『バルト三国と呼ばれる国名を全て挙げなさい』
雑賀佳史の答え
「リトアニア、エストニア、ラトビア」
教師のコメント
「その通りです」
木下優子の答え
「吉井明久×坂本雄二×木下秀吉」
教師のコメント
「気を確かに持って下さい」
霧島翔子の答え
「しょうゆ、こしょう、ゆうしょう」
霧島翔子のコメント
「……私と雄二の子供の名前候補」
教師のコメント
「もう問題関係無いじゃないですか…」
吉井明久の答え
「香川、徳島、愛媛、高知」
教師のコメント
「どう見ても間違いなのに何故か丸を付けたくなり ました」
「ありがとうございました―」
清涼祭もかなり長い間開放されるので、当然何度か 休みが入る
今の客でようやく一度目の休み時間を迎えた
「お疲れさん、佳史。お前も大変だな…」
手に飲み物を持って将がこっちに寄って来る。当然 将も執事服だ
「そう思うならさっさと帰らせろ」
「俺には無理だ！」
「即答かい」
「いや、だって…」
将が俺の後ろを指差すので、そっちを向くと…
「離して！！アタシには佳史（執事ver．）をお持ち帰りするっていう最優先任務があるのよ！」
「それもうただの願望です！落ち着いて下さい！」
「願望じゃないわ！自然の摂理よ！」
「もはや規模が尋常じゃ無くなってる！？」
「旦那の成長は妻が確認する義務があるのよ！それ についてはアタシがルールよ！？」
「展開早っ！？どうやってそんな考えにたどり着い たんです！？ソレ以前にまず貴女と雑賀君はまだ夫 婦じゃありません！」
まだは余計だバカ
「大丈夫！二年後には雑賀優子か木下佳史になって るから！」
「御免被る」
「ちょ、誰か助けてぇ～～！」
どうやら俺の一言が余計だったらしく、優子の力が さらに強くなったようだ
「おい将、いいのか？相方がピンチだぞ？」
「済まん美穂…俺は…無力だ…！」
それでいいのか幼なじみ
「まぁいいじゃねぇか。お前嫌がってた割にはきっ ちり仕事こなしてたし」
「………」
否定できねぇ…
「仕方ねぇだろ。気持ちとは裏腹に体が勝手に動く んだから」
「もはや接客のプロだな」
昔ホストのバイト（年齢詐称して）やって稼いだか らなぁ…作り笑いが自然とできる
「それを言うなら将だってノリノリだっただろ？」
「俺の場合クラスの仕事だしなぁ」
「そうか、じゃあ俺はそろそろ着替えて帰…『『『 それはダメ』』』
帰る、と言おうとすると、優子を筆頭にＡクラスの 女子（霧島、愛子、佐藤を除く）がドアの前に立ち はだかる
「…なんでさ」
「……雑賀、もう少しいてあげて」
「とは言っても俺達の場合、クラスの設備がかかっ てるからな…」
どうやら俺が寝てた間に稼いだ金で設備を交換する と言う話が出てたらしく、先日雄二がババア（学園長）にそれを認めさせたらしい
傷んだござは流石に寝づらいので、案外やる気だっ たりする
「……今の優子達のテンションだと、雑賀が帰った ら多分仕事にならない」
「佳史くん、私から見てもカッコイイし執事服似合 ってるしね～。またファンが増えるんじゃない？」
「止めてくれ」
これ以上兄とか呼ばれたくない…妹なんか一人で十 分だ
「兎に角、仕事云々の前にそろそろ三回戦なんだよ
「……なら、仕方ない。優子」
「仕方ないわね…」
その後雄二と合流し、難なく三回戦を突破した
「………ヤベェな」
「ああ、本当にまずいな。どれくらいヤバいかって いうとマジヤバい」
「落ち着け」
「落ち着いてられるか！これに負けたら、俺は…俺 はァァァ！！」
準々決勝
坂本雄二＆雑賀佳史 VS 霧島翔子＆木下優子