アホばっかのバカ達へ~アホメンパラダイス~   作:黒やん

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第5問

『ベンゼンの化学式を書きなさい』

 

姫路瑞希の答え

 

『C6H6』

 

教師のコメント

 

簡単でしたかね

 

土屋康太の答え

 

「ベン+ゼン=ベンゼン」

 

教師のコメント

 

君は化学をなめていませんか

 

吉井明久の答え

 

「B―E―N―Z―E―N」

 

教師のコメント

 

後で土屋君と一緒に職員室に来るように

 

雑賀佳史の答え

 

「C6H6…だったような違ったような…」

 

教師のコメント

 

何故うろ覚えなんですか?

 

…あと、坂本君と協力して吉井君と土屋君を生活指 導室まで引きずってでも連れていって下さい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば坂本、次の目標だけど」

 

「試召戦争のか?」

 

現在、帰って来た美波と還ってきた俺、雄二、康太 を交えてミーティング中だ

 

あの後、どうやら雄二がデザートを処理させられた らしい

 

「うん。相手はBクラスなの?何度も聞いてるけど 目標はAクラスじゃないの?」

 

まあもっともな質問だろう。Aクラスが目標だと宣 言しているのにいつまでも攻めないのは不安になる

 

「正直に言おう。どんな作戦でもうちの戦力じゃA クラスには勝てない」

 

常識に考えてそりゃそうだ。

 

まず点数の違い。雑兵どもはともかく、優子を含む トップ10…まあ瑞希と俺がこっちにいるからトップ 8か。コイツらは俺か姫路でサシでやって勝てるか どうか…代表の霧島に関しては全力でやって勝てる かどうかだ

 

「どんな作戦でも必ず俺か瑞希が出る事になる…そ うなりゃ霧島を倒すなんざ夢のまた夢だ」

 

「それじゃ最終目標はBクラスに変更って事?」

 

「いいや、そんな事はない。Aクラスをやる」

 

「雄二、それじゃさっきと言ってる事が違うじゃな いか」

 

たまらず明久が口を挟む

 

「違わねぇよ。いいか明久?普通にやって勝てない なら勝てる状況を作り出せばいいんだ」

 

「佳史の言う通りだ。クラス単位では勝てないだろ う。だから一騎打ちに持ち込むつもりだ」

 

「そっか、だからBクラスを攻めるんだね」

 

明久にしては勘がいいな

 

「でもどうやって一騎打ちに持ち込むの?」

 

前言撤回。やっぱりバカだ

 

「Bクラスを使う。明久、下位クラスが負けたら設 備はどうなるか知っているな?」

 

「え!?えーと…設備を一つ落とされるんだよ!」

 

…瑞希に助けてもらったな

 

「そうだ。つまりBクラスならCクラスの設備にな るわけだ」

 

「そうだね常識だね」

 

どの口がぬかすよ

 

「…では上位クラスが負けた場合は?」

 

「悔しい」

 

「ムッツリーニ、ペンチ」

 

康太が頷いて雄二にペンチを渡す

 

「僕を爪きり要らずの身体にする動きがっ!?」

 

…はぁ

 

「雄二」

 

「佳史!信じてたよ」

 

そうかい。俺は…

 

「やり方が甘い」

 

お前を潰す予定なんだがな

 

常に持ち歩いている木刀を取り出す

 

「更に状況が酷くなった!?」

 

「相手クラスと設備が入れ替わるんですよね?」

 

瑞希が明久にフォローを入れる

 

…チッ、瑞希に感謝しろよ

 

「そのシステムを利用して交渉をする。Fクラスのボロい設備になるよりはマシだろうからな。まず上手くいく だろう」

 

「『Bクラスが攻めた直後に攻め込む』とでも脅し て交渉すればまず応じるだろうな」

 

振り分け試験直後の今、クラスの差は点数の差だか らな

 

「じゃが、それでもAクラスが交渉に応じるじゃろ うか?」

 

「そこら辺は大丈夫だ」

 

…生贄もいることだしな

 

「とにかくBクラスをやるぞ!細かい事は後回しだ」

 

「まぁ、考えがあるならいいけど…」

 

「でだ、明久」 「断る」

 

おお、いつになく反応が早い

 

「…いい、雄二、俺が行こう」

 

「ん?でもお前に何かあったら…」

 

「僕はどうなってもいいのか!?」

 

「心配するな。ちょっとBクラス代表に用があるだ けだ」

 

「ねぇ無視!?」

 

「「うるせぇ」」

 

「げふっ!?」

 

「なんと言うか…哀れじゃのう…」

 

「……同感」

 

明久を黙らせた後、俺はBクラスに向かった

 

――――――

 

「よぉ、根本はいるか?」

 

Bクラスのドアを蹴り開けて中の奴らに聞く

 

「あ?何の用だ?」

 

「…FクラスはBクラスに試召戦争を申し込む。… 覚悟しとけ。明日の昼から開戦だ」

 

それを聞いた奴は嫌らしい笑みを浮かべて

 

「へぇ…最低クラスがわざわざ負けにくるのか。ご 苦労なことで」

 

「言ってろ。じゃあな」

 

俺はここにいるのも胸くそ悪いのでそのまま帰ろう とするが…

 

「まあ、待てよ。もうちょっとゆっくりしていって もいいんじゃないか?」

 

根本が手を上げると、何人かの男子が俺を取り囲む

 

「やれやれ…手を出さなきゃ見逃してやろうと思っ たんだがな…」

 

「どっちの立場が上かわかっているのか?…お前ら !やってしまえ!」

 

「…はあ」

 

面倒くせぇな

 

―――――――

 

「…で?もう終わりか?」

 

俺の足元にはBクラスの男子の死体(←違)が大量 に横たわっていた

 

「そ、そんなバカな…」

 

「もういいか?さっさと戻りたいんでな。…じゃあ な、『卑怯者』」

 

「…くそっ!」

 

そうして俺は悠々とBクラスを去った


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