あれからどれ位の月日が流れたのだろう?俺はあの女、オータムに気絶させられ、気が付けば薄暗く部屋の中にいた。時より聞こえる剣戟の音や自分と同じ12歳位の子供達のうめき声なども聞こえてくる。
(ここは、地獄なのだろうか。)
何かした訳でもない。しかし、気付けば俺はあの女の言う所の”道具“になっていたのだった。感情は希薄、死ぬ事すら何も感じなくなっていた。俺はただ、命令に従い行動するだけ。”殺せ“と言われれば殺すし、“奪え”と言われれば奪う。そんな事を俺はどの位してきたか、もう覚えてすらいないのだ。
「おい、” I “次のミッションはこれだ」
そう言ってオータムは俺に書類を渡してきた。内容は某国の重要人物の暗殺であった。
「今回はまた随分と大物なんだな」
「まぁーな、後になって片付けるのもメンドーなんでなさっさと始末して来い」
「あぁ、わかった」
俺は二つ返事で了承する。そして2日後には任務を終え、戻って来る。これの繰り返しだ。
「流石、仕事が早いな。序列1位は伊達じゃねーってか」
序列1位、そうこの組織の暗殺者達の中には、序列が存在する。身体能力や毒などの耐性、全ていおいてランク付けし、序列を決めている。上は1から下何なのかはわからんが、俺はその中で1位なのだ。
「別に、俺はランクになんか興味はない。ただ与えられた任務をこなすだけだ」
「ふん、餓鬼がッ…生意気言ってんじぁねーよ…」
そう言ってオータムは何処かに行ってしまった。俺は自分の与えられた部屋へ行く。何もなく、セメントで囲まれた内装、あるのはいつも任務で使っている、小太刀二本と戦闘服たったそれだけである。
そして、何する事がない俺は眠りに付こうとしたその時だった。
ドカァァーーン
何かが爆発する音そして、その衝撃で揺れる建物。何があったのか混乱しでいた時、その声は聞こえた。
「ハロー‼、ここに“いっくん”はいるかな?」
その場にいた全員が殺意を向け、侵入してきたウサミミメンドの女を睨む。
「た、束さん⁈」
「おぉ〜見ーつっけたいっくん久しぶりだね!束さんは会いたかったよ〜!!」
そう言って束さんは俺に抱きついてくる。
「束さん、一体何故ここがわかったんです?ここは、どの国でも探しだす事の出来ない所の筈なんですが…」
「そこはほら、天才束さんだから‼」
そう言って笑っている束さんをオータムが殺意剥き出しにしで叫んでいる。
「てめぇ、どっから来やがった?こんな事してただ済むど思ってんのか!? あぁ‼」
しかし、束さんはそれを無視し、俺に話しかけてくる。
「さてさていっくん。今からいっくんには、やってもらいたい事があるのだよ。手伝ってくれるよね?でもまずは、ここから出て私の所へ来てもらうね。にゃはは。」
勝手に話しを進める束さんにキレたオータムが襲いかかる。
「てぇめ!俺を無視してんじぁねー!!!」
しかし、襲いかかってきたオータムを束さんは軽くあしらい、逆に連続打撃でオータムを壁に叩き潰す。
「ぐはぁ!!」
「いや~私、天才天才言われてるけどそれ頭だけじぁなくて体も細胞レベルでオーバースペックなんだよね~」
そして、束さんは顔を近づけこう言った。
「ちーちゃんもとーくん待ってるよ。だから早く行こう~」
そう言って俺は突然現れた束さんによってにんじん型のロケットに乗って亡国機業から脱走した。
今回は早くも束さんの登場でした。
流石束さん。亡国機業の秘密基地を一人で発見し、一人で破壊してしまう。もう本格的に人間やめましたねこれ。
えー次回もこんな感じで投稿します。