アホばっかのバカ達へ~アホメンパラダイス~   作:黒やん

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そろそろイケパライベント入れたいな……

ま、四巻終わらないとキツいんですが(笑)












『第44問』

「なっ!? Dクラス以外全部断られただと!?」

 

「あ、ああ。一応粘ってみたが頑として動かなかった」

 

翌日、戦争準備日。先日立てた予定通りFクラス以外の全クラスに戦争への協力要請を出した根本だったが、帰ってきた返事はD以外『否』の一言だった。

予想外だったのは、根本を元から嫌っており、特にFクラスと争う理由の無い男子達は別として、女子すら参加して来なかったことだ。最悪でもFクラスの三倍の人数が集まると予想していたのだが、実際に集まったのは清水を筆頭にDクラス7人、Cクラス3人である。しかもCクラスには代表である小山が参加していない。

あわよくばこの戦争てまよりを……と考えていた根本は机を叩き付けてその怒りを目の前の男子生徒にぶつける。

 

「そんなバカな話があるか! お前本当に説得しに行ったんだろうな!? もしかしてFクラスに通じてるんじゃないか!?」

 

「なっ……そんなに言うなら自分で行けよ! 俺だって負けたくないから行ったんだ! むしろ原因はお前の人望の無さしか考えられないんだよ!」

 

とうとう身内で言い争いを始めてしまう。周りからは男子を援護するように根本に冷たい視線が送られているが、慣れているのか、それとも単に気付いていないのか、根本は舌打ちして男子を手で追い払う。

 

「(まぁいい……どうせFクラスなんてクズの寄せ集めなんだ。雑賀と姫路と土屋さえ封じれば後は雑魚。普通にやればどうとでもなる……)」

 

根本は気付かない。彼の目論見は殆どが既に握り潰されていることに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「……作戦成功。Bクラスと清水はほぼ孤立した」

 

「万事並べて我が手の上に、ってか。相手が単純だと楽だな」

 

場所は変わってFクラス。雄二以外の主要メンバーが佳史の机の周りに集まっていた。

佳史と、あらかじめ雄二に策を聞かされていた男子組はそれぞれ笑みを浮かべているが、女子二人は? を頭の上に大量出現させていた。美波も瑞希もそれなりの理解力や頭脳は有しているが、謀略方面にはさっぱりであったのだった。

……え? 雄二? 部屋の隅で膝を抱えてガクガクしている。

 

「えと……佳史くん、どうやって他のクラスの皆さんを味方にしたんですか?」

 

「そろそろウチらにも教えなさいよ」

 

「別に味方にしたわけじゃない。敵にならないようにしただけだ」

 

「「?」」

 

余計に首を傾げる二人に、秀吉が苦笑いしながら声をかける。

 

「二人とも、自分が昨日やったことを思い出してみるのじゃ」

 

「えっと……Eクラスの皆さんにお願いしただけなんですけど……」

 

「ウチは小山さんに『やっぱり根本と組まないとダメなの?』って挑発しただけよ?」

 

瑞希の行動は普通に正攻法であるが、それだけに効果は絶大であった。考えて見てほしい、小動物的な可愛さを持つ女子が一生懸命自分たちに戦争に参加しないようにお願いして来るのだ。しかも若干涙目の上目遣いで。これで落ちない文月学園二年生男子はいない。(佳史と雄二、久保を除く)

 

そして一方美波の行動は、一見ただの挑発に見えるが相手次第でその意味が変わってくる。小山のプライドの高さと根本への嫌悪が今回はミソであったのだ。

当初、小山は連合へと参加する気満々であったのだ。しかし、そこに美波が現れ、上の台詞を言った。それに小山は佳史の狙い通りに激怒したのだ。

格下のクラスも倒せなくて何が上位クラスか。ましてやあの女装趣味変態卑怯クソ野郎と手を組むなど言語道断、と一瞬で意見を翻した小山は連合参加を拒んだのだ。

 

そして、ついでにAクラス。こちらは少しばかりの戦力増強を狙ったのだが……。まぁ、尊い犠牲が生まれたとだけ言っておこう。

他にも佳史は手を打ったのだが、それはまたいずれ。

 

「さて、んで雄二? Aクラスから何人か借りれたのか?」

 

「……………」

 

返事がない。ただのポンコツのようだ。

 

「ああ、それなら大丈夫です。さっき霧島さんが三人味方に出してくれると言いに来てくれましたから」

 

「三人か……。まぁ、援軍もらっただけありがたいか」

 

佳史は腕を組んでしばらく考え込むと、メンバーを見渡す。

 

「打てる手は打った。事前策は張り巡らした。戦争の準備はやりきった。後は俺達の力次第だ。人事は尽くした。なら天命を待つか? ……否、天命は掴みに行く。神様の意思なんて知ったことじゃねぇ……勝つぞ!」

 

『『応!』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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~試召戦争当日~

 

 

「………………」

 

「………………」

 

「え、えと……。どうしましょう吉井くん……」

 

「放置かな?」

 

「ええっ!?」

 

「ハァ……。代表め。まさかお守りと仲介まで任されるとは……」

 

「翔子、これが狙いだったのか……。ガッツリ利用されるわあんな約束させられるわ……ハァ」

 

完全無視を決め込む佳史。何とか話しかけようとするが無視されて落ち込む優子。ちょっとたくましくなった明久とそれに驚く瑞希。ため息を吐く将と雄二。卓袱台でAクラスから持参したお茶を飲んでまったりしている秀吉と佐藤。

 

試召戦争開始まで後30分。Fクラスの主要メンバーの士気はあまり高くなかった。


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