アホばっかのバカ達へ~アホメンパラダイス~   作:黒やん

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第7問

『日本独自の技術で、円の動きを取り入れた、主に 護身術として使われる武術を答えなさい』

 

姫路瑞希の答え 『合気道』

 

教師のコメント

 

「正解です。姫路さんも体を鍛える意味でも習って みてはどうでしょう?」

 

木下優子と島田美波の答え

 

「関節技」

 

教師のコメント

 

「武道じゃありません」

 

雑賀佳史と吉井明久の答え

 

「…関節技」

 

教師のコメント

 

「間違いです。…しかし何故君達の答えから哀愁を 感じるのでしょうか?」

 

土屋康太の答え

 

「四十八手」

 

教師のコメント

 

「そろそろ西村先生と大島先生に徹底的指導をお願 いしておきます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「昨日言っていた作戦を実行する」

 

朝のホームルームが始まるなりそんな事を言い出し た雄二

 

「作戦?」

 

「Cクラスを敵にしない為の作戦だ」

 

「そうか」

 

…何故俺の冷や汗が止まらないんだろうか

 

「それで何すんの?」

 

「秀吉にコイツを着てもらう」

 

そう言って雄二が紙袋から取り出したのは文月学園 の女子生徒の制服

 

オトナのお友達にも大人気の代物…らしい(ムッツ リ商会調べ)

 

…雄二、お前ついにそんな趣味の方向に…

 

「佳史、そんな目で見るな。地味に傷つく。後俺に そんな趣味は無い」

 

「それは重畳」

 

「別に構わんがそれでどうするんじゃ?」

 

いや、構え!(俺が)優子に殺される!

 

「って待て!もしかして作戦って…」

 

そこまで言うと、雄二はニヤリと笑って

 

「そうだ。秀吉には木下優子としてAクラスの使者 を装ってもらう …というわけで秀吉、用意してくれ」

 

「うむ」

 

「ちょ、待て秀吉!考え直せ!優子にころムグゥ! ?」

 

一瞬で明久と康太に口をふさがれる

 

「……佳史、これだけは邪魔させない…!」

 

「クラスの為なんだ。…諦めてよ」

 

その後すぐに康太にスタンガンをくらい、意識を手 放した…

 

―――――――

 

「…は一人で頼むぞ秀吉」

 

む…ここは…

 

「あ、佳史、目が覚めた?」

 

「明久…ここは?」

 

「…Cクラス前」

 

「なにぃ!?」

 

「静かにしろ。秀吉が教室に入るぞ」

 

くっ!せめて秀吉が学校バージョンの優子を演じて さえくれれば…

 

「静かになさいっ、この薄汚い豚ども!」

 

ああ…終わった…

 

もうすでに震えが止まらない…!

 

「な、何よアンタ!」

 

「話し掛けないで!豚臭いわ!」

 

なんだよ、もうツッコミどころしかねーよ(←投げ やり)

 

「アンタAクラスの木下ね?ちょっと点数良いから っていい気になってるんじゃないわよ!」

 

そーですね(←適当)

 

「私はね、こんな臭くて醜い教室が同じ校内にある なんて我慢ならないの!貴女達なんて豚小屋で充分 だわ!」

 

「なっ!言うに事欠いて私達にはFクラスがお似合 いですって!?」

 

Fクラスは豚小屋じゃねぇぞ?…多分

 

「手が穢れてしまうから本当は嫌だけど、特別に今 回は貴女達を相応しい教室に送ってあげようかと思 うの」

 

秀吉の野郎、間違いなく日頃の恨みも込めてやがる な

 

「ちょうど試召戦争の準備もしているようだし、覚 悟しておきなさい。近いうちに私達が薄汚い貴女達 を始末してあげるから!」

 

あはは…終わった。終わったよ…俺の人生…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで良かったかのう?」

 

めちゃくちゃスッキリした声の秀吉が近づいてくる

 

「ああ、素晴らしい仕事だった」

 

何でこんな事になったんだろなぁ…

 

「…ん?ちょっと雄二!佳史が某ボクサーみたいに 真っ白なんだけど!?」

 

「何!?急いで起こせ!佳史は今回の戦争には必須 だ!」

 

「了解!」

 

そっかぁ、あの卑怯者が卑怯な作戦たてやがったせ いか…

 

「クックック…」

 

「……スタンガンが効かない」

 

「隊長!佳史が笑い出しました!スタンガンも効き ません!」

 

「根本…」

 

「え?」

 

「根本…コロス…」

 

俺の命を窮地に陥らせた罪…きっちり晴らしてもら う!!

 

「「「「………」」」」

 

「…ねぇ、雄二」

 

「…何だ」

 

「僕達、なんか目覚めさせてはいけないモノを起こ しちゃったんじゃ…」

 

「…言うな」

 

「……反省」

 

 

 

 

 

 

―――――――

 

 

 

 

 

 

「ドアと壁をうまく使うんじゃ!戦線を拡大させる でないぞ!」

 

廊下に秀吉の声が響く

 

あの後Bクラス戦が開始され、Bクラス前で膠着状 態になっている

 

雄二が俺達に課した作戦はただ一つ

 

『敵を教室内に閉じ込めろ』

 

その作戦に従い、教室前を包囲しているのだが…

 

「………っ!(オロオロ)」

 

瑞希の様子がおかしい

 

「右側出口、押し込んだ!」

 

「ホウキを使って完全に封鎖しろ!三、四人掛けて もいいから絶対に開けるな!」

 

これで俺が左側を張れば問題ない

 

しかし、あの慌てっぷりは気になるが…

 

「Bクラス吉野が現国勝負を申し込みます!」

 

「雑賀佳史が受ける!」

 

まあ、そっちは明久に任せよう

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

Bクラス 原田芳樹 VS Fクラス 雑賀佳史

 

現代国語 0点 VS 218点

 

「はあ…はあ…」

 

もう何人倒しただろうか。十人を超えたあたりから 数えるの止めたしな

 

「本隊が来たぞ!」

 

「大丈夫か佳史!?」

 

「遅ぇよ…死ぬかと思ったっての」

 

ちょっと冗談混じりで悪態をつくと、雄二が小さな 声で

 

「なんとか3時まで耐えてくれ。そうすれば俺達の 勝ちだ」

 

「…しゃあねぇな。やってやるよ」

 

現在、2時55分

 

ドォォォン

 

「お前らいい加減諦めろよな。昨日から教室の出入 り口に人が集まりやがって…暑苦しいことこの上な いっての」

 

Bクラスから腹立つ声が聞こえてくる

 

「どうした?ギブアップか?今なら罰ゲーム2つで 許してやるぞ~?」

 

根本を挑発しながらまた一人倒す。とうとう現国が 200点をきった

 

ドォォォン

 

「はぁ?ギブアップするのはそっちだろ?」

 

「無用な心配だな」

 

「そうか?頼みの綱の姫路さんは調子が悪そうだし 、雑賀はそろそろ限界みたいだぞ?」

 

…やっぱりコイツが瑞希になんかしたのか

 

「…お前ら相手じゃ役不足だからな。休ませておく さ」

 

「俺が限界?冗談抜かせ。その内味方がいなくなっ て焦んなよ?」

 

とは言ったものの割とヤバい。せめて教科が変更出 来ればいいんだが…

 

「はっ、口だけは達者だな!負け組代表さんよォ! 」

 

「負け組?それがFクラスの事ならもうすぐお前が 負け組代表だな」

 

ドォォォン

 

「…さっきからドンドンうるせぇな。何かやってい るのか?」

 

「どうだろな?人望人気信頼信用が一切ないお前に 対する嫌がらせじゃないか?」

 

ついに残り100点をきった。

 

…急げ明久!

 

「けっ、言ってろ。どうせもうすぐ決着だ。お前ら !さっさと雑賀をやってしまえ!雑賀さえやれば後 は雑魚だ!」

 

「……態勢を立て直す!一旦退くぞ!」

 

雄二の言葉に一瞬疑問符が浮かんだがすぐに切り替 えてBクラスのやつを戦死させ、すぐさま召喚範囲 から抜ける

 

…残り68点。ギリギリだったな

 

「どうした!散々ふかしておいて逃げるのか!」

 

三十六計逃げるに如かずって昔の偉い人が言ってた のをしらんのか?

 

「「後は頼んだぞ、明久」」

 

3時ジャスト!!

 

「だぁぁーっしゃあぁーっ!!!」

 

ドガァァァン

 

明久達奇襲部隊がBクラスの壁を破り、根本に特攻 する!

 

「今だ!全員反転!Bクラスの奴らを一人残らず足 止めしろ!」

 

「Fクラスの雑賀佳史がBクラス近衛部隊全員に古 典勝負を申し込む!」

 

「承認します」

 

Bクラス 近衛部隊×6 VSFクラス 雑賀佳史

 

古典 平均168点 VS 688点

 

「なっ!?」 「まだあんな切り札を!?」

 

俺の点数を見てざわつく近衛部隊

 

「俺の一番の得意教科は古典なんだよ!…まぁ、何 はともあれ…」

 

「ムッツリーニィーー!」

 

そんな声が聞こえたと思うと、康太が根本を強襲し ていた

 

「…THE END。戦争終結だ」

 

Bクラス VS Fクラス

 

Fクラスの勝利

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ…痛いよう、痛いよう…」

 

当たり前だろう。素手でコンクリ壊したようなもん なんだから

 

「明久、なんともお主らしい作戦じゃったな」

 

「で、でしょ?もっと褒めてもいいと思うよ?」

 

何を調子乗ってんだコイツは

 

「後の事を一切考えず、自分から退学への階段を上 る、男気溢れる素晴らしい作戦だな」

 

「その通りじゃ」

 

「…遠まわしにバカって言ってない?」

 

堂々とバカって言ってますが何か?

 

「ま、それが明久の強みだからな」

 

なんという不名誉な称号!

 

「…さて、それじゃ嬉し恥ずかし戦後対談といくか 」

 

「だってよ。な、負け組代表サンよぉ?」

 

「………」

 

さっきまでの態度が嘘のように床に座り込んでいる 根本

 

ま、自業自得だな

 

「本来なら設備を明け渡してもらい、お前らには素 敵な卓袱台をプレゼントするところだが、特別に免 除してやらんでもない」

 

雄二の言葉にBクラスFクラス問わず騒ぎ始める

 

「落ち着け。俺達の目標はAクラスだろ?通過点で 満足すんな」

 

「そうじゃのう」

 

「まあ…Bの代表次第だけどな」

 

直にFクラスの皆は静かになる

 

「…条件はなんだ」

 

「条件?それはお前だよ。負け組代表さん?」

 

「俺、だと…?」

 

「ああ。お前には好き勝手やってもらったし、正直 去年から目障りだったんだよな」

 

「俺の死因を作り上げやがって…!」

 

周りのフォローは一切ナシ。流石嫌われ者

 

「そこでBクラスに特別チャ~ンス!」

 

「Aクラスに行って試召戦争の準備が出来てると宣 言して来い。そうすれば今回は設備に関しては見逃 してやろう。ただし宣戦布告はするな。あくまでも 戦争の意思と準備があるとだけ伝えるんだ」

 

「…それだけでいいのか?」

 

むしろそれだけで済むと思ってんのか?

 

「ただし!Bクラス代表がコレを着て言った通りに 行動すればな!」

 

俺が取り出したものは女子の制服(秀吉使用済み)

 

これはさっき雄二と考えた罰ゲームだったりする

 

「ば、馬鹿なことを言うな!この俺がそんなふざけ たことを「つべこべ言わんと着とけっ!」あべしっ !?」

 

某キャラクターのように崩れ落ちる根本

 

「Bクラスの野郎共!(根本を)やる気は十分か! 」

 

「「「おおぉぉぉーっ!」」」

 

「…佳史、容赦ないね」

 

「………不憫」

 

何のことやら

 

「さて、俺はそろそろ帰るわ!」

 

「お疲れ様、佳史」

 

「明日はAクラス戦だからな。遅れるなよ?」

 

「…雄二、お前何言ってんだ?」

 

「ん?」

 

…これは本気で忘れてやがるな

 

「明日は寮対抗の球技大会だぞ?」

 

「「「…え゛」」」

 

…全員忘れてたのかよ


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