ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜   作:神武音ミィタ

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しばらく更新の時期が不規則になります……面目無い(ーー;)
久々の民警新キャラ出してみました。


第39話 〜到着と自信〜

 

 

午前8時。聖天子邸 屋上。俺たち明崎民間警備会社の面子は、そこに集まり、ヘリの目の前に立っていた。

 

「すごい……。」

 

聖天子は風に髪を靡かせ、言う。

 

「至急、手配させたのですが、アルデバラン戦に殆どが駆り出されてしまい、残ったのはこれくらいですが…」

 

「十分だ、感謝するよ。」

 

実緒が聖天子の前に出る。

 

「この度は私たちの我儘にご協力いただき、誠にありがとうございます。東京エリアはアルデバラン戦で混乱している中で……」

 

「構いません。あなた方のご武運もお祈りしております。心置き無く、あなた方は博多の事態の解決に尽力をお願い致します。」

 

深々と頭を下げる聖天子に、俺たちも頭を下げる。実緒が言う。

 

「では、私たちはこれから博多エリアにて、事態の調査、解決に向かいます。詳細はヘリの中、及び現地にてお伝えします。」

 

「了解‼︎」

 

俺たちはヘリに乗り込む。ドアが閉まり、プロペラの回転が早まり、ヘリは浮遊し進んだ。博多に向かって……。

 

 

 

「それで?あっちに着いたらどうするんだ?」

 

ヘリの中にて、俺は問う。シグマがタブレット端末を開き、スケジュール表を表示する。

 

「まずは、今回調査を共にする民警の事務所へ。その間にホテルの手配。そして現地調査です。」

 

「最長でも、7日間を目処に解決を目指しましょう。前回のガストレアヒューマンの時のデータと、いやらしい話が絡みますが、これの問題もありますので……。」

 

実緒は右手の親指と人差し指で丸を作る。なるほど、予算の問題か。

 

「7日間もあれば十分だろ。さっさと終わらせようぜ。」

 

「そうだね‼︎ 流石はマイダーリン‼︎」

 

「誰がダーリンだ。」

 

心音にツッコミを入れる俺であった。

 

 

 

そして、2時間後。博多エリアのヘリポートに到着した。

 

「んー‼︎ 着いたぁっ‼︎」

 

真っ先にヘリから飛び降りた心音。

 

「子供かよ……。」

 

「まぁ、滅多に民警が外に出るなんてないですからね。気持ちは分からないでもないです。」

 

俺とリコがヘリから降りる。こいつの方がよっぽど大人じゃねぇか……。

 

「それでは、先ずは荷物をホテルに運びましょう。タクシーを確保してきますね。」

 

シグマは一足早くタクシー乗り場に向かった。

 

「よし、参ろうか。」

 

知哉の言葉で、俺たちは移動を開始。タクシーに乗り込みホテルに向かった。

 

 

 

 

「3ルーム取れたなんて、最高〜‼︎」

 

ホテルに着くや、ベッドに飛び込む心音。だから子供かよっての。

俺は荷物を置く。この後昼からは、心音とリコが買い物。実緒と知哉が聞き込み。んで、何故か俺とシグマで民警へ挨拶……。ヘリの中でクジ引きで決まったのだが、心音は当然ヤダヤダと首を振ったのだが、知哉の大人の対応で丸く収まった。昼飯も各自で。あと30分ほどでシグマのところに行くとするかな……。

 

「おい心音。遊んでないでお前も用意し…」

 

「そぉれぇ〜‼︎」

 

心音は俺をベッドに押し倒した。

 

「どぉおおっ⁉︎」

 

「さぁて……まだちょっと時間があるから、今の内に真分の補給を……ハァハァ…ジュルルッ。」

 

「お、おいっ‼︎ 落ち着けこの色情魔‼︎」

 

「あぁん……もっと言って、逃げないから。」

 

「お前はいつからそんな色ボケキャラになったんだよ⁉︎」

 

俺は抜け出そうとするも、心音が手首を掴んでいるため抜け出せない。

 

「いつからかな……真が記憶失ってから? だったっけ?」

 

いや、何故俺に聞く。

 

「お願ぁ〜い。ちょっとギューってするだけだからさー。ねぇ〜。」

 

う………ちょっと可愛いと思ってしまった。はぁ……何でこう、押しに弱いところがあるんだ俺は……。

 

「だ、抱きつくだけなら……早くしろ……っ。」

 

「あー、赤くなっちゃってぇ〜。ホントはして欲しかったんでしょお〜?うりうり〜。」

 

俺の頬を突つく。やめろー。

 

「じゃ、お言葉に甘えて……ムギュウ〜。」

 

心音は自分の胸に俺の顔を埋めた。

 

「ムグフォッ⁉︎」

 

「知ってるんだよ〜?真が私の胸が好きなのはさぁ?うりうり〜。」

 

このバカ……。俺は半分呆れた。

そこへ…………

 

……コンコン

 

ノックが鳴る。

 

「むぐぐ……はっ、なれろっ‼︎」

 

俺は心音を突き放す。

 

「きゃん。いやん、真ったら大胆……きゃっ。」

 

「ちょっと自重しろよ……」

 

俺はドアを開ける。そこには荷物を持ったシグマが来ていた。

 

「真様……息が上がっていますが…」

 

「き、気にすんな。それより、もう行くか?」

 

「そうですね。マップデータもインプット済みです。行きましょう。」

 

「分かった。」

 

俺は荷物を肩に担ぐ。

 

「真、浮気しないでよ‼︎」

 

「しねーっての。」

 

ったく……。

 

俺とシグマはとある民警に向かった。

 

 

 

 

「次の門を右です。」

 

シグマのナビを頼りに、俺は道を歩いていた。博多エリアも大して東京エリアと変わらないか……そんな気がする。

 

「到着しました。こちらです。」

 

結構大きい一戸建ての家。看板には「長瀬民間警備会社」。

シグマはベルを鳴らした。

 

「はぁーいー?」

 

ドアを開けたのは……犬のような耳の生えた銀髪の少女。眠たそうな顔をしている。恐らくイニシエーターだろうな。

 

「明崎民間警備会社の者です。本日はそちらの社長様とお話がありまして、それで伺いました。」

 

「あー、なんか飛鳥言ってたね。飛鳥ぁー。お客さん来たよー。」

 

そして、1人の女性がそこに現れた。

 

「お待ちしておりました。私、長瀬民間警備会社の社長、長瀬 飛鳥(ながせ あすか)と申します。以後、お見知りおきを。」

 

お嬢様らしい立ち振る舞いで礼をした長瀬に、俺とシグマも頭を下げる。

 

「はい、こちらこそ。私は明崎民間警備会社の社長秘書兼プロモーターの、コードネーム・シグマです。」

 

「明崎民間警備会社のイニシエーター、小鳥遊 真だ。よろしく。」

 

「よろしくお願い致します。立ち話も何です。中へどうぞ。」

 

迎え入れる長瀬。俺とシグマは事務所へ入っていった。

 

「すげぇ………」

 

高そうでお洒落な部屋………お嬢様みたいだな。

 

「流石は長瀬家の娘様でございますね。本物のお嬢様は違います。」

 

シグマの一言に俺は目を見開く。マジでお嬢様だったのか。

 

「そんな。少し大きなお家に住んでいるだけです。お嬢様は言い過ぎです。」

 

テーブルに紅茶を並べる長瀬。

 

「お座りください。お昼もまだでしょう。ランチを持って来させます。」

 

「あ、あぁ、すまない。」

 

長瀬は指を弾いて音を鳴らす。すると、一人のメイドが四人分の料理の皿を持って部屋に入り、それをテーブルにサッサと並べる。パスタのようだ。

 

「博多の水菜と明太子のパスタになります。では、ごゆっくり。」

 

メイドは頭を下げると、部屋を出た。

 

「あれが本物のメイドですか。後で色々と聞いてみることにします。」

 

俺とシグマは椅子に座った。

 

「どうぞ、お召し上がり下さいませ。」

 

長瀬とイニシエーターが俺たちと向かい合って座る。

 

「あ、あぁ…いただきます。」

 

俺はパスタをフォークに巻きつけ、口に運ぶ。うわ、旨い。プロの料理人なんかが作ってんだろうな、きっと。

 

「流石は三つ星レストランのシェフのお料理ですね。」

 

「そ、そうなのか?」

 

「えぇ、長瀬家に関するデータはヘリにて確認しております。」

 

シグマの言葉に、長瀬は反応する。

 

「あら、私のことを?」

 

「誠に失礼ながら、データを閲覧させていただきました。長瀬民間警備会社社長にして、長瀬グループの第12代代表、IP位階序列395位 プロモーターの長瀬 飛鳥様と、そのイニシエーター 季崎 火乃(きざき かの)様。」

 

そんなところまで調べたのか……流石はシグマ。

 

「うふふ…構いません。改めまして、長瀬グループの代表、長瀬 飛鳥と申します。」

 

「なぁ、シグマ。長瀬グループって、博多エリアでは有名なのか?」

 

「知る人ぞ知る、大財団ですね。」

 

「そんな、言い過ぎです。」

 

口を拭きながら長瀬は微笑む。

 

「では、お食事中ですが本題に入りましょう。今回の事件……そちらの社長様から大方のことは聞いております。ガストレアヒューマンなるものらしきからの被害が、この博多エリアで相次いでいると。」

 

「あぁ。それで協力して欲しい。ガストレアヒューマンと多く交戦しているイニシエーターは俺たちくらいだ。このままじゃ、博多エリアの民警の被害が増えるばかりだ。迅速にことを解決するべく、よろしくお願いしたい。」

 

俺は頭を下げる。

 

「えぇ、協力するのは構いませ……」

 

「ヤダ。」

 

長瀬の隣にいたイニシエーター……火乃が、長瀬の言葉を遮るように言い放った。

 

「ちょっと火乃……」

 

「そのガストレアヒューマンだかなんだか知らないけど、やられたのはその辺の弱っちい民警どもでしょ、どーせ。あたしたちなら楽勝だっての。」

 

なるほど、自信家ってやつだな、この犬耳少女は。

 

「その自信は素晴らしい。けど、ガストレアヒューマンは侮れない。事実、対策前の東京エリアではかなりの被害が出た……その二の舞は避けたい。」

 

「何……あたしたちが弱いとでも⁉︎」

 

火乃がテーブルを叩く。

 

「こら、火乃……」

 

「上等よ。飛鳥、行くわよ。あんたら‼︎」

 

火乃は俺たちに指差し、言い放った。

 

「あたしたちと勝負しなさい‼︎」

 

 




辛たん……ホント辛たんwww
とりあえず頑張らないと…このくらい頑張らないと(^^;;

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