ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜   作:神武音ミィタ

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台詞の方が多い気がするぞ、この作品wwww
ダメだと思いながらも書き上げた私は、悪い子いらん子……www


第7話〜作戦と陰謀〜

森の裏手にある河口付近。明崎 信也はそこで、イニシエーターの川野 実緒を待っていた。

 

「実緒…………」

 

大丈夫だ、あいつは……そんな柔なやつじゃない。そう信じていた。とにかく、この後どうするか……あのガストレアが来る前に考えねばと、彼は頭に手をやった。

 

 

「…………かなり近づいてきたな……。」

 

モデル・ホークの能力があれば、双眼鏡やスナイパーライフルのスコープは必要ない。かなり、遠く……1キロ先まで鮮明に見渡すことが出来る。普段は目が疲れるので、戦闘の必要最低限の時しかこれは使わない。

大体700メートルだろうな……変異体のガストレアがそこまで来ていた。土管の近くから捕捉する。

 

「よし、俺が10歩進んだら撃つ。そうしたら打ち合わせ通りに……頼むぞ。」

 

「了解です……」

 

土管の裏にいる実緒に告げる。彼女は俺のボストンバッグを、両手でしっかりと抱えていた。

俺はゆっくりと歩き出す。1………2……3…………4…5、6……7……8……

 

「グルルルル……」

 

変異体が通常の肉眼でも確認出来る距離に現れた。

……9…………10!!

俺は変異体に引き金を引いた。弾丸は躱される。こちらに気づいた。向かってくる。

 

「走れ!!」

 

俺はそう叫び、走り出す。同時に実緒が走り出したのも確認。よし。さて、と。俺は走りながら、時計を見る。13時12分。時間は15分間。その間、俺は囮だ。奴は俺を追っている。ここまでは計画通りだ。あとは……

 

「俺の体力が持つか……だろうな。」

 

 

 

森の林を駆け抜けて、私……川野 実緒は河口に出た。そしてバッグを開く。

 

「よし………」

 

5分かかったから、あと10分。

それまでにこれをしかけて……

 

「実緒!!」

 

遠くから声………信也さんだ。

 

「信也さん!!無事でしたか!」

 

「お前もな……ガストレアは!?」

 

「今、真さんが囮になって時間を稼いでいます!」

 

「真!?何があったんだ!?」

 

「話は後です!!信也さん、ちょっと手伝ってください!」

 

私は信也さんにバッグの中身を見せた。

 

「これは…………爆弾?」

 

 

 

数分前の土管の裏にて、私と真さんは作戦の打ち合わせをしていた。

 

「爆弾?」

 

「あぁ。奴を倒すには、不意を着いた爆破が効率がいいはずだ。」

 

真さんはフリスビー位の大きさの、丸い円盤状の物を取り出した。これが爆弾なのだろうか。

 

「こいつは遠隔操作でオンオフが出来る。今はオフだから……落としても爆破しない。」

 

地面にそれを1つ落としながら説明する。確かに爆発しなかった。

 

「こいつが今10個ある。奴を河口におびき寄せこれを爆破させる。これを地面に埋めて、奴がこいつの真下に来たところでリモコンでオンにして、爆破する。」

 

「なるほど……でも、どうやって仕掛けるんですか、爆弾。」

 

「……実緒ちゃんは先に河口に行って、これを仕掛けてもらう。」

 

「そ、それって……まさか!?」

 

「……俺が奴の囮になる。」

 

「そんな、危険ですよ!」

 

「大丈夫だ、俺はやられない。」

 

「でも……」

 

真さんは、私の頭を撫でた。

 

「強がってなきゃ、護れないものも護れない………だろ?」

 

私が言った言葉だった。

 

「安心しろ……俺は死なない。俺も生き残るんだからな。」

 

「……はい!!」

 

「よし。」

 

真さんは地図を出した。

 

「今はここ。河口は走って5分程度でつく。河口に着いたら爆弾を10個、一カ所にまとめて埋める。最低でも10分でこれをやってほしい。だから15分間俺は奴を引きつけておく。俺と河口で合流してから、タイミングを合わせて爆破してくれ。」

 

「分かりました…!」

 

「頼むぞ。」

 

「………はいっ。」

 

 

 

「残り2分……」

 

もう少しだ。俺は変異体と交戦していた。とは言っても、銃弾で牽制しつつ攻撃を躱すだけのことだった。

脚がそろそろ限界かもしれない。痛みまで伴ってきた。もう少し耐えろよ、俺の体。

 

「そろそろだな……こっちだ!」

 

俺は変異体に手榴弾を投げつけ怯ませ、走り出す。河口に向かって。

 

 

「……よし!!」

 

「終わったか?」

 

「ばっちりです!!」

 

私と信也さんは真さんの爆弾を地面に埋め、100メートル程離れた所へと待機した。あとは、真さんが来るのを待つだけ。あと一分程……。私は爆弾のリモコンを握りしめる。

 

「生き残るんだ……絶対に。」

 

色んな人と交わした約束。民警の皆や、私を支えてくれている人たちと。真さんともだ。

 

「………!!」

 

向こうから走ってくる人影……真さんだった。

真さんは私たちの元へ。膝に手をつき、激しく息を荒げている。

 

「はぁ……はぁ……しんどい………」

 

「真さん!」

 

「あぁ、もうすぐこっちに来る……爆弾は!?」

 

「ばっちりです!!」

 

「グルオオオオ!!」

 

ガストレアがこちらに向かってくる。あそこだ。少し砂利が盛り上がっている所。そこにあいつが来た時に………!私は爆弾の電源をオンにした。

ガストレアは……その地点に差し掛かった。

 

「行っけぇえええええっ!!!」

 

私は爆破のスイッチを押し込んだ。

激しい爆音が鳴り響き、爆風が吹き荒れる。

 

「きゃあっ!?」

 

「うわっ!!」

 

爆風が収まる。

 

「………」

 

真さんは爆破地点に歩み寄る。

 

 

 

変異体は……爆発で内蔵が飛び出ていた。再生していないところを見ると、どうやら死んだようだ。

 

「作戦、成功だな。」

 

「真さん!!」

 

実緒と社長が駆け寄る。

 

「やりましたね!!」

 

「あぁ……君のおかげで、な。」

 

実緒の頭を撫でた。

 

「真……」

 

社長は俺の方を見る。

 

「……じゃ、俺はここで。」

 

俺は立ち去ろうとした。

 

「待ってくれ!!」

 

社長は叫んだ。

 

「………民警に戻ってきてくれ…か?」

 

後ろを向いて、その顔を見る。社長は力強く頷いた。俺は……脚を進める。

 

「……検討しとくわ。」

 

俺はそう言い残し、その場を後にした。

 

 

「真さん……!!」

 

その言葉に嬉しくなった私だった。

 

「全く……」

 

信也さんの顔も笑っていた。

 

「よし、俺たちも帰るか。」

 

「そうですね。」

 

私たちは帰還の準備をした。

 

「ねぇ、信也さん。真さん……戻ってきてくれますよね?」

 

その質問に信也さんは答えた。

 

「……きっと、な。」

 

 

 

「あーあ、私の『キマイラ』がやられるとは……」

 

モニターで森の戦闘を監視していた者がいた。彼の周りには……体中を改造されている動物達が、ホルマリン浸けにされていた。

 

「まぁでも、予想を越えた良いデータが取れた。彼らにはもう少し、私の実験動物の相手をしてもらいたいな……イニシエーター達、には。」

 

椅子から降り、白衣をたなびかせる男。

 

「最強の新人類を産み出すために……ね。」

 

彼は怪しげな笑みを浮かべた。その手に握られていたのはレポート。タイトルは……

 

『ガストレア・ヒューマン計画』

 




民警に復帰か真!?謎の白衣の正体は!?彼の計画とは……って、大体わかるかな?wwwww
とにかく盛り上げてみたつもりな回でした。

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