後、もう少しでヴェルサリアとラウラ篇が終わるかな?
早く終わらせたいと思ってるんですが、中々うまくいきませんねぇ〜。
ガシャン!!!
シュバルツァ・レーゲンのレールキャノンが冬ニへと向けられ、今にも撃たれようとしていた。
「消えろ‼」
「くっ…!」
「冬ニ!」
だが、すかさずリヴァイブを展開し、サブマシンガンを撃つシャルルのおかげで銃身が逸れ、冬ニの直撃は避けられた。
「チィッ!! フランスのアンティークごときが!!!」
「だったら、やりあってみるかい? ドイツのルーキー?」
即座に選手交代。ラウラの相手はシャルルが請け負い、冬ニはアリーナの地面に倒れているセシリアと鈴のところへいく。
「鈴! セシリア!」
「と、冬ニ…」
「恥ずかしい所をお見せしましたわね…」
二人とも怪我はひどいが意識はあるで、内心ホッとする。しかし、いまだに戦闘が行われてるこの場では流石に危ないので、冬ニは二人を抱え、アリーナのピットへ急ぐ。
「くっ! 逃がすか!!」
冬ニの行動に反応したラウラが再びレールキャノンを撃とうと照準を合わせる。
(白式、お願いだ! もう一度だけイグニッション・ブーストを!!)
冬ニが願い、ラウラが大砲を放つ。しかし、寸での所で白式がイグニッション・ブーストでこれを回避する。
「チッ!」
「そこまでだ!」
「「「 !? 」」」
ラウラが外した事に苛立ち、舌打ちをしているとふいに上空から声が響く。そこにいたのはライトグリーンの機体、シムルグを纏ったエリスと、共に降りてくる打鉄弐式を纏った簪、白桜を纏った一夏の姿があった。
「風王騎士団だ! これ以上の暴動は控えてもらおうかラウラ・ボーデヴィヒ」
エリスが剣を抜剣し、切っ先をラウラに向けながら言う。
「クッ…! 面倒な連中が来たか…」
ラウラは悪態をつきながらも戦闘態勢を解く。
〜第ニアリーナの観客席最上階〜
灰色の外套に付いているフードを深くかぶった一人の女性が奇異の目でアリーナの中央で巻き起こっている騒動を見ながらにやりと笑う。
「さて、もうそろそろ実験を始めてもいいわよねェ? しかも専用機持ちたちもこんなにいるんだし、これは実験のしがいがあるわぁ〜。さぁ‼、わたしの可愛い子供達! しっかり働いてね〜! いいデータが取れる事を祈るわ!」
女が両腕を挙げて言う。その目はアリーナの隅でじっとこの事態を見ていた訓練機に乗った生徒達に向けられていた。
「きゃあぁぁぁぁぁーーーー!!!!!!」
「な、なにこれ!? だ、誰か助けー、嫌ぁぁぁーー!!!」
「な、なに!? 訓練機が! みんな逃げてぇ!!!」
突如、一般生徒の乗っていた訓練機が稲妻を放ち、ドンドン形を変えていく。そして、やがてそれがヘドロのようにドロドロとなり、生徒達を呑み込んでいく。
「なっ、なんだ! あれは?!」
「…ISが……人を呑み込んだ?」
「まさか……あれが楯無さんの言ってた…」
エリス、簪、一夏も突然の事態に驚き、固まってしまう。
いや、三人だけではなく冬ニもシャルル、ラウラもアリーナの観客席で見ていた箒や他の生徒達も恐怖し、体が硬直してしまっていた。
「エリス! とにかくみんなを避難させるんだ!」
「あ、あぁ! 風王騎士団総員に告ぐ! 只今から生徒の避難を最優先事項にする! 動ける者は避難路の確保と怪我人の搬送を急げ!」
「「「「 了解!!!! 」」」」
一夏がエリスを仰ぎ、エリスの指示により、風王騎士団の団員達が素早い動きで生徒達を避難させて行く。
「簪、シャルルや冬ニと一緒にアリーナに残ってる女の子達を避難させてくれ!」
「えっ? あ、う、うん! でも、一夏達は?!」
「俺とエリスで時間を稼ぐ! 簪、急げ!」
「う、うん!」
一夏の言葉に頷き、簪は冬ニ達と共に生徒を避難される為に誘導に行った。
「さてと、準備はいいか? エリス」
「誰に聞いている。これでもわたしは騎士団長だぞ?」
「上等だ! おい、ラウラ! お前の機体、後エネルギーはどれくらい残ってる?」
「フン、ざっと700といったところだが? それがどうした?」
「なら、丁度いい。お前も手伝え」
「な、なに?!」
「『手伝え』って言ったんだ。それとも何か? 軍人の癖にここぞとばかりに逃げ腰か?」
一夏はラウラに対して、あえて挑発の言葉をかけた。すると、ラウラはーー
「な、舐めるなぁ!!! ……いいだろう。貴様にこのわたしの力を見せてやる!! わたしの力、恐怖と共に、その体に刻み付けてやる!」
思った通り。と言った顔をし、先行するラウラを眺める一夏の顔は、どこぞの水色髪の生徒会長を思わせる、イタズラに成功した悪ガキのような顔になっていた。
「さて、とは言ったものの……何なんだあの現象は?機体が溶けて操縦者を呑み込んで、暴走している……これ、どっかで見た様な…」
「今は考えてても仕方がない。一夏、行くぞ!」
「あぁ!」
一夏はエリスと共に暴走した訓練機の制圧に向かう。
数はアリーナ内で訓練していた8機。もう、打鉄、リヴァイブの装甲は原型を留めておらず、ドロドロとしていた。が、ドンドンと形が変わっていき、やがて人型へと変わっていく。
「な、なんだあれは!? 人型に変型した?」
「一夏! あれはまずい!」
「なんだ、なにがまずいんだ?」
人型に変わった訓練機を見ていたエリスが急に慌て始めた。その顔にはさっきまでの余裕がなくなっている。
「あの機体…あの装備は……ッ! やはり、モンド・グロッソ前大会に出場していた国家代表機の機体データそのものだ!」
「なんだとッ⁉ じゃあまさか、こいつは、『VTシステム』か!?」
VTシステム
……ヴァルキリー・トレース・システムの略。
過去のモンド・グロッソの試合データ化し、再現、実 行するシステムだ。
「とにかく、あの機体を止めて、急いで中の子達を救出しないとな」
「あぁ、行くぞ! シムルグ!」
エリスと一夏が地面を蹴り、暴走しているISのところへと向かう。
「凶ッ風よー、怨敵を貫く魔槍となりて、我が手に宿れ!」
エリスの言葉に従う様にして、光が集まっていく。
「出でよ! 風翼の槍《レイ・ホーク》!」
やがて、そこに一本の槍が現れる。綺麗に装飾されている槍、そして、それを華麗に操るエリスはとても綺麗に思えた。
「ゆくぞ! シムルグ!」
風と共に舞うエリス。レン・アッシュベルの出現と共に世に知られるようになった『剣舞』と言う言葉。まさにその姿は剣舞を舞っている様だ。
「俺も負けてられねぇな! 行くぞ、エスト!」
(はい、わたしは一夏の剣。一夏の望むままに)
エストの言葉を聞き、一夏は右手を前に突き出す。そして、
「冷徹なる鋼の女王 魔を滅する聖剣よー今ここに剣となりて 我が手に力を!」
一夏の言葉と共に光が集まり、やがてそこに一振りの剣が現れる。
「行くぞ、エスト!」
えっとどうでしたか?
あと、この小説を読んで頂いてる皆様に質問です!
いずれISヒロインズの機体にも精霊を取り入れようと思ってはいるんですが……誰がどの属性の精霊を持たせようか迷ってます。何か参考になる意見がありましたらよろしくお願いします!
感想もお願いします!