ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜   作:神武音ミィタ

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色々と詰まっていましたが、何とか復活出来そうです。忙しかったもので……( ;´Д`)


第34話〜見栄と舞踊会〜

「はあああっ‼︎」

 

デルタの剣が空を斬る。心音はそれを身を低くして躱し、逆手刀を振るう。

 

「てやぁあっ‼︎」

 

剣で受け止めるデルタ。援護と言わんばかりに、俺はマシンガンを放つ。

 

「くっ‼︎」

 

デルタは距離を置き、弾丸を躱す。そこへ紅音が追い打ちにと、トンファーで裏拳を叩き込む。

 

「さぁああいっ‼︎」

 

「かはっ⁉︎」

 

デルタは吹っ飛び、地面に叩きつけられる。が、すぐに起き上がる。

 

「まだまだ……っ‼︎」

 

デルタはもうフラフラだった。こちらの勝ちは決まったものだ。

 

「まだやるのか?」

 

俺は銃を下ろした。

 

「当たり前……でしょ………っ。」

 

デルタはまた倒れ、気を失った。紅音の裏拳が効いたのだろう。

 

「こいつはもういいわね……」

 

「行きましょ。」

 

俺たちは階段を駆け上がった。

 

 

 

 

「あたしはまだ……っ‼︎」

 

デルタは剣を杖にして立ち上がろうとする。

 

「戦える……もん……っ‼︎」

 

そこへ……デルタを踏みつける男が現れた。

 

「っ⁉︎」

 

「おいおい……諦めが悪りぃなぁ……ん?」

 

「ラムダ……っ‼︎」

 

デルタを踏みつける男……ラムダは、その手に剣を握っている。

 

「ザコは引っ込んで……だろ?だったら……お前も消えないとな?んん?」

 

「ま、待って、ラムダっ‼︎ ヤダっ‼︎ 死にたくないよっ‼︎」

 

「んあぁ……っ。タマラねぇ声で泣くじゃねぇか……もっと聞かせろよぉっ‼︎」

 

ラムダは……デルタの右足を斬り落とした。

 

「っ‼︎ キャアアアアアッ‼︎‼︎」

 

「ヒャッハッハッハッハー‼︎もっとだぁ…もっと泣けよぉっ‼︎えぇっ⁉︎」

 

ラムダはそのあと、デルタの四肢を斬り落とした後、首を斬り落とし、それを肉片に変えた……。

 

「さぁてと? オミクロンから分捕ったコイツの出番だなぁ……‼︎」

 

その手に握っていたのは……ガス爆弾。地下のイニシエーターを殺すために、オミクロンが作ったものだ。

 

「ヒヒッ……世界なんてどーでもいい……俺が聞きてぇのは……悲鳴だ。」

 

ラムダは返り血を浴びたその身で、ゆっくりと歩き出した。

 

 

 

 

 

その頃の研究室。そこの壁には……

 

「……………」

 

血みどろのオミクロンが磔になっていた……。

 

 

 

 

 

「地上か……」

 

エレベーターは地上までのようだ。私…川野 実緒はシグマと共に行動していた。

 

「シグマ。ここの最上階に、ボスがいるの?」

 

「はい、間違いないでしょう。今のところ、セキュリティは働いていません。エレベーターは使えませんので、階段で駆け上がっていくしかないですね。」

 

「わかった。」

 

私たちは階段へ駆け出す。

その時だった。

 

…カツーン…カツーン……

 

足音が響く。私たちは脚を止める。

階段を降りてくるその人物……姿が現れる。

 

「おやおやぁ?何でイニシエーターが脱走してんのかなぁ? おいシグマぁ…?まさか……てめぇ…」

 

「ラムダ様………その返り血は?」

 

「へっ……ザコを消しただけさ。」

 

私はランスを構える。その隣でシグマも鎌を構えた。

 

「なんだよ、歯向かうのか?俺に?」

 

「……今の私はあなた達の考えに賛同できません。私のデータには、犠牲を払ってまで掴んだ平和は、本当の平和ではない……という考えを真として認識しております。よって、オメガ様の考えは偽と認識いたします。」

 

「この…シリコン女がぁっ‼︎」

 

その男…ラムダは駆け出し、剣をシグマに振るう。シグマは剣を鎌で受け止める。

 

「この……っ‼︎」

 

「戦闘能力はあなたより上です。」

 

鎌で剣を弾き、蹴りを入れるシグマ。

 

「ぐおおおっ‼︎」

 

吹っ飛ぶが、体制を立て直すラムダ。

 

「ぐっ……らぁああっ‼︎」

 

再び駆け出すラムダ。私はシグマの前に立つ。ラムダが剣を振り下ろす。私はランスで受け止める。

 

「この……ガキがっ‼︎」

 

剣に入る力が強くなる。私は弾き、ランスをラムダに叩きつける。

 

「てやっ‼︎」

 

「うおおおおっ‼︎」

 

ラムダが吹っ飛ぶ。起き上がり、剣を構える。

 

「何故だ……俺がっ⁉︎ イニシエーター如きにっ⁉︎」

 

「言ったはずです。戦闘能力はあなたより上なのですよ?」

 

「この……っ‼︎」

 

ラムダは自分の腕に注射器を突き刺した。

 

「⁉︎ シグマ…あれは⁉︎」

 

「ミュータント用の強化剤です。投与してから5分間は身体能力が向上しますが、その時間内に外傷や衝撃を与えられると、使用者の身体が崩壊します。」

 

「なるほど……諸刃の剣…ってやつね。」

 

「うおらぁっ‼︎」

 

剣を振り下ろすラムダ。私とシグマは躱す。そして、2人息を合わせ……

 

「はあああっ‼︎」

 

「‼︎」

 

ラムダの身体を斬りつけた。ラムダは吹っ飛び、壁に叩きつけられる。

 

「ぐおおおおおっ‼︎‼︎」

 

私はラムダに歩み寄る。皮膚がボロボロになっていく。

 

「何故だ……俺が…この、俺が………っ‼︎」

 

「あなたは強くありません。あなたは、自分より弱き者だけを相手にし、それを倒していた……。」

 

シグマがゆっくりと歩み寄る。

 

「あなたは見栄を張っていただけです。弱者を責めることしか出来ないあなたは……強者のハズがない。」

 

「くそ……が……っ。」

 

ラムダは動かなくなった。

 

「行きましょう、実緒様。これ以上……理不尽に命が消えるのは…」

 

「分かってる……行きましょ。」

 

私とシグマは階段を駆け上がった。

 

 

 

 

 

「よし……っ‼︎」

 

26階に到達。待ち構えていたのは……大人びた雰囲気を醸し出す、ロングヘアの女。

 

「あら、予想より早かったわね。所詮はデルタちゃんってわけか。」

 

女は背伸びをし、あくびをする。

 

「あ、私はイプシロン。よろしくねっ。」

 

「余裕ぶっこいてるとこ悪りぃが…そんな余裕でいいのか?」

 

俺はマシンガンを構える。

 

「えぇ。だって、余裕が無くなるのはあんたらの方なんだし…フフッ。」

 

怪しく笑うイプシロン。右手を怪しく動かし始める。

 

「出番よ……ファイ?」

 

「なっ⁉︎」

 

「⁉︎」

 

「そんな……っ⁉︎」

 

物陰から出てきたのは……信也だった。頭に奇妙な装置を付けられている。デルタの言ってたことはこう言うことか……っ‼︎

 

「裏切り者は処刑だったんだけど、殺すのも勿体無いから実験台になってもらったの……素敵でしょ?」

 

「貴様……っ‼︎」

 

「さぁ、始めるわよ……可愛いお人形さんの舞踊会を‼︎」

 

 




ヴァン○ードのペイ○ムーンみたいなセリフになっちゃったイプシロンさん(何故伏字www)。
あと4〜5話位かな…ミュータント編は。

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