アホばっかのバカ達へ~アホメンパラダイス~   作:黒やん

32 / 65
第27問

『“羅生門”で知られる小説家を答えなさい』

 

雑賀佳史の答え

 

「芥川龍之介」

 

教師のコメント

 

「正解です。その調子で保健体育も頑張って下さい 」

 

坂本雄二の答え

 

「太宰治」

 

教師のコメント

 

「不正解です。太宰治は“走れメロス”が有名ですね 」

 

島田美波の答え

 

「阿久田牙和留乃素化」

 

教師のコメント

 

「どこのヤンキーの刺繍ですか」

 

吉井明久の答え

 

「龍ちゃん」

 

教師のコメント

 

「何故友達感覚なのですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ただいまの時間をもって、清涼祭の一般公開を終 了しました。生徒の皆さんは…』

 

「「「終わったー!!」」」

 

「流石に疲れたのう…」

 

「………(コクコク)」

 

あ~…死ぬかと思った…本物の喫茶店より忙しいと かシャレになってねぇっての

 

「そういや瑞希の件はどうなってんだ?」

 

「後夜祭の後で話をしに行くんだって」

 

「流石明久。未来の嫁さんの情報は把握してると」

 

「そ、そんなんじゃ無いって!!」

 

んな必死になるからからかわれるって気付けばいい のに…

 

「じゃ、ウチらは着替えてくるわ」

 

「えぇっ!?どうして!?」

 

むしろお前がどうした?痴呆か?

 

「どうしてって言われても…恥ずかしいからに決ま ってるでしょ?」

 

「すいません。すぐに戻りますので」

 

「待って!二人とも考え直すんだ!」

 

お前は人生考え直した方がいいと思う

 

ちなみに葉月はそのままチャイナで帰ったらしい。 将来が本当に心配だ

 

…美波の教育に期待…できねぇな

 

「ふむ。ならばワシも―」

 

「させるかっ!」

 

全力で秀吉の足にタックルする明久と康太

 

「なっ!?何をするのじゃ!」

 

「…(フルフル)」

 

「オイ明久。遊んでないで学園長室に行くぞ」

 

流石に見かねたのか、雄二が口を出した

 

「学園長室じゃと?何か用でもあるのか!?」

 

「ちょっとした精算だ。遅くなったが今から行こう と思う。 …あ、佳史も来てくれ」

 

「マジか」

 

出来ることなら行きたくないが…そうも言ってらん ねぇよな

 

「ならばワシはその間に着替えを」

 

「そうはいかない!秀吉もムッツリーニも一緒に連 れて行く!」

 

「むう…」

 

「秀吉秀吉」

 

「む?どうしたのじゃ?」

 

「俺はいいけど、いいのか?もうすぐ優子が…」

 

「済まぬ明久っ!」

 

優子と聞いた瞬間、秀吉が異常な速さで更衣室に飛 んで行った

 

「待って秀吉!カムバッーク!」

 

「……後生…!!」

 

こいつらのエロへの渇望はどこから来るんだろう

 

「オイ佳史。先に行くぞ」

 

「…了解」

 

――――――

 

「失礼しまーす」 「邪魔するぞ」 「妖怪婆、生きてるか?」

 

婆に礼なんざ払う必要はないので普通に(?)入る

 

「…と、言うわけでおばさま…佳史に実印取り返さ れたんで実印下さい♪」

 

「仕方ないさね。今度はしくじるんじゃ無いよ?」

 

「勿論です」

 

「待たんかい」

 

俺にとって不利益しかない話を全力で止める

 

「どうしたの佳史?」 「突然話に入ってくるんじゃないよ。びっくりした じゃないか」

 

「本当にびっくりしたのはこっちだよ!何堂々と人 の実印の貸し借りしてんだ!?」

 

「そりゃ一応アタシがアンタの保護責任者だからね ぇ」

 

「「「はぁ!?」」」

 

「け、佳史…おま…ま…!?」(訳)佳史、お前…マ ジか!?

 

「すんげぇ不本意だし、認めてねぇし、今すぐにで も縁を切りてぇがその通りだ」

 

「アンタ仮にも家族に向かってそこまで言うかい? 」

 

うるせえ妖怪婆

 

「だからお前ここに来るのを避けてたのか」

 

「ああそうだよ。なんか文句あるか」

 

「ちなみに唯ちゃんは名実ともにアタシの義妹よ♪ 」

 

「「「マジでか」」」

 

「「マジよ/じゃ」」

 

「で?アンタらは何しに来たんだい?」

 

「ああ、優勝の報告に来ました」

 

ちなみに決勝の点数は

 

古典

 

Fクラス 雑賀佳史 & Fクラス 坂本雄二 vs Aクラス 風祭将 & Fクラス 吉井明久

 

521点 & 122点 VS

 

257点 & 9点

 

…と言うわけで余裕だった

 

「それで?腕輪を返却する必要は…」

 

腕輪とは優勝、準優勝の商品で、白金の腕輪と黒銀 の腕輪の二種類ある。

 

ちなみに明久と雄二が白金で、俺と今はいないが将 が黒銀である

 

「ああ、それは後でいいさね。どうせすぐに不具合 は「婆!」…?」

 

その話は今はマズい!

 

「康太!」

 

「…盗聴の気配」

 

やっぱりあったか!

 

「雄二!」

 

「おう!」

 

雄二が扉を蹴破ると、複数の足音が通り去って行っ た

 

「あいつら…追うぞ明久!」

 

「え!?どうなってんの!?」

 

「盗聴だ!あの連中、この部屋に盗聴器を仕掛けて やがったんだ!」

 

「今の婆の『腕輪の不具合』って部分を放送された ら…みんな仲良くどこかに転校ってな」

 

「転校!?冗談じゃない!」

 

「明久と雄二は直接奴らを追え!秀吉と康太は上か ら抑えて行け!」

 

『おう!』

 

そう言って四人は学園長室を飛び出して行った

 

「佳史!一体何が起こってるの!?ちゃんと説明し なさいよ!」

 

「詳しくはそこの妖怪に聞け!……これか!」

 

部屋の隅の植木鉢の中に小さな黒い機械が埋まって いた

 

「それが盗聴器かい?」

 

「間違いない。一つしかないかどうかは康太に聞か ねぇとわからんが…」

 

盗聴器を握りつぶして、残骸をそこら辺に放り捨て て部屋を出て行く

 

「ちょ、ちょっと!どこに行くのよ!」

 

「元凶を潰しに行く…婆、ガサ入れの準備はしてろ 」

 

「…了解さね」

 

さて、クソ狸…嘘の貯蓄は十分か?

 

今すぐその妄想…俺がぶっ潰してやるよ

 

――――――

 

side Yuko

 

「佳史!待ちな…っ!?」

 

無意識に佳史に話しかけるのを躊躇ってしまう

 

…今の佳史…“あの頃”に戻ってた…

 

「…ガキが怖くなったかい?」

 

「っ!」

 

おばさまがアタシの心を見透かしたかのように的確 に話をふる。本当にやりにくいわね…佳史にしろ、 おばさまにしろ

 

「無理もないよ。佳史はまだどこか普通じゃない。 何かしらの心が壊れたまんまさ」

 

「…それでも、あの頃よりはマシです」

 

「違いないさね」

 

――――――

 

ドガァァ!

 

「おっ邪魔っしや~す」

 

「…誰だ?扉を蹴破って入って来るとは…マナーの なっていない奴だな」

 

「貴様にだけは言われたくないね…学園を潰そうと している教師にはね」

 

「……なんのコトがわからないな」

 

へぇ…あくまでしらを斬ろうってコトかい………面白 ぇ

 

「へぇ…3―A、常村勇作。同じく夏川俊平」

 

「………」

 

「長月西高校、篁浩平、永田勇人、畑中泰紀、松川 太助。東神無月高校、真田祐介、中野大樹」

 

「………」(ピクッ)

 

文月以外の生徒の名前が出た瞬間、ほんの少しだけ 教頭が反応した

 

「まだ数人いるけどいいか。ここまで言えば何の名 前かアンタならわかってるよな?」

 

「微塵もわからないな。一体その人達が何をしたん だ?」

 

「いや?別に?俺はただ人の名前を並べただけだが ?」

 

「そうか。あまりそういう事はしない方がいいぞ? 人としての品格が下がるからな」

 

…一人前に狸が人を語んじゃねぇよ

 

さて…ボロは出したけど確実じゃねぇな…攻めるべ きか守るべきか…

 

「それで?もう用事がないなら立ち去りたまえ」

 

…つべこべ言ってる暇はない、か

 

「まあまあ、とりあえずはこれを」

 

「……?」

 

レコーダーを取り出して、扉の前に立って再生する

 

『……教頭先生に協力する理由はなんですか?』

 

『…なるほど。事情は理解してるってコトか…進学 だよ』

 

「!!」

 

「さて、この録音の中の教頭先生って誰のことです かね?」

 

「…少なくとも私ではないな。大方進学先の教頭先 生ではないか?」

 

「にしても酷い人達ですね。進学の為に他人を蹴落 とすなんて」

 

「そうだな。犯人の二人を見つけたら私がきつく言 っておこう」

 

………来た!!

 

「あれ~?なんで教頭先生は“犯人が二人”って知っ てるんですか?」

 

「!?…それは君が二人と言ったから…」

 

「俺は一度も“二人”と言う言葉なんて発してません よ?ただ人の名前を言っていっただけですから」

 

「ぐっ…」

 

苦々しい顔をする教頭。でも俺はこんな所で退くほ ど甘くない

 

「そういやその時もおかしかったですね?俺は人の 名前を言ってただけなのにアンタは開口一番“そい つらは何をした”って聞きましたよね?普通は“どう した”って聞くはずなのに」

 

「たまたまだ」

 

「たまたまねぇ…なら、Fクラスでの三年の営業妨 害行為を見逃したのもたまたまですか?」

 

「何のこと「とぼけんな。実際に見た奴も十数人い んだよ」……」

 

…この程度で黙りかよ。期待はずれだな

 

「…で?竹原。何か言い訳はあるか?」

 

「…私が黒幕だと言う証拠は?」

 

俺は無言で一枚の写真を取り出す

 

「…?ただの記念撮影じゃないか」

 

「ところがどっこい。右上の教室の隅だ」

 

そこには、かなり醜いが、竹原が数人の不良に金を 渡している所が移っていた

 

「…これは息子に「黙れ未婚者」…親父狩りに「明 らかに不良側が頭下げてんだろうが」……」

 

「いい加減認めて、さっさとこの学校…いや、教職 から去れ。アンタみたいな教師がいるから社会が腐 るんだよ」

 

そして竹原と数秒睨み合いになるが…

 

ダッ

 

「!?待て!」

 

竹原は俺を突き飛ばして逃げた

 

追いかけようとした所に

 

「どけっ!」

 

「キャッ!?」

 

「優子!?」

 

教頭室を出てすぐの角で、優子が尻餅をついていた

 

「大丈夫か?」

 

「いたた…今のは何なの?教頭先生みたいだったけ ど…」

 

「説明は後だ!婆に逃げやがったって伝えてくれ! 」

 

「え!?ちょ!佳史!」

 

悪い、聞いてる暇が無い!

 

「もう!さっきから本当になんなのよ~!!」

 

――――――

 

結果だけを言うと、竹原は捕まり、警察に連行され た

 

常夏は厳重注意、ついでに明久達も花火の無断使用 と教頭室の破壊で厳重注意

 

そして…

 

「みんなお疲れ様だコノヤロー!!」

 

『イェーイ!!』

 

現在は顔の面積が二倍くらいになって帰って来た明 久達を迎えてのAクラスと合同の打ち上げである

 

「で?雄二。売り上げは?」

 

「ん~…破壊したモンの費用と諸々を抜いて、佳史 を派遣したクラスからのバイト代からまた佳史の取 り分を抜いて…」

 

「佳史の取り分?」

 

「ん?言ってなかったか?他クラスの派遣はいいが 、三割はもらうって…雄二以外に言ってなかったな 」

 

完全に言い忘れてた

 

「佳~史~♪」 「…雄二」

 

「「んのわぁっ!?」」

 

魔王×2、召喚

 

「つーか酒臭っ!誰だ優子に酒飲ました奴は!?」

 

「しょ、翔子!?まさかお前酔って…」

 

「……酔ってない。だからそれを雄二に証明する」

 

そう言って引きずられて退場していく雄二。

 

…………南無!

 

「佳史、アンタも飲みなさい!」

 

「はいはい…そういやお前ザルだったな…」

 

優子の場合、酔うには酔うが、ただテンションが高 くなるだけで意識はしっかりしてるし、呂律も回る 。

 

コイツにとって酒はテンション上がる水なのだ

 

……まぁ、俺はその上を行くザルだが(洋酒と発泡 酒は)

 

「ほらほら、まだまだあるからね」

 

「ん。悪いな…」

 

その透明な液体を飲んだ瞬間、俺の意識は遠くなっ ていった…

 

~ここから先は、主人公意識喪失の為、音声のみで お楽しみ下さい~

 

「…………」

 

「あれ?佳史?佳~史~?」ガシッ

 

「………」

 

「ちょ、佳史?流石にこの体勢はちょっとマズいよ うな…ってコレ白〇じゃない!?誰よ日本酒買って きたヤツ…ッ!?」

 

「~~~♪」

 

チュバ…チュ…ヌチャ…

 

「〇×$£§☆¢~!!??」

 

「………ぷはっ…」

 

「…佳史ぃ…アタシ…もう…ってアレ?」

 

「…………zzz」

 

「なんて生殺し!!」orz

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「優子…ドンマイです…」

 

「…佳史でも弱点ってあるんだな」

 

「確か『大体の酒ならいくらでもイケる。けど日本 酒だけはダメだ』って言ってましたよ?」

 

「何で美穂が知ってんの?…つーかまぁ…意外な弱 点だな」

 

「将なんて料理酒の匂いだけで酔うじゃないですか 。だからこんなに離れてるんでしょう?」

 

「あ、バカ!」

 

こうして、清涼祭は終わった


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。