IS使いの剣舞   作:剣舞士

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今回はクラス代表戦を書こうかなと思ってます。
えー質問の返事ありがとうございました!参考にさせていただきます。





第17話 クラス代表戦

試合当日。アリーナは観戦に来た生徒達で埋めつくされていた。

アリーナのピットにて、冬ニは試合の準備をしている。その隣には、箒とセシリア、そして俺も冬ニの激励に来ていた。

 

 

「あれが鈴の機体……アレで殴られたら凄く痛いだろうなー」

 

「鈴の機体は、中国の第三世代 “甲龍”か……中近距離でエネルギーの燃費を第一に考えて作られてるな。」

 

「わたくしのブルー・ティアーズの時とは、勝手が違いましてよ。」

 

「大丈夫だいつも通りにやればいい。」

 

俺とセシリア、箒の激励に冬ニの顔も晴れてくる。

 

 

「行って来い冬ニ!お前なら出来るさ…」

 

「うん!行ってくる!」

 

カタパルトに移動し、高速でアリーナ内へ飛翔する冬ニ、それを中央で待つのは甲龍を纏った鈴である。

 

「来たわね……冬ニ。手加減なしの全力で相手してやるわ!」

 

「僕もそのつもりだよ、鈴!僕も全身全霊の力で相手するよ!」

 

カウントが始まる

 

5...4...3...

 

互いに武器を呼び出す冬ニは『雪片弐型』を、鈴は『双天牙月』を呼び出す。

 

2...1...試合開始‼

 

試合開始と同時に冬ニと鈴が刃をぶつけ合う。

 

 

「うおぉぉぉぉーーーー!!!!」

「ていやぁぁぁぁーーー!!!!」

 

ガキンっ!!!!

 

火花を散らしながら繰り広げられる空中戦にアリーナ内の全観戦者からの歓声が轟く。

しかし、さすがに鈴は代表候補生だけあって中々に手強い。接近戦でセシリアを手こずらせた冬ニが苦戦を余儀無くされている。

 

(くぅ!このままじゃ消耗戦になる。白式と甲龍とじゃあ圧倒的に白式の不利だ!ここは一旦距離を取って……)

 

冬ニは早い段階で気付き、直ぐにでも対応しようとするのだか、

 

「ふんっ!甘い!」

 

そう言うと鈴のユニットが展開し、何かが冬ニは横をかすめた。

 

(っ!なんだ今の⁈何かが通り過ぎた⁉)

 

「ふっふ〜ん。今のはジャブだからね……」

 

そして再びユニットが展開し、その何かが冬ニを地面へと吹き飛ばした。

 

「うっうぅ……」

 

冬ニもいきなりの事に驚き、混乱しているみたいだった。

 

 

「何だ、あれは!…」

 

「あれは『衝撃砲』ですね。空間そのものに圧力をかけて見えない砲弾を打ち込む兵器です。」

 

「わたくしのブルー・ティアーズと同じ第三世代兵器ですわね。」

 

「しかも、あの衝撃砲は射角の制限がほぼゼロに等しいです。」

 

「つまり、死角が無いって事ですか?」

 

「そうなりますね……」

 

「「「…………」」」

 

山田先生の説明に絶句する俺たち。そして、それは試合をしている冬ニ自身も分かっているみたいだ。

 

 

(くぅっ!何処かで態勢を立て直さないと!とりあえず落ち着け!僕は千冬姉と同じ武器を使っているんだ。)

 

 

「冬ニ君、何かするみたいですね?」

 

「『瞬間加速(イグニッションブースト)』だろう…」

 

「イグニッションブースト?」

 

「相手の弾幕を切り抜け、ブースターの出力を一気に上げて相手に一瞬で近づく技だ……私が教えた…」

 

千冬姉の言った通り、冬ニは鈴の衝撃砲をかわしながら鈴の隙を伺っている。

 

 

「くっ!ちょこまかと!」

 

(背後に回った今なら!!!)

 

「はあぁぁぁぁ!!!!!!」

 

「なっ⁉」

 

冬ニが鈴の背後に回った瞬間、イグニッション・ブーストで一気にケリを付けるのかと思いきや、

 

 

ズドォォォォォォンーーーーーー!!!!!!

 

 

「システム破損!何者かがシールドを突き破ってアリーナ内へ侵入‼」

 

「緊急事態だ!織斑、凰!すぐに退避しろ!」

 

いきなりの大爆発ともくもくと立ち上がる黒煙。突然の事態にアリーナ内の観客達はパニックに見舞われた。

その頃冬ニと鈴は、

 

 

「なっ、何なんだ⁈一体何が⁈」

 

「冬ニ!今すぐピットに戻って!」

 

「えっ?鈴はどうするの?」

 

「私が時間を稼ぐからその間に逃げなさいって言ってるのよ!」

 

「そんな‼鈴をおいて逃げられるわけないだろう‼」

 

「バカ!!あんたの方が弱いんだからしょうがないでしょう!」

 

「うぐっ⁉」

 

「私だってこんな奴と正面からやり合うつもりはないわよ。こんな非常事態直ぐに学園の教師部隊が騒ぎを治めて……」

 

 

鈴と冬ニが話し込んでいると、鈴に向かって高出力のレーザー砲が放たれる。

 

「鈴!危ない!!」

 

「きゃっ‼」

 

「ビーム兵器⁈しかもセシリアのより出力が上じゃんか‼」

 

冬ニは白式が出す情報を見て驚いているが、お姫様抱っこの様な形で助けられた鈴は、恥ずかしさで顔を赤らめている。

 

「って!ちょっと、早く下ろしなさいよ!」

 

「って!ちょっと、暴れないでよ鈴‼」

 

「うるさい、うるさい、うるさ~い!!!」

 

「痛い、痛い!!殴らないでよ!」

 

 

そうしていると、再び黒煙の中からビーム砲が放たれる。そして、黒煙が晴れていき、そこから姿を現したのは巨大な腕をした全身フルスキンのISだった。

 

 

「何なんだアレ⁈アレでもISなのか?」

 

「冬ニ君!凰さん!聞こえてますか⁈」

 

「山田先生?」

 

「直ぐに退避してください!もうすぐ教師部隊が鎮圧に向かいます!」

 

「ダメです‼まだ避難が完了していない生徒達がいます。それまでは時間を稼がないと!」

 

「だ、ダメですよ⁈直ぐに退避してください!冬ニ君⁈凰さん⁈」

 

 

冬ニと鈴は山田先生との無線を切ると、再び謎の侵入者に向き直る。

 

 

「鈴、行ける?」

 

「誰に言ってるのよ!私が援護するから冬ニは突っ込みなさい。武器それしかないんでしょう?」

 

「うん…それじゃあ行こう!鈴!」

 

冬ニと鈴が侵入者に向かって攻撃を仕掛けている時、俺は裏口からアリーナへと向かう道を走っていた。

 

 

「早くここから抜けて、あいつらの加勢をしないと!」

 

「一夏君‼」

 

ふいに背後から声をかけられる。その正体は楯無さんだった。

 

「楯無さん⁉」

 

「これからアリーナ内へ向かうんでしょう?私も行ってみんなの避難を急がせないと…」

 

「わかりました。じゃあ、一緒に行きましょう!」

 

「えぇ!」

 

 

そして何とかしてアリーナの外へ出た俺たち。

 

「ここから私は、生徒のみんなの所へ行くわ!一夏君は、ISを展開して突き破られた所から侵入して、加勢に加わって!」

 

「了解です!来い、白ーーー」

 

「ダメよ一夏。あなたの出番には、まだ早い。」

 

白桜を展開しようとした時だった。背後からとても懐かしい声が聞こえ、振り返ってみるとそこには……

 

「な、んで⁉、どうして君が……」

 

闇色のドレスを纏い、漆黒の翼を広げほほ笑む少女がそこには居た。

 

「レ、ス、ティア?」

 

 




ども~剣舞士です!
いよいよレスティア登場‼また一波乱ありそうですね〜
では次回お楽しみに!

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