アホばっかのバカ達へ~アホメンパラダイス~   作:黒やん

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第6問

『上方置換法と下方置換法について説明しなさい また、置換法をもう一つ書きなさい』

 

姫路瑞希の答え

 

「上方置換法は空気より軽い気体を、下方置換法は 空気より重い気体を集めるのに使う 置換法…水上置換法』

 

教師のコメント

 

「正解です。空気の重さについて勘違いする人は多 いのですが、よくできました」

 

島田美波の答え

 

「セクハラです!!」

 

教師のコメント

 

「痴漢ではなく置換です。確か島田さんは帰国子女 でしたね?漢字についても勉強してください」

 

土屋康太の答え

 

「上方置換法…胸 下方置換法…尻 他の置換法…車上痴漢法」

 

教師のコメント

 

「呆れを通り越して清々しいです。 …解答の血痕は土屋君のですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~翌日・昼休み~

 

「さて、皆。午後はBクラスとの試召戦争に突入す るが殺る気は十分か?」

 

「「「おおーーーっ!!!」」」

 

 

 

Fクラスに野郎共の声が響きわたる

 

顔には出さないが、俺もこの戦争は殺る気十分だっ たりする

 

「今回の戦争は敵を教室に押し込むことが重要にな る。その為開戦直後の渡り廊下戦は絶対負けるわけ にはいかない …そこで前線部隊の指揮を姫路と佳史にとってもら う」

 

「がっ、頑張りますっ」

 

「任せろ、大将」

 

「野郎共!きっちり死んで来い!」

 

「「「うおおおーーーーっ!!」」」

 

…相変わらず単純な奴ら…

 

キーンコーンカーンコーン

 

何とも絶妙なタイミングでチャイムがなる…雄二め 、狙ってやがったな

 

「よし、行ってこい!!!目指すはシステムデスク だ!」

 

「いいな野郎共…Fクラス、 出陣るぞ!!」

 

「「「しゃあーーー!!!」」」

 

雄二が「ちょ、俺のセリフ…」とか言ってたのは気 にしない方向で

 

――――――

 

「いたぞ!Bクラスだ!」

 

俺達は数学、英語W、物理を武器にBクラスに突っ 込む

 

理由はBクラスは文系が多いのと、数学の長谷川先 生は召喚範囲が広い(原因不明)からだ

 

「大丈夫か?瑞希」

 

「は…はい…」

 

ほんのちょっと走っただけなのに瑞希は息も絶え絶 えだ

 

…流石に身体弱すぎないか?

 

「生かして帰すなーっ!」

 

おっと…戦闘が始まったか

 

「瑞希、ちょっとペース上げるぞ」

 

「はいっ!」

 

俺らが着いた時には…

 

Bクラス 野中長男 VS Fクラス 近藤吉宗

 

総合科目 1943点 VS 764点

 

Bクラス 金田一祐子 VS Fクラス 武藤啓太

 

数学 159点 VS 69点

 

Bクラス 里井真由子 VS Fクラス 君島博

 

物理 152点 VS 77点

 

…うん、絶望的だね♪

 

…ゴメン、自分でもキモかった

 

「お、遅れ、まし、た…。ごめ、んな、さい…」

 

「いや、マジで大丈夫かお前?」

 

瑞希のあまりの体力のなさに少し心配になる

 

明久も瑞希を心配して近寄ってくる

 

「来たぞ!姫路瑞希だ!」

 

Bクラスのモブ1が叫ぶ。流石に瑞希の存在はバレ てるか

 

「隣は雑賀佳史だ!油断するな!」

 

あらら、俺もバレてんのかよ

 

「瑞希、ご指名だ。行くぞ?」

 

「姫路さん、来たばっかりで悪いけど…」

 

「は、はい。行って、きます」

 

トタトタと戦場に入って行く瑞希。

 

なんか…和むわ…優子とは大違いだ

 

勿論俺も指名されているので瑞希と一緒に前に出る

 

そして瑞希は数学の、俺は英語Wのフィールドに入 った

 

「山田先生!Bクラスの香川です!雑賀君に勝負を 挑みます!」

 

「私も行きます!」

 

「私も!」

 

Bクラスの女子三人が山田先生に召喚許可を求め、 承認される

 

 

 

「「「サモン!!!」」」

 

 

 

「サモン」

 

女子三人の召喚獣はそれなりの装備で、全員西洋剣 だった

 

対する俺の召喚獣は、和服で袴に男用の着物、上に 長めの黒い羽織りを羽織って帯を締め、野太刀と小 太刀を装備している

 

Bクラス 香川幸 & 三代玲奈 & 西川歩 英語W 175点 & 203点 & 188点

 

流石文系。それなりに点数が高い

 

「佳史くんならやられてもいいかなって思ったけど …」

 

「案外弱そうね」

 

「…おいおい、人を見かけで判断すんなって習わな かったか?」

 

「「え?」」

 

ザシュ!

 

次の瞬間には、香川と西川の召喚獣は戦死していた

 

Fクラス 雑賀佳史 英語W 443点

 

「そ、そんなの勝てるわけ無い!!」

 

「悪ぃな、これが戦争だ」

 

ニコッと三代に笑いかけ、召喚獣にトドメをさす

 

「0点になった戦死者は補習!!」

 

ごしゅーしょーさまー

 

横を見ると、瑞希も敵を倒したようで、みんなの方 を向いて

 

「み、皆さん頑張って下さい!」

 

その一言で湧くFクラスメンバー(バカ共)

 

今日も順調に瑞希信者急増中

 

「…さて、瑞希。後明久と秀吉も。ここは須川に任 せて一旦教室に戻るぞ」

 

「え?何で?」

 

明久が疑問を口にする

 

「Bクラスの代表はあの根本だ」

 

「根本って…あの卑怯者で有名な根本かの?」

 

「ああ。何されるかわからんし、雄二が危ないかも 知れんからな」

 

そこで俺達はクラスに戻ることにした

 

――――――

 

「…うわ、こりゃ酷ぇな」

 

教室に戻ってみると、卓袱台はボロボロにされてい て、シャーペンは折られ、消しゴムは千切られてい た

 

ようするに設備を破壊されていた

 

「これじゃ補給がままならないね」

 

「地味じゃが点数に影響の出る嫌がらせじゃな」

 

「あまり気にするな。修復に時間はかかるが作戦に 大きな支障はない」

 

明久と秀吉と話していると、雄二が教室に入ってき た

 

「雄二…お前どこに行ってたんだ?」

 

今教室に入って来たんだから壊されたのはその間だ ろう

 

「協定を結びたいと言う申し出があってな。調印の ために教室を空にしていた」

 

「協定?」

 

「ああ。4時までに決着がつかなかったら戦況をそ のままにして続きは明日午前9時に持ち越し」

 

それだけならこっちにめちゃくちゃ有利だな。姫路 の体力的に

 

「その間は試召戦争に関わる一切の行為を禁止する ってな」

 

「!何だと!?」

 

「ん?どうしたんだ佳史?」

 

「お前…もしやとは思うが調印してないよな…?」

 

「いや、うちに都合のいい条件だったから合意した が―「このバカ野郎!!」―は?」

 

「け、佳史!一体どうしたのさ!?」

 

「落ち着くのじゃ!」

 

明久と秀吉に止められてようやく落ち着く

 

「…悪かったな。ついカッとなった…」

 

「いや、いい。それより何であんなに怒ったんだ?」

 

雄二は懐が深いな

 

「…もう一度聞くが条件の一つは『試召戦争に関す る一切の行為の禁止』であってるな?」

 

「ああ」

 

やっぱりか…こりゃちょっと雲行きが怪しくなって 来やがったな…

 

「…なら、明久。お前なら試召戦争と聞いて何を連 想する?」

 

「え?えーっと…勉強とかミーティングとか…痛い とかかな?」

 

「最後のはお前だけだがその通りだ」

 

「おい、まさか…」

 

「なるほど、やはり卑怯者じゃな」

 

「どういうこと?」

 

明久以外は理解出来たようだ

 

「いいか明久?つまりは4時を過ぎてからの補給テ スト、作戦会議、今なら教室の補修、勉強道具の調 達は契約違反だ」

 

「下手すりゃ勉強そのものや教室でだべってること 、究極的に言うなら学校にいること自体が違反対象 だ」

 

「そんなめちゃくちゃな…」

 

「めちゃくちゃでも屁理屈でも反論出来なけりゃ立 派な論理だ。ようするに雄二のバカが調印結びやが ったせいで現況はかなり不利だ」

 

「…すまん」

 

流石に雄二も悪いと思ったのか素直に謝る

 

「過ぎた事は仕方ない。さっさと対策を考えて―「 大変だ!」

 

ちょっとシリアスな雰囲気になっていると、須川が 教室に駆け込んできた

 

「どうしたの?須川君」

 

「島田が人質にとられた」

 

…わお。命知らずな

 

「なっ!?」

 

「…とりあえず状況が見たいな。須川、案内頼める か?」

 

「任せてくれ。こっちだ!」

 

「雄二」

 

「わかってる。対策は任せてくれ。二度同じ轍は踏 まん」

 

「頼んだ…明久、行くぞ!」

 

「うん!」

 

にしても人質ねぇ…卑怯ってクラスに伝染すんのか な?

 

―――――――

 

「島田さん!」「美波!」

 

「吉井!佳史!」

 

どこの三流ドラマ?ってツッコミはいれないで…

 

「…残りは二人だが人質で攻めるに攻められないっ て所か」

 

「申し訳ないが、その通りだ」

 

つーか鉄人。呆れるくらいなら止めろよ

 

「そこで止まれ!それ以上近寄るなら、召喚獣に止 めを刺してこの女を補習室送りにしてやるぞ!」

 

…二人しかいないうちの女子を戦死させて同時に士 気も落とそうって魂胆か?

 

それなら…

 

「「総員突撃用意ぃーっ!」」

 

「隊長達それでいいのか!?」

 

いいんだよ。…明久は日頃の仕返しとか考えてそう だけど

 

「ま、待て吉井!コイツがどうして俺達に捕まった と思ってる?」

 

「馬鹿だから」 「殺すわよ」

 

うおぅ!?美波から凄まじい殺気が!?

 

「コイツ、お前が怪我をしたって偽情報を流したら 一人で保健室に向かったんだよ」

 

そりゃ好きな奴が怪我したって聞いたらな…

 

「島田さん…」

 

「な、なによ…」

 

ちょっと顔を赤らめてそっぽを向く美波

 

なんだ?デレ期か?

 

「怪我をした僕に止めを刺しに行くなんてアンタは 鬼か!」

 

「違うわよ!」「違うだろ!」

 

コイツの頭の中を一回覗いて見たい

 

「ウチがアンタの様子を見に行っちゃ悪いっての! ?これでも心配したんだからね!」

 

「島田さん。それ、本当?」

 

「明久、何でお前は素直にそう考えられないんだ… ?」

 

「そ、そうよ。悪い?」

 

ここまでやれば流石に明久も…

 

「へっ、やっとわかったか。それじゃ大人しく…」

 

「総員突撃ぃーっ!」

 

「「何で(だ)よっ!?」

 

わからなかったようだ

 

「あの島田さんは偽物だ!変装している敵だぞ!」

 

何をどう考えてそうなった

 

「おい待てって!コイツ本当に本物の島田だって!」

 

ゴメンBクラスの奴ら。コイツ本当に本物のバカな んだ

 

「黙れ!見破られた作戦にいつまでも固執するなん て見苦しいぞ!」

 

Bクラス 鈴木二郎 & 吉田卓夫 VS Fクラス 田中明 & 須川亮

 

英語W 33点 & 18点 VS 65点 & 59点

 

…死にかけだったのか

 

「ぎゃぁぁぁー…!」 「たすけてぇ…!」

 

おつかれーっす

 

さて、問題は…

 

「皆、気をつけろ!変装を解いて襲いかかってくる ぞ!」

 

明久が生きて帰れるかどうかだな

 

…ま、フォローくらいはしてやるか

 

「美波、大丈夫か?」

 

「佳史ぃ…」

 

あの美波が本気で泣きそうになってるよ…そんなに ショックだったのか

 

「佳史!危ないよ!」

 

「何言ってんだ?コイツ本物だぞ?」

 

「…へ?」

 

一瞬で気の抜けた表情になる明久

 

コイツ…今俺に合わせればどうにかなったものを…

 

「美波、教室に戻ろうか?」

 

「うえーん!佳史ぃー!」

 

マジ泣きしながら俺の腰に抱きついてくる美波

 

…日頃とのギャップが激しすぎだろ

 

「うえーん…」

 

「あー…はいはいよしよし」

 

俺と美波はポカーンとしている明久達を置いて教室 に戻った

 

因みにFFF団はキレた美波の恐ろしさを知ってい るため、粛正どころか、後で崇められた

 

「あ、美波」

 

「…何?」

 

「一応これ自習中のクラスには戦闘以外は生中継だ からな?」

 

「…え゛」

 

~その頃のAクラス~

 

「………」

 

「ゆ、優子さん?どうしたんですか?何かどす黒い オーラが出てますけど…」

 

「なぁに美穂?アタシはいつも通りよ?そう…イツ モドオリ…フフフフフ♪」

 

「何でカタコト!?」

 

「…ねぇ代表?どう思う?ボクが思うに…」

 

「……多分愛子の考えが正解。私も雄二があんな事 してたら…」

 

「あれ?代表Fクラスの代表くんが好きだったの?」

 

「……うん」

 

「佳史ぃ…オボエテナサイヨ…!」

 

「誰か止めて…」

 

「……(ゾクッ)何だ今の寒気!?」

 

 

「佳史どうしたの?」

 

「いや、大丈夫だ」

 

ちなみに俺が教室の設備を補修している間にCクラ スが敵になったらしい

 

PS,明久と美波が仲直りしました …後、何故か俺のファンクラブが出来たらしいです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、帰るか」

 

「そうだね」

 

時間も時間なので俺達が帰ろうとしていたとき…

 

ガラッ

 

「佳史いるかしら?」

 

「ん?秀吉?女装なんてしてどうしたの?」

 

「明久よ、ワシはこっちじゃ」

 

うん、お約束ですな

 

「ここにいるけど?」

 

「ちょっと来てもらえるかな?」ガシッ

 

え?お願いなのに拒否権ナシっすか?

 

「さぁ、逝くわよ」

 

「ちょ、待っ…!秀吉!助けてくれ!」

 

「姉上…流石に「秀吉?(ニコッ)」…すまぬ、ワシは無力じゃ…!」

 

「うおい!諦め早すぎるだろ!だったら雄二!」

 

「佳史…諦めて逝ってこい」

 

「雄二ぃぃぃぃぃーっ!!」

 

仕方ない。短い人生だったと諦めよう…

 

「みんな…生きて帰れたらまた明日弁当食おうな… !」

 

「くっ…!佳史、お主の事は忘れぬぞ…!」

 

「アンタ達の中でアタシはどうなってるのよ!」

 

そしてそのまま俺は連れていかれそうに…

 

「って待て待て!買い物でも何でも付き合ってやる から関節技だけは勘弁して下さい!」

 

ピタッ

 

「何でも…?」

 

「今なら大体は!」

 

何物も命には代え難い!

 

「じゃあ…賭けをしない?」

 

「賭け?」

 

そんなんでいいのか?

 

「そ。どうせ最終目標はAクラスなんでしょ?だっ たらFクラスが勝ったらアンタの勝ちでAクラスが 勝ったらアタシの勝ち。負けた方は勝った方の言う ことを何でも(・・・・)一つきくこと」

 

何でも…ってめちゃくちゃヤバいんだが…主に俺の 貞操と人生が

 

昔から、コイツは何故かやたらと俺の寝床を襲って くる

 

だから毎年寮が閉まる長期休みの木下家への居候は かなりデンジャラスだ

 

「…勝てばいいんだな?」

 

「そうよ」

 

「…わかった」

 

つーか今の俺に拒否権ないし

 

「ホント?嬉しいな♪」

 

こっちは泣きたいよチクショー

 

と、言うことで俺と優子の賭けは成立した


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