君は本館にでも入っていると良い」

「しかし--」

 

だがレティシアは動かない。

まぁ、問題はないが。

 

「十六夜、黒ウサギ。荒事の準備と行こう。まずはそうだね、交渉からといこうか」

「イキイキしてんなオイ」

 

そうだろうか。

 

「ノーネームごときが我らに楯突くだと!?」

 

なにを当たり前な事に驚愕しているのだろうか。

それとも彼らは自宅に武装した集団が現れてビーム乱射してても権力者だったりしたら放置するとでも言うのか。

 

「やぁ諸君。はじめまして。--死ね」

 

その場の全員が凍り付いた。

 

「な、な、なんてこと言ってるんですか詩織さん--ッ!」

「すまない、口が滑ってね。思わず本音が」

 

ガクガクと私の肩を掴んで揺らし、涙目て叫ぶ黒ウサギに笑いかけるとハリセンで叩かれた。

 

「き、貴様ら我らを“ペルセウス”と知っての狼藉かッ!」

「うん?あぁ、五流エンターティナーコミュニティが君たちなのかね。--なるほど」

「貴様……!」

 

石化ビームが飛んできたのでG-sp3の砲撃で相殺。

世界が一つ込もった砲撃を舐めないでいただきたい。

 

「ふむ。何用かね?それ以上の攻撃は我々“ノーネーム”への敵対行為と見做し、速やかに排除するが」

「ち、“ノーネーム”ごとき気にする必要はない!吸血鬼を石化させろ!」

 

リーダーらしき男の指示で再び褐色ビームが現れるが、スターライトブレイカーで再び相殺。

さすが“星砕の光線”あっさり相殺してくれる。

 

「邪魔者は切り捨てろ!」

「今度は白兵戦かね」

 

血気盛んな事だね。

計画通りだが。

 

「では、ノア君。格納したまえ」

『--tes.--------以上』

 

私だけに聞こえるノア君の声と共に上空に巨大な竜の頭部が現れ、男達を巻き込んで閉じた。

瞬間。空にあった“ペルセウス”の男達が竜の頭部ごと消え失せた。

上空に展開した概念空間内に待機させた全長15kmの大機竜レヴァイアサンの内部に飲み込ませたのだ。

背後で目を剥いている三人に笑顔でこれからのプランを提案してみる。

 

「武装解除の後、コミュニティの土地を荒らした現行犯で拘禁。“サウザンドアイズ”経由で“ペルセウス”へ引き渡しと謝罪を要求。こんなところだろうか」

「妥当ではありますが……なんというか、流れるような作業だったのですよ……」

 

計画通りだからね。

 

「で、どうすんだ。最悪、その場でゲームになるかも知れねぇぞ」

「問題はないよ。交渉事には心得があってね。--何故か大体結論として戦闘するが」

「それなら全く問題無い……ってそんなことは無かった!?」

 

面白くなりそうだと笑う十六夜を尻目に、私たちは明日に備えて睡眠を取ることにした。

なお、レティシアは逃亡の恐れがあるので概念式強制催眠術でしばらく寝ていてもらう。

石化するよりは良いだろう。

 


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