アホばっかのバカ達へ~アホメンパラダイス~   作:黒やん

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第12問

『次の( )内に入る同じ語を答えなさい

 

( )や ああ( )や ( )や』

 

姫路瑞希の答え

 

「松島」

 

教師のコメント

 

「正解です。松尾芭蕉の有名な俳句です」

 

雑賀佳史の答え

 

「恨めし」

 

教師のコメント

 

「五・七・五の文字数はあってますが…どこの幽霊 ですか」

 

須川亮の答え

 

「抹殺」

 

須川亮のコメント

 

「異端者には死を!!」

 

教師のコメント

 

「だから君はモテないんだと思います」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「佳史、賭けは覚えてるわね?」

 

「ああ。Fクラスが勝ったら俺の勝ち、Aクラスが 勝ったらお前の勝ち。勝った方が負けた方に何でも 一つ言うことを聞いて貰える、だったか?」

 

『何だとっ!?』

 

何故お前らが反応する?

 

『木下優子に何でも言うことを聞かせられるだと! ?』

『何と羨ま…じゃ無くてけしからん!』

『なら俺は秀吉をもらう!』

 

「…Fクラスが負けた時は想定しないんだね…」

 

「だからワシは男じゃと…」

 

カオスだな

 

「…バカばっかりね」

 

「否定は…出来ないな」

 

「まあ、とにかくアタシが聞きたいのは…佳史が勝 ったら何を頼むのかって事」

 

何を頼むのか…?

 

「………」

 

「…佳史?」

 

「……考えてなかった」

 

『うおいっ!』

 

Fクラス全員ツッコミ!

 

ノリのいいこのクラスが俺は大好きです

 

「優子はどうなんだ?」

 

「アタシ?アタシはもちろん…」

 

満面の笑みを浮かべる優子

 

…なんで俺の冷や汗が止まらないんだろうな

 

「『許婚の確定化』よ♪」

 

『殺せぇっ!!』

 

「え!?何!?」

 

「あーもう!いちいち突っかかってくんじゃねぇぇ!」

 

 

 

俺VSFFF団。ラウンドワン!ファイト!

 

―――――――

 

「ぜぇ…ぜぇ…」

 

『………』

 

結果は、ラウンド8で全員KO

 

「佳史がここまで手こずるなんて珍しいわね」

 

「コイツら嫉妬のボルテージと怨念の高さで戦闘力 代わるから…」

 

「…なるほどね」

 

「…そろそろ勝負を始めてもらえませんか?」

 

高橋先生の催促も来たので、勝負を始める

 

「科目は何にしますか?」

 

「古典で」「保健体育で」

 

「…どっちにするんですか」

 

「お前らもう二回選択権使っただろ!譲れ!」

 

「それはそれ、これはこれよ!吉井くんの「何でも いいです」って選択権放棄でしょ!?」

 

「明久てめぇっ!!」

 

「僕っ!?」

 

「…佳史、選択権くらい譲ってやれよ。お前なら教 科が何でも一緒だろ?」

 

「ホラ!坂本くんもそう言ってるじゃない!」

 

「お前本当になりふり構わねぇな!!雄二!俺の保 健体育は明久以下だ!」

 

「…は?」

 

「あ、バカ!それ言ったら勝てないじゃない!」

 

「もともとお前に勝たせる気ねぇわ!」

 

許婚とか冗談じゃない!

 

「…もう、総合科目でいいですね」

 

「「へ?」」

 

「承認します」

 

「あんたそんなキャラでしたっけ!?」

「高橋先生!?」

 

まさか高橋先生もボケ属性だったとは…!

 

 

 

 

Aクラス 木下優子 VS Fクラス 雑賀佳史

 

総合科目 4486点 VS 4652点

 

『何だあの点数!?』 『アイツ本当にFクラスか!?』

 

「流石佳史ね…」

 

「まぁ、やる気さえ出ればそれなりにはな」

 

ちなみに保体は一桁だ

 

決着は、久保と瑞希同様に俺の召喚獣が居合い抜き で即刻着いた

 

「Fクラスの勝利です」

 

追い込まれているのに特に騒がないAクラス。それ だけ霧島に信頼を置いているんだろう

 

…さっき優子もあまり落ち込んで無かったしな

 

勝負は大将戦。雄二に委ねられた

 

「教科はどうしますか?」

 

「教科は日本史。内容は小学生レベルで百点満点の 上限ありだ!」

 

ザワッ

 

『上限ありだって?』

『しかも小学生レベルって満点確実じゃないか!』

『注意力と集中力の勝負になるぞ…』

 

Aクラスもこれは予想していなかったのか、驚きを 隠せていない

 

『秀吉、なんでアタシがCクラスの人達を豚呼ばわ りしてる事になってるのかなあ?』

 

『はっはっは、それはじゃな、姉上の本性をワシな りに推測して―あ、姉上っ違っ…!その関節はそっ ちには曲がらなっ…!」

 

ぐああああああああっっっっ!!

 

ゴキッ、メキッ、バキバキバキ、メリッ…

 

…秀吉、生きてるかな

 

「わかりました。それでは問題を用意しなければな りませんね。それでは少し待っていて下さい」

 

高橋先生が教室を出て行く

 

真面目そうだし、あらゆる資料持ってんだろうな

 

「雄二。後は任せたよ」

 

「ああ、任された」

 

がっちり握手する明久と雄二

 

この二人、仲悪いように見えて実は仲良いからな

 

「………」ビッ

 

大丈夫。忘れてないからな康太。

 

「お前の力には随分助けられた感謝している」

 

「………フッ」

 

「坂本くん、あのこと教えてくれてありがとうござ いました」

 

「ああ、明久の事か。気にするな。後は頑張れよ」

 

「はいっ!」

 

「ねぇ佳史、僕って姫路さんに何か悪い事したかな 」ボソッ

 

「何でだ?」ボソッ

 

今の会話にそんな下りは…

 

「だって、姫路さんが僕の事で頑張るって…暗殺し か無いじゃないか…!」ボソッ

 

…明久の鈍感は一回死ななきゃ治らない気がしてき た

 

「佳史も。お前には策でも戦争でも世話になった」

 

「…やる事はわかってるな?」

 

「勿論だ」

 

ハイタッチを交わして雄二を送り出す

 

後は雄二が油断せずに勉強してれば…

 

『霧島翔子さん、坂本雄二くん、視聴覚室まで来て 下さい』

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

「いよいよですね…」

 

「そうだな」「いよいよだね」

 

今はAクラスのモニターで二人の勝負の様子を見て いる

 

「ちなみにそっちの勝算はあるの?」

 

「雄二が横着せずに勉強していれば勝てる」

 

「それとあの問題が出ていれば…です」

 

「うん。もし出ていたら…」

 

『俺達の…勝ちだ!』

 

(   )年 鎌倉幕府設立

(   )年、大化の改新

 

「…あ!」

 

「よ、吉井くん!」

 

「うん!これで僕らの卓袱台が…」

 

『システムデスクに!』

 

「………」

 

「あれ?佳史?どうしたの?」

 

「まだだ。まだわからねぇ」

 

「?」

 

雄二が満点を取らなければこの勝負には勝てない

 

「考えすぎだったらいいんだがな…」

 

 

 

 

 

Aクラス 霧島翔子 VS Fクラス 坂本雄二

 

日本史 97点 VS 53点

 

 

 

 

 

 

Fクラスの卓袱台がみかん箱になった

 

…同時に、俺と雄二の人生が終わった


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