とあるギンガのPartiality   作:瑠和

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久しぶりの投降です…。遅れてすいませんでした。なんだか忙しくて…。先月?リリパにも行ってきました楽しかったですね。次回は二週間か一週間で出せれば良いなっておもってますそれでは13話、どうぞ


第十三話 撃退

ーショッピングモール方面ー

 

セカンドと呼ばれた鎧騎士とレイは向き合っていた。フェイトを運んでいた時とは違い、レイの瞳は濁っていた。

 

「…」

 

「なるほど、こっちの任務はあとあの執務官殺すだけなんだけど…通さないって感じ?」

 

機械竜に乗ったナインスはようやく二人に追い付いた。

 

「ああ」

 

「ふーん………」

 

ナインスは少し考え、指をならした。その瞬間、ゴーレムがレイの背後に召喚され、豪腕を振るってレイを叩き潰した…………かのように思われた。

 

「…」

 

刹那、ゴーレムは真っ二つに別れる。

 

「へぇ、面白そうじゃん。セカンド」

 

ナインスに呼ばれ、セカンドは振り返った。

 

「殺っちゃって」

 

セカンドは軽く頷くと、剣を抜いてレイに突撃した。レイは一度刀を振り、埃を払うとからだの前で刀を構える。

 

剣道の構えだ。

 

「峰打ちで行かせてもらう」

 

レイが呟いた1秒後、セカンドがレイの間合いに入る。

 

「…っ!」

 

レイはセカンドの小手に、目にも止まらぬ速さで刀の峰で一撃入れた。スピードもさながら、威力もあった小手打ちにセカンドは体勢を崩す。

 

レイは小手打ちのあとすぐにセカンドの後ろに回り込み、背中に蹴りを入れた。蹴りの威力は強力で、セカンドは吹っ飛ばされるが、空中で方向転換して着地する。

 

「aaaaa…………」

 

「…動きは速い………」

 

レイの言葉の途中でセカンドは剣をレイの首めがけて振った。レイはそれを紙一重で避け、隙ができたセカンドの懐に潜り込み、刀の柄でみぞおちに一撃入れる。

 

「…!」

 

「そらっ!」

 

さらに 手のひらで顎を叩き上げた。鎧越しとは言え急所をついた強力な一撃だ。セカンドはよろける。

 

「剣の扱いには慣れてないみたいだな!」

 

更にみぞおちに蹴りを入れ、レイはセカンドを吹っ飛ばしたかと思った。

 

「!」

 

「aa…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

セカンドは最後の蹴りを受けながらも耐えきり、足を掴む。

 

「あぁぁぁ!!」

 

セカンドはレイの足を折ろうとしたが、その直前にレイは無理矢理抜け出した。だがセカンドは止まらない。拳を振り上げ、レイを襲う。

 

レイはバックステップで少し距離を取った。それにより、セカンドの拳は空を切り地面に命中する。

 

「うおっと」

 

セカンドの拳は道路に命中する。命中した場所を中心に円上に道路のアスファルトが砕けた。

 

「危な…」

 

地面にめり込んだ腕を引き抜き、セカンドはレイに再び突撃する。

 

「ちっ…………」

 

さらにストレートを打ち込むが、レイはその拳をいなし、足をかけた。が、セカンドは一瞬よろけるもなんとかふんばり、レイに掴みかかる。そして右拳を振りかぶった。

 

「ぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

(力は半端なく強い…だが、戦い方に知性が欠けている!)

 

セカンドのパンチをレイは両手でいなし、掴んできている手を利用して背負い投げで離れた場所に投げた。

 

セカンドは投げられた直後に無理矢理身体をねじらせ、着地した。

 

「…」

 

レイは先ほど攻撃をいなした右手を見る。

 

(痛み………拳以外に触れたはずなのに、軽くダメージが入っている)

 

ナインスは二人の様子を空から見ながら、通信を開いた。

 

「スカリエッティ、どうなってんのよ」

 

『なにがだい?』

 

「パワーだけじゃないあいつ」

 

『無理矢理鎧を着けて召喚したのは君だろう?彼女はまだ調整中だ』

 

「チッ」

 

ナインスは舌打ちをして通信を切った。

 

(………さて、どうしようかな。空の鎧騎士やゴーレムと違って中身があるようだし…殺すのなら、得意なんだけど…)

 

「あぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

再びセカンドが攻撃を始める。レイは連続で繰り出される攻撃を軽くかわしながら考える。

 

(攻撃も当たれば死ぬかもだし、峰打ちは鎧越しじゃあんま通じてないみたいだし………近づきすぎるのも危険だ)

 

そこまで考えて、レイはセカンドの拳を刀で受け止めた。

 

「…っ!」

 

刀から伝わる振動に耐えつつも刀を持ち変え、峰で横腹を打った。セカンドはそれくらいでは止まらないしレイもその事は重々承知だ。

 

レイの狙いは打撃によるダメージではない。レイは腰にぶら下げている折り畳み傘に偽装した強力なスタンガンを刀に当てた。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

セカンドの鎧に刀をたどって電撃が流れる。セカンドは身体を痙攣させ、膝から崩れ落ちた。

 

「ふぅ…。気絶してくれて助かった。…さて」

 

レイは機械竜とナインスを見た。

 

「この鎧の中身はおそらく、望んで戦っている訳ではないだろう?君たちの目的を聞かせてもらおう。俺の義弟が関わってそうだしな」

 

「おしゃべりはそこまでです」

 

刹那、レイは殺気を感じ、真横に飛んだ。それとほぼ同時にレイの立っていた場所に槍が突き刺された。

 

(新手かっ!)

 

レイはなんとか敵の攻撃を避けたものの、追撃を免れることはできなかった。認識できないほどの速度で顔面を捕まれ、そのままビルの壁に叩きつけられた。

 

「ごあ……っ!」

 

レイはその一撃で意識を失う。気絶したレイの腕からセカンドは回収された。

 

「なによジークでボコしてやろうと思ったのに。邪魔しないでくれる?サード」

 

襲撃者はサードだった。

 

「撤退命令よ。マスターがタイプゼロファーストの捕獲に成功したそうよ」

 

「あっそ…………そいつ殺さないの?」

 

ナインスは倒れているレイを見て言う。

 

「こいつは魔法も使えない力だけの元傭兵よ。私が殺すのは私と対等と戦える人間だけ」 

 

「ふーん」

 

「ところでフェイト執務官のデータは採れたの?」

 

「もち~。しっかり採ってあるよ」

 

「そう。なら帰りましょう」

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ーロクvsアキラ、アキラ撤退の直前ー

 

アキラが撤退すべきか否か迷っている時、その背後をロクが取った。

 

「隊長!」

 

「!」

 

ロクの盾を使った強力な一撃が炸裂したように見えた。アキラも食らったと思い、両腕をせめてもの盾にしようとして前に出した状態でいた。

 

しかし、攻撃はいつまで経ってもアキラに当たらない。

 

「………?」

 

「やれやれ。君は…」

 

ゆっくり腕を開くとアキラの前に誰かが立っている。

 

「なんだ…貴様は」

 

すぐにロクは距離をとって構え直す。

 

「小此木…」

 

アキラを助けたのは小此木だ。彼はロクの攻撃を片手で押さえていた。

 

「お前…なんで」

 

「ここは僕に任せたまえ。シノブ陸士の介抱も…アスト!」

 

「はい」

 

小此木の助手のアストがシノブの近くに現れた。

 

「シノブ陸士ですね」

 

「はい…」

 

「すぐに処置を始めます。だから、もう少し頑張ってください」

 

気にかけていたシノブの無事も一応確保され、アキラは胸を撫で下ろす。

 

「さぁ、さっさと家に帰りたまえ」

 

「大丈夫なのか?小此木…」

 

小此木は見た目デスクワークばかりの人間に見えていたため、ちゃんと戦えるかどうかアキラは心配だった。

 

「心配することはない。私は「ファントム」だ」

 

「…なに?」

 

「話は以上だ。行きたま」

 

それ以上の会話はロクが許さなかった。シールドの後方についているバーニアを吹かせ、突撃してきた。だが、小此木はまたもやロクの攻撃を片手で受け止めた。

 

「なっ…」

 

「行きたまえ、アキラ陸尉」

 

「…恩にきる」

 

小此木の所属とその能力をみたアキラは急いでバイクにまたがった。

 

「お前…何者だ」

 

「何者でもいいじゃないか。さぁ、ここからは私が相手だ」

 

「…お前に触れると、私の魔力が消える…。さっきの二度の攻撃を凌がれたのもそれが原因だ。なにをした」

 

小此木が攻撃を防いだ理由、それは防いだとは言い難い行為だった。盾が小此木に触れた瞬間、バーニアが止まったのだ。

 

「敵にわざわざ能力を明かすわけないだろう?」

 

(なにも感じない…)

 

ロクは小此木からなにも感じてなかった。恐怖とか、敵対心も、余裕も。

 

(こいつ、なにも感じない…わからない…)

 

「どうした?こないなら…こっちから行かせてもらうよ!」

 

その台詞とともにロクの視界から小此木が消える。そしてロクの背後に現れた。

 

ロクはすぐに反応し、縦を構えた。

 

「はぁ!」

 

小此木の拳がロクの盾に打ち込まれる。ロクはそれなりの衝撃を覚悟し、かなり全身に力を入れていたが、吹っ飛ばされることもなく強打の感じもなかった。

 

「…?」

 

「いった…っ!」

 

小此木は殴った方の手を押さえて痛がっていた。

 

「まさか防がれるなんてなぁ~、いたた…」

 

「…」

 

(…なんだこいつ)

 

ロクは冷めた目で小此木を見ていた。強者の雰囲気を出してはいたが、案外そうではないのかも知れないと思ったのだ。

 

だが、油断もしていない。

 

「…なんだかよくわからないが……取り敢えず死ね!」

 

今度はバーニアを吹かさずにロクはシールドで殴りかかった。小此木はその攻撃を数ミリ動いて避ける。

 

「!」

 

「ふっ」

 

そして避けられたことでバランスが崩れたところを狙われ鳩尾に強力な拳を食らった。

 

「かっ…」

 

一瞬、内蔵でも飛び出すんじゃないかと思うほどの強烈な一撃にロクは吹っ飛ばされた先で着地すらままならず、みぞおちを押さえて倒れた。

 

「ごほっ!ごほっ!がはっ!おぇぇ…」

 

「悪いね。ただの悪さするレディなら手加減はするが、人殺しを躊躇なくするなら私も加減はしない」

 

(こいつ…戦闘機人の強化筋肉と皮膚をものともしない攻撃をさっきは偶然威力が出てなかったのか?………魔力はどういうわけか無効化される…格闘技術やスピードはあっちが明らかに上…残された道は…ただひとつ!)

 

ロクは腹部を押さえたまま立ち上がり、上を向いた。

 

「クラウドォ!」

 

「!?」

 

急にクラウドの名前を叫んだロクに驚いた小此木が構える。

 

 

しかし、それだけだ。クラウドが突然現れたりはしない。

 

「ルーラーアーマーを使う!こいつは危険だ!」

 

「ルーラーアーマー?」

 

「…」

 

ロクは折られた刀を手に取り、盾に突き刺した。

 

「ルーラーアーマー!起動!」

 

紫色の光が、盾から放たれた。小此木は少し眩しそうにしながらその様子を見ていた。

 

「これは…」

 

光が徐々に弱まり、ロクの姿がハッキリ見えてくる。ロクの姿は先程とは全く違う姿になっていた。全身に黒紫の鎧を纏い、両腕は巨大な岩のような素材でできたゴツゴツとした鎧に包まれていた。腕の肘の部分にはロクの盾と同じようにバーニアが付いていた。

 

「これが我々の力…ルーラーアーマーだ」

 

「ルーラーアーマー…支配者の鎧ってことかな」

 

「その通り…さぁ、消えてもらうぞ」

 

ロクは両腕の鎧の手の甲らへんから刃を出現させ、炎を纏わせる。

 

「私は鉄槌の騎士ヴィータと烈火の将シグナムの力を模倣したものでな、この腕の鎧と拳は鉄槌を、そして刃と炎は烈火の力だ。お前の力は恐らく怪力とAMFに似たなにかと言ったところだろう?」

 

「…」

 

小此木は答えない。

 

「鉄槌の力では不利なようだからな。この炎刃で焼き斬ってやろう!」

 

ロクは両刃の炎の出力を上げ、バーニアを吹かし、小此木に襲いかかった。ルーラーアーマーは彼女たちにとって奥の手、言わば最終手段といっても違いなかった。

 

だからこれを出せば必ず勝てるという絶対の自信があった。

 

「なにか、勘違いしてないかい?」

 

しかし、ロクのその自信は一瞬で打ち砕かれることとなった。

 

腕全体を包むほどの炎が、小此木に触れる直前に一瞬で消えた。そして刃は小此木の指二本で白羽取りされる。

 

「なっ…」

 

(また!?AMF!?いや、違う、なにも感じなかった…AMFの発動の気配も、なにか魔法を使う兆候も…)

 

「私には怪力なんて立派な力はない。あるのは二つの特殊な能力だけだ」

 

「…」

 

「なにとはいわないけどね」

 

そういうと小此木の腕から大量の炎が出現し、それを圧縮させ、超高密度の炎の剣を生成する。

 

「!」

 

「さようなら」

 

ロクが回避しようとしたがもう遅い。炎の剣で刹那のうちに斬られた。かなりのスピードで斬られたのか、ロクが防ごうと前に出した巨大な腕の鎧は剣の周りに発生した衝撃波で斬られるだけに止まらず砕けていた。

 

「かっ…」

 

ロクはその場に跪く。

 

「さて、君は殺さず逮捕させてもらうとしよう。おとなしく投降してもらおうか。武装を解除しなさい」

 

「おおおぉ!」

 

ロクはおとなしく投降などするはずもなく、小此木に襲いかかった。右腕の鎧は破壊されたため、左腕の鎧から炎を発生させ、斬撃の瞬間に炎を飛ばした。

 

「やれやれ」

 

炎は再び小此木の目の前で消えた。

 

「おいたが…ひつよ」

 

小此木が反撃に出ようとした瞬間、近くに止めてあった車が突然小此木に突進してきた。小此木は運転席に誰もいないことを確認すると炎の剣で車を真っ二つに斬った。

 

「なんだ?これは君の能力かい?」

 

そういってロクの方を見ると、ロクはすでにその場にはいなかった。周囲をデバイスを使ってスキャンしてみるが、反応はなかった。

 

「…逃げた……か」

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ー状況終了翌日ー

 

 

襲撃翌日。ギンガが誘拐されてから15時間が経過していた朝の8時、アキラはベッドで目覚めた。

 

「…ん」

 

「おや」

 

アキラが目を覚ましたことに最初に気づいたのはお見舞いに来ていた小此木だった。

 

「………小此木?」

 

「まだ寝ぼけているのかな?落ち着いているね」

 

アキラは小此木の言ったことの理解が出来てなかった。が、少しして頭がハッキリしてくると目を見開き、ベッドから飛び降りた。

 

「おっと」

 

しかし、着地と同時にアキラはその場に倒れかけたが小此木が支える。

 

「大丈夫かい?急ぐ気持ちはわかるが、敵の場所等はまだ検討もついてない。落ち着きたまえ」

 

「あ……あぁ…」

 

ギンガを守れなかった。今度はその後悔と自責の念がアキラを襲う。小此木に支えられながらアキラは静かに涙を流し、座り込んだ。

 

「ああ…ぁぁぁぁぁ……」

 

「…」

 

小此木はそんなアキラの姿を見ながらそっとナースコールを押した。

 

「患者が目を覚ましました。担当医を呼んでください。ああ、精神が安定してない様子なので、念のため鎮静剤を」

 

少しして担当医とマリエルがやって来た。そしてバイタルチェックや色々と検査を行われた。

 

「増援が駆けつけたとき、既に傷はほとんど治癒してたらしいから体には異常なしだ………しかし、精神の方で問題があるみたいだね」

 

「…」

 

アキラはずっと空を見つめていた。医者の呼び掛けにも答えず、なすがままといった感じだ。その時、アキラの病室が勢いよく開く。

 

「!」

 

「アキラ…テメェ……」

 

扉を開けたのは、ノーリだった。ノーリは全身包帯まみれで片足が折れていたが、足を引きずりつつアキラに近寄って胸ぐらを掴んだ。

 

「だからいったじゃねぇか!!離れずそばにいるのが当然だって!なんだこの様は!あぁ!?」

 

「ノ、ノーリ君落ち着いて」

 

アキラはノーリに責められなにも言い返せない様子だった。この時アキラは、今まで見たこともないような追い詰められた表情をしていた。

 

「なんとか言ってみろ…アキラァ!」

 

アキラはうつむいた。それだけで、なにも言おうとしなかった。

 

「単純なことだった…お前じゃなく俺が行くべきだった…なんでだ…なんでお前は…助けに行こうとした………昇進して嬉しかったか?隊長と呼ばれたことに愉悦を感じていたか?だから助けにいったのか!?だからお前の真の役割を忘れたのか!?お前が真に護るべき相手は誰だ!言ってみろ!」

 

「…」

 

「…」

 

少ししてアキラが口を開いた。

 

「いいじゃねぇか…もう」

 

「なに?」

 

「俺だってクラウドを許せなかった。だから全力で戦った………それこそ必死に戦った。持てる力を全部使って戦った。それで勝てなかった。俺じゃあいつに勝てなかった…あそこにいてもいなくても。結果は同じだった。だからいいじゃねぇか」

 

「っ!テメェェェ!」

 

「取り返さないとは言ってない!」

 

アキラはノーリの胸ぐらを掴み返した。

 

「!」

 

「失敗に悔やんでいる暇なんてねぇ。だから、必ず取り返す!絶対にだ…」

 

「…」

 

ノーリはアキラを離し、壁を伝いながら入り口に戻る。

 

「信じるぞお前のその言葉」

 

ノーリはそう言い残し出ていった。アキラは小さくため息をつく。アキラの行動が間違っていたかもしれないなんて、アキラがとうの昔にわかっていた。怒りと後悔はさっきの涙で全部流した。声は冷静だが、その瞳と心には確かに怒りと、復讐と、必ず取り戻すという強い決意の炎が宿っていた。

 

「あの…アキラ君」

 

「マリエルさん。すまねぇ。俺のデバイスを強化してくれないか?できれば最大まで出力を上げて…」

 

「アキラ君」

 

「?。なんだ?」

 

マリエルがいつもに比べ辛そうな顔をしていることに気付き、アキラも言葉を止めた。

 

「大切な話があるの。聴いてくれる?」

 

「…手短にな」

 

マリエルは担当医と小此木にアイコンタクトをとる。二人は小さく頷くと病室から出ていった。

 

「…?。で、話ってなんだ」

 

「実は…」

 

 

 

 

続く


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