ハイスクールD×D 精霊と龍神と 作:きよい
ヒロインの募集は活動報告でと書いたのに感想にしてきた方々がいます。感想にはしてくるな。
こんなことから始めて申し訳ないです。では、本編をどうぞ。
「――まさか、『魔女』アーシア・アルジェントか?」
ゼノヴィアの言葉に、アーシアが反応する。
イリナも気づいたのか、アーシアへと視線を向ける。
「あなたが一時期内部で噂になっていた『魔女』になった元『聖女』さん? まさか、悪魔になっているなんて思わなかったわ」
「……あ、あの……私は……」
二人に言い寄られ、対応に困るアーシア。
「しかし、悪魔となり堕ちるところまで堕ちたものだな。まだ我らの神を信じているのか?」
「ゼノヴィア。悪魔になった彼女が主を信仰しているはずはないでしょう?」
呆れた様子で言うイリナだが、対してゼノヴィアは目を細めた。
「いや、その子から信仰の匂いがする。私はそういったことに敏感でね。背信行為をする輩でも罪の意識を感じながら、信仰心を忘れない者がいる。それと同じようなものがその子から伝わってくるんだ」
「そうなの?」
二人の問いかけに、アーシアは悲しそうな顔をしながら言う。
「……捨てきれないだけです。ずっと、信じてきたものですから……」
「そうか。ならいまここで私たちに斬られるといい。いまなら神の名の下に断罪しよう。罪深くとも、我らの神ならば救いの手を差し伸べてくださるはずだ」
ゼノヴィアは聖剣をアーシアの前に突き出す。布には包まれているが、そんなこと、問題ではない。好き勝手言いやがって――
「触れるな」
だが、俺より先に動いた奴がいた。
――イッセーだ。アーシアの前に立ち、庇うように立っている。
「アーシアに近づいたら、俺が許さない。あんた、アーシアを魔女だと言ったな?」
「そうだよ。いまの彼女は『魔女』と呼ぶにふさわしいと思うけどね」
「ふざけるなッ! アーシアの優しさを理解できない連中なんか、みんなバカ野郎だ! 友達になってくれる奴もいないなんて、そんなの間違ってる!」
「『聖女』に友達が必要だと思うか? 大切なのは分け隔てない慈悲と慈愛だ。他者に友情と愛情を求めたとき、『聖女』は終わる。つまり、それを求めたアーシア・アルジェントには最初から『聖女』の資格はなかったのだろう」
当然のように言うゼノヴィア。狂った信仰ってのも、ここまでくるとまったく理解できないな……。
「自分たちで勝手に『聖女』にして、少しでも求めていた者と違ったから、見限るのか? アーシアの苦しみを誰もわからなかったくせに!」
イッセーは怒気をはらみ声を上げる。いまのあいつの中は、アーシアのことを想うばかりに生まれた怒りで一杯だろう。
だが、そんなイッセーにゼノヴィアはまるで怯んだ様子が見られない。
「さっきから聞いていれば。キミはアーシアの何だ?」
その問いに、イッセーは即答する。
「家族だ。友達だ。仲間だ。だから、アーシアを助ける! アーシアを守る! おまえたちがアーシアに手を出すなら、俺はおまえら全員敵に回してでも戦うぜ」
「いいじゃないか、その仲間を想う気持ち。そうだよ、そうでなくちゃいけない」
俺はイッセーの隣に立ち、共にアーシアを、仲間を守るように立つ。
「カイト……」
「仲間は、家族は大事だよな。失いたくないし、大切だからこそ、守りたい。イッセー、おまえは間違ってないよ。俺も、そうだった。悪魔に言うのは変かもしれないけど――聖女として、俺が保障してやるよ」
「確かに、聖女に保障されるってのもおかしい話だな」
きつくなっていた表情を緩め、俺に苦笑とも取れる笑顔を向けてくる。
「……聖女…………。いや、まあいいさ」
ゼノヴィアは一瞬、俺の言葉に疑問を持ったようだったが、それは割り切ったように部長とイッセーへと声をかける。俺のことより優先して言いたいことでもあったのだろう。
「それは私たち――我らの教会すべてへの挑戦か? 一介の悪魔にすぎない者が、大きな口を叩くね。グレモリー、教育不足では?」
「イッセー、お止め――」
「止めるなよ、部長。資格だけで、外面だけでしか人を見れない奴を、このまま帰す気はねぇぞ」
俺は部長の言葉を遮り、そう伝える。
「ほう? ならばキミが相手になるとでも言うのか?」
「あらゼノヴィア。彼はどう考えたってなんの力も持たない一般人じゃない。ああ、でも悪魔側にいるのよね……。あんまり言うようなら断罪してあげようかしら」
教会側の二人組は好き勝手に俺のことを評価してくれる。
俺の力に気づけないのか。聖剣の所持者って言ってもこいつらは大したことなさそうだな。
「カイトくんがやる必要はない。ここは僕が相手になろう」
俺の横から歩いてきた祐斗は、特大の殺気を体から発して、剣を携えていた。
「誰だ、キミは?」
ゼノヴィアの問いかけに祐斗は不敵に笑った。
「キミたちの先輩だよ。――失敗作だったそうだけどね」
「祐斗……」
「僕はこの瞬間をずっと待ち望んで来たんだ。エクスカリバーを破壊するときをッ!」
その瞬間、部室内に無数の魔剣が出現した。
俺たちは場所を移し、旧校舎の裏手へ来ていた。
周りは紅い魔力の結界で囲まれていて、被害がでないようにされている。
少し離れたところに祐斗が、横にはイッセーがいて、他の部員のみんなは結界の外で俺たちを見守っている。
「イッセー、おまえもあいつらには思うところがあるだろうから、俺は手をださない」
「いいのか?」
イッセーは驚いた表情を見せる。
「元々、戦ってどうこうさせようとは思ってないさ。もちろん、おまえが負けたら俺も参戦するけどな」
「……そうならないようにしてやるさ」
イッセーとの話を終えると、祐斗に一方的に言い放つ。
「祐斗。わかってると思うけど、おまえもだからな! 負けたら俺と交代だ!」
「……」
祐斗からの返事は無かった。大方、負けるはずがない、とでも思っているのだろう。
俺はとりあえず、邪魔になる前に結界の外へ出る。まあ、どうせすぐに戻ることになるのだろうが。
「話は終わったみたいだな。では始めようか」
イリナとゼノヴィアが白いローブを脱ぎ、黒い戦闘服になる。その姿にイッセーは見とれているようだが、集中しろバカ……。
ゼノヴィアさえあのとき、
「リアス・グレモリーの眷族の力、試してみるのも面白い」
なんてことを言わなければ模擬戦は無かったんだけどな……。
ゼノヴィアとイリナは聖剣を構え始める。
「朱乃さん、終わるまでには戻ってくるんで、少し外していいですか?」
「あらあら、仕方ないですね。どこに行くんですか?」
「多分、このままいけば俺まで回って来ると思うんですよ。その際、俺のことを多少なりとも話すことになると思うんで、気持ちの整理をしてこようかと」
そう、エストのこと、聖女の因子のことも、話さなくてはならないだろう。
こうなることは予想できていたが、いきなりそれでは俺自身が揺らぐ……。
「……そうですか。自分のことを話すのは、大変なことですものね……」
朱乃さんは制服の端を握り、小さくそう呟いた。
「……朱乃、さん?」
「いえ、なんでもないですわ。部長へは私から言っておきますから、安心して落ち着いてきてください」
「ありがとうございます。ああ、そうだ。なにかあるなら今度相談に乗りますから」
そう言い残し、俺はこの場から離れた。
視界の隅では、動き回るイッセーと祐斗の姿が映りこんだ。
ヒロインの募集では、小猫やロスヴァイセ、イリナが割りと多いですね。ああ、グレートレッドも多いよ……。他にもセラフォルー、ゼノヴィア、ソーナ、ベンニーア、ルフェイ、ジャンヌなどが挙げられました。ちなみに一瞬アリかなと思ったのはTSロキです。
それとTSヴァーリがヒロインとしての需要が高いことがわかってきました。
あまり見かけないからですかね? やると口調や性格が変わってしまいそうですが、やるのも面白いかもですね。
………………やるか。
来週くらいまでは『活動報告』でヒロインの募集をしています。