あの襲撃からしばらくたって、俺は束さんのラボにいた。
『あのー束さん?』
『何?いっくん。』
『束さんが俺にしてもらいたい事が新型のISの起動実験なのはわかりましたが、何でこんな格好なの?』
そう。あの後束さんのラボに連れてかれた俺は、そこにあったISに触れさせられ、男なのにISが動かせれると言う大事件を起こしていた。しかも、何故男である筈の俺にISが動かせれるのかは束さんにもわからないらしい。
(しかも、マイクロレベルで分解すればわかるって言ってたけど、それってあれだろ?俺を解剖するって事だよね?あの時の束さんの目、怖かった〜)
そして、束さんは俺のために専用機を用意してくれてたみたいで、白と黒の装甲が混じっていて翼のようなスラスターがついた俺の専用機名前はまだない。そして、一番気になっていた事それは。
『なんで俺は女装しているんですかね?』
『いやー意外と似合うね~いっくん。ちーちゃんの小さい頃に似てるよ?』
そう、何故か俺は女装している。それを見て満足したのか束さんは”ウンウン“と納得した様に頷いている。
『いやだから、なんで女装しているですか?』
『うーんそれはなね~』
『それは?』
『私が見て見たかったからと、いっくんにはISの公式戦にでてデータを取ってもらうからだよ?』
『はぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!』
はい⁉何言ってんのこの人?俺が試合?なんの?ISの?いやいやいやおかしい、絶対おかしいよこの人。
『いや、試合って本気で言ってるんですか?束さん。』
『もちのろんだよいっくん。束さんはいつでも本気だよ?』
『いやでも、女装した位で出場したら流石にバレると思うし、いきなり実戦って無理ですよ!』
俺はちゃんとした正論を束さんにぶつけた。しかし、束さんはそんなのお構い無しと言わんばかりに話しを進める。
『大丈夫!束さんの手にかかれば、隠蔽小細工なんて朝飯前だし、あの組織で序列1位だったいっくんなら余裕だよ!』
自信満々に言う束さんだが、俺は呆れていた。
『それに、今回の公式戦はモンド・グロッソのようなどデカイものじゃあないから新型の性能をためすには持ってこいなのだよ!』
そう、俺が出る予定の試合はモンド・グロッソのような大規模試合ではなく、代表選手たちが自身の機体の調整がてら試合をする様なもの。なので、出場制限がキツく決められているわけではないのだ。
『でも、大丈夫なんですかね?もし男だってバレたら世界中が大騒ぎですよ?』
『そうだね~そうならない様にいっくんの仮人格を作っておいたのだー流石束さん ブイブイ‼』
『仮人格?名前とかですか?』
そう聞くと、俺の目の前にウィンドウが現れ、そこに俺の仮人格の設定が写しだされていた。
『名前は、“レン・アッシュベル。女性。年齢13歳でアメリカ生まれの日本育ち。』
『うんうん。いー感じでしょう?』
(まぁ確かに偽名ぽい感じはするが、なんか不安だな~)
しかし、ここでこうしていても始まらないのは、確かだ。そう決意し、俺は試合に出ることを決めた。
『さてさて~そろそろいっくんの専用機の説明をしてフォーマットとフィッティングを始めようか。』
『はい!お願いします。』
次回はあのキャラを出そうと思っています。
お楽しみに!