ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜   作:神武音ミィタ

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火乃ちゃんに関しては、二部でも活躍する予定です。



第45話EX③〜心不器用な狼〜

「か、火乃……。」

 

「なぁに?飛鳥……っ。」

 

「ひぅっ……止めてよ、こんなこと……んあっ…。」

 

「仕方じゃないでしょお……?我慢できないんだから……っ。」

 

薄暗い寝室。長瀬 飛鳥の上に覆い被さる私……季崎 火乃。

 

「うぅ……ん……っ。」

 

「んん……飛鳥、美味しっ。」

 

私は……飛鳥をペロペロと舐めていた。私なりの愛情表現……野生としての本能でもあるけど。

 

「もう……はたから見たら変態みたいじゃない。」

 

「大丈夫よ。この部屋は密室だし。」

 

私はベッドから降りて背伸びをする。

 

「んー……っ‼︎ 火照り取れてスッキリ‼︎」

 

「はぁ…それは良かった。」

 

「じゃ、行ってくるー‼︎」

 

私は帽子を被り、屋敷を飛びだした。

 

 

 

 

「あむ……れる………アイス旨〜。」

 

アイスを食べながら、街中を歩く。

 

「どーしよっかなー。パフェ食べよっかな。うん、そうしよう。」

 

アイスを平らげ、私は喫茶店に入る。

 

「あれ、火乃。」

 

そこにいたのは……

 

「あ!小鳥遊 真‼︎」

 

小鳥遊 真が1人、レジに並んでいた。

 

「なんだよ、お前も1人カフェか。」

 

「ま、まぁね。」

 

「折角だし、一緒にお茶しようぜ。」

 

「ん……ま、まぁ‼︎どうしてもって言うなら、い、いいけ、ど……⁉︎」

 

「じゃ、そこの席取っとくなー。」

 

小鳥遊は席へスタスタと行った。

 

「ちょ、ちょっと!少しは反応しなさいよ‼︎」

 

 

 

「なんだ、お前も甘党なのか。」

 

「ま、まぁね。」

 

お互いにパフェを食べながら話す。

 

「そういや、あんた相棒は?」

 

「心音か?今マッサージ受けてるらしい。あと30分くらい時間潰さねぇと……。」

 

「ふーん……ね、ねぇ。」

 

「んー?」

 

「あんたってさ、あの相棒のこと……ど、どど、どう思ってるの?」

 

「え?まぁ……好きだぞ、いろんな意味で。」

 

「いっ、色んな⁉︎」

 

私は思わずその場から立ってしまった。

 

「おい落ちつけ。あと顔が……」

 

「あっ、赤くない‼︎」

 

「いや、思いっきり赤ぇよ……。しかも言ってないし…。」

 

つい取り乱してしまった。

私は座る。

 

「はぁ……何、それは………恋人、とか、そんな感じ?」

 

「ま、まぁ……否定はしないかな。」

 

「そ、そっか……。」

 

ヤバい……恋バナとかしたことないから…なんか、変にドキドキする………。

 

「何?興味あんのか?そーゆー話。」

 

「だっ、誰が………」

 

そんなこと、と続けようとしたが止めた。

何でだろ……コイツがいると、何か調子狂う。

 

「……無いことも、無い…ケド。」

 

目線をそらしたその時だった。

 

「ダーリンお待たせー‼︎」

 

小鳥遊の相棒……徳崎 心音が、小鳥遊に抱きつく。

 

「どわっ⁉︎ お、思ったより早かったな…。」

 

「そーなんだよ……って、あら、火乃ちゃんだぁ〜‼︎」

 

徳崎は私に抱きつき、撫でくりまわした。

 

「はわわっ⁉︎ やっ、止めろ‼︎ 」

 

「もぉ、可愛いワンちゃんめ〜、うりうり〜。」

 

「わっ、私は狼だっ‼︎」

 

 

 

 

「ただいま……はぁ、疲れた。」

 

私は屋敷に帰ってきた。

 

「あらおかえり。楽しかった?」

 

「うん、まぁね。」

 

私は自室に入り、ベッドに飛び込む。部屋に飛鳥が入ってくる。

 

「あいつら、明日帰るってさ。」

 

「あらそうなの。じゃ、明日見送りに行きましょっか。」

 

「うん。」

 

「あら、今日は素直なのね。」

 

「まぁ、ね………。」

 

私だって気にしてんだよ。素直じゃないこと。だから、少しでも努力しようと、ね……。

 

「小鳥遊……。」

 

ヤバい……ドキドキしてきた……。

 

「うー……何でよ、もう。」

 

私は……心不器用な狼なのであった。




ドキドキしちゃう火乃ちゃんが、可愛すぎてヤバい(妄想内)。
けもみみモフモフ最高すぎる。

次回はあの少年が帰ってきます。

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