ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜   作:神武音ミィタ

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超絶お久です。
ライダーSSの方に集中し過ぎてましたm(_ _)m
なんと、50話‼︎
ありがたやありがたや(・ω・)


第50話〜鬱憤と殲滅〜

「おはようございまーす」

 

BAR『クスィー』のドアを開く音。それと共に、実緒たちが入ってきた。

俺と紅音と雫、クスィーは既に起きていた。

 

「真様、大丈夫ですか?」

 

シグマが無表情ながらも心配していた。

 

「あぁ、大丈夫だ。悪かったな」

 

「さっ、と言うわけで……今から作戦会議よ。心音奪還の、ね」

 

紅音がタブレットを操り、画面上に地図を表示する。

 

「東條 蓮が潜んでいる可能性の高い場所はここの廃工場よ。この周辺でプロモーターの誘拐が頻発しているみたい」

 

「そこに他のプロモーターも捕らえられている可能性もあるわけでござるな」

 

知也の問いに頷く紅音。

 

「けど、相手は機械化兵士……ですよね。心音さんがいないと……」

 

「関係ないな」

 

実緒の言葉を遮るように俺は言った。

 

「相手がなんだろうと、叩き潰す。俺のよ……相棒を拐ってタダで済ますわけにはいかねぇからな」

 

思わず嫁って言いかけちまった。

表情を変えずに誤魔化した。

 

「流石マコちゃんね。それじゃ、メンバーを決めましょう。実緒ちゃんとシグマちゃんは裏口から捕らえられているであろうプロモーターの救出。リコちゃんと知也くんは周囲の警戒。マコちゃんと私は正面から突入。こんな感じね」

 

「正面突入部隊には、俺も加わろう」

 

雫が口を開き、俺たちの視線が彼の方へ向く。

 

「雫……」

 

「……心音には借りがある。それを返す日が来た……今度こそ、俺は大事なものを守ってみせる」

 

腕を見つめながら拳を固めた雫に、俺は微笑む。

 

「あぁ、頼りにしてるぜ」

 

そして俺たちはクスィー……静雄の朝飯を食べて、廃工場へ向かった。

 

 

 

 

廃工場地下にて。

東條 蓮は改造されたかつての学友を抱いていた。

 

「心音? あなたのこ主人はだぁれ?」

 

「はい……私のご主人様は蓮様……あなたです」

 

「はぁい、よく言えたわぁ……」

 

蓮の手は心音の頭を撫でている。心音は心地好さそうに、その愛撫に身を委ねる。

 

「いい、心音? そろそろ民警のやつらがここに来るわ。そうなったら、あなたのすることは?」

 

「はい……民警の排除……特にイニシエーターの殲滅……です」

 

「頼りにしてるわよ……心音」

 

蓮と心音は深い接吻を交わす。

蓮は心音の部屋から出た。

 

「そろそろ民警が来るのか?」

 

「民警……紅音さんの考えていることなんて余裕で分かるわ。あんたも用意しておきなさい……」

 

心音を拐った男……桐生 荘司(きりゅう そうじ)は拳を鳴らした。

 

 

 

 

そして廃工場。

俺たち明崎民間警備会社のメンツプラスαは各自ポジションに着いていた。

入り口から中を覗く。心音を拐った男が仁王立ちで立っている後ろの方に捕らえられたプロモーター達が檻の中に入っている。どうやらまだ改造などはされていないようだな。更にサングラスの男が2人……。

 

「よし、行くぜ……頼むぞ、紅音、雫」

 

「任せて‼︎」

 

「あぁ……‼︎」

 

紅音がトンファーを構え、雫が右腕を変異させる。

俺は扉を蹴破った。

 

「……思っていたより早く来たか」

 

男は上着を脱ぎ捨て、黒鉄色の身体を露わにした。それに続き、近くにいたサングラスの2人の男も構える。

 

「マコちゃん、あの2人は任せて」

 

「お前はあの男を倒せ……‼︎」

 

雫はサングラスの男の方に向かっていく。

紅音もそれに続き、片割れの方のサングラスの男に向かっていく。

俺は紅音に設計してもらったブレード付きマシンガンを両手に持つ。

 

「ふん……わざわざケガしに来たのか……?」

 

「……こっちのセリフだなァ……‼︎」

 

俺は地面を蹴り、男の顔面をマシンガンをグリップ部で殴りつける。

驚いた男はよろけ、数歩下がる。

 

「別に俺としてはプロモーターの救出はオマケみたいなもんでな……本当の目的はてめーだよ」

 

俺は銃口を男に向け、言い放った。

 

「……俺の『嫁』を拐っておいて、覚悟は出来てんだろうなァアアアアッ⁉︎」

 

マシンガンが火を噴く。男は弾丸を避けるも何発か被弾する。

 

「この……クソガキがっ‼︎」

 

「ウオオオオッ‼︎」

 

弾が切れてもすぐに補充し、また放つ。

 

「小癪な……っ‼︎」

 

男は弾丸を避け、俺に接近し拳を振るう。

俺は拳を躱し、足払いをかけて男をその場に倒れさせる。

 

「く……っ‼︎」

 

銃口を男に突きつける。

 

「……殺せ」

 

「…………」

 

俺は銃口を外し……

 

「っ‼︎」

 

男の顔面に蹴りを入れ、ドラム缶の山に吹っ飛ばした。

 

「……これでてめーへの鬱憤は晴らした」

 

紅音と雫も、男をフリーズさせたようだ。

2人は俺に駆け寄る。

そこへ実緒とシグマ、リコちゃんと知也もやってきた。

 

「人質皆解放しました‼︎」

 

「外も何も問題ないよ‼︎」

 

「よし、あとは心音を……」

 

辺りを見回したその時だった。

 

「アーッハハハハハハハハッ‼︎」

 

突如響く高笑い。笑い声の先にいたのは……眼鏡に白衣の女。

 

「まんまと引っ掛かったわねぇ……バカな民警さん⁉︎」

 

「東條さん……‼︎」

 

「紅音さんお久しぶりですねェ……あとぉ……」

 

東條は俺の方を見る。

 

「君が心音んのイニシエーターくんかァ……なるほどなるほど……」

 

「てめぇ……‼︎」

 

俺はNHライフルを構える。

 

「ホントにバカよね……プロモーターは所詮囮‼︎ 私の目的は心音のみ‼︎」

 

「なんだと⁉︎」

 

「心音一人拐っても、そこのイニシエーターくんしか来ないと思ってね……他のプロモーターも誘い出せば、紅音さんも他の仲間もここに誘き出して、素晴らしいものを見せられると思ったの‼︎」

 

素晴らしいもの……⁉︎

 

「さぁ……おいで……心音」

 

「んなっ⁉︎」

 

その言葉に、俺たちは凍りついた。

そして、物陰から姿を現したのは……

 

「…………」

 

黒鉄色の四肢を持った、心音だった……。

 

「こ……心音……?」

 

嘘だろ……?

 

「お、おい、心音⁉︎」

 

心音は無表情だった。

東條は心音を後ろから抱き締める。

 

「さぁ心音……あなたの主人はだぁれ?」

 

その質問に……心音は恍惚とした表情を浮かべ答える。

 

「はい……私のご主人様は蓮様……あなたです」

 

「っ⁉︎」

 

「心音……あの男は誰かしら……?」

 

東條は俺を指差した。

 

「……イニシエーター、です」

 

心音は冷たく、突き刺さるような視線を向けた。

 

「そうね……イニシエーターはどうするのかしら?」

 

東條は腕を外す。心音は刀を構えた。

 

「イニシエーターは……呪われた子供は……殲滅」

 

心音は猛スピードで俺に駆け出し、刀を振るう。

 

「っ⁉︎」

 

なんとか躱すも、右肩を斬られる。

傷口から鮮血が舞う。

 

「殲滅……‼︎」

 

俺は一旦NHライフルを投げ捨て、マシンガンを両手に持つ。

 

「やめろ心音‼︎ 俺が分からないのか⁉︎ 真だ‼︎」

 

心音の刀を銃身で受け止める。

 

「……あなたなんて、知らない」

 

「っ⁉︎」

 

その言葉に驚きを隠せなかった。俺は隙が出来、蹴りを入れられ吹っ飛び、地面に叩きつけられる。

 

「ごはっ⁉︎」

 

口から血を吐く。

 

「ま、真さん‼︎」

 

「来るなっ‼︎ これは……俺の問題だ‼︎」

 

実緒たちに言い放ち、俺は立ち上がる。

心音は猛スピードで刀を振るう。

 

「目を覚ませ心音‼︎ おい‼︎ 相棒‼︎」

 

「相棒……?」

 

心音の刀が、俺の左手のマシンガンを弾き落とした。

 

「⁉︎」

 

「……私にそんなの、ない」

 

心音は刀を横に振るう。

刃は……俺の左眼を捉えた。

 

「っ⁉︎ ぐっ、ぐあああああああああっ‼︎」

 

俺は左眼を抑え、その場に跪く。心音は俺を廻し蹴りで蹴飛ばし、俺の身体は瓦礫に突っ込んだ。

 

「っ…………」

 

俺は霞む視界の中、心音を見つめる。

その瞳は……暗く冷たかった……。

俺はそのまま意識を失った……。




心音NTR闇落ち(笑)
さて、多忙ながらもやったるです(^^)

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