ハイスクールD×D 精霊と龍神と 作:きよい
読みにくくてすいません。
俺は確か、昨日裕斗と数日間は一緒に部室に行く事になってたよな。
なら教室で待ってればよかったはずだよな?
なのにさっきから黄色い歓声がとってもうざいです……。
いや、裕斗は普通に来てくれたんだ。
ただ今回は相手が俺一人じゃなかった。
俺のところに来る前に、クラスメイトの兵藤のところへ向かって、なにかを話ていた。
「――というわけで、僕についてきてほしい」
イヤー!
女子たちが悲鳴をあげる。
「そ、そんな木場くんと兵藤が一緒に歩くなんて!」
「汚れてしまうわ、木場くん!」
「木場くん×兵藤なんてカップリング許せない!」
「ううん、もしかしたら兵藤×木場くんかも!」
うわー、わけわかんねぇ……。
今日は巻き込まれたくないしバレない内に帰ろうかな……。
と腰をあげた瞬間だった。
「あ、カイトくんも来る準備はできてたんだね」
立ち上がったのを勘違いしたのか、爆弾が投下される。
おのれ裕斗! 俺もそっち側に引きずり込むつもりか!
「……ああ、俺も、行くつもり……だったからな…………」
キャー!!
女子うるさいよ。
俺を想像に巻き込むな!
「見て! あの月夜野くんが木場きゅんと!」
「ああ、あの二人のカップリングなら許せるわ!」
「むしろ需要がある! あたし帰って創作活動に励まないと!!」
「……いえ、ここに兵藤も入ってきたら……」
「そ、それはもしかして――」
いいかげんにしろ!!
というか三人目! なに書く気だよおいッ!
俺明日から不登校になっちゃうだろ。
隣では兵藤が松田達と話していた。
「心配するな、友よ。決闘とかじゃないから」
「これ! 『僕と痴漢と時々うどん』をどうするんだ!」
松田がエロDVDをかざす。
俺にはどんどん大きくなってくる女子の声が耳に入ってくる。
俺と兵藤は、同時に天を仰いだ。
昨日に続いて向かったのは旧校舎だ。
ここに来るまで、すれ違う女子が何事かという目で見てきたものだ。
そんなにこの面子はおかしいのか。
俺はここに来るまでに精神的に疲れきったわけだが、裕斗はまるで気にした様子は無かった。
これが学校一のイケメン王子か! ネタにされようと笑顔を絶やさないとは!
見習いたくはない。
と、教室に入った兵藤は周りを珍しそうに眺めていた。
まあ、普通に魔方陣とかあったらそうなるよな。
「小猫、また羊羹食ってるのか?」
今日もソファーに座る後輩は、昨日と同じようにしか見えない。
なんだろ、俺は昨日のフィルムを再生でもしてるのか?
「……はい。駄目ですか?」
「いや、いいけど同じものばかりってのはな。明日は俺がなにか持ってきてやるよ」
「約束ですよ」
最後だけ即返事がありました。
と、小猫が兵藤の方へ目を向ける。
「こちら、兵藤一誠くん」
裕斗が紹介をする。俺の時もそうだったな。
「あ、どうも」
小猫と兵藤が頭を下げあう。
シャー。
シャワーの音がする。
部長は今日もシャワーを浴びてるのか。上級悪魔ってそういうものなのかな。
「……いやらしい顔」
小猫が兵藤に向けて呟く。
うん、確かにそんな顔してんな。
ジャー。
カーテンが開く。どうやら部長はシャワーを浴び終え、着替えも終わったみたいだ。
「ゴメンなさい。昨夜、イッセーのお家にお泊りして、シャワーを浴びていなかったから、いま汗を流していたの」
ああ、そういうことか。
というか兵藤はなにがあったらそんな状況になるんだよ。
視界の隅では朱乃さんが兵藤に自己紹介を始めていた。
「これで全員揃ったわね。兵藤一誠くん。いえ、イッセー」
「は、はい」
「私たち、オカルト研究部はあなたを歓迎するわ」
「え、ああ、はい」
「悪魔としてね」
いえ、俺は完全に悪魔じゃないんですけどね?
まあ、確かに魔王の素質はあるんだけど……。
どうやら、兵藤がここに加わることによって、なにかが大きく動き始めそうだ。
そこから結構な時間が経ち、兵藤に悪魔や堕天使の説明がされた。
どうやら兵藤は、昨日も堕天使に襲われたようだ。
大変なことに巻き込まれやすいのかもしれない。
「――天野夕麻」
部長の一言に、兵藤は目を見開いた。
「あの日、あなたは天野夕麻とデートをしていたわね」
「……冗談なら、ここで終えてください。正直、その話はこういう雰囲気でしたくない」
兵藤の声には、怒気が含まれていた。
どうやら兵藤はあの日の話はしたくないみたいだ。
でもそんなことで部長が止まるわけもなく。
「この子は、いえ、これは堕天使。あなたを襲った存在と同質の者よ」
部長は尚も話しを続ける。
「この堕天使はとある目的があってあなたと接触した。そして、その目的を果たしたから、あなたの周囲から自分の記憶と記録を消させたの」
用意周到だったってことか。
念入りに自分の周囲から証拠を消していたのか。
そこから部長は、兵藤が狙われた理由、神器のことを順に話していった。
そして、
「ドラゴン波!」
ドラグ・ソボールの空孫悟がドラゴン波を撃つときと同じポーズを取った。
おお、よくあんな恥ずかしいことやるな。
カッ!
兵藤の左腕が光りだす。
光はしだいに形を成していき、左腕を覆っていく。
光が止んだとき、そこには赤色の篭手が装着されていた。
凝った装飾がされていて――って、赤い篭手……?
いや、まさかな。
堕天使に簡単に殺されていたような弱い肉体だ。まさかあいつが宿るなんてことはないだろ。
ただの『龍の手』に違いない。
「イッセー、あなたは私、リアス・グレモリーの眷属として生まれ変わったわ。私の下僕の悪魔として」
その瞬間、俺と兵藤を除く全員の背中から翼が生える。
いや、訂正。
翼が生えてなかったのは俺だけだった。兵藤からもバッチリ生えてた。
「改めて紹介するわ。裕斗」
部長に呼ばれた裕斗は兵藤にスマイルをする。
「僕は木場裕斗。兵藤一誠くんと同じ二年生ってことはわかっているよね。えーっと、僕も悪魔です。よろしく」
「……一年生。……搭城小猫です。よろしくお願いします。……悪魔です」
小さく頭を下げる小猫。
「三年生、姫島朱乃ですわ。いちおう、研究部の副部長も兼任しております。今後もよろしくお願いします。こえでも悪魔ですわ。うふふ」
礼儀正しく朱乃さんは深く頭を下げた。
「……」
「カイト、あなたも自己紹介くらいしなさい」
部長が俺に言う。
「俺、悪魔じゃないですよ?」
「部員なのだからしなさい」
「……。クラスメイトの月夜野カイトだ。まあ、知ってるとは思うけど。俺は悪魔じゃないけど、神器を宿してるもんだから入部することになったんだ。一応よろしく」
部長に視線を向ける。
一つ頷き、紅い髪を揺らしながら堂々と言う。
「そして、私が彼らの主であり、悪魔でもあるグレモリー家のリアス・グレモリーよ。家の爵位は公爵。よろしくね、イッセー」
こうして、俺の日常はどんどん変化していく。
ちなみに、兵藤はハーレムを作りたいらしい。
出世して上級悪魔になって自身の眷属を持てば可能だろうか。
兵藤は先程から叫んでやる気に満ちていた。
「ハーレム王に俺はなるっ!」
動機は最悪に近かったけど、悪魔なら普通のことかもしれない。
こうして、俺に続き兵藤も、オカルト研究部の末席に加わった。
……は、省きに省いてやったぞ!
はい、すいません。
なんかヒロイン候補をみなさまから挙げていただき、ありがとうございます!
お気に入りも50を突破しました。
まだまだ始まったばかりですけど頑張ります!