とあるギンガのPartiality   作:瑠和

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一日おくれて申し訳ないです。何とか今日には上げたかったので短いです。申し訳ないm(_ _)m。今日からvividストライクですね。とっても楽しみです!ラブライブサンシャインが終わってがっかりしてましたが、新しく生きる糧になってくれそうです!それはさておき、また忙しくなりそうで、次回は10月中には上げたいと思ってますが、いつかは確定はできないです…悪しからず。


第四十五話 進展

廃市街地のビルから光が溢れだし、爆発する。

 

「ちょこまかと!」

 

苛立ちの声をあげたのはリサだ。突然現れた予想外の相手にジョーとリサは軽く追い詰められていた。その相手とは、サイファーだ。アキラが苦戦していた相手をたった一人で翻弄するのは流石だと言えた。

 

「ディバイダーもどきをつかっている割には強い方…だな」

 

「もどき?ということはお前………」

 

「私はサイファー。エクリプスファミリー「フッケバイン」のメンバーだ。お前たちに聞きたいことがある」

 

サイファーは刀型のディバイダーを二人に向け、ジリジリと近づいて行く。

 

「お前たちのスポンサーについてだ。一体誰がお前たちにディバイダーを与え、命令を……」

 

「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」

 

サイファーの言葉の途中で何かが天井を突き破り、サイファーと二人の間に着地した。砂煙が上がってよく姿は見えなかったが、その姿は月明かりに照らされ、すぐに誰かわかった。

 

先ほどまでの戦いで、また暴走するかもしれないという恐れから使われなかった「リアクトバースト」を発動したアキラだ。その姿に、ジョーは冷や汗を流し、サイファーは興味深そうに見ていた。

 

「黒髪に………黒の鎧…宝石のように美しく透き通った刃の剣……これが………」

 

「ほう………」

 

「さぁ……選びなクソ野郎共。ここで死ぬか、素直に自首するか」

 

「冗談じゃない!!!」

 

リサは即答し、弓から光の矢を放射する。

 

「そうか………残念だ」

 

アキラはディバイダーのトリガーを引く。約0.2秒後、二人のディバイダーは木っ端微塵に切り刻まれると同時に喉を斬られ、大量の血を噴き出しながら倒れた。噂通りの能力に、サイファーは感心したような表情をした。

 

「……………いいのか?管理局員が人を殺して」

 

「こいつらはもう………人じゃない。人を殺すだけの兵器だ」

 

アキラは呟くと、その場を去ろうとする。サイファーは少し考え、アキラに尋ねた。

 

「お前はそれが自分に帰ってくる言葉だとわかっているのか?」

 

「……………………………ああ。俺もだ」

 

それで終わるかと思ったが少し違った。アキラは急にサイファーに向かって叫んだ。

 

「だが!まだ違う!!!!俺はお前らとは違う!少なくとも殺しを楽しんじゃいねぇ!!!!!エクリプスが俺を喰おうとするってんなら俺がエクリプスを食ってやる!!そしていつか人間としてギンガと添い遂げる!!!」

 

アキラは一息で叫び終わると、自分が貫いてきた穴を使って飛び去っていった。サイファーはため息をつくと二人の死体を適当な場所に寝かせ、両手を胸の上に置かせた。

 

「既に血で汚れた手を持ちながらどうしてそんなことが言える?橘アキラ……」

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

ー部隊長室ー

 

 

 

翌朝、三人は陸士108に帰投したがその数時間後、アキラたちは呼び出しを食らった。一体何事かと部隊長室に入ると、ゲンヤが何やら険しい表情で座っていた。

 

「何の様だよ」

 

「ああ、アキラ、お前さん昨日何者かに襲撃受けたらしいな」

 

アキラは一瞬目を見開き、すぐにギンガを見た。だが、予想と反しギンガも驚いていた。アキラは前回の戦闘の時もギンガには襲撃のことは話すなと言ったのだ。今回はいう暇がなくて心配だったがどうやらギンガではないらしい。

 

「何の話だ?」

 

「とぼけんのはナシにしようや。こっちもあんまりこういうこと聞くのは苦手なんだ」

 

「………………仮に俺が何か知っていたとして、どうするつもりだ?」

 

ゲンヤは聞かれると、少し考える素振りをみせてから席を立ってクイントの写真を手に取る。言いたくないというか、言い辛いことだったのか、あまりアキラ達の目を見れなかったのだ。

 

「本当だったら、「エクリプス」って言ったか?それに感染し、今なお進行しているお前は本局に渡さなきゃならんことになってる…………。だがな、家族として、義理の親として…………部隊長がこんなこというのはアレだが、そんなことはしたくない」

 

「……………だから?」

 

「せめて俺には……俺やギンガにはきちんと話して欲しい。可能な限りはサポートする」

 

「父さん……」

 

「ゲンヤさん…………」

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

アキラはゲンヤにすべて話した。エクリプスについて。その病化による自分への症状についてなどだ。アキラにとって、局に捕縛されるかくらいの危険な橋だったが、ゲンヤは上には黙っていてくれると約束してくれた。しかし条件として、症状が落ち着くまでディバイダーをゲンヤに預けることとなった。

 

 

「こっからは刀だけか……」

 

「しょうがないよ………でも、私的には少し安心かな」

 

アキラが軽いため息をつくと、ゲンヤが急に何かを思い出す。

 

「ああ、そうだアキラ。これから仮眠とったら無限書庫に向かってくれ」

 

「無限書庫?」

 

「ああ、こないだオットーとディードにティアナが調査の手伝いを依頼したらしい。その手伝いに言ってくれ。一応応援にヴィヴィオが向かうが……念のためな」

 

「手伝いの手伝いか…………わかった」

 

アキラは了承し、ギンガと仮眠室へ向かおうとした時、再びゲンヤが口を開く。

 

「それからアキラ………お前さんにはこの事件が終わったら出向してもらおうかと思ってる」

 

「……………なに?」

 

「安心しろ、ギンガも一緒だ。前々から言おうと思ってたんだが、ちょうどいい。少し前線から引いて肩を休めるといい」

 

「………厄介払いってことか?」

 

アキラが聞くと、ゲンヤは首を横に降る。

 

「いいタイミングで戻ってきてもらうさ。絶対にな」

 

 

 

 

ー仮眠室ー

 

 

 

一晩通して戦闘し、仕事もしていたのでアキラもギンガも一睡もしてなかった。アキラは平気だったが、ギンガは流石に疲れが限界近くに達していた。

 

仮眠室に入ると、既にアキラの部隊の夜中メンバーとシノブが寝ていた。

 

アキラとギンガはなるべく目立たない部屋の隅のベッドに行くと、ネクタイと上着を脱いだ。そして、二人で一つのベッドに入る。これはもはや日常茶飯事だ。

 

「ふぅ………」

 

「あっちでもこっちでも事件が起きて……久しぶりに忙しいね」

 

「ああ………………。ギンガ、すまない」

 

「え?」

 

急に謝られ、ギンガは少し困惑した。

 

「お前まで出向することになっちまって」

 

「いいよ。アキラ君が一人で行っちゃうよりもずっと。どこでも、アキラ君と一緒がいいよ」

 

「……………」

 

アキラはギンガをぎゅうっと抱きしめる。その存在に感謝しながら、心の中の愛を伝えるように、強く、優しく。

 

「大好きだ」

 

「うん」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

ー無限書庫ー

 

 

仮眠を終わらせたアキラは、早速本局の無限書庫にきていた。無限書庫内を適当にふわふわと飛んでいると、久しぶりに聞く声が聞こえてきた。

 

「アキラさん!」

 

「おう」

 

オットーとディードだ。

 

「お久しぶりです」

 

「久しぶりだな。オットーは相変わらず執事服か」

 

「はい」

 

「ちょっとは女の子らしい格好したらどうだ?似合うと思うぞ」

 

アキラが聞くと、オットーはクスリと笑う。

 

「ありがとうございます。でも、僕はこれでいいんです」

 

「そうか。ディードも久しぶりだな。腕はなまってないか?」

 

「はい。この事件が落ち着いたら、また剣の鍛錬に付き合ってもらえませんか?」

 

「ああ、いつでもいい」

 

軽い挨拶を交わすと、アキラはオットーとディードに連れられ、古代ベルカ関連の情報がある場所まで飛んで行った。

 

「だが、何で俺を呼んだんだ?ヴィヴィオが来るなら、俺はいらなくないか?」

 

「……ランスター執務官から、アキラさんがなにかこの事件について知っているのではないかという報告があったので、ここにあるデータと重ね合わせられれば手っ取り早いかと………」

 

「あ?何のことだ?」

 

ティアナが二人に伝えたのは、アキラがこの事件が始まってから二度ほど起こした発作のことだ。それについても何かわかるかもしれないということで、二人はアキラを呼んだのだ。

 

「ランスター執務官から聞いたのですが、二度ほど起こした発作の際に、「イクス」という単語を口に出したそうですが、それは一体……」

 

「あれのことか…………俺にもわからん、ただ、誰かの話し声が聞こえた。片方は話し方といい、声といい、マリアージュだと思う」

 

「そうでしたか……」

 

「…………まぁなんだ、とりあえず調べようぜ。いいかげん訳のわからん発作に振り回されんのはごめんだからな」

 

「そうですね」

 

 

 

 

続く

 

 

 


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