ということで刈り取る者とのバトルです
感想、本当にありがとうございました!
ゆっくりしていってね!
護衛の彼を殺した刈り取る者はこちらを見る…。
見られただけでも動けなくなるほどの恐怖…ゆっくりと猟銃が聖天子に向けられる…聖天子は恐怖で硬直し、動けてない…。
ただずっと刈り取るものを見つめて目を見開き、体を震わせている。
俺も体がほぼまったく動かない…。
動け動けといくら命令しても体はまったく動かない…。
刈り取る者の猟銃のトリガーにゆっくりと指がかけられる…。
やばいやばいやばいやばい…!
(仮夢!)
突如頭の中に響いた声、その声を聴いた瞬間体が弾かれたように動き出す…刈り取る者は銃のトリガーを引き、聖天子へ弾丸が飛ぶ。
俺は右手に持った剣で聖天子へ飛ぶ弾丸を斬り、そのまま刈り取る者との距離を詰める。
刈り取る者は俺の方へ銃口を向けるが、銃を向け、引き金を引くより早く、俺は銃を剣でぶっ叩く。
いや、本当は斬るつもりだったのだが、あの銃、めっちゃ硬かった…。ので斬れずに叩いた形になってしまった…。
銃を叩いて弾くと、刈り取る者はふわっと重力を感じさせない動きで俺との距離をとりつつ、俺に銃口を合わせてくる。
まだ、スキル系のは撃ってきてないからな…今俺がもってるペルソナに戦闘系のペルソナはいない…。
勝てる確率は…まあ、ほとんどないだろうな…。
まあ、取り合えず、動けるようにしてくれた相棒に礼を言わないとな
(アリス、助かった、ありがと)
心の中で、俺の心の中にいる金髪の少女に語り掛ける。
彼女はアリス…もう一人の自分…みたいなものだ。
(お礼なんていらないよ、仮夢が死んじゃうと、私悲しいから…だからそうしただけだもん)
(助けてくれたのは事実だ、礼くらい受け取れよ)
(うん、じゃあ、ここから生きて帰れたらね)
俺はそれを聞いて、にやっと笑って答える。
(おう、生きて帰ってやる、礼は受け取ってもらうぜ)
眼前にいる刈り取る者を睨み付ける…刈り取る者はゆったりとした動きで、引き金を引く。それを見ながら銃口から体をそらしつつダッシュして距離を詰める。
「ふっ!」
切り上げつつジャンプし、顔を横なぎにぶった切る…、そして斬った瞬間相手の胴体を蹴って後ろに跳び、距離を開ける…。
あれ効いてんのか?
全然傷跡もついてないし…ダメージ受けてんのか微妙だなぁ。
―――ゴゥ―――
生物が出すとは思えない声が聞こえた瞬間、相手は俺のすぐ近くにいた…!
マジか!?速すぎて見えなかったぞ!?銃が振り上げられる、超近距離で銃が発砲されるが、なんとか銃口をそらして防ぎつつ蹴りを入れる…。
全然効いてねぇ…というかびくともしない…。
銃口は俺の頭に定められているが、俺は射線から頭をそらし、胴体を斬る、斬るというより叩くという状態になっているが…。気にしない!
「効いてねぇ!!」
思わず叫ぶ、本当に効いてねぇ!もしかしたらダメージにはなってるかもしれないけど、全然効いてないように見える。
刈り取る者はふわっとした動きで俺から距離をとった。
刈り取る者は相も変わらずふわふわと浮きながら俺に銃口を合わせようとする。
銃の相手は近づいて銃口をそらしつつぶった切るってのが俺の戦い方だが…こいつはいくらぶった切っても効いてるのかわかんねぇしな!
そう思いながらも距離を詰める、刈り取る者は右手の銃を振り、俺をぶっ叩こうとしてくる、そういう使い方かよ!
と思いながらも体を右にそらしつつ冷静によける、避けた先には左手の銃による突きだったが、剣で弾く、刈り取る者はそのままふわっと一回転する…。
回転する速度が速いのですごい速度で銃が振り回される。
しゃがんでかわし、頭上を銃が通り過ぎた後、切り上げで斬る…やはり効いているのかまったくわからない。
切り上げの後、蹴りを入れて体制を崩そうとするがびくともしない、それどころか俺のけりを無視して、刈り取る者の銃口は真横に向いている…。
なぜ?と思い、銃口の向いている方向の先を見る。
「!?」
銃口の先にはまだ恐怖で動けてない聖天子がいた…。
まずい!そう思い、銃を弾こうと剣を振るが、奴はふわっと後ろへ下がり、それを回避する…。
銃口は俺の方を向いている…回避できないわけではない…十分避けることが可能だ…だが、俺がよければ放たれた弾丸は寸分の狂いもなく聖天子に当たる…。
そこまで理解した瞬間、刈り取る者の銃口から火花が散る。
動けない、いや動けるが動けば弾丸は聖天子の体を貫く…弾丸を斬る、それは無理だ。銃を弾こうと剣を振り切った体制からまだ立て直せていない
なぜだろう、周りの風景がとてもゆっくり見える…。戦闘時のアドレナリンの大量分泌でこういう光景になると聞いたことがあるな…。そんなことを他人事のように考えながら銃弾を見る…。
そう、ゆっくり、ゆっくりと銃弾が俺の腹部に向かう…。
ゆっくりと飛んできた弾丸は…俺の腹部に突き刺さった。
「がふっ!!」
俺の腹部から鮮血が溢れ出す…。
そして遅れて腹部に激痛が走る…意識が飛びそうになるのを必死に意識をつなぎとめる。
弾丸が直撃した衝撃で一気に後ろに吹っ飛ばされる…。
地面を一回バウンドし、聖天子の前くらいに転がっていく…。
なんでよりによってそっちに飛ぶんだよ…怖がらせちまうだろうが…。
腹からの血が止まらない…やばい…死ぬ…かも…。
「あ…ぁ…ごめん…なさい…ごめんなさい…私のせいで…」
射線上に自分がいたことに気づいていたのか、何度も涙を流しながら謝ってくる…俺は右手で傷口を抑えているが、血が全然止まらない。
女の子一人守れねぇか…俺…。
こんな可愛い女の子泣かせちまったぜ…なんて他人事のように考える…一周回って頭ん中すっきりしてる…。
目だけ動かして、聖天子を見ながら俺は口を開く…しゃべると腹が痛むけど、目の前で女の子が泣いてるのにほっとけるかってんだ…。
「お…い…」
俺が声をかけると、彼女は俺の顔を見た…涙を流しながら…それでも彼女は顔をそらさず、俺をまっすぐ、悲しそうな目で見つめる…。
「こ…んな…ざまに…なっとい…て…説得…力…な…い…かもしれねぇ…けどよ…約束は…守るから…信じて…くれよ…」
敬語が無くなっちまってるが、今はそんなこと気にしていられねぇ…。
俺は左手で…震える手つきで懐から銀色に輝く銃を取り出す…。
「あんた…が…信じて…くれる…なら…お…れは…ま…だ……………戦えるから」
口からも血が出始めた…視界がかすむ…だけど…諦めるわけにはいかねぇ…!
まだ死にたくないし、何より、女の子を守れずに死んだなんて、あの世にいる前世の両親、この世界の両親のどちらにも顔向けできねぇからな…!
「私は…」
彼女は震える声で話し出す…。
刈り取る者はゆっくりと俺に銃口を合わせる…。
俺もゆっくりと銀の銃の銃口を自分の側頭部にあてる…。
「私は…まだ死ぬわけには行きません…」
震える声でそういって…。
一度言葉を区切る…。
そして、彼女は強い意志のこもった眼をする
「ですが…そんなことは関係なく…今は…あなたのことを…信じます」
彼女は震える声ではなく、はっきりとした口調でそういった…。
若くして国家元首になったとか、そういう肩書抜きで、彼女自身がそういう人なんだなと理解できる…。
頭の中に声が響く…
我は汝・・・、汝は我・・・
汝、新たなる絆を見出したり・・・
汝、”審判”のペルソナを生み出せし時、
我ら、更なる力の祝福を与えん・・・
さあ、我が名を呼べ…もう一つの名を…
我が名は…
俺はそこまで聞き、引き金に指をかけ…。
精一杯の力で引き金を引く
「 ペ ル ソ ナ
メサイア 」
聖天子様コミュは審判、そして手に入ったもう一人の自分はメサイア…
さて、ここから先、どうなるのでしょうね?
感想お待ちしております
次回も頑張って編みます!