アホばっかのバカ達へ~アホメンパラダイス~   作:黒やん

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第9問

『女性は( )を迎えることで第二次性徴期になり 、特有の体つきになり始める』

 

姫路瑞希の答え

 

「初潮」

 

教師のコメント

 

「正解です」

 

吉井明久の答え

 

「明日」

 

教師のコメント

 

「随分と急な話ですね」

 

雑賀佳史の答え

 

「アレだよ、ホラ…アレ」

 

教師のコメント

 

「結局わからなかったんですか」

 

土屋康太の答え

 

『初潮と呼ばれる生まれて初めての生理。医学用語 では生理のことを月経、初潮のことを初経という。 初潮年齢は体重と密接な関係があり、体重が…(以 下略)」

 

教師のコメント

 

「詳し過ぎです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よくやったなお前ら~っ!カッコ良かったぞ!」

 

試合が終わってすぐに食堂に戻ると、寮長が労いの 言葉をかけてくる

 

ちなみに競技と競技の間は選手は基本的に寮ごとの 集合場所に集まる事になっている

 

「サッカーは2寮の勝ちでバレーは1寮の、テニス は引き分けでドッジは(奇跡的に)3寮が勝ったか らな。このバスケで優勝が決まる!」

 

凄く入れ込んでいるように話す難波寮長

 

…俺の見間違いじゃなければアンタ試合そっちのけ で観客席でナンパしてたよな?

 

月夜ばかりと思うなよ…!

 

『坂本モゲロ』 『雑賀モゲレ』

 

「「何故に!?つーか何でだよ!?」」

 

『るせぃっ!!女子にキャーキャー言われて羨まし いんだよチクショー!!』 『雑賀に関してはさっさと木下と籍入れてしまえ! !』 『そうだそうだ!人生の墓場に浸かってしまえ!』 2寮男子一同魂の叫び

 

「お前ら本当に欲望に忠実だな…佳史に関しては否 定できんし」

 

「ってオイ雄二!?」

 

まさかのここに来て裏切りか!?

 

(テメェ!どういうつもりだ!)

 

(…佳史、アレ見ろ)

 

雄二が指差す先には、『優子の手助けをしないと… 』と書かれたテレビで使うようなカンペを持つ霧島 がいた

 

「………アレを見て、俺が逆らえるとでも?」

 

「………すまん」

 

「……優子、婚姻届ならこれをあげる」

 

「あら、ありがとう代表。そうね、そろそろ届け出 とくべきかしら?」

 

『や~れ!や~れ!』 『書~け!書~け!』

 

「ちょうど実印も持ってるし…」

 

「待て待て待て待て!とりあえず煽るなバカ共!霧 島は何で婚姻届なんか持ってんの!?んで優子!俺 は同意してないし、そもそも16だし(遅生まれ) !つーかどうやってウチの実印盗み出したんだ!? 」

 

確か寮の俺の部屋の金庫の中に入れた金庫の中に保 管してたはず!

 

「普通にお義母さまに頂いたんだけど?」

 

「あのボケ親権者ぁぁぁ!!」

 

そんな風に取り乱していると、雄二が俺の肩に手を 置き

 

「…ようこそ、こちら(結婚で脅迫される側)の世 界へ」

 

腹立つくらい清々しい笑顔でんな事をのたまってく れました

 

「嫌ぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

あれ?なんかデジャヴ

 

そんなバカ騒ぎの間に第二試合が終了

 

第1寮 VS 第3寮

 

172 VS 8

 

この時点で3寮の最下位決定!

 

――――――

 

「いいな?相手はスポーツ系の第1寮だ。弱点とい う弱点はない」

 

現在、最終ミーティングです

 

「明久とムッツリーニは勿論、天王寺先輩、工藤も スポーツ万能だし、島田の運動神経も悪くない。ハ ッキリ言って不利だ …だからこそ乱戦に持ち込む!そこで鍵となるのは 木下姉と佳史、俺だ。防御は捨てて、攻撃に注ぎ込 む!攻撃こそ最大の防御だ!一気に呑むぞ!」 「「「「応!!」」」」

 

「第2寮、出陣るぞ!」

 

「「「「しゃあーっ!!」」」」

 

「…あれ?寮長俺じゃね?」

 

この際、寮長の呟きはスルーしとこう

 

「勝負だ!佳史に雄二!」

 

「……負けない」

 

「それはこっちも同じだ。やるからには勝つ!」

 

そんな事を言い合って試合は始まった

 

雄二が再びジャンプボールに競り勝ってこっちボー ルで試合が始まる

 

マークなんかする時間は与えない!まずは速攻で先 取点をとる!

 

「甘いよ佳史!」

 

てっきり指示が無いので動いていないと思った明久 にスティールされ、カウンターで先取点を取られる

 

「甘いよ~?ボク達が試合前に何の話し合いもなく 本番に出るわけ無いじゃん♪」 …向こうの頭脳は工藤か。やられたな…

 

「もうマークする相手は決まってるからね。僕だっ て迷わないよ」

 

「…上等!」

 

そこからは個人技の応酬だった

 

明久は切り込みからのレイアップを披露し、康太は 地味に素早くパスを回す

 

雄二はダンクを、優子はスリーポイントを決め、俺 は確実にゴールを決める

 

気付けば試合は後半だった

 

残り三分

 

1寮対2寮―130対126

 

「慌てんな!確実に決めてくぞ!」

 

慌てんな、とは言いながら、俺は速攻で敵陣奥に切 り込む

 

慌てた天王寺先輩が優子のマークを外して俺に迫る

 

「ダメです!先輩戻って下さい!」

 

「む?」

 

勿論その隙を逃すはずなく、優子にボールを回し、 スリーポイントが決まった

 

130対129

 

「そのままパスを回して!持ちすぎは厳禁だよ!」

 

工藤が指示を飛ばし、その通りに明久達が動く

 

「あ、姫路がチアの格好で観客席にいる」

 

「え!?どこ!?」

 

…まさか引っかかるとは思わなかった

 

「貰いっ!」

 

「あ、佳史!卑怯だぞ!」

 

いや、あんな速攻で嘘だと分かる嘘に引っかかられ てもな

 

…半分冗談でちょっとでも意識が逸れたらな~って 思っただけだったんだが

 

すぐに優子に回して、ゴールまで走る

 

…残り15秒…行けるか!?

 

優子がシュートを放つが、天王寺先輩の指の先がか すかにボールに当たってコースがずれる

 

…マズい!これを逃したらフリースロー…そうなっ たら霧島がいるこっちは絶対的に不利!

 

そんな事を考えていたら、無意識にボールに向かっ て飛んでいた

 

『雑賀ぁー!行っちまえぇぇぇ!!』 『お兄様ー!!』

 

そしてそのままボールを空中で掴み、そのままゴー ルに叩き込んだ

 

ビーッ!

 

『…………』

 

時が止まったように静まり返る体育館

 

「…やった」

 

『よっしゃぁーーっ!!』 『やりやがったなお前らーっ!!』 『2寮最高だぁーっ!!』

 

歓喜に湧く2寮の面々

 

「あーあ、負けたぁー!」

 

「……無念」

 

「流石Fクラスの知将コンビだね~」

 

明久、康太、工藤の順に声を掛けられる

 

「にしても最後のアレはズルいよ…」

 

「佳史、何をしたんだ?」

 

「え?いや、観客席で姫路がチアの格好してるって 言っただけなんだけど…」

 

「「「明久(吉井君)が悪いな(ね)」」」

 

「まさかの全員敵!?」

 

「吉井貴様…そんな煩悩に振り回されるからそんな 罠に引っかかるのだ!」

 

「え!?寮長待って!その竹刀は一体!?」

 

「喜べ。今日から一週間お前を心身共に鍛え上げて やる。家に帰れると思うなよ?」

 

「嫌ぁぁぁぁぁぁ!!」

 

うん、デジャヴ

 

今日から明久は一週間鬼の補習ならぬ鬼の修行(プ レゼンテッド バイ 天王寺)だな

 

「…にしても今年の優勝賞品って何なんだ?」

 

「さあ?去年がマッサージチェアだったから液晶テ レビ(地デジ対応)とかそんなんじゃねぇか?」

 

「お疲れお前ら~」

 

雄二と賞品について話していると、後ろから寮長が 肩を組んできた

 

「あ、寮長。今年の優勝賞品って何ですか?」

 

「あれ?お前ら知らなかったの?てっきりやっと素 直になったもんだと…」

 

素直?何の話だ?

 

「今年の優勝賞品…如月グランドパークのプレオー プンのペアチケットだぞ?」

 

一枚だけだがな、と付け加えて去って行く難波寮長

 

「「…ええぇぇぇぇぇぇ!!!!??」」

 

多分勝って後悔するのはこれが最初で最後だろう


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