ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜 作:神武音ミィタ
ペース回復出来るよう、頑張って行きたいと思います。
「…………」
明け方の東京タワーの頂上。そこに腕を組んで立っている男がいた。
ミュータント「プサイ」。忍者のような格好をしており、彼のマフラーが風に靡く。
日が登る。
「おぉ……美しい…。」
微笑むプサイ。男は満足そうな顔をすると、隣のビルに跳び移った。
「この美しい地球を護るためにも、因子は消さねばならぬ……。」
プサイは風の如く走り去って行った……。
「…………ふぁ…。」
俺は目が覚めた。心音はまだ俺を抱き寄せたまま眠っていた。時間は……7時半か。
「心音、起きろ。」
俺は心音の腕をどかして、起き上がり、心音を揺さぶる。
「んー……真……ちゅ〜………ぐへへへへ……」
何の夢見てんだよこいつは……。
「はぁ………おい、心音っ。」
「ま、マコちゃん‼︎心音っ‼︎」
紅音と実緒ちゃんが入ってくる。心音は起きる。
「ふぁー……んー、何〜?」
「何じゃないわよ‼︎ 嗅ぎつけられたわ‼︎」
「……えっ⁉︎」
徳崎重工前。
3人の男が戦闘態勢になっていた。
その中には……ファイもいた。
「ここですか?」
巨大な銃砲を担いだ少年がファイに聞く。
「あぁ、そうだ。恐らく、イニシエーターが2人……」
「きっとあのマシンガンのガキだぜ‼︎ あの日の恨み…ここで返す‼︎」
剣と銃を構える男……カイが叫ぶ。
ファイは拡声器を手に取った。
「しゃ、社長‼︎」
窓のカーテンをほんの少し開けて、そこから覗き込む。
社長と、銃砲を担いだ少年。そして……俺と戦ったあの男か。
「やるしかないみたいだな……‼︎」
俺はマシンガンを腰のホルスター、ライフルを背中に担いだ。
それに続き、心音と実緒ちゃんも武器を手に。
すると、拡声器越しに社長が叫ぶ。
「大人しくイニシエーターを差し出せ‼︎ そうすれば命の保証はしてやる。イニシエーターを差し出せば、プロモーター、その他に被害は出さん‼︎無駄な抵抗は止めろ‼︎」
「そんな、信くん……‼︎」
今のあいつに何を言っても無駄だな……仕方が無い。
「心音、実緒ちゃん。下で待機だ。俺が上から銃撃する。その直後に突撃だ。その後、俺も加勢する。」
「わ、分かった。」
「了解です。」
2人は下へ向かった。俺はNHライフルのチャージを開始した。
「ま、マコちゃん、それ‼︎」
「大丈夫だ。3分なら吹っ飛ばない。」
俺は窓の鍵を開け、窓に手を掛け、チャージ完了の時を待つ。
「………反応無し、ですね。」
「待つのもめんどいな…おいゼータ、ぶっ放せよそのバズーカ。」
「カイ、落ち着け。」
三人は警戒する。動きが無い。
突入するか……と、ファイが思った時だった。
「っ⁉︎」
窓がいきなり開き、銃声。ファイ達の背後の地面に弾丸が着弾し、地面に巨大な穴が空く。
三人が後ろを向いた時だった。
「せやぁぁああっ‼︎」
「はぁっ‼︎」
心音と実緒が飛び出し、銃砲のミュータント…ゼータとカイに斬りかかる。
「‼︎」
ミュータント3人は後ろに跳んで躱す。
「‼︎ 実緒……心音………」
そこへ、真も駆けつける。
「真……。」
ファイは剣を両手に持つ。
ゼータは後ろに下がる。
「信也さん……‼︎」
私は信也さんを見つめる。そして、言い放つ。
「どうして………何があったんですか⁉︎」
「あぁん?なんだよこのが…」
「待て。」
信也さんは気性の荒そうな男を抑える。そして、一歩前に出た。
「……実緒。悪いことは言わない。心音や、お前が大事にしたい者達を護りたいのならば…大人しく、こちらに来てくれ。」
「イニシエーターを滅ぼすことが、真の平和に繋がる……そう言うんですか⁉︎」
私の問いに、信也さんは間髪入れずに答えた。
「そうだ。この世にガストレアウイルスが……それを身体に備えた因子があるから、烏丸 凌馬のような人間が生まれる……。俺はその時ようやく気付き、分かった。この世にガストレアの因子はあってはならないと……。」
「だからと言って、何の罪も無い人たちを巻き込むのは間違ってます‼︎」
「呪われた子供など、存在そのものが罪だっ‼︎」
「っ⁉︎」
そんな………信也さんが、そんなことを思っていたなんて………‼︎
「信也さん……操られているだけなんでしょう⁉︎ 私の知っている信也さんは……そんなこと言わないですよ‼︎」
「残念ながら。」
バズーカを担いだ、大人しげな少年が口を開いた。
「ファイさんは元からこの考えをお持ちでした。我々ミュータントは、あなた方民警を認可などしていない。彼がプロモーターとして民警に関わっていたのは、民警のスパイとして動いてもらっていたからです。そのお陰で、全てのイニシエーターの情報が得られました。」
そんな……っ⁉︎
私はその場に崩れ落ちた。
俺は実緒ちゃんを支える。そして、立ち上がる。
「つまり……お前は俺たちを利用していたと。民警の情報を得るために。」
「……そういうことだ。」
「全て……嘘ってことかよ。」
俺はライフルを背中に収め、ホルスターからマシンガンを取り出した。
「………そうだ。」
社長は……いや、信也は剣を構える。
「真、実緒。悪いことは言わない。世界のために……死んでくれ。」
「……いやだと言ったら?」
俺はマシンガンの銃口を信也に向ける。
「……力づくでも、捕獲する。」
「だったら……お断りだ‼︎」
俺はマシンガンを放つ。信也は銃弾を剣で弾きながら接近してくる。そして、斬りかかる。
「うおおっ‼︎」
「っ‼︎」
銃身で刃を受け止める。そのまま弾き、距離を置く。再び弾丸を放つ。
信也は躱す。
「ちっ……‼︎」
いつもと動きが違う……ミュータントの本領発揮…ってか。
「隙ありぃっ‼︎」
そこへ、気性の荒い男が俺に銃口を向けた。
「っ‼︎」
放たれた銃弾。その銃弾は……
「てやぁっ‼︎」
心音が刀で弾いた。
「ちっ……邪魔すんなよっ‼︎」
「うるさいわね……私の旦那に手を出すなんて、50年早いのよ‼︎」
心音は刀と銃を構える。
「誰が旦那だ。」
「真も嫁って言っていいのよ?ふふん。」
「お断りだ……実緒ちゃん。」
俺は実緒ちゃんを立たせる。
「す、すみません………。」
実緒ちゃんはランスを構えた。
「とりあえず、この場を乗り切るしか無いな…‼︎」
「かつての相棒との戦いか…これはいいドラマになりそうだ。」
巨大なモニターに写し出されている映像。それを椅子に腰掛け眺める男。
そこへ……銀髪の赤い瞳の女……シグマが入ってきた。
「失礼します。オメガ様。東京エリアの70%のイニシエーターを捕獲しました。処分の開始も、そろそろ開始出来るかと。」
「ごくろう……。」
「…………オメガ様。」
「何だ?」
「私に感情というものは、不要のもの……で、ございましたよね?」
「あぁ、それがどうかしたのか?」
椅子に腰掛けた男……オメガはシグマの方を向く。
「………私の表情…どう見えますでしょうか?」
シグマの悲しげな表情を見たオメガは、答えた。
「………悪くない、表情だ。」
色々とミュータント増やしてきてますよー(笑)
本当はローマ数字全員出そうとしたんだけど、心が折れてギブアップ……(T . T)
やっぱり私は、悪い子いらん子……www