アホばっかのバカ達へ~アホメンパラダイス~   作:黒やん

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第26問

「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」

 

「………」

 

「お客様?」

 

「あ、す、すみません!三人です!」

 

「かしこまりました。こちらへどうぞ!…8番に三 名様だ!女子!ボーっとしてないで働け!」

 

『Yes,my older brother!!』

 

「誰が兄貴だ!…ったく」

 

つーか兄の正式な英訳なんてよく知ってたなお前ら

 

「あの…」

 

「はい?」

 

「今日って時間「ありません(ニコッ)」あ、はい …」

 

姉さん、事件です

 

Eクラス(酒のないホスト・ホステス店)が大繁盛 してます

 

…あ、俺姉さんいねぇや

 

――――――

 

事の始まりは清涼祭前の準備の時だった

 

「さて、外装は大体出来たんだが…」

 

「問題はコレだよね…」

 

俺、雄二、明久、秀吉の前には山積みされたみかん 箱があった

 

「流石にこんなものを飲食店で使うのは失礼じゃし の。…最悪誤魔化す手はあるが…」

 

危険にもほどがあるな

 

学園長の依頼を受けている以上、下手すると反対勢 力の妨害がくるかもしれねぇし

 

「何かいい案は…」

 

雄二が頭を抱えて考える…そんな難しい事でも無い のにな

 

「他のクラスから借りればいいじゃねぇか」

 

「他のクラス?」

 

「でも貸してくれるかなぁ?僕達の評判ってかなり 悪いじゃない」

 

俺と秀吉を巻き込むな

 

「まぁ任せろ。何とかなるさ」

 

……移動中……

 

ガラッ

 

「Fクラスの雑賀だ。Eクラスの代表か三上はいる か?」

 

何故か、教室の空気が凍った

 

「………」

 

『………』

 

「……えーと…失礼しました?」

 

『確保ー!!』

 

「…は?」

 

とりあえず逃げ…って既に包囲されているだと!?

 

「…ってオイ!担ぐな!と言うか話を聞け!」

 

―――――

 

「…なんでさ」

 

某エミヤの口癖を使いたくなるくらい訳がわからん

 

「あー…ゴメンね?なんかつい反射的に」

 

「お前は反射的に人を捕縛すんのか」

 

「だから謝ってるでしょ」

 

腑に落ちない。

 

「で?何か用事?もしかして美子に?」

 

「いや、別に誰でもいいんだが…」

 

『よろしくお願いします!』 『第一印象から決めてました!』

 

「何の話をしている」

 

徹底的に話がかみ合って無かった

 

『雑賀ァ…生きて帰れると思うなよ…?』

 

そして男子が怖い

 

「チッ…だったら何なの?あまりFクラス…という か試召戦争には関わって無かったはずだけど」

 

「舌打ちしたよな?今舌打ちしやがったよな?」

 

確かに、ただでさえ体育系のEクラスは教室にはあ まり興味ないだろう

 

現に二年で試召戦争を経験していないのはEクラス だけだし

 

「まぁいいや…机借りたくてな」

 

「机?」

 

「ああ。Fクラスで喫茶店やるんだが…みかん箱を 机にすんのはな…」

 

『ああ…』

 

Eクラス一同が哀れみの視線を向けてくる

 

…一歩間違えれば俺達と同じ立場だっただけ余計に

 

「それくらいなら全然いいわよ?私達も三年のAク ラスからソファ借りるし」

 

「ソファ?お前ら何やるの?」

 

「ホスト的なやつよ…そうだ」

 

そこで中林がニヤリと笑う

 

…何だろう。冷や汗が止まらない

 

「条件よ。アンタいつでもいいから一時間だけウチ のクラスで働きなさい」

 

「…マジでか」

 

―――――――

 

…と、言うことである

 

「雑賀くん!8、4、2、1番から指名!」

 

「10分毎に回る!」

 

…何だかんだで、もう一時間半である

 

職業病って怖い(泣)

 

「お待たせ致しま…し……た………」

 

「遅いわよ!」 「ヤッホー佳史くん」

 

行った先に、魔王と比較的常識人がいた件

 

「…何故お前がここにいる?」

 

「僕は優子の付き添いだよ?ここは流石に一人で入 るのはヤダろうし」

 

愛子はまぁ…俺に害ないしいいや

 

「…アイツなら多分まだ2―Cだぞ?」

 

「なっ!?別に僕はムッツリーニくんを探してた訳 じゃ…「誰も康太なんて言ってないんだが?」……う ぅ///」

 

好きでもない奴にあんなにかまう訳ないからな…愛 子も案外わかりやすい

 

(ちなみに作者は愛子の実践派の肩書きは嘘だと思 う)

 

「あ~やっぱり?愛子土屋くんがいないって知って がっかりしてたもんね~」

 

「優子…それ以上言うと…バラすよ?」

 

「にゃ、にゃにを!?アタシにやましい事にゃんて にゃんにもにゃいけど!?」

 

「噛んだな」 「噛んだね」

 

しかも見事なまでに『な』だけ

 

「…で?愛子?」

 

「わかってる。コレだよ♪」

 

愛子からMP3プレイヤーを受け取る

 

…コレで少しでも優子の弱みを握れたら…

 

「被害が減るかもしれない…!」

 

「被害が無くなるのを諦めてるあたりもう手遅れだ よね」

 

まだ諦めてない!…半分は!

 

「というか愛子!?あまりに流れるような手際だっ たからアレだけど…何してんの!?何してくれてん の!?」

 

「優子のトップシークレット流出」

 

「にゃあああぁぁぁ!!///」

 

あ、恥ずかしさの余り猫化した

 

「じゃあ俺次あるから…」

 

何だかんだで10分経っていたので、移動しようと するが

 

ガシッ

 

「待ちなさい…」

 

すんごいいい笑顔で肩を掴む魔王様がいらっしゃっ た

 

「アフター…よろしく♪」

 

「…当店ではそのようなサービスは…(ピラッ)?… なんじゃこりゃあああ!!?」

 

―――――――――

 

領収書

 

支払いを以下の表記の通りに支払われたものとする

 

¥2000…坂本雄二一名、雑賀佳史一名也

 

―――――――――

 

「美波ぃぃぃぃぃぃ!!」

 

「さぁ行くわよ~♪」

 

その日、俺の財布が、早めの冬を迎えた

 

…許せ唯…寿司はまた今度だ…


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