IS使いの剣舞   作:剣舞士

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ども〜今回はセッシー登場‼


第9話 再会と英国淑女

一時間目の授業は、ISの事についての授業だった。三年前に俺は専用機に乗っていたし、その後も更識家に置いてあった書物などである程度の知識は頭の中にあるので、なんの問題もなかったのだが、俺の隣で難しい顔をしている奴が一人……

 

(この『アクティブなんちゃら』とか『広域うんたら』ってなんなんだよ〜!まさか、これ全部覚えなきゃいけないの?)

 

そう、冬ニだ。まぁーそれもそうだ。こいつは普通の私立高校に行くつもりだったのだから。

 

「織斑君たちは大丈夫ですか?わからない所があれば言ってくださいね?なにせ私は、先生ですから‼」

 

「俺は~特に無いです。大丈夫です。」

 

俺たちの事を気遣ってか、山田先生が声をかけてきた。俺は問題無いからいいが、冬ニは?

 

「えーと、先生。」

 

「はい!織斑冬ニ君!」

 

「ほとんど全部分かりません。」

 

ですよね〜。

 

「ぜ、全部ですか?今の所でわからないって人はどれ位いますか?」

 

「………………」

 

悲しいことかな。誰一人として手を挙げない。それを見て、千冬姉が動き出す。

 

「織斑弟、入学前の参考書は読んだか?」

 

「えーっと、あの分厚いやつですか?」

 

「そうだ。『必読』と書いてあっただろう?」

 

「えー、古い電話帳と間違えて捨てました。」

 

パアァァン‼‼‼ 千冬姉の主席簿アタックが炸裂する。

 

「後で再発見してやるから、一週間で覚えろ。いいな?」

 

「いや、一週間であの厚さはちょっとーー」

 

「やれ、と言っている。それから織斑兄。丁度いい、お前が教えてやれ。兄弟だろ?」

 

「「 はい……」」

 

そして、授業が終わっての休み時間。俺と冬ニは隣同士でしゃべっていたのだが、未だに妙な緊張感に包まれている。

 

「あの子たちじゃない?テレビで言ってた子!」

 

「兄弟揃って同じクラスなんだ〜‼いいな〜私も一組になりたかった!」

 

「これはすごいね……」

 

「あー休み時間は、当分これが続くだろうな。はぁ〜誰か助けてくれ……」

 

兄弟揃ってため息をついていると、集団の中から一人の女子が声をかけてくる。

 

「ちょっといいか?」

 

「うん?箒?」

 

「えっ⁈嘘⁈箒なのか?」

 

「うっうん‼その〜あれだ、ここではなんだから屋上にいかないか?」

 

「そーだね。ほら行こう?一兄。」

 

「お、おう!そうだな。」

 

屋上にやって来た俺は連れてこられた少女と向かい合う。

 

「それにしても久しぶりだね 箒!大体六年ぶりかな?」

 

「そ、そうだな!大体、それくらいだ。」

 

「ほら、一兄も!」

 

「あ、あぁ!久しぶりだな。箒。元気にしてたか?」

 

「う、うむ。私は相変わらずだ。」

 

ちょっとぎこちなかったが、俺たちは、六年ぶりの再会を果たした。そして、二時間目の授業が始まった。内容は現国。IS学園も普通の高校と同じ様に一般科目の授業をするのだ。そして、次の休み時間に一波乱起きた…

 

「ちょっとよろしくて?」

 

「「 うん?」」

 

「まぁ⁈なんですのそのお返事!このわたくしに声をかけられたのですから、それ相応の対応があるのでわないかしら?」

 

「あーごめん…僕、君が誰だか知らないんだ。」

 

「右に同じく。」

 

「なっ⁈わたくしを知らない?このセシリア・オルコットを?イギリス代表候補生にして、入試主席のわたしを?」

 

「あ!ごめん。ちょっと質問いいかな?」

 

「ふん!下々の者の質問に答えるのも貴族の務めですわ。よろしくてよ?」

 

「えっと、代表候補生ってなに?」

 

ガタァァァーーーン!!!!!

 

「あ、あ、あ……」

 

「あ?」

 

「お前…俺が教えたじゃねーか。代表候補生ってのは、国家代表IS操縦者のその候補生のことだよ。」

 

「その通り‼単語からして想像できるでしょう?全く、日本男児と言うのは、これ程知識に乏しいのですか?」

 

「まぁー全員ではないが、こいつはついこの間まで普通の一般人だったんだ。大目に見てくれ…ところで、その入試主席のオルコットさんがなんの用だったの?」

 

「ふん!あの織斑先生のご兄弟でISを動かせると聞いていましたが、とんだ期待外れでしたわね。」

 

(俺たちに一体何を期待してたんだよ?)

 

今の世の中は、大まかに言えば、『女尊男卑』の世界になってしまっている。まぁーそれは当然で、ISが出てきたからに他ならない。だからこういう『女=偉い』と思っている女性も少なくない。このセシリアもその一人なのだろう。

 

「まぁーあなた達のようなものでも、泣いて教えを講なら教えて差し上げなくてもなくってよ?なんせ、わたくし入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから!」

 

「うん?教官なら僕も倒したけど?一兄は?」

 

「あぁー俺も倒したぜ教官。」

 

「な⁈」

 

「まぁー倒したって言うより、相手が突っ込んできたからそれをかわしたら、壁にぶつかって動かなくなったんだけどね。」

 

「俺は普通に戦って勝ったが?」

 

「わたくしだけと聞きましたが⁈」

 

「女子の中ではってオチじゃないの?」

 

そう言って俺たちは、次の授業の準備にかかる。

 

「あ、あなた方も教官に勝ったって言いますの⁈」

 

「ちょ、ちょっと落ち着きなよ。ね?」

 

「ぐうっ!これが落ち着いでいられーー」

 

キーンコーンカーン!!!!!授業開始の予鈴がなる。

 

「話しの続きはまたあとで!いいですわね?」

 

そういうと、セシリアは自分の席に戻っていった。この後もまだ続くのかと思うと、自然とため息が出る僕たちであった。

 

 

 

 

 

 

 




次回は挑戦&鍛錬を書こうかなと思います。
ではまた次回‼

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