ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜   作:神武音ミィタ

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昨日、僕の住んでいる地域ではアニメの第4話があっていました。
夏世ちゃん、ええ娘やん……(T . T)


第3話〜罪滅ぼしと心配〜

病院から出て、俺は繁華街をぶらりと歩いていた。今晩の夕食を探していた。

 

「何食うかな……」

 

足が止まる。中華か……悪くない。中華惣菜店を覗いてみる。家にインスタントのコンソメスープがあった。今日はちまきと麻婆豆腐にするか。

 

「すみません、ちまき二つと麻婆豆腐一つ。」

 

俺はその二つを買い、店を出た。

 

ーガシャアアアン……‼︎

 

「⁉︎」

 

遠くの方……窓ガラスの割れる音が。

俺はその方向へ走り出した。

 

 

「あれは……」

 

物陰から見る。

そこでは戦闘が行われていた。

ガストレア……ステージ1の…カブト虫……モデル・ビートルか。

それと戦っているのは、黒いスーツに身を包んだ青年と、黄色いパーカーに身を包んだツインテールの少女。プロモーターとイニシエーターか。

 

「延珠、跳べ‼︎」

 

「っ、ふんっ‼︎」

 

ほう、あの跳躍力。見た目からして、モデル・ラビットだろうか。

 

「くらえ‼︎」

 

黒スーツのプロモーターがガストレアに発砲。弾丸はモデル・ビートルの角を破壊した。ガストレアが怯む。

 

「でやああああああっ‼︎」

 

イニシエーターが空中から急降下し、ガストレアの背面に蹴りを叩き込んだ。なるほど、靴底にバラニウムを仕込んでいる訳か。

ガストレアは飛散し、肉片が辺りに散らばった。

 

「大丈夫か、延珠。」

 

「問題は無いぞ。今日は容易かったの。」

 

「ステージ1だったしな。早目に倒せて良かったな。」

 

「それより蓮太郎。妾は空腹じゃっ。」

 

「あぁ、そうだったな。よし、なんか食いに行くか‼︎」

 

「おぉ〜‼︎よし、行こう‼︎」

 

そのプロモーターとイニシエーターは、その場を後にした。

 

「……中々見所のある奴だな。」

 

いつか会うこともあるだろうな。その時は色々と話してみたいもんだ。

俺は足を進め、帰路を辿った。

 

 

「……なぁ、蓮太郎よ。」

 

「ん?どうかしたか?」

 

「さっきの戦い。何か…『誰かに見られている感じ』がしたのじゃが…」

 

とある喫茶店で、プロモーターの里見 蓮太郎と、そのイニシエーターの藍原 延珠は一服していた。

 

「んー……そうか?そんな感じはしなかったけどな…」

 

「何か……鋭い視線を感じたのじゃが……いや、気にしすぎじゃろうな。すまない蓮太郎、忘れてくれ。」

 

「お、おう……」

 

 

 

 

「………やっぱり、そうだったのですか。」

 

匂田公立大学病院の地下室。私、徳崎 心音はここの主、室戸 菫を訪ねていた。

 

「あぁ。君にしたことに、今でも罪悪感を感じているようだ。その罪滅ぼしと称し、プロモーター無しに闘っている。」

 

「どうして……そんなに背負うのでしょうか?」

 

「さぁねぇ。彼は素直じゃないんだろうね。思っていることを言いたいけど、変に気遣って言えない…」

 

ビーカーでコーヒーを飲む室戸先生。

 

「……気遣う必要なんて無いのに…。」

 

何でなの?真……。

あなたに罪は無い。あなたは正しかったのに。何故そこまで……?

 

ーブーッ、ブーッ。

 

携帯電話の振動音。室戸先生の物だった。

 

「私だ。……そうか、分かった。すぐに向かわせよう。」

 

室戸先生は電話を切り、私の方を見た。

 

「君の所の社長からだ。市街地にガストレアが出現。ステージ4の、モデル・ケルベロスのようだ。」

 

「ステージ4⁉︎」

 

かなりの規模だ。早く行かないと。

 

「既に現場に社長本人とイニシエーターはいるようだ。早く行きたまえ。」

 

「はい!」

 

私は部屋を出ようとノブに手をかけた。

 

「……先生。」

 

「何かな?」

 

「……ありがとうございます。」

 

そう言い残し、私は部屋を飛び出した。

 

 

その頃、市街地では。

 

「てやあああっ‼︎」

 

イニシエーターの実緒、そのプロモーターであり、社長の明崎 信也が、ガストレアステージ4、モデル・ケルベロスと交戦中だった。

実緒の振るうランスが空を切る。ケルベロスは軽々とかわす。だが、着地の一瞬、スキが生まれる。

 

「そこだぁっ‼︎」

 

着地と同タイミングで、ガストレアの右脚にランスを突き刺す。そしてそのまま、突き飛ばす。

ガストレアは距離を取る。右脚からは紫色の血液が流れ出る。狙いは正確だ。

実緒はモデル・ワスプのイニシエーター…スズメバチの能力を備えたイニシエーターだ。狙った獲物の弱点を突く戦法を得意とする。

 

「……社長。こいつ、中々強いですよ…」

 

「落ち着け。慎重にいけば勝てる。」

 

「……はいっ。」

 

「ひとまず、弾幕を俺が張る。その間に奴の背後に周り、ランスで一発かます……いけるか?」

 

「……やってみます…‼︎」

 

「よし、行くぞ‼︎」

 

明崎はマシンガンをケルベロスの足元に放つ。煙が起こり、辺りは白くなった。その間に実緒は路地を利用し、ケルベロスの後方に回り込んだ。

物陰から、頃合いを待つ。煙が収まるまでランスを構え、待機する。

だんだんと煙が薄れていく。

 

「……今だ‼︎」

 

明崎の言葉と共に、実緒はランスを前に突き出し、突進した。

 

「はああああああっ‼︎」

 

しかし。

 

「グルオオオオオッ‼︎」

 

ケルベロスの咆哮。それが辺りを包んでいた煙を掻き消し……

 

「っ‼︎」

 

ケルベロスは実緒に襲いかかる。

まずい‼︎

実緒が思った、その時だった。

 

「グルゥッ⁉︎」

 

「‼︎」

 

ケルベロスの頭部に弾丸が撃ち込まれた。怯むケルベロス。その弾丸の主は……

 

「おまたせ‼︎」

 

心音だった。

 

 

「こ、心音さん‼︎」

 

「心音‼︎ 時間は許容範囲だ。一気に責めろ‼︎」

 

「了解‼︎」

 

私は腰の刀を引き抜き、駆け出した。

 

社長のマシンガンがケルベロスを捉える。怯ませ、その隙に私と実緒で仕掛ける‼︎

ケルベロスが怯んだ。

 

「そこだああああっ‼︎」

 

「これで、終わりっ‼︎」

 

実緒と私が同タイミングで、ケルベロスを切り裂いた。

ケルベロスは断末魔の叫びを上げ、飛散した。

 

「任務、完了。」

 

真………。

私は、大丈夫だから。

今度は、私があなたを……護るから。

 

 




いやぁ、安定の可愛さだぜ、延珠♫
その内延珠と実緒の絡みなんて書いてみたいなぁ…なんて(笑)

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