ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜   作:神武音ミィタ

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久々に更新です。かなり間が空いてしまいました……誠に申し訳ないです(~_~;)
ペース回復出来るよう、頑張って行きたいと思います。


第30話〜嘘と滅び〜

「…………」

 

明け方の東京タワーの頂上。そこに腕を組んで立っている男がいた。

ミュータント「プサイ」。忍者のような格好をしており、彼のマフラーが風に靡く。

日が登る。

 

「おぉ……美しい…。」

 

微笑むプサイ。男は満足そうな顔をすると、隣のビルに跳び移った。

 

「この美しい地球を護るためにも、因子は消さねばならぬ……。」

 

プサイは風の如く走り去って行った……。

 

 

 

 

「…………ふぁ…。」

 

俺は目が覚めた。心音はまだ俺を抱き寄せたまま眠っていた。時間は……7時半か。

 

「心音、起きろ。」

 

俺は心音の腕をどかして、起き上がり、心音を揺さぶる。

 

「んー……真……ちゅ〜………ぐへへへへ……」

 

何の夢見てんだよこいつは……。

 

「はぁ………おい、心音っ。」

 

「ま、マコちゃん‼︎心音っ‼︎」

 

紅音と実緒ちゃんが入ってくる。心音は起きる。

 

「ふぁー……んー、何〜?」

 

「何じゃないわよ‼︎ 嗅ぎつけられたわ‼︎」

 

「……えっ⁉︎」

 

 

 

 

徳崎重工前。

3人の男が戦闘態勢になっていた。

その中には……ファイもいた。

 

「ここですか?」

 

巨大な銃砲を担いだ少年がファイに聞く。

 

「あぁ、そうだ。恐らく、イニシエーターが2人……」

 

「きっとあのマシンガンのガキだぜ‼︎ あの日の恨み…ここで返す‼︎」

 

剣と銃を構える男……カイが叫ぶ。

ファイは拡声器を手に取った。

 

 

 

 

「しゃ、社長‼︎」

 

窓のカーテンをほんの少し開けて、そこから覗き込む。

社長と、銃砲を担いだ少年。そして……俺と戦ったあの男か。

 

「やるしかないみたいだな……‼︎」

 

俺はマシンガンを腰のホルスター、ライフルを背中に担いだ。

それに続き、心音と実緒ちゃんも武器を手に。

すると、拡声器越しに社長が叫ぶ。

 

「大人しくイニシエーターを差し出せ‼︎ そうすれば命の保証はしてやる。イニシエーターを差し出せば、プロモーター、その他に被害は出さん‼︎無駄な抵抗は止めろ‼︎」

 

「そんな、信くん……‼︎」

 

今のあいつに何を言っても無駄だな……仕方が無い。

 

「心音、実緒ちゃん。下で待機だ。俺が上から銃撃する。その直後に突撃だ。その後、俺も加勢する。」

 

「わ、分かった。」

 

「了解です。」

 

2人は下へ向かった。俺はNHライフルのチャージを開始した。

 

「ま、マコちゃん、それ‼︎」

 

「大丈夫だ。3分なら吹っ飛ばない。」

 

俺は窓の鍵を開け、窓に手を掛け、チャージ完了の時を待つ。

 

 

 

 

 

「………反応無し、ですね。」

 

「待つのもめんどいな…おいゼータ、ぶっ放せよそのバズーカ。」

 

「カイ、落ち着け。」

 

三人は警戒する。動きが無い。

突入するか……と、ファイが思った時だった。

 

「っ⁉︎」

 

窓がいきなり開き、銃声。ファイ達の背後の地面に弾丸が着弾し、地面に巨大な穴が空く。

三人が後ろを向いた時だった。

 

「せやぁぁああっ‼︎」

 

「はぁっ‼︎」

 

心音と実緒が飛び出し、銃砲のミュータント…ゼータとカイに斬りかかる。

 

「‼︎」

 

ミュータント3人は後ろに跳んで躱す。

 

「‼︎ 実緒……心音………」

 

そこへ、真も駆けつける。

 

「真……。」

 

ファイは剣を両手に持つ。

ゼータは後ろに下がる。

 

 

 

「信也さん……‼︎」

 

私は信也さんを見つめる。そして、言い放つ。

 

「どうして………何があったんですか⁉︎」

 

「あぁん?なんだよこのが…」

 

「待て。」

 

信也さんは気性の荒そうな男を抑える。そして、一歩前に出た。

 

「……実緒。悪いことは言わない。心音や、お前が大事にしたい者達を護りたいのならば…大人しく、こちらに来てくれ。」

 

「イニシエーターを滅ぼすことが、真の平和に繋がる……そう言うんですか⁉︎」

 

私の問いに、信也さんは間髪入れずに答えた。

 

「そうだ。この世にガストレアウイルスが……それを身体に備えた因子があるから、烏丸 凌馬のような人間が生まれる……。俺はその時ようやく気付き、分かった。この世にガストレアの因子はあってはならないと……。」

 

「だからと言って、何の罪も無い人たちを巻き込むのは間違ってます‼︎」

 

「呪われた子供など、存在そのものが罪だっ‼︎」

 

「っ⁉︎」

 

そんな………信也さんが、そんなことを思っていたなんて………‼︎

 

「信也さん……操られているだけなんでしょう⁉︎ 私の知っている信也さんは……そんなこと言わないですよ‼︎」

 

「残念ながら。」

 

バズーカを担いだ、大人しげな少年が口を開いた。

 

「ファイさんは元からこの考えをお持ちでした。我々ミュータントは、あなた方民警を認可などしていない。彼がプロモーターとして民警に関わっていたのは、民警のスパイとして動いてもらっていたからです。そのお陰で、全てのイニシエーターの情報が得られました。」

 

そんな……っ⁉︎

私はその場に崩れ落ちた。

 

 

 

俺は実緒ちゃんを支える。そして、立ち上がる。

 

「つまり……お前は俺たちを利用していたと。民警の情報を得るために。」

 

「……そういうことだ。」

 

「全て……嘘ってことかよ。」

 

俺はライフルを背中に収め、ホルスターからマシンガンを取り出した。

 

「………そうだ。」

 

社長は……いや、信也は剣を構える。

 

「真、実緒。悪いことは言わない。世界のために……死んでくれ。」

 

「……いやだと言ったら?」

 

俺はマシンガンの銃口を信也に向ける。

 

「……力づくでも、捕獲する。」

 

「だったら……お断りだ‼︎」

 

俺はマシンガンを放つ。信也は銃弾を剣で弾きながら接近してくる。そして、斬りかかる。

 

「うおおっ‼︎」

 

「っ‼︎」

 

銃身で刃を受け止める。そのまま弾き、距離を置く。再び弾丸を放つ。

信也は躱す。

 

「ちっ……‼︎」

 

いつもと動きが違う……ミュータントの本領発揮…ってか。

 

「隙ありぃっ‼︎」

 

そこへ、気性の荒い男が俺に銃口を向けた。

 

「っ‼︎」

 

放たれた銃弾。その銃弾は……

 

「てやぁっ‼︎」

 

心音が刀で弾いた。

 

「ちっ……邪魔すんなよっ‼︎」

 

「うるさいわね……私の旦那に手を出すなんて、50年早いのよ‼︎」

 

心音は刀と銃を構える。

 

「誰が旦那だ。」

 

「真も嫁って言っていいのよ?ふふん。」

 

「お断りだ……実緒ちゃん。」

 

俺は実緒ちゃんを立たせる。

 

「す、すみません………。」

 

実緒ちゃんはランスを構えた。

 

「とりあえず、この場を乗り切るしか無いな…‼︎」

 

 

 

 

 

 

「かつての相棒との戦いか…これはいいドラマになりそうだ。」

 

巨大なモニターに写し出されている映像。それを椅子に腰掛け眺める男。

そこへ……銀髪の赤い瞳の女……シグマが入ってきた。

 

「失礼します。オメガ様。東京エリアの70%のイニシエーターを捕獲しました。処分の開始も、そろそろ開始出来るかと。」

 

「ごくろう……。」

 

「…………オメガ様。」

 

「何だ?」

 

「私に感情というものは、不要のもの……で、ございましたよね?」

 

「あぁ、それがどうかしたのか?」

 

椅子に腰掛けた男……オメガはシグマの方を向く。

 

「………私の表情…どう見えますでしょうか?」

 

シグマの悲しげな表情を見たオメガは、答えた。

 

「………悪くない、表情だ。」

 




色々とミュータント増やしてきてますよー(笑)
本当はローマ数字全員出そうとしたんだけど、心が折れてギブアップ……(T . T)
やっぱり私は、悪い子いらん子……www

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