アホばっかのバカ達へ~アホメンパラダイス~   作:黒やん

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第25問

『これより、二日目の昼休みに入ります。2―A、3 ―A、2―B、3―C、1―C、1―D以外のクラス店は休 憩に入って下さい…』

 

毎度おなじみ(!?)昼休みである

 

「はぁ~…やっとゆっくりできるよ~」

 

「全くだ…」

 

完全にまったりモードに移っている明久と雄二。ど うやら学園長に課せられたノルマを達成して気が抜 けたようだ

 

「まだわかんねぇぞ?また妨害だの何だのがくるか もしれねーし」

 

「………油断は禁物」

 

「そうじゃぞ。ほれ、しっかりせんか!」

 

秀吉に引っ張られるが一向に動かない二人

 

そして今明久達がいるのはCクラスの和風喫茶であ る

 

そして……

 

ズダダダダ……

 

ガラッ

 

「はぁ…はぁ…な、何とか捲けたか…」

 

そんな所に体力のギリギリまで使い果たしたように 汗だくの佳史が入ってきた

 

「おお、佳史」

 

「今回はいつもより遅かったの」

 

「優子を筆頭に何故か俺の思考パターンが読まれて んだよ…」

 

「全く大変だなお前は…ほれ水」

 

「お、サンキュージミー」

 

「ジミー言うな!!」

 

ちなみに皆さんそろそろ忘れてるだろうが、今佳史 に水を持って来た男子、名前は黒崎一心である

 

「詳しくは寮対抗体育祭編を読もう!」

 

「さり気なく宣伝してんじゃねぇよ」

 

「だって俺ソレ以外出てきてねぇんだもん」

 

『だってジミーだもん』

 

「全員一致!?」

 

「仕方ないさ。そんな時もある。だってジミーだも の。 けいじ」

 

「みつ〇先生!?」

 

「それにしても…また人気でたんじゃねぇか?お前 」

 

「……売れ行きが相変わらず凄い」

 

「ちょっと待て康太。その言葉の真意を教えろ」

 

「……企業秘密」

 

「でもうらやましいよ…僕だって一度でいいから女 の子に追われてみたいよ…」

 

明久が本当に羨ましそうな視線を佳史に送る

 

「お前は美波とか清水とか時々瑞希にも追われてん じゃねぇか」

 

「あんな命懸けの追いかけっこはいらない!僕が求 めているのはもっとこう、甘酸っぱい感じの…」

 

『はいはい、妄想乙』

 

「みんなして酷い!!」

 

哀れ明久

 

「まぁ、バカの妄想はおいといて「置くな!」…ま だいいだろ?俺と違って命の危険もないんだし」

 

「確かにな。坂本はいっつも代表に殺されかけてる からな…」

 

ポン

 

「…お前らも追われてみるか?」

 

「「心の底からごめんなさい」」

 

佳史の能力なら本当にできてしまいそうなので全力 で謝る雄二と将

 

「…冗談抜きで本当にキツいんだぞ? 無駄に男の視線がキツくなるし、逃げ込んだと思っ たらまた女子がいて追っ手が増えたり…」

 

「…それは無理ないな」

 

「キッツいね…僕なら30秒以内に殺される自信があ るよ」

 

「明久は女子に弱いからのう…」

 

「……なんという無理ゲー」

 

「…それに、優子に捕まろうもんなら…貞操から未 来から何まで全部持っていかれそうになるから…」

 

『………』

 

空気が更に重くなった

 

「…で、でも気絶させられて貞操狙われるよりマシ だろ?」

 

「そ、そうだね!雄二よりはマシだよ!きっと!」

 

「………」

 

「さ、坂本!?何があったのかは知らないけど元気 出せ!」

 

「雄二!?何故虚ろな目で窓に向かっておるのじゃ !?」

 

一心と秀吉が懸命に雄二を(現世に)引き止めるが 、雄二は足を止めない

 

 

ポン

 

佳史が雄二の肩に手を置いた

 

「…雄二、よく考えろ?意識を無くしてから甘えら れるのと、あえて意識を残したまま貞操狙われるの …どっちがいい?」

 

「…………すまん」

 

「………わかれば、いい」

 

こうして、微妙な空気のまま昼休みは過ぎていった


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