ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜   作:神武音ミィタ

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4月になりましたね。
心機一転頑張ります!
今年辺りにオリジナル書きたい……‼︎


第47話〜誘拐と雨〜

「誘拐事件?」

 

窓から日が差し込む昼下がり。

シグマがパソコンとスマホを交互に見ながら、そんな事を言った。

 

「はい。」

 

「でも、誘拐事件なんて私たちには関係ないんじゃ…?」

 

実緒の発言に答えるように、シグマがパソコンの画面をプロジェクターに映した。

 

「ここ数日、全エリアにて民警……特にプロモーターが数人ほど誘拐されているみたいです。」

 

「プロモーターを……?」

 

誰が何のために……?

 

 

 

第三次関東大戦、及びガストレア・ヒューマン事件収束の後、俺たちは平和な日々を過ごしていた。

心音は俺に引っ付き、実緒は書類の整理、シグマはその手伝いや俺たちの雑用、リコちゃんと知哉は修行……といったように、平凡な毎日を送っていた。

ガストレアも最近は少なく、出撃もほぼ無い。

このまま平和な日々が続けばいい……そう思っていた俺は甘かった。

 

 

 

 

「ダーリン、今日は何食べたい?」

 

「んー、じゃ回鍋肉。」

 

俺と心音は買い出しに行っていた。

時計は午後3時を指していた。俺はポケットに手を突っ込み、心音を見つめていた。

こいつ、買い物の時の顔も可愛いよな……。

 

「んー?どしたのダーリン。なんか付いてる?」

 

「何でもない。早く済ませようぜ。」

 

俺たちはスーパーに足を入れた。

 

 

 

「………入ったか。」

 

真と心音の二人を着けていた男。

黒いフードを深く被ったその男は、スーパーの自動ドアの陰に隠れる。

 

「………!」

 

2人がスーパーを出たその時。

 

「‼︎」

 

「きゃあっ⁉︎」

 

心音を担ぎ上げ、男が走り出した。

 

 

 

「なっ⁉︎」

 

一瞬の出来事だった。物陰から勢いよく飛び出してきた男が心音を担ぎ上げ、走っていったのだ。

 

「きゃあああっ‼︎」

 

「まっ、待てっ‼︎」

 

俺は駆け出し、男を追う。

く……っ‼︎ 速い⁉︎

だが、俺も伊達に鍛えてないんだ‼︎

 

「うおおおおっ‼︎」

 

全速力で走る。そして、心音に手を伸ばす。

 

「まっ、真‼︎」

 

「心音を……返せぇっ‼︎」

 

俺はジャンプし、距離を詰める。そして、心音の手を掴み…

 

「うおおっ‼︎」

 

そのまま手を引く。男は心音を離す。俺は心音を抱きかかえ、膝をつく。

 

「ぜぇ……ぜぇ……大丈夫か⁉︎」

 

「まっ、真………ステキ、キュンッ。」

 

真の色ボケは放っておいて……俺は男の方に視線を向ける。

 

「貴様……何者だ⁉︎」

 

俺は立ち上がり、携帯していたハンドガンを構える。

 

「ふん……その女を連れてくるように上から頼まれていてな……‼︎」

 

男は………黒光りする腕を前に突き出した。

 

「⁉︎ 機械化兵士……⁉︎」

 

「何で……⁉︎」

 

「邪魔をするのなら……容赦はしない‼︎」

 

男はローブを脱ぎ捨て、機械の四肢を露わにした。

こいつ……全身がバラニウムか‼︎

男は腕のスラスターを噴出させ、こちらに向かって殴りかかってくる。

 

「このっ‼︎」

 

俺は拳を躱し、銃弾を放つ。

しかし男は弾丸を蹴りで弾き、距離を詰められる。

 

「貰った‼︎」

 

男は俺の腹部に拳を叩き込む。

 

「っ⁉︎ がはっ……‼︎」

 

俺は口から血を吐き、その場に蹲る。

 

「真‼︎ こんのぉっ‼︎」

 

心音が立ち上がり、男に蹴りを叩き込む。

男は一歩退く。

 

「私のダーリンに、触るなっ‼︎」

 

心音は連続で蹴りを放つ。

男は蹴りを全て躱す。

 

「ふん、やはり改造無しでは……その程度かっ‼︎」

 

心音がかかと落としを決めようと脚を振り下ろした時だった。男の拳と心音の脚がぶつかり合い、鈍い音が響く。

心音の脚から……血が流れた。

 

「っ⁉︎ あああああああああああっ‼︎‼︎‼︎」

 

その場に倒れ、脚を抑えもがき苦しむ。

 

「手荒な真似はしたくなかったが、まぁいい。改造すれば一緒だ。」

 

「やっ、やめろっ‼︎」

 

俺は男に殴りかかる。しかし、男は素早く俺の後ろに回り込み、首筋に手刀を叩き込んだ。

 

「っ⁉︎」

 

俺はその場に倒れた。

 

「ふん、他愛もないな。」

 

男は心音を担ぎ上げ、その場を去っていった。

 

「ま……て…………っ。」

 

立ち去る男に手を伸ばしながら……俺は気を失った。

 

 

 

「蓮(れん)、たった今お前の欲しがっていた奴を捕獲した。今から研究所に向かう。」

 

『あっはぁ❤︎ オッケーオッケー‼︎でかしたよぉ〜‼︎』

 

陽気な声が男のケータイのスピーカーから響く。

 

「右脚を再起不能にしてしまったが、問題はなかろう?改造される身だ。」

 

『イグザクトリー‼︎ 全く、君はホントに気が利くから助かるよぉ〜。じゃ、よろしくね‼︎』

 

通話が切れ、男は車を走らせた。

 

 

 

 

「クックック……あれからもう4年かぁ…。」

 

白衣に身を包んだ女はメスをダーツ版に投げつける。

投げられたメスは的の中心を捕らえた。

 

「待ってなさいね心音……あんたは私が壊してあげるんだから…。」

 

怪しげな笑みを浮かべ、女…東條 蓮(とうじょう れん)はパソコンに視線を向ける。

 

「私なしじゃいられないカラダにしてあげる……クックック……‼︎」

 

 

 

 

「………っ。」

 

気がついた。俺は事務所のベッドに寝かされていた。

 

「真さん!あぁ、良かった……‼︎」

 

「こっ、心音はっ⁉︎」

 

俺は身体を起こす。

 

「す、すまない真殿。拙者とリコ殿で辺りを探し回ったのだが……。」

 

知哉が頭を下げる。

くそ………っ‼︎

俺はベッドから飛び出し、武器一式を持つ。

 

「ま、真さん何を⁉︎」

 

「決まってんだろ……心音を探しに行くんだよ‼︎ シグマ‼︎ 例の誘拐事件に関して、情報集めとけ‼︎」

 

「はい、かしこまりました。」

 

「待つでござる真殿‼︎ 危険な上に無謀でござる‼︎ ここは冷静に考えてから……。」

 

「動きながら考える‼︎」

 

俺は事務所を飛び出した。

 

「心音………っ‼︎」

 

曇天の下、俺は走る。

相棒を取り返すために。

 

 

 

「あら、しまったー……。」

 

バー『クスィー』。

店主の蒼ヶ崎 幸雄は倉庫を整理していた。

 

「どうした、幸雄。」

 

カウンターの布巾掛けをしているのは東 雫。

 

「あぁ雫。悪いけどさ、オリーブオイル切らしてな……いつものとこで買ってきてくれるか?1カートンほど。」

 

幸雄はクレジットカードを雫に投げ渡す。

 

「あぁ。」

 

雫は店を出た。傘を手にしたとたん……雨が降り出した。

 

「…………。」

 

 




そういえば私事ですが、ディバイン・ゲートを始めました。
えぇ、勿論ブラック・ブレットコラボ目当てです(笑)
あ、全種コンプしました。ゲリラボスの小比奈もドロップしたとです(笑)

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