ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜 作:神武音ミィタ
短くてほっこりしたものが書きたかっただけなんです(笑)
決して手抜きではないですよ、いやホント。
おたのしみいただければ嬉しいです。
「なぁ、心音。」
「んー?なぁに、ダーリン。」
「……一応、俺たち任務は終わったんだよな。」
「そうだねー。」
「4日で事件解決。余った3日間は自由。博多を満喫……だったよな?」
「うん、そうだねー。」
「………何で離してくれないんだ。」
「嫌よ。離さないからね。」
俺は心音から抱き着かれていた。
新博多大学の事件は解決、東京のアルデバランも撃破。俺たちは聖天子より、休暇的なものを頂いた。折角博多に来たのだ。観光と洒落込もうと、他のみんなは出掛けたのだが、心音は俺を離してくれないのだ。
「心音……あの、苦しいんだが。」
「うっさいぞ、真に拒否権はないの。離してあげないから、許すまで。」
「なんか俺悪いことしたのかよ……」
「した。」
「なんだよ。」
「黙って出て行った……1人で。」
その言葉に、少しチクリときた。
1人で……その言葉に。
「………心配したんだよ。勝手にあんな書き置きして。どうしようかと思ったもん。真が帰ってこなかったら……私………。」
「………悪かった。」
その頭を撫でてやる。
「口だけならなんとでも言えるわよ……。」
「じゃあ、どうしろと……?」
「…………チューして、好きって言って。」
「…………お前さ。」
「…………何よ。」
「本当は、キスして欲しかっただけだろ?」
「…………ん。」
目を閉じる心音。
やれやれ。
「……んっ。」
その唇に触れる。そして、耳元で囁いてあげた。
「………好き…だ。」
「というわけで、何食うよ。」
「ラーメン食べたい‼︎ まるだやのラーメン食べたい‼︎」
「お前ほんとラーメン好きだよな。」
「あら、意外?」
「いーや。」
心音からようやく解放され、俺たちは博多エリアを散策していた。
結構賑やかだな。
「あったよ‼︎ あそこあそこ‼︎」
心音の指差した先にあったのは、ラーメン屋。
「早く早く‼︎」
「すみませーん、替え玉バリカタで‼︎」
「おい、もう3回目だぞ?」
「いーじゃん、お腹空いてたもん。」
心音はラーメンを旨そうに頬張り、替え玉をする。
嬉しそうな顔……くそ、やっぱ可愛いな……。
俺は餃子をつまむ。
「………心音。」
「ん?なぁに?」
「……その辛子高菜、辛い?」
実は最近、辛いものに挑戦している俺である。この間、ようやくポテチの辛いやつを食べられるようになった。
「んー……まぁ、普通かな。」
「そ、そうか。」
俺は辛子高菜をレンゲにとり、スープに浸け、口に流し込んだ。
「………ごげふっ。」
辛かった。
「いやぁー、食べたねー‼︎」
食い過ぎだろ……ったく。
結局6回替え玉した心音なのである。俺たちは夕方の公園のベンチに座っていた。
「ほら心音、お口直し。」
ガムを手渡す。
「ありがとー。」
2人でガムを噛む。
「………真。」
「ん?」
「ありがとね。」
「おう。」
「真。」
「何だ。」
「……大好きだよ。」
「………知ってる。」
俺たちは手を握り合った。
「真。」
「何だよ。」
「ずっと、一緒だからね。」
………俺は答えた。
「……もちろんだ。」
テーマは「一緒」です。
ポエムみたいにしたかったんです……(笑)