アホばっかのバカ達へ~アホメンパラダイス~   作:黒やん

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第1問

【第二問】

 

以下の意味を持つことわざを答えなさい

 

(1)得意な事でも失敗してしまう事 (2)悪い事があった上に更に悪い事が起こる喩え

 

姫路瑞希の答え 『(1)弘法も筆の誤り (2)泣きっ面に蜂』

 

教師のコメント

 

正解です。他にも『猿も木から落ちる』や『踏んだり蹴ったり』などがありますね

 

土屋康太の答え

 

『(1)弘法の川流れ』

 

教師のコメント

 

シュールな光景ですね

 

吉井明久の答え

 

『(2)泣きっ面蹴ったり』

 

教師のコメント

 

君は鬼ですか

 

雑賀佳史の答え

 

『 』←ヨダレの跡

 

教師のコメント

 

後で職員室に来て下さい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから悪かったって……」

 

「………(プイッ)」

 

今、何故か機嫌が悪くなった幼なじみをなだめてい ます

 

…信じられるかい?この調子が五分くらい続いてる んだぜ?

 

「ほら、姉上、いい加減機嫌を直すのじゃ。もうA クラスに着いたぞい」

 

あ、本当だ

 

パッとみた所、設備はリクライニングシートに個人 エアコン、挙げ句の果てにはフリードリンクに個人 冷蔵庫 …どこのホテルだよ

 

「良かったじゃねぇか優子。恐ろしく凄い設備だぞ ?」

 

「……アンタがいないと意味無いじゃない」

 

「?何か言ったか?」

 

「何でも無いわよ!…そうね。

 

の教室で快適に過ごさせてもらうわ」

 

こっちを見てニッコリ笑う優子

 

…いや、目が笑ってないけども

 

「やれやれ…この調子じゃあしばらくは機嫌が直り そうに無いのう」

 

「そう思うならどうにかしてくれよ。後で割食うの 俺なんだから」

 

そう言うと秀吉が俺の肩に手を置き

 

「…ワシが姉上に口喧嘩含めて勝てた事が一度でも あったかのう?」

 

「…ごめん」

 

――――――

 

「まあ、ある程度予想はしてたがの…」

 

「本当に教室かここ?」

 

もうなんか見ただけでわかる環境の悪さ。いくら何 でも差ありすぎだろ

 

「ま、まあ中は案外マシかもな!」

 

「そ、そうじゃの!」

 

ガラッ

 

「「………」」

 

ボロボロの卓袱台。腐った畳。割れた窓。

 

廃屋と言われた方がしっくりくる

 

あまりの設備に立ち尽くしていると

 

「ん?秀吉に…佳史!?お前何でここに!?」

 

悪友の一人の坂本雄二が話し掛けてきた

 

「一限目の化学以外全部寝ちまったんだよ…」

 

「ぷっ!…お前らしいっちゃお前らしいか」

 

「で?雄二よ。お主はそこで何をしておるのじゃ?

 

雄二は今教卓に両手を着いている

 

「ああ。先生が遅れてるらしいから教卓に上がって みた」

 

「…つーことはお前がこのクラスの代表か?」

 

「ああ。これでこのクラス全員俺の兵隊だな」

 

野性味溢れる笑顔をこっちに向けてサムズアップす る雄二。

 

…とりあえずその親指を逆に曲げたい

 

そして暫く三人で談笑していると…

 

「すいません、ちょっと遅れちゃいました☆」

 

「さっさと席に着けこのウジ虫野郎!」

 

台無しだー!と言わんばかりにリアクションをとる 男子生徒

 

「よう明久。お前はやっぱりFクラスか」

 

「あ!佳史。やっぱりって酷くない!」

 

こいつは吉井明久。俺の悪友その2。特徴は…

 

「じゃあNH3って何だ?」

 

「あまり僕をバカにしないで欲しいな。硝酸でしょ ?」

 

この通り生粋のバカだ

 

「アンモニアだバカ」

 

「え?…あはは、それにしても…流石はFクラスだ ね」

 

「逃げたな」

 

「えーと、ちょっと通してもらえますかね?」

 

声がした方に顔を向けると、担任らしき中年の冴え ないオッサンがいた

 

「それと席についてもらえますか?ホームルームを 始めますので」

 

「わかりました」 「うーっす」 「へーい」

 

え?秀吉?チャイムが鳴る前に席についてるけど?

 

「二年Fクラス担任の福原慎です。よろしくお願い します」

 

そう言って黒板に名前を書こうとして…チョークが ないので断念。流石最低クラス

 

「全員に座布団と卓袱台は支給されてますか?不備 があれば申し出て下さい」

 

不備しかありません…とは流石に言えない

 

その後数人が不備を申し出たが、

 

』か『自分で何とかして下さい』で押し切られた

 

…本当にここは学校なのだろうか?

 

「では自己紹介でも始めましょうか。廊下側の人か らお願いします」

 

その言葉と同時に立ち上がった我が幼なじみ

 

「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる」

 

つーか本当にそこらの女子より女子らしいな。

 

「そこにいる佳史とは幼なじみじゃ」

 

「「「殺せぇぇぇ!」」」

 

「え!?ちょ!?何故に!?」

 

「黙れ男の敵!貴様木下秀吉と幼なじみと言う事は あんなことやこんなことを…」

 

「するか!秀吉は男だ!」

 

「違う!秀吉は『秀吉』だ!!」

 

「ワシは男じゃ!」

 

秀吉が抗議するがガン無視

 

「諸君、ここはどこだ!」

 

「「最後の審判を下す法廷だ!」」

 

「男とは!?」

 

「「愛に生き、哀に生きるもの!!」」

 

「よろしい!それでは二―F異端審問会をぐぺっ! ?」

 

俺はとりあえず持って来ていた木刀で須川を殴って 異端審問会を強制終了させた

 

「「会長ぉぉぉぉ!?」」

 

「さ、次行こう」

 

「…相変わらず容赦ないね」

 

―――――

 

「では次の方、お願いします」

 

「…土屋康太」

 

………

 

………

 

…終わりかい。もうちょい喋ろうぜ、康太。

 

にしてもやっぱり女子はほとんどいないな。まあF クラスだし当たり前か

 

そんな事を思っていると…

 

「海外育ちで、日本語は会話は出来るけど読み書き が苦手です。趣味は―」

 

あ、女子いたんだ。…この声どっかで聞いた事ある ような…

 

「―吉井明久を殴る事です☆」

 

美波だな

 

「誰だっ!?恐ろしくピンポイントかつ危険な趣味 を持つ奴は!」

 

「はろはろー。吉井、今年もよろしくね」

 

…美波は本当に明久が好きなのか?

 

そんなこんなで俺の番

 

「雑賀佳史だ。趣味は特にない。ちなみに嫌いなも のは―」

 

そこで俺に攻撃体制を取っている奴らを睨み

 

「物理的に排除するんでよろしく」

 

あえて何が嫌いかをいわなかったからか、目をそら して武器を下ろす

 

「吉井明久です。気軽にダーリンって呼んで下さい ね♪」

 

『ダァァーーリィーーン!

 

…おえっ

 

「―失礼、忘れて下さい」

 

…明久、お前いつかコロス

 

――――――

 

ガラッ

 

「あの、遅れて、すいま、せん…」

 

『えっ?』

 

しばらく名前と趣味を言うだけの退屈な時間が続い たので寝ていたが、不意にドアが開いたのでそっち に目を向けた

 

そこには、こんな所にはいないはずの人物がいた

 

 


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