IS使いの剣舞   作:剣舞士

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今回は、クラス代表決定戦をやろうと思います!


第13話 冬ニVSセシリア

試合の時間になり、冬ニはすぐさま白式に乗り込む。

 

「今回は時間がないので、フォーマットとフィッティングは実戦でやれ。」

 

初戦は冬ニ対セシリアなのだが、セシリアはすでにアリーナの中央に飛翔しているため、冬ニも急いで準備に取りかからなければならなかったのである。

 

「これが、白式…」

 

「冬ニ…気分は悪くないか?」

 

「うん!いつでもいけるよ‼」

 

「ふっ…そうか……」

 

冬ニの事を名前で呼んだところをみると、どうやら千冬姉も冬ニの事が心配なのだろう。

 

 

「箒…一兄…行ってくるよ。」

 

「あっあぁ、勝ってこい!」

「応、行ってこい!」

 

「うん!」

 

そうして、カタパルトに入り、勢い良くアリーナ内に飛翔した冬ニを見送った後、俺も自分の専用機、白桜の準備に入る。

 

「ふー、ん?」

 

白桜に乗り込み、フォーマットとフィッティングを始めようとした時、ふいに違和感を感じた。

 

(なんだ?今の感覚?ISとのリンクが一瞬途切れかかった様な……でも、フォーマットとフィッティングは行われてる。俺の勘違いか?)

 

そう思いながら、試合を見ていると冬ニの劣勢で試合は進んでいた。

 

「わたしとブルー・ティアーズを前にして、初見でここまでもったのは、あなたが初めてですわね、、褒めてさしあげますわ。」

 

「それは、どうも。光栄だね。」

 

「それでは、そろそろフィナーレと参りましょう!」

 

途端、ブルー・ティアーズから四つのビットが切り離され、その一つ一つからレーザーが放たれる。冬ニもギリギリでかわしてはいるが、それでも被弾は多い。

 

「左足、いただきますわ!」

 

ビットを全て戻し、すかさずスターライトmkーⅢで狙撃する。冬ニはそれを斬り裂き、セシリアに接近を試みる。

 

「一か八か、やってみるか!」

 

「なぁっ!無茶苦茶しますわね!でも、無駄な足掻きですわ!」

 

うまく接近し、斬りかかる冬ニだったが、セシリアはそれをかわし再び距離をとる。そして、ビットを全部射出して、再び冬ニを狙う。しかし、そのレーザーを全てかわし、ビットの一つを斬り裂いた。

 

「なぁっ!どうして⁈」

 

「わかったよ!この兵器は、君が毎回命令を送らないと動かない。そしてその時には、君はそれ以外の攻撃ができない。制御に意識を集中させてるからだ!違う?」

 

そう言いながら、冬ニは二つ目のビットを破壊する。これで残りは二機。

しかし、左手を閉じたり開いたりしてると言う事は、冬ニも浮かれていると言う事だ。

 

「そして、必ず僕の反応が遠い角度から狙ってくる!距離を縮めれば、こっちが有利だ!」

 

残りのニ機も破壊し、一気に距離を詰めて勝負に出る冬ニ。だが、

 

「ふふっ。かかりましたわ!」

 

「えっ⁈」

 

「四機だけではありませんのよ!」

 

セシリアは、そう言うと、腰の部分に装備されていたミサイルビットの照準を白式に向ける。

 

「しまった‼」

 

冬ニも気づいたらしく、直ぐに回避しようとするが、時すでに遅し、ミサイル二発を被弾してしまった。

 

「冬ニ!」

 

箒が試合の映像を見ながら、叫ぶ。しかし、俺には冬ニが無事だとわかった。そして、千冬姉もそれがわかったらしく、

 

「ふっ、機体に救われたな。馬鹿者が。」

 

ーーー爆煙の中、白い翼を広げ、白い装甲に身を包んだ冬ニの姿があった。どうやら、今さっきフォーマットとフィッティングが終了したみたいだ。

 

「『一次移行』(ファースト・シフト)⁈あっ、あなた今まで初期設定の機体で戦ってたって言うの⁈」

 

「よくわからないけど…どうやら今この瞬間、この機体は僕専用になったみたいだね!」

 

そして、冬ニは、自分の手に握られていた刀を見る。

それはかつて千冬姉が世界一に輝いたときの武器、『雪片』の改良型、『雪片弍型』であった。

 

 

「僕は世界で最高の姉さんをもったみたいだ……これなら僕も家族を守れる!とりあえず、千冬姉の名前を守らなきゃね!」

 

そう言って加速する冬ニ。ミサイル四発を打ち、回避するセシリアを、ミサイルを全て斬り裂き、接近する。

 

「これで、終わりだ!!!」

 

「くうっ!!」

 

冬ニの剣が、セシリアのシールドエネルギーを切り裂いた。サイレンがなり、勝者を告げる。

 

「試合終了、勝者、セシリア・オルコット」

 

「えっ⁈」

「へっ⁈」

 

その場にいる誰もが頭の上に?マークを浮かべていただろう。試合は、どう言う訳かセシリアの勝ちで幕を引いた。

 

「なんで僕は負けたんだろう?」

 

冬ニ自身も腑に落ちない。っと言った所だった。

どうやら、冬ニの機体、白式は超攻撃特化した機体らしく、雪片弍型に搭載された『バリア無効攻撃』が自身のシールドエネルギーを消費して、相手にダメージを与えるのだ。初心者の冬ニには、少し扱い辛い機体なのだった。

 

「さて、少し休憩を挟んで次の試合にかかるぞ!」

 

千冬姉の合図とともに、準備をする俺。そして、セシリアはと言うと……

 

(どうしてこう落ち着かないのでしょう…勝ったのはわたくしですのに…)

 

「織斑 冬ニ……」

 

冬ニの名前を口にしながら、シャワーで汗を流していた。




今回は、冬ニ対セシリア、をお贈りしました。
次回はいよいよ一夏の試合です。気合を入れて頑張ります。

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