ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜   作:神武音ミィタ

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「このSSがすごい!」にて、ブラック・ブレット二次創作のページに載っていました。ありがとうございます。これも読んでくださった皆様や、感想、アドヴァイスをくださった皆様のおかげです。
更新は不定期ですが、これからも宜しくお願いします。


第42話 〜迷路と予感〜

「一体どうしたのだ、真殿。」

 

知哉とリコが来る。俺はライフルを構え、倉庫に近づいた。

 

「真お兄ちゃん………?」

 

倉庫のドアに手をかける。そして…ゆっくりと開いた。

 

「!! ………やっぱりな。」

 

こうも勘が冴えてると、かえって我ながら恐ろしくなるぜ。

 

「真? どうしたの……!!」

 

心音たちが歩み寄り、俺の見つめる先を見る。

 

「こ、これは………っ!!」

 

倉庫にあったのは………地下へと続く階段。

 

「全く。教え子は教師に似るものなのかね………?」

 

「どうする?」

 

知哉が問う。

 

「………知哉、リコちゃん。実緒たちに連絡を入れて、ここで待機しててくれ。俺と心音で先に行く。」

 

「……大丈夫か?」

 

「あぁ、なんかあったら引き返すさ。ここは頼む。行くぞ、心音。」

 

「おっけだよ、ダーリン!!」

 

心音も武器を持つ。そして、その階段を降りて行った。

 

 

 

 

 

「ん?」

 

生物学部棟の地下室。

メガネの青年……柴谷 宏太(しばや こうや)が監視カメラの画像に目を向ける。

 

「おい、坂山キサマ………。」

 

「あらら………メンゴメンゴ、ヘマしちまった。」

 

陽気な青年、坂山 大貴(さかやま だいき)が舌を出す。

 

「あーあ、どうすんのー?扉4枚はパズルロックになってるから、そこ突破されたら保存された実験生物びっしりの、見られちゃいけないとこだよぉ?」

 

悪戯な笑みを浮かべるのは溝口 琴乃(みぞぐち ことの)。

 

「ま、並みの頭脳で解くのは無理だろうけど、運次第……ね。」

 

蒔田 美織(まきた みおり)がメガネをクイッと上げる。

柴谷は冷静に指示を出す。

 

「一応念押しに……出しておくか。溝口、『パターン03』を用意しておけ。」

 

「あいあいさー。」

 

 

 

 

「リコちゃん!知哉くん!」

 

実緒とシグマ、飛鳥と火乃がリコたちと合流した。

 

「真殿たちが先に向かっているが……どうやら電波は遮断されているようでござる。」

 

「時間はどのくらい経ったの?」

 

「15分、くらいかな。」

 

倉庫の中の階段を除く実緒たち。

 

「どうにかして、無事がわかればいいんだけど……。」

 

悩んだその時、一歩前に出たのは……火乃だった。

 

「火乃ちゃん?」

 

火乃は帽子をとり、耳に金属の棒を当てて目を瞑ってその場にしゃがみ、棒の反対側を地面につける。

 

「飛鳥様、これは?」

 

シグマはその姿を見て、飛鳥に問う。

 

「あの娘の能力の一つです。人よりも耳がいいので、ああやって遠くの音を聞くことができるんです。いつも私もあの能力に助かっています。」

 

火乃は黙ったまま、音を聞く。

 

 

 

 

「何なんだここ……。」

 

階段を降りた先は迷路になっており、途中途中にパズルでのロック方式になっているドアがある。もう既に3枚のドアを解除。迷路を進んでいた。

 

「地下にこんな広大な迷路を作るなんて……これも烏丸 凌馬の遺産………ってやつかな。」

 

「………。」

 

「? どうかしたの、真。」

 

「…………さっきから、なんか引っかかるんだ。」

 

確かに、地下に拠点を置くのはやつの趣向だ。だが、こんなに手の込んだ真似を、やつはしなかった。

 

「………またか。」

 

ドアが見えてきた。俺はパズルの解除を始める。

パズルは複雑に見えて、実際は簡単なスライドパズルだった。

 

「えっと、ここはこうで………」

 

………ガチャッ。

 

ロックが解除された。

 

「よし。」

 

俺たちは扉の向こうへ足を踏み入れた。

 

 

 

 

「!! なんか、鍵の開いた音がした。」

 

火乃が耳を動かしながら言う。

 

「鍵?」

 

「真さん………。」

 

実緒は……拳を固めた。

 

「ここで動かない訳にもいきません。突入しましょう!!」

 

「えぇ、私も今そう思ったところです。」

 

実緒の言葉に全員が頷いた。

 

「行こう!なんか嫌な予感しかしない!」

 

火乃を先頭に、彼らは地下へと向かった。

 

 

 

 

「!? ここは………!!」

 

辺りに広がる空間。

そこは………いわゆる「保存庫」だった。

壁一面にカプセルがあり、その中には………改造された人間が入っていた。

 

「やっぱりここだったか。」

 

「………! 真。」

 

心音が刀を抜く。俺たちの視線の先のカプセルが………怪しく蠢く。

 

「おいおい………勘弁してくれよ。」

 

俺はマシンガンを両手に持ち、警戒。

 

………ガチャッ。

 

カプセルのドアが開いた。そこから出てきたのは。

 

「あぅ………ぅううっ………!!」

 

両腕をカニのように改造された男だった。唸り声を出しながら、ハサミを開閉する。

 

「まずは一体ってとこだね。行くよ、真!!」

 

「あぁ!!」

 

心音が高速で男に詰め寄り、刀を振るう。刀はハサミで受け止められる。

 

「うぅ………っ!!」

 

「はぁっ!!」

 

すかさず、胴体にアンクレットによる蹴りを叩き込み、距離を取る。男はよろける。

 

「そこだ!!」

 

俺はマシンガンを放つ。

 

「うおあうおあうおあうあああああっ!!」

 

弾丸をくらい、その場に崩れ落ちる。

 

「決めろ、心音!!」

 

「でやああああああっ!!」

 

心音が刀を振るう。

 

ガキィィイイイン……ッ!!

 

「…………!?」

 

心音の刀が折れ、破片が地面に突き刺さる。

 

「そ、そんな!?」

 

バカな!バラニウムを折っただと!?

まさか………烏丸の対バラニウム用コーティングか!

 

「ううう……あうう…………オオッ!!」

 

男が心音に襲いかかる。

 

「くっ!!」

 

心音は蹴りを入れて突き放し、距離を取る。

 

「真、どうなっているの? あいつ、最初より身体が硬くなってる………。」

 

「おそらく、打たれるほど強くなる………ってやつだな。」

 

マシンガンは使えないな………俺はNHライフルを展開し、チャージを開始。

 

「あいつの動きは鈍い。チャージまでの5分、時間を稼ぐ!!」

 

「オッケー!!」

 

心音が格闘で牽制する。俺はチャージまでの時間を待った。

 

 

 

 

「おお〜、流石私のパターン3ちゃん!!攻撃すればするほどカッチカチやぞ!!ってね!!」

 

琴乃が喜ぶ。

 

「………。」

 

柴谷はモニターを凝視していた。

 

「………似ている…。」

 

彼が見ていたのは……小鳥遊 真。

 

「!!…………まさか、『ツカサ』の処分作の生き残り……!?」

 

「ん?どーした、宏太。」

 

「……いや、なんでも。」

 

柴谷は立ち上がり、部屋を出る。

 

「………まさか……あの男、本当に…。」

 

 

 

 




近々ブログを始めようかと思っています。
製作裏話とかしたいなぁ…ww

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