とあるギンガのPartiality   作:瑠和

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あけましておめでとうございます!今年もギンガ愛で頑張ります!!ちょっと間に合わなかったので前後編にわけさせてもらいました!!新年早々すいません!どっちかっていうと、今回は大晦日スペシャルになっております!お楽しみください!



元旦SP 前編

「ふぅ〜」

 

「はい、みんなお疲れ様」

 

12月31日。この日、FWとアキラとギンガは年内最後の訓練が終わったところだった。この後、特に仕事も何も残っていない。このあとは、ゆっくり年を越すだけだ。アキラは特にやることはないと思い、訓練場を後にしようとした時、なのはに止められる。

 

「アキラ君ちょっと待って」

 

「あ?」

 

「今夜はみんなで日の出見るからね。今のうちに仮眠、とって置いてね」

 

「…………日の出?」

 

 

アキラは隊舎の更衣室に戻るまでの間、ギンガに日の出について教わった。相変わらず一般的なことに関しては全くもって知識のないアキラだ。

 

 

ーアキラの隊舎部屋ー

 

 

アキラはギンガと一緒に自分の部屋に戻ってきた。アキラはコーヒーを淹れながら日の出に関してぼやいている。

 

「どこの次元の文化だかしらねぇが、いつ見たって太陽は太陽だろ。確かに綺麗かもしれねぇけど………」

 

「いいんじゃないかな、たまには……きっと良い思い出になるよ」

 

ギンガはコーヒーを受け取り、微笑んで言った。アキラはベッドに腰を掛け、コーヒーを一口飲む。

 

「思い出か………今年は色んなことがあったな。………ギンガに再開して、六課のみんなと会って……まだ管理局に正式入隊してから全然時間立ってねぇのに…でっかい事件二つも解決……まぁ、おれは足でまといだったかもしれないが」

 

「そんなことないよ、神威を止められたのはアキラ君が命張って戦ってくれたお陰だし、ウィードを倒せたのもアキラ君の力のお陰だよ」

 

ギンガはアキラの黒い鎧を生み出す元となる腕輪を撫でた。アキラは腕輪を見る。

 

「………俺の力………いや、今までのは俺の力だけじゃない。周りのやつの協力がなきゃ何にも出来なかった……。六課のやつも、あの変な鎧着けた白いやつも、腕輪くれた2人組も、俺のクローンも………ギンガも…………みんながいたから俺は神威と運命を共にする覚悟もできたわけだしな」

 

「……………そうだね」

 

 

「ギンガ……」

 

2人は少し見つめ合い、そっとキスをした。キスの途中、アキラがギンガの口に舌を挿れる。入ってきた舌をギンガは拒むことなく、逆に自らの舌を絡まして行く。キスが激しくなる中、ギンガはアキラの手を掴み、自分の胸へと導いた。制服の上からだが、良い感触がアキラに伝わる。アキラは空いている手でギンガの背中に手を回し引き寄せた。

 

ギンガが自分のネクタイに手をかけ、外そうとした瞬間、部屋のドアが開く。

 

「ギン姉いる〜?」

 

「!!!」

 

スバルが入ってきたのだ。

 

二人は急いで離れ、互いに逆方向を見ながら飲みかけのコーヒーを掴んで何事もなかったかのようにした。スバルが返事のないことに疑問を持って入ってくると、ギンガが慌てて適当に笑顔を作って対応する。

 

「ど、どうしたの?スバル」

 

「……ギン姉なんか顔赤いけど…」

 

そこまで言って、スバルは急ににやける。

 

「あ〜もしかして、お邪魔だったかなぁ〜?」

 

「な!なにいってるのスバル!そんなことない訳ないじゃありませんか!!!!」

 

「語尾おかしくなってるよギン姉〜」

 

「あう……」

 

ギンガは顔を赤くして小さくなってしまった。アキラはため息をつく。年内で変わったのはアキラだけではない。ギンガもずいぶん精神的に可愛くなってしまった。スバルはギンガに用事があったようで、ギンガを連れて出て行ってしまう。

 

アキラは一人残された。

 

「……いいとこだったのによ」

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「蕎麦作れだぁ?」

 

「うん♪」

 

一人取り残されたアキラの元に、突然なのはが訪ねてきた。要件は、「蕎麦を作るからそれを手伝って欲しい。」とのこと。

 

「それよりギンガ知らねぇか?」

 

ほとんどなのはの話を聞かずにアキラはなのはに聞く。まぁもちろんそれはなのはも想定内だし、現場ギンガがいないのはなのは達が原因である。今はそれをごまかすための作戦に過ぎない。

 

「じゃあ、手伝ってくれたら教えてあげる♪」

 

アキラは小さくため息をつきながらもなのはと一緒に食堂へ向かってくれた。

 

 

ー食堂ー

 

 

「なんでこんなこと………俺が…よっと……疲れるってんだ」

 

アキラは蕎麦の塊を伸ばし、折りたたんだ物を蕎麦切り包丁で切りながらぼやく。だがしかしアキラは笑顔だ。

 

「そんなこと言わないで〜。誰かのために、何か出来るのって気持ちがいいでしょ?」

 

「バカ言うな。誰かのためになんて…日頃からやってんだろ。そんな気持ち、わかってる」

 

アキラの言葉になのはが手を止める。アキラそれに気づいて手を止めた。

 

「でも、アキラ君の場合それはギンガのためじゃないのかな?」

 

「あ?……………まぁ…そうかもな」

 

「アキラ君はそれがギンガを通して誰かのためになってるかもしれないけど………」

 

「誰かのために………」

 

アキラは再び蕎麦を切り始める。アキラは頭の中に、ナンバーズを思い浮かべていた。ギンガとやっている更生プログラム。あれは彼女達のためになっているし、喜ばれた時に感じる嬉しさ…。

 

「それに、アキラ君が人に役立つこととかするたびに、ギンガ嬉しそうだもの」

 

「…でもよぉ、蕎麦切っててもなんも感じねぇぜ?」

 

「そのうちわかるよ」

 

 

ー午後20時ー

 

 

「年越し蕎麦を二つ」

 

「はーい♪なのはママ、アキラさん、二つ追加でお願いしま〜す」

 

「おい高町隊長」

 

「なぁに?」

 

「機動六課ってのは食堂の料理人を出張中の隊員に頼んで保護中の女の子を受付に使うレベルで人がいねぇのか?」

 

アキラは蕎麦を作る手伝いを任せられたが、最後まで付き合わされるとは思ってなかった。その上ヴィヴィオはもともといる食堂のおばちゃんと受付をやっている。

 

「ああ、アレは前からヴィヴィオがやりたいって言ってたから」

 

「俺は蕎麦作りてぇとは言ってねぇんだがな」

 

「まぁまぁ……なんだかんだ言ってるくせに頑張ってるアキラ君、かっこいいよ」

 

「…………うるせぇよ」

 

アキラは照れたのか、そっぽを向いて作業を続けた。

 

 

そして…………一通り作業を終え終わったアキラはなのは達と一緒に蕎麦を食べていた。年内最後の食事をギンガとできなくて正直アキラは不機嫌だったが、ヴィヴィオの手前、表情に出すわけにもいかない」

 

「お蕎麦美味しいかな?」

 

「まぁ、不味かねぇけどよ」

 

アキラは蕎麦をすすりながら答える。

 

「ヴィヴィオは美味しい?」

 

「うん!」

 

ヴィヴィオが笑顔で答える。その瞬間、アキラはナンバーズが喜んだ時と同じ気持ち…嬉しい気持ちを感じた…。

 

「……………なるほどな」

 

アキラの表情と言葉を聞いて、なのはは笑顔になった。はたから見たら三人は、まるで親子のようだった。

 

 

 

ー午後22時ー

 

 

夕蕎麦が出てきた理由もわからず夕食を済ませたアキラは、集合がかけられた屋上にきていた。朝ギンガが連れ去られてからずっとギンガに会えていない。そろそろギンガ不足でおかしくなりそうだが、まだ紅月を抜かずに我慢していた。記憶が戻ってから、日に日にギンガに対する思いが強くなっている。近くにいるとわかっていても会えないだけで心が切なく、苦しくなって行く。

 

「この気持ちが………愛…なのか?」

 

すると、屋上のドアが開いた。

 

「あ、アキラさん」

 

「エリオか………それに…ザフィーラの旦那…ヴァイス」

 

入ってきたのはエリオとヴァイスとザフィーラだ。アキラはギンガじゃなかったことにショックを受けながらため息をつく。

 

「あの、キャロやスバルさんたち見てません?」

 

「?。いや、見てねぇけど」

 

「実は朝から見当たらないんですよ。ティアナさんに連れていかれちゃって……」

 

「そうか……そういや、隊長たちも見てねぇな。全員揃って一体どこに……」

 

「お待たせ〜」

 

アキラが疑問に思い始めた時、屋上のドアが再び開いた。

ドアのむこうからは、なんと、着物姿のなのは達が現れる。見たこともない美しい服にアキラとエリオは驚く。アキラはそういう服があるのは知っていたが、まさかこんな破壊力を持っているとは思っていなかった。

 

(これが………キモノ?の力………今までそんなこと感じなかった人間すら、可愛く見える…………じゃあ…まさか……)

 

「ほらギン姉〜。恥ずかしがらないで〜」

 

スバルの声を逃さず聞いたアキラは入口に素早く視線を向ける。

 

「で、でも…」

 

「大丈夫ですよギンガさん、可愛いです。とっても似合ってますから」

 

ティアナの一押しと、スバルの強引な引っ張りにより、ギンガがドアの向こうから出てきた。

 

「………ぁ…………」

 

アキラの口から出たのは褒め言葉でも、歓喜の言葉でもなかった。煌びやかな着物。いつもと違う、和に似合う髪型。照れているのか、恥ずかしがっているのかわからないが、赤らめた顔。今まで感じたことのあるようななかったような、妙な気持ちがアキラからあふれる。

 

ギンガは何も言わないアキラが気になり、少し近づく。

 

「ど、どうかな……似合う?初めて着たんだけど………なのはさん達の世界の……」

 

全部言い終わる前にアキラはギンガを思いっきり抱きしめた。

 

「ひゃっ」

 

「お?」

 

「あら」

 

「わぁ〜」

 

周りの面々がそれぞれ声をもらす。

 

「すごく似合ってる………可愛い、いや、どっちかって言うと美しいとか綺麗ってのかな」

 

「そんな……恥ずかしいよぉ」

 

「アキラ君もずいぶん色気付いた台詞を言うようになったねぇ」

 

はやてがからかうように言ったが、アキラは顔色を変えないで答える。

 

「なんでだ?正直に思ったことを言えるんだから…いいことだろ?」

 

焦るか、照れるかするかと思っていたが、アキラはそんなことはなく、正論を並べた。アキラは人間らしくなったのか、まだ無感情な戦士のままなのか、まだ良くわからない。

 

そんなこんなで、時間は過ぎていき、23時58分を迎える。

 

「さぁ、もーすぐ年越しやで~来年になったらみんなで御節料理つっつこうな~」

 

はやてが用意した御節はすでに下ごしらえが済んでおり、もう軽く手を加えるだけで完成だ。アキラは時計をギンガと共に眺めていた。あと59秒。

 

「あと50秒ちょいで…年が変わる…。ギンガ、俺は来年変わるよ。無愛想な性格も…治せるようにがんばる」

 

アキラの意外な言葉にギンガは驚きはしたが、そんな言葉がアキラから聞けて彼女は嬉しかった。そこで、ギンガはアキラの身体を引き寄せ、顔を近づける。

 

「ギンガ……?」

 

「さっきの…続き……スバルが入ってきてちゃんとできなかったから」

 

「え………」

 

 

「さ〜!もうすぐカウントダウン始めんで〜!!!」

 

年が開けるまであと数十秒に差し掛かった。ギンガの顔が目の前にある。幸いなことに全員壁に写し出された時計に夢中で自分たちの方は見ていない。

 

それを確認するとアキラは一秒が刻まれる度に少しずつ顔を近づけた。

 

「10!9!8!7!6!」

 

「……」

 

「…………アキラ君」

 

「5!」

 

「ギンガ…」

 

「4!」

 

「愛してる」

 

「3!」

 

「私も」

 

「2!」

 

「これは…約束のキスだ」

 

「1!」

 

「大好き…」

 

「0ォォォォォ!!!!」

 

「ん…」

 

年が越した瞬間二人はキスをした。そして、まるで二人を祝福するように、スバル達の持っていたクラッカーが鳴り響く。そして、少し遅れて、アキラとギンガが二人で一つのクラッカーを鳴らした。

 

「よしっ!じゃあこれにて一時解散や!再集合は五時間後!ええね!」

 

すっかりはやて達もテンションがハイになっている。御節の仕上げをするために隊長達は降りていってしまった。スバル達も、少しは残っていたが、バラバラと屋上を去ってしまう。

 

残ったのは、ギンガとアキラの二人だけ。

 

 

※もしかしたらR-18を書くかもね!

 

 


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