ハイスクールD×D 精霊と龍神と 作:きよい
1話
最近の我が家はいろいろおかしいことになってきている。
やけに人影が多いのだ。
まあ、使い魔になったティアマットが来たり、エストやレスティアが出てきたり、黒歌が遊び(暇つぶし)に来たり、たまにルフェイが料理していたりオーフィスはスカーレットと遊んでいたり。
俺って元々一人暮らしだったんだけど?
オーフィスが居るのはまあ、いいんだ。俺のためでもあるしな……。
他の連中、少し来すぎじゃないか?
黒歌とルフェイに限ってはここに居ていいものなのか? ここグレモリー領だと思うんだけど。まあ、部長たちに黙ってる俺も俺かもしれないけど……。
最近になって使い魔になったティアマットは、家に来る際魔方陣で飛んで来るのだが、そのときは人型になっている。龍のまま来られたら家なんて既に無いだろう。
最初は確か、オーフィスが居座っていることがバレて、凄い警戒されてたんだよな……。
ああ、思い出すのはやめよう。あんな長い時間をかけて安全だということを説明したのなんか無かったんだ!
いまは長い青髪を振り乱してレスティアを追いかけている。多分、レスティアにいじられたんだろう。龍王もいじられるんだな。
オーフィスもスカーレットと楽しそうにしてるしいいことだ。
あの火猫様も人型になれる日が来たら、もっと騒がしくなりそうだな。
黒歌は黒歌でルフェイとなにか地図見ながら話してるな。物騒なこと企んでないといいな。
まあ、二人とも基本いい奴だし、ルフェイは純粋にいい子だから大丈夫か?
「カイト、楽しそうですね」
「エストか。そう見えたか?」
「はい。顔がとても緩んでいました」
「……よく見てるな」
「当然です。カイトは私のマスターですから」
マスター関係あるのかな。いや、きっとエストには大切なことなんだろう。
ガシャン。
背後で皿が割れる音がする。
バサバサバサッ。
次は横の方で本棚から本が流れ落ちてくる。
キィン。
前では机が真っ二つにされ――
「いいかげんにしろォォォォッ!! レスティア! ティアマット! 追いかけっこで家を破壊する気かおまえらァァァァァァッ!!」
本当に、賑やかになった。
まだ俺が仲間と居たころと、よく似てる……。
さて、今日も通常通り部活の最中だ。
最近はなんだかやけに朱乃さんのスキンシップが多い。
ただの好意とかでされてるならいいんだけど、なんだか探られているみたいなんだよなー……。
部長ともたまにアイコンタクト取ってるし。でも多分、簡単にはわからないと思うな、俺のことは。
「朱乃さん。俺のこと探っ――」
俺がその件なら探るだけ無駄だと言おうとしたとき、何者かによってオカルト研究部の扉が開かれた。
すでに部室には部員全員が居る。だとしたら誰だろうか? こんなところに一般の生徒が来るとは思いにくい。
俺は扉の向こうに居る人物に視線を向けた。
そこには女子生徒と男子生徒が一人ずつ部室に入ってくる。
見覚えがあるな。女子生徒の方、確か――
「せ、生徒会長……?」
イッセーがそう漏らす。
そうだ、駒王学園の生徒会長の支取蒼那先輩だ。
ってことは後ろにいる男子生徒も生徒会の関係者か。
イッセーやアーシアは何故生徒会長たちがここに? という顔をしている。
俺もそれは気になっていたところだけど。
まさか廃部か? 実績無さそうだもんな……。
「なんだ、リアス先輩、もしかして俺たちのこと兵藤に話していないんですか? 同じ悪魔なのに気づかないほうもおかしいけどさ」
会長の後ろにいた男子生徒が俺たちに話しかけてくる。
こいつ、確か最近生徒会書記だかになった生徒だっけ?
悪魔、か。そうか、そういうことか。
俺が会長たちの存在に気づいたとき、会長が男子生徒に静かに言う。
「サジ、基本的に私たちは『表』の生活以外ではお互いに干渉しないことになっているのだから仕方ないのよ。それに彼は悪魔になって日が浅いわ。兵藤くんは当然の反応をしているだけなのだけ」
まさか、生徒会メンバーが悪魔だったとはな。
この学園に悪魔の部活があるわけだ。ここって悪魔の息がかかっているんじゃないか?
「この学園の生徒会長、支取蒼那さまの真実のお名前はソーナ・シトリー。上級悪魔シトリー家の次期当主さまですわ」
驚愕していたイッセーに朱乃さんが説明している。
「部長、悪魔同士で話があるなら俺は席を外しますけど?」
上級悪魔が集まるなら、なにか大切な話があるかもしれないしな。
「あら、カイトは居てくれていいわよ? あなたのことも紹介しておかないとね」
「紹介?」
「ええ、今日は一応そのつもりで集まっているの。部員であるカイトのことも紹介するから居てちょうだい」
「リアス、彼がもしかして……」
会長が俺の方を見ながら部長と話始める。
「ええ、そうよ。人間とは思えない力を持つって話をしていたカイト本人よ」
どういう話してるんですか!?
「よく話は聞いていたけど、本当に普通の人間にしか見えないのね」
会長!? 普通の人間でいんですよ!? 見た目はあなたたちだって人間でしょう?
「でも力はあるわよ?」
「……見れる機会があれば見せて貰うわ」
部長、会長。俺の意見も聞いて貰えると助かります。
二人はなおも俺の話を続けている。
と、部長たちを他所に、イッセーはイッセーで男子生徒と話をしていた。
「生徒会書記になった匙元士郎だ。二年生で会長の『兵士』だ」
「おおっ、同学年で同じ『兵士』か!」
イッセーは少し嬉しそうにしていたが、匙という男子は溜息をついていた。
「俺としては、変態三人組の一人であるおまえと同じなんてのが酷くプライドが傷つくんだけどな……」
「なっ、なんだと!」
歩み寄ったのにその返しは無いよなぁ。なんか、少し苦手なタイプかもしれないな、匙って奴は。
「おっ? やるか? こう見えても俺は駒四つ消費の『兵士』だぜ? 最近悪魔になったばかりだが、兵藤なんぞに負けるかよ」
「いや、おまえ負けるから。駒四つ消費程度じゃ無理だよ。あ、いや……いまならまだ勝てるかな? イッセー自体まだ弱いし……」
どうなんだろうな? 一応朝とかにトレーニングしてるみたいだけど。効果が出てくるのはもう少し後かな?
「サジ、お止めなさい」
部長と話していた会長が匙を睨み、会話を中断する。
「サジ、いまのあなたでは兵藤くんに勝てません。彼は駒八つ消費の『兵士』です」
「駒八つ!?」
凄い驚いてるな。やっぱり駒八つ消費って凄いことなのかな。
匙が変な生き物を見る目でイッセーを見ていると、会長が頭をさげた。
「ごめんなさい、兵藤くん、アーシア・アルジェントさん。うちの眷族が失礼ことを言って。でも、よろしければ新人の悪魔同士、仲良くしてあげてください」
薄く微笑みながら会長がイッセーとアーシアに言ってきた。
匙はアーシアには友好的にあいさつをしていたが、イッセーとは思いっきり力を込めて握手しあっていたな。会長にはああ言われたけど、多分仲良くするのは不満なんだろう。
「おまえら仲良くしろよなー……」
終わりそうもなく、今度は悪口を言い出したので俺は止めに入った。
二人の手を引き離し距離を取らせる。
「イッセー、あまり感情的になるなよ。これから協力していく機会もあるかもしれないんだ。仲良くしておけ」
「……そう、かもしれないな。ああ、わかったよ」
イッセーの方は頷いてくれた。
ただ匙は、俺を訝しげに睨んでいた。
「……。……会長、なんでここに人間がいるんですか?」
「彼はこの部活の部員だからです」
「そういうことだ。よろしく頼むよ。イッセーと同じクラスのカイトだ」
「兵藤と同じクラス? おまえも変態たちの仲間か?」
匙がろくでもないことを言い出した。
「はあ? 喧嘩なら買うぞ。いまなら半殺しにしてやる」
誰が変態だコノヤロウ! 今すぐ窓から放り投げてやる!
「いいぜ、ただの人間が悪魔に勝てると思うなよなぁ!」
と、匙がやる気を出してきたところで、再び会長が止めに入った。
「サジ、カイト君と戦うのは、いまの兵藤くん以上に控えなさい! ただの人間ならこの部活に入っているはずがないでしょう?」
「ですが会長、悪魔の俺が負ける相手とは思えません」
「彼は先日、龍王の一角であるティアマットを使い魔にしています。いいですかサジ、やめなさい」
会長が今日一番の睨みを見せる。
サジはその瞳よりも、俺がティアマットを使い魔にしたことが大層驚いたみたいだけど。
「すまん、俺が悪かったよ……。変態の仲間ってのは取り消す」
「なら俺にも文句はないよ。普通によろしく頼むぜ」
俺は、今度は手を差し出す。
「ああ、よろしく」
その手を、匙は握ってくれた。匙がどんな相手なのか、これからゆっくり見定めないとな。
「お互いのルーキー紹介はこれで十分でしょうね。では、私たちはこれで失礼します。ああ、そうだ。カイトくん、今度是非生徒会室に来てください。私の眷族たちともゆっくり話してみませんか?」
会長は俺にそう言ってくれた。ようはグレモリー眷族だけじゃなくてそちらとも交流を持ってみないかという誘いだろうか? まあ、それもいいことかもしれないか。
「それじゃあ今度ゆっくりと」
「はい、お待ちしておりますよ」
その後なにかを部長と小声で話してから部屋を出て行った。
それにしても、部長と会長、仲よさそうに話していたな。
「イッセー、アーシア。それにカイト。匙くんと仲良くね。他の生徒会メンバーともいずれ改めて出会うでしょうけど、同じ学びやで過ごす者同士、ケンカはダメよ?」
ニッコリと部長が言う。
その後に俺とイッセーは注意されたけど。ケンカになりかけたのは半分匙が原因だと思うんです、俺。……もう半分は俺の所為だから気をつけますけど。
しかし、この学園は悪魔が運営してるのかな? 生徒会まで悪魔となるとそう思えてくる。
まだまだ秘密が多そうだ。
現在、ヒロインの話ですがいろいろと意見が出ています。
みなさんからの意見をざっくりまとめてみたり。
以下、ヒロイン(候補)です。
朱乃、小猫、アーシア、ギャスパー、祐斗(♀)、ゼノヴィア、イリナ、
ソーナ、セラフォルー、ロスヴァイセ、ルフェイ、黒歌、ティアマット、
九重、ガブリエル、グレートレッド、オーフィス、グレイフィア、エスト、
レスティア
いやー、グレートレッド……? ヒロイン、グレートレッド!? この方だけは扱いが困りますね。それよりも他の女の子たちを順々に出していきたいところです。
まだまだ候補者が増える可能性もありますが、できる限り取り込めていけたらと。
無茶な要望、待ってます! (いや、そんなことは望んでいない……)