今回は決闘前まで行こうかな?っと思います。
翌朝、俺は目覚まし時計の音で起きる。昨日の楯無さんの突然の部屋訪問の後、色々とからかわれ、精神的疲労によって寝落ちしてしまったのだ。部屋を見渡すと楯無さんの姿が見えない。もう起きて何処かに行ったのだろうか?と頭の中で思索するが、いかせん寝起きなので頭が重い。そして問題は、俺がベッドから降りようとしたその時だった。
「う~ん…」
「 ⁉ 」
俺のものではない声がベッドの中から聞こえ、モゾモゾと動いている。
「ま、まさか⁉」
勢い良くベッドの掛け布団を開くと、そこには下着の上にワイシャツ一枚しか羽織ってない楯無さんの姿があった。
「うわぁぁぁ‼‼」
「う~ん……なによ~朝からうるさいわね〜……」
そう言うと楯無さんは目をこすりながら起き上がる。しかし、いかせんその格好がまずい!寝ていて着崩れたのか、起き上がった楯無さんの胸やら太ももやらが露出している。健全な男子高校生にとっては、目に毒だ。
「うるさい、じゃないですよ!何やってんですか、あなたは⁈」
「何って、添い寝?」
「そうじゃなくて……つーか、なんで疑問系⁈」
朝っぱらからの楯無劇場に、俺の体は多大なる疲労感に包まれる。
「って言うかなんでそんな格好なんですか?」
「え?この方が喜ぶかと思って…もしかして、裸の方が良かった⁈」
「なんでだよ‼俺はどんな鬼畜だ‼」
「やんっ‼本当は嬉しいくせに〜わたしとあんな事やこんな事がしたいんでしょう?一夏君のエッチ♪」
「あんたの頭の中の方がハレンチ極まりねーよ!」
この人の冗談には、毎回毎回振り回されてばっかりなのである。本当勘弁してくれ……
そんなこんなで、朝っぱらから疲れた俺は、重い足どりで食堂へ向かう。そこには箒やクラスの子達と朝食をとっている冬ニがいた。
「あっ!おはよう一兄。」
「おぅ…おはよう…」
「どうしたの?顔色悪いよ?」
「今朝部屋に悪魔が来てな〜俺のまどろみタイムをぶっ壊して行ったんだ…」
「えっ?あっ、そうなんだ…なんか~大変だね。」
「そう言うお前もどうしたんだ?その頭、赤くなってる様な……」
「い、いや〜これは〜その〜色々あったんだよ……」
(なるほど。お前もお前で昨日は凄まじいことになったんたな……)
そして、その日の放課後俺たちは何故か剣道場にいる。
ことの発端は冬ニが箒に「ISの事を教えて欲しい!」っと言った事から始まり、「その前に、腕が鈍ってないか見てやる!」と言う箒の発言で俺まで剣道着を着ている。
ちなみに今は、冬ニと箒が試合をやっていて、俺は端の方で正座して見ている。そうしていると、箒の面一本で冬ニが負けてしまった。
「どうしてそこまで弱くなっている!中学では、何部に所属していた⁉」
「帰宅部!三年連続皆勤賞だよ!」
清々しい程真っ直ぐな目をして冬ニは答える。それに納得しなかった箒は、
「鍛え直す!IS以前の問題だ!」
「えっ⁈ちょ、ちょっと待ってよ箒、僕はISの事をーー」
「だから!それ以前の問題だと言っているのだ!今日から放課後三時間みっちり稽古を付けてやる!」
「えっ、え~〜……」
嫌そうにする冬ニを尻目に箒は俺を見てくる。
「よし!次は一夏。お前だ。」
「応、だけど俺は『剣道』と言うより『剣術』になるんだが……」
「『剣術』…か、いいだろう。なら私も『篠ノ之流剣術』で相手してやる。」
そう言うと、箒は今までの剣道の構えではなく、剣術の構えをとる。俺もそれに合わせ、左半身を下げ、片手で正眼の構えをとる。
「一夏、なんだその構えは?篠ノ之流ではないな。」
「あぁ、ここ三年間はこの構えでやっててな。俺はこいつでいく。」
「わかった。では、わたしも本気でいくぞ!」
お互いに間合いを確かめ合い相手の出方を待つ。そして、その静寂を箒がやぶる。
「はあぁぁぁぁ!!!!!!!」
篠ノ之流の歩法奥義『零拍子』で一気に間合いを詰め、上段唐竹をしかける。しかし、今でも尚、剣術の鍛練をしている俺はその打撃を紙一重でかわし、すぐさま反撃する。箒もそれを竹刀でいなし、打ち返す。
どれ位時間がたったか、わからなくなったが、次で最後の一手になる事を確信する。お互いに駆け抜け、打ち合い、鍔迫り合いになる。そして、箒が力で俺を振り払うと俺はすかさず箒の間合いに竹刀を打ちこんだ。
「くうっ!」
「胴一本、俺の勝ちだな。」
俺と箒は互いに頭を下げ、道具を片付けでいく。すると、道場の入り口で見ていた女子生徒たちが話していた。
「一夏君、本当強いねー!」
「冬ニ君は、あんまりだったね、、」
苦笑しながら、次は負けないと、意気込む冬ニであった。
そして、あっと言う間に二週間が過ぎ、クラス代表決定戦当日。
「ねぇ、箒。」
「なんだ?」
「ISの事について教えてくれるんじゃなかったけ?」
冬ニの質問に箒が顔をそらす。
「箒、もしかして……」
「仕方がないだろう!お前たちのISは、まだ届いてないのだから。」
「それでも、操縦に関する基本的な事とかあったんじゃないの?」
冬ニの二度目の質問にも、箒は顔をそらす。
((これは、完璧に忘れてたな……))
二人して、ため息をしていると、管制室から山田先生の慌てた声が聞こえる。
「織斑君? 織斑君⁈ 織斑君!」
((そんな、三回言わんでも……))
「来ました!お二人のIS!」
「織斑弟。アリーナの使用時間は、限られている。すぐに始めるぞ。」
俺たちの目の前にそれぞれの専用機になるISが現れる。
「これが冬ニ君の専用機『白式』と一夏君の専用機『白桜』です。」
山田先生が俺たちの専用機の名前を教えてくれる。
「これが僕の専用機。『白式』」
「こいつが『白桜』彼女以外のIS……」
目の前にある自分の専用機に俺の感情は、複雑なものになっていた。
今回は今までより長くなってしまいました。
疲れました…