IS-Junk Collection-【再起動】   作:素品

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朝起きたら弟が、「バレンタインのチョコは食したか!?」とか言ってきて家出したくなった。

お姉さんキャラって、ゴッドイーターのジーナさんとデレマスの木場さん以上の方が現れない。

んなことで幕外。


幕外 ・・・・・・えっ、会長? 知りませんねぇ。外道と淑女の究極接待のこぉうなぁー!!(最後に重要報告あり)

「はい、みんな! いつもIS-Junk Collection-を見ていただき、本当にありがとうございます! 日頃のご愛好と日付もありまして、この更識 楯無! 一肌脱ぎまして、ネコミミとしっぽをつけてみたニャー!」

 

「・・・・・・鎌意外と使いやすいですね」

 

「服装は縦じまセーターなんだけど肩が見えちゃうヤツで、ちなみに下はスカートも何も穿いてないから結構ギリギリなの・・・・・。私でも少し恥ずかしいかニャン? だ・か・ら、今日だけニャンだからね?」

 

「捕食、ドーン。捕食、ドーン。うん。やっぱり、シユウはアサルト捕食弾が一番効率いいですね」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ねぇ」

 

「なんですか?」

 

「助けて」

 

「嫌です」

 

 

ということで、幕外が始まっちゃいます。

 

 

「自分で掘った墓穴くらい自分で埋めてくださいよ、更識 痴女さん」

 

「私の名前は楯無! ていうか、さっきから何してるのよ伊流華。あなた幕外の司会進行でしょ!?」

 

「いえ、あなたの痴態を弄るより荒神狩ってた方が楽しいので」

 

 

レイジ楽しいです by 作者

 

 

「そもそも原作でもやたらに肌色成分強めのあなたを弄ったところで、面白いことなんてほとんど有りゃしないんですよ。エロいキャラにエロいことしても全然愉しくありません。しかも本編でも、あなたの扱い方が滅茶苦茶に面倒なんですよ。半端に裏知ってるだけに絡ませない訳にはいきませんし、だからといってキャラクター性が大分アレなんで使いづらすぎるんですよ。ブレイブルーで言うところのハザマさんです。でも、ハザマさんは格好いいので大好きです。愛してると言っても過言ではありません。でも、そこの痴女、お前は許さん」

 

「・・・・・・機嫌悪い?」

 

「べっつにー。機嫌悪くないですよー。本編出るチャンスを横取りされたから怒ってるとかー、全然そういうんじゃありませーんよー」

 

「・・・・・・そういうことね」

 

 

当初は二十九幕で菷さんにはオリキャラの伊流華さんをぶつけるつもりでした by 作者

 

 

「まぁ、それはそれとして・・・、一夏くんは? このコーナーは彼と二人で進めていくもんじゃないの?」

 

「彼なら凡矢理高校で十年前に貰った鍵を頼りにニセコイしてますよ」

 

「中の人!? それ中の人だから!!」

 

「まぁ、作者的には月刊マガジンの『金の彼女 銀の彼女』が来てるようですけどね」

 

「知らんわ!!」

 

 

納得できる理由でモテる主人公っていいっすよね。変態でも貫く意地を持ってる男だと色々安心できます。 by 作者

 

 

「さて、ここで一つ今回の痴女の格好について振り返ってみましょう。格好は肩が露出するタイプのセーターに猫耳と尻尾を生やしたヤツ。コンセプトは健全なエロスのつもりだったのですが、調子に乗った彼女がホットパンツを拒否したのでこの様です。パンツを出して喜ぶのは中学生と下半身に脳ミソ引っ付けた馬鹿までです。とりあえず、零かアルトネリコから入りましょう。次にドラッグオンドラグーンとニーア、最後にサイレントヒルのバブルヘッドナースの足にエロスを感じられるようになったら、ようこそこちら側へ」

 

 

指をワキワキ動かしながら、奇っ怪な構えを取る伊流華に楯無が本格的に身の危険を感じ始めたとき、唐突に鐘が鳴った。

 

 

「? 教会、婚礼の鐘?」

 

 

何となくに、聞き覚えがあった。

 

白い教会、二人の男女が愛を誓い合い、神に祝福される神聖な場所。

 

彼女にとっては、最も縁遠い場所でもあった。

 

 

「おや、準備ができたようですね。では、行きましょうか」

 

 

それだけ言うと、伊流華は楯無の手を掴む歩き出した。

 

もちろん、未だに見えそうで見えない、というか既に服の意味さえ成していないため薄い青の下着が完全に晒されている。

 

それを必死に隠そうと無駄な努力を続ける楯無をガン無視し、なおも直進していく。

 

 

「ちょ、ちょっと待ってよ伊流華! 準備って、というか何処に行くの!?」

 

 

楯無の訴えはもっともだったが、伊流華は何を今さら、といった風に面倒くさそう振り向く。

 

そして、至極当たり前といった感じに、彼女は言い放った。

 

 

「決まってるじゃないですか、貴女の結婚式です」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」

 

 

今世紀最大、そして彼女人生で最も間の抜けた表情だったのは、言うまでもないだろう。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

「ね、ねぇ、伊流華!? なんで、ていうか、もう何がなんだか分かんないんだけど!! せめて説明くらいしてよ!?」

 

「あーもう、五月蝿いですねぇ。もうここまで来たんですから、さっさと行って、くだ さい!!」

 

 

半ば蹴り飛ばされるように入った先は教会。

 

大きな扉のその向こう、規則的に並べられた長椅子の間には純白の絨毯、バージンロードが祭壇へと伸びていた。

 

柔らかな光、澄んだ空気が楯無を包み込む。

 

 

「どういうことよ、これ。それに、この格好は・・・・・・・・・・・・」

 

 

楯無が視線を下げた先には青い布。

 

レースで彩られた青く薄い布地は彼女の全身を包んでいた。上半身のラインを写し出すチューブトップのようなデザインに、爪先まで隠すフレア型の大きなスカート。手には肘まで伸びた同色のオペラ・グローブあり、頭部にも淡い水色のベールが掛かっている。

 

それは間違うことなく、ウェディングドレスだった。

 

楯無は歩き出した。訝しげに、疑いながら。

 

後方に伸びる引き裾を引き摺りながら、慎重に歩を進めていく。

 

気づくと白かったはずの道が、うっすらと色づき始めていた。仄かな赤。その色は、かつての自分たち四人が見た、夕日の色に似ていた。

 

なおも続いていく赤色は徐々にだが、その色を冷ましていく。そして、楯無が瞬き(まばたき)をした瞬間、それは変貌する。

 

 

「・・・・・・・・・・・・!!」

 

 

こびりつくような赤黒い液体が、ぶちまけられていた。

 

楯無は疑問符を浮かべる間もなく理解した。

 

理解させられた。

 

それが、自分の罪業であることを。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

楯無は再び歩き出す。

 

それが自分の意志で行っている行動かも分からず、足下で鳴り続ける水の跳ねる音を耳の中に蓄えながら、ひたすらに歩を進めていく。

 

これまでのように、これからのように。

 

 

「一つ、思っていたことがあるんです」

 

「伊流華・・・・・・?」

 

 

声に誘われるように後ろを見ると、そこには見知った顔があった。

 

 

「誰にでも明るく気丈に振る舞う貴女ですが、それが自分のこととなると非常に覚束なくなる。まるで、二本の足で立ち上がる術を知らない赤子のように不器用で、不細だ」

 

 

自分に向けて進む伊流華を視線で追いながら、楯無は彼女の言葉に耳を傾ける。

 

彼女を意図を知るために、この場意味を知るために。

 

 

「バージンロードとは、歩く者の人生を差すそうです。いったい、貴女が自分の足下に何を転がしてきたかは、私の預かり知らぬことですが、そうやって下ばかり見ていては見るべきものも見えないでしょう」

 

「・・・・・・・・・・・・なにが、言いたいの?」

 

「貴女、自分が幸せになるべき人間でない、なんて考えていませんか?」

 

 

正面にきて伊流華は足を止める。

 

楯無は、何も言えずにいた。

 

彼女の後ろには、確かに自分が打ち捨てた存在たちがいたからだ。

 

ならば逆に聞きたい、自分は幸福で在るべき人間かそうでないかを。振り向けばいつだって雁首を揃えて鎮座し続ける彼らを前に、自分だけが幸福の端を齧る資格があるのかを。

 

 

「ふむ、何か言いたげなようですが、言わない所を見ると未練はあるようですね」

 

 

得心のいった、といった風に一つ頷きを見せながら、伊流華は楯無を追い越して歩いていく。

 

 

「さて、とりあえず前を向いて見てください。何が見えますか?」

 

 

伊流華の言葉、先へと進む彼女の背中に引かれるように視線をずらしていく。

 

前へ、前へ。

 

上へ、上へ、と。

 

 

 

 

 

 

そこには、何も在りはしなかった。

 

 

 

 

 

 

「何かありましたか? 私と貴女では視界を共有できないので憶測でしか言えないのですが、何もないでしょ?」

 

 

手を握られ、引かれるままに踏み出した一歩を中心に、また道が産まれていく。

 

これまでの絡み付くような赤黒い、鉄臭い泥ではない、彼女のドレスが溶け出したかのような美しい水の色。

 

 

「人は行き先の書いていない片道切符を片手に生まれてきます。そこに何を記すかを決めるのは、貴女だけにしかできないこと。だから、幸せになる努力は決して無駄ではありませんよ?」

 

 

世界は渦を巻き、視界には再び人の座らない長椅子と祭壇が現れる。

 

ただ、自分の足下の色は青く変わり、祭壇の下には男が一人立っていた。

 

 

「待ちましたか?」

 

「いや、俺も丁度来たところさ」

 

 

そこにいたのは、上から下までを白い燕尾服に包んだ織斑 一夏だった。

 

超展開の連続に追い付けずにいる楯無を無理矢理に一夏の前に立たせ、伊流華はさっさと椅子に座ってしまう。

 

 

「安直ではあるけど、幸せの象徴ってこういう場だと思うんだよ」

 

「えっ?」

 

「互いが互いに愛を告白しあう、それが人として一番に充足しあえる瞬間だとおもうのさ」

 

 

一夏はそう言って、どこか気恥ずかしそうに笑う。

 

つられてか、その意味を知ってか楯無も顔を赤く染めていく。

 

 

「所詮はゴッコ遊び。泡沫(うたかた)の夢で終わっちまうこの一瞬だが、あんたに人並みの幸福を実感してほしいのさ」

 

「幸福になるべき人間は幸福であるべきです。救われない物語は虚淵にでも任せて、ここでは素直に笑っていてくださいよ更識殿」

 

 

二人の言葉を聞きながら、彼女の中でようやく一つの答えが浮かぶ。

 

同時に目頭が熱くなる。

 

それこそ、涙を流さずにいるのがやっとなほどに、感情の奔流が溢れて止まらないのだ。

 

 

「えっと、死が二人を分かつまで、だっけか? やべ、台詞忘れた」

 

「ちょっと。ここからがクライマックスなのに、あれだけ予習しといて下さいと言ったじゃないですか」

 

「あっ、思い出した! えーっと、楯無さん。僕と ブッ」

 

 

グダグダに成り始めた空気を押し止めるかのように、一夏の開きかけた口を細い指が塞ぐ。

 

 

「要らないわ、一夏くん。言葉は無くならないけど、使う度に磨り減っちゃう。だから、それはその時まで取っておくわ」

 

 

驚く二人だが、楯無を見ることでそれも呆れ笑いとなって消えていく。

 

 

「ありがとう、二人とも。私は、しっかり幸せ者よ?」

 

 

青のドレスを輝く光に撮しながら涙混じりに笑う更識 楯無は、誰もが認める幸福者の顔で笑ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、ということで始めよう」

 

「終わりの始まりを」

 

「へっ?」

 

ガシャンガシャンガシャンズギャパピポーン、といった面白サディスティックなボイパと共に楯無が魔法少女みたいな全裸空間で鎖で拘束、そして衣装チェンジを済ませる。

 

「今回はエロウェディングです。全体的にアダルティな下着風に。スカートの長さをそのままに、前面を全体的に解放ガーターと下着が素晴らしいことに。詳しくは矢吹先生の画集見てください」

 

「えっ?」

 

「いつもにまして素晴らしい出来ですね、百舌鳥さん。どうしたんですか、楯無さん。鳩がRPG食らったような顔で」

 

「えっ、だって、さっき」

 

「ここからが本番です。さっきのは茶番です」

 

「んじゃあ、やりますか」

 

「な、何を?」

 

「「くすぐりプレイ」」

 

「私の涙返せーーーー!!!」

 

ワキワキワキワキワキワキワキワキワキワキワキワキワキワキワキワキワキワキワキワキ

 

さぁ、始めましょう。

 

俺たちがヤると言ったときには、既に行動は終わっているのだよ。

 

 

「やめて、近づくないで、私のそばに寄るなああーーーーッ」

 

 

【終幕】




突然なんすが、少々今作品に休暇をだそうと思います。

行き詰まったといいますか、いっぺん頭をリセットして行こうと思うんです。同時進行中の作品を書きながら、これからの話を練り直そうと考えてます。

まことに勝手ではありますが、どうかご容赦ください。

それでは

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