IS-Junk Collection-【再起動】   作:素品

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この話は作者の腹痛の癒しのために書きました。

第十六幕とは真逆の雰囲気ですのでご注意を


幕外 天使確認で外道と淑女は司会進行 、腹痛に癒しをコーナー

「最近日和ってきたと思ったらこの惨劇だよ。織斑 一夏です」

 

「急遽駆り出された、百舌鳥 伊流華です」

 

「今回も始まったゲリラ的幕外編ですが、上の本編にて黒サマーがやらかしました。そんなわけでここで気分的なのをリセットしてもらおうという腹です」

 

「というよりは、作者のメンタル回復が主ですね。こんな作品書いてるくせに、腹パン書いていて勝手にストレスで腹痛起こしてますし」

 

ワリとガチです by 作者

 

「お気に入り増えたし、批判も今んとこ来ていないのに何してんだよ」

 

「作者は基本的にSよりの性癖してるのに、一定ライン越えると一気にヘタレますからね。半端にニトロ脳を拗らせてますから、よけいに酷いです」

 

「まぁ、そんなわけで今回は今作の唯一の癒しポイント、のほほん様の一日を描いた正統派スピンオフでがす」

 

「時系列はイギリス戦から数日後、彼女が過ごす優しく暖かい物語です。本編の雰囲気なんざ知りません」

 

「「では、幕開けでございます」」

 

◎ ◎ ◎

 

―――AM 7:30

 

「ほぉらぁ! 起きてよ、本音! 朝ごはん食べられなくなっちゃうよ!?」

 

某所、学生寮のとある一室にて朝早くから大声が響いていた。

 

どうやら中々起きないルームメートを起こそうと奮闘しているようだ。

 

「うにゅ~・・・・・・」

 

そして、狐のキグルミにに身を包んだ少女、布仏 本音は可愛らしい声をあげて寝返りをうった。

 

「もう、毎日毎日起こしても全然起きないし! 今日こそ先に行くからね!?」

 

「はう、みゅ~」

 

「ホントに置いてくからね!?」

 

「すひゅ~・・・・・・」

 

「ホントだよ!?」

 

「えへへ、おりむー♪」

 

「・・・・・・あぁ、もう可愛いなちくしょおおおお!!(若本調)男の名前呼びながら枕をぎゅっとしやがって、どこまでポイント抑えてくるつもりだよ、この天使様は! 765の天使と戦争する気か!? いいから早く起きてよ~!!」

 

―――AM 8:20

 

朝食後、本音は一年一組への道を歩いていた。

 

普段から彼女は袖が余る服装であるため、腕を振って歩く度にパタパタと袖が揺れる。

 

「らったったらっぱっぱっぱ♪ いぇい いぇい♪」

 

さらに微妙に違う歌詞で歌を口ずさみながらの姿は、道行きすれ違う少女たちの母性本能を無差別に辻斬りしていく。

 

「あっ、おりむー!」

 

そんな本音は目当ての人物、織斑 一夏を見つけると駆け出す。それを見ている辻斬りされた少女たちが、転ぶのではないかと気を焦らせてしまう。

 

そして案の定、

 

「うわっ!?」

 

躓いた。周りの女子全てが息を呑み、これから起きる悲劇と動けないでいる自分の不甲斐なさに悲鳴をあげそうになる。

 

「おっと」

 

「わぷっ」

 

それを屈んで受け止めるのは一夏だった。

 

ちょうど本音の顔が彼の胸に収まる形であり、端から見れば抱き合っているようにも見えた。

 

「おいおい、相変わらず朝から元気だな、のほほんさん! いつもの時間に朝飯に来なかったから、何かあったんじゃねぇかって ぐおっ」

 

「ん~~~~!」

 

訂正、抱き合っていた。

 

本音が一夏の首に手を回し、力一杯抱き寄せ、頭をグリグリと胸元に擦り付けている。

 

「うふふっ、おりむー」

 

腕の力を抜いて少し距離を空け、それでもかなりの至近距離で、本音は一夏に満面の笑みを浮かべる。

 

「おはよう!」

 

「・・・・・・あぁ、おはよう」

 

少し呆気に捕られながらも、ニッカリと笑って一夏もそう返した。

 

のちに一人の女子が語る。

 

『ブラックコーヒーが美味しい季節です♪』

 

―――AM 10:50

 

「ねぇねぇ、しののんって料理上手なのー?」

 

「・・・・・・まぁ、人並みには、な」

 

二時限目の休み時間、本音は箒もとに来ていた。

 

「何が得意なの?」

 

「最近は、唐揚げなどに凝ってるな」

 

「おぉー! 揚げ物できるんだー!」

 

純真爛漫に笑う本音に対して、箒の顔はすぐれない。

 

それを気にしてか、本音は覗き込むように箒を見ると、気まずげに目を逸らしてしまう。

 

「私なんかと話していて、いいのか?」

 

「・・・・・・しののんと話しちゃダメなの?」

 

「いや、そう言うわけじゃない! だから、泣きそうな顔をしないでくれ!」

 

本音の消えいりそうな声を聞いて、慌ててそう取り繕う箒であった。

 

「ほら、お前はいつも一夏と一緒にいるだろ? だから、な」

 

「なら、一緒におりむーのとこに行こうよー!」

 

「・・・・・・っ」

 

「?」

 

本音は箒の手を握って引っ張ろうとするが、箒は机から動こうとはしなかった。

 

「いや?」

 

「今は、あまり話したくない」

 

「そう、なんだ・・・・・・」

 

残念そうに項垂れる本音を見て、またやってしまったか、と少し青ざめる箒だったが、繋がれた手を強く握られたと同時にそれが杞憂であることを知った。

 

「じゃあ、いつかみんなで一緒にお弁当もって、どこかに行こう? しののんの唐揚げ食べてみたーい!」

 

「・・・そうか。じゃあ、その時は腕によりをかけないとな」

 

「うん!」

 

本音の笑顔に、少しだけ救われた気のする箒だった。

 

―――PM 01:10

 

昼休み、本音は四組の教室前にいた。視線の先には仮想ディスプレイを展開し何かを打ち込む、青い髪の眼鏡をかけた少女を不安げに見つめている。

 

「何をしていらっしゃいますの、本音さん?」

 

そんな彼女に声をかけたのは、長い金髪を揺らすセシリアだった。

 

「せしりん・・・」

 

「あれはたしか、日本代表候補の更識 簪さん、でしたわね。お知り合いですの?」

 

「うん、大切な友達。けど・・・」

 

「けど?」

 

「・・・・・・ケンカしちゃったの」

 

その言葉にセシリアは少なからず驚愕した。

 

あの人畜無害な本音が、誰かと喧嘩するなど想像もできなかったからだ。

 

「かんちゃんってね、たくさん頑張ってきた人なの。でも、皆は認めてくれなくって、やっと候補生になれたのに専用機作ってもらえなくって、それでね・・・・・・」

 

「もう、いいですわ、大体判りましたから」

 

そう言ってセシリアは本音の話を中断させた。

 

彼女には見ていられなかった。いつも花のように笑う彼女が、こんなにもツラそうにしているのを。

 

「きっと彼女は、一人で頑張らなきゃいけない、そう思い込んでいるのだと思います」

 

「・・・・・・うん」

 

「ですから、今すぐの仲直りは・・・・・・」

 

「待つよ」

 

「えっ?」

 

「今は、かんちゃんがとっても大変なのは判ってるの。だから、待ってる。いつか、かんちゃんのことを手伝えるの、ずっと待ってるんだ」

 

そう言い切る本音の瞳には少しの寂しさと、健気な簪に対する信頼の光があった。

 

「・・・・・・本当にいい子ですわね。一夏さんにも見習わせたいですわ」

 

「おりむーもいい子だよー?」

 

「貴女より不器用ですけどね?」

 

そう言って、セシリアは本音に苦笑いを浮かべたのだった。

 

―――PM 06:30

 

「おりむーは、そんなことしないもん!!」

 

廊下で本音の大声が響いた。

数名の女子が本音に向けて、"例の噂"の真偽について聞いてきたのだ。

 

そんなことを言われて許容できるような本音でもなく、非常に珍しいことに彼女は怒っていた。

 

「何を騒いでいるの?」

そんな場面に現れたのは青い髪に扇子を持った、生徒会長の楯無だった。

 

すぐに状況を理解した彼女は、本音に絡んできていた連中を追い払うと本音の方に向き直る。

 

「本音、私も織斑 一夏は危険な人物だと思ってるの」

 

「えっ?」

 

その言葉は、本音にとっては予想外のものであり、相手が楯無だっただけに一番言って欲しくなかったものだった。

 

「イギリスの代表候補との試合を見たけれど、あれは素人の動きじゃなかったわ。きっと、何かしらの裏がある。私にも伝えられないほどの何かが、ね」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・まぁ、あなたと彼の仲は知ってるわ。でも、気を許し過ぎちゃ駄目よ?」

 

『注意』と書かれた扇子を広げ、睨むように見てくる本音に背をむけ、楯無もその場を後にした。

 

「おりむーは、そんなこと、しないよ・・・・・・」

 

一人残された本音の声が、寂しげに夜の校舎へと消えていった。

 

―――PM 07:25

 

本音は一夏を探していた。夕飯時なのに現れない彼を探し、校舎中を走る。

 

そして星明かりに照らされる中、中庭のベンチに座る一夏を見つけた。

 

「ん? あれ、のほほんさんじゃん。どうしたんだよ、こんな時間にこんな場所に」

 

本音がいることに気づいた一夏は、いつものようにヘラヘラと笑いながら、気さくに手を振っている。

 

「ていうか、あれ? もうこんな時間? ヤベー、晩飯食ってねぇじゃん」

 

「おりむー・・・・・・」

 

「うわぁ、早く行かねぇと食いっぱぐれちまうな。さて、今日はどうするか―――」

 

「おりむー!」

 

気づけば本音は一夏の手を、両手で握りしめていた。

 

普段から袖の中にある本音の手は小さく、二つでようやく一夏の片手を包めるくらいしかない。だが、握る力は強く、何より暖かかった。

 

「ずっと、友達だから・・・」

 

そんな本音の行動に驚くが、本音の瞳に涙が溜まっているのを見て、表情を引き締める。

 

「ずっと、ずっと友達だから」

 

「・・・・・・・・・・・・うん」

 

「ずっと、ずっとずーーーっと友達だから!」

 

本音の叫びに一夏は静かに頷くと、視線を合わせるように身を屈め、握られている本音の手を包むように手を重ねる

 

そして、彼は優しく微笑んだ。

 

「あぁ、ずっとずっと友達だ。こんな俺と友達になってくれて、ありがとよ」

 

それを聞いて本音の顔にいつもの笑顔が戻る。

 

一夏も、いつものように笑っている。

 

「さぁて、友達ついでに飯食おうぜ。何がいい? 今日は俺が奢るからよ」

 

「ホント? じゃあ、カレーがいい!」

 

「オッケー、カレーな。何だか今日は俺もカレーな気分だよ。一緒に食おうぜ?」

 

「うん!」

 

綺麗な月明かりが、手を繋ぎ笑い合う、二人の姿を優しく照らしていた。

 

◎ ◎ ◎

 

「いかがでしたでしょうか?」

 

「のほほんさんマジ天使」

 

「いや、アンタには聞いてねぇよ。批評でもいいので、感想を戴けると非常に作者は喜びます」

 

「というより、読者の皆様のリアクションがないと作者は疑心暗鬼で死にます。マジな話です」

 

個人的に今回の楯無事件は、かなり書いてヤバい部類だっため、批判でも何でもいいので何かしらのコメントが欲しいです。

 

これで良いのか悪いのか、どうかお願いします。by 作者

 

「んじゃあ、そろそろ締めますか」

 

「そうですね。ではコメントお願いします」

 

「しつけぇよ」

 

「「では、アリーヴェデルチ!」」

 

《終幕》




勢いで書きましたが満足しています。

感想の方でも、のほほんさんは人気でしたので、どうせですのでやらせていただきました。

では、感想とかお願いします!

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