ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜   作:神武音ミィタ

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原作のキャラも出してみますか。
ちなみに作者は小比奈ちゃんがお気に入りです。
あの凶器じみた瞳がたまりませぬ。hshs。


第2話〜夢と癖〜

南の方の森。ステージ1の昆虫モデルのガストレアの群れが飛び回っていた。ざっと数えて15……容易い。奴らがこちらを通り過ぎるのに所用するであろう時間は……あと30秒。通り過ぎた所を背後から狙い撃つ。群れが近づいてきた。

 

「…………」

 

木の陰で気配を殺す。あと20秒。

羽の音が近づいてきた。あと11秒。

10……9……8……7……

ライフルを握る手を強める。

5……4……3……2……1。

ガストレアの群れが通り過ぎた。

 

「!!」

 

木の陰から飛び出し、銃口をガストレアに向けて放つ。相手はレベル1のみ。急所を狙えば一撃で黙る。一発一発確実に撃つ。こちらに気づいたようだ。3体ほどUターンしてくる。残り二発。あのスピードでは弾を込める時間がない…………よし。

まずは2体仕留める!

素早くトリガーを引き、2体仕留める。そして、すかさずホルスターからショットガンを取り出し、

 

「!!」

 

すれ違い様に0距離で散弾を放つ。

ガストレアは木っ端微塵になり、肉片が飛散した。

 

「こんなものかな。」

 

俺は銃をバッグに入れ、森を去った。

 

 

真の戦い。それを遠くで眺めていた二人の人物がいた。

 

「ほう……噂以上の腕前だ、『死を運ぶ鷹』………」

 

一人は男。長身でタキシードにシルクハット。顔にはマスケラ。

 

「ねぇーパパー。あのおにーさん、仲間にするのー?」

 

もう一人は女。年は10くらいだろうか。青い髪に赤い瞳、腰には2本の小太刀を携えている。

 

「あのイニシエーターは里見 蓮太郎と同じ匂いがする。おまけに民警を去っているとなれば、立場は私と同じだ。元は民警にいた者同士の仲間が欲しかったところだよ。」

 

「ふぅーん……」

 

「後日、彼に挨拶に伺うとしよう。行くぞ、我が娘よ。」

 

「はい、パパ。」

 

その謎めいた親子は、暗闇に消えていった……。

 

 

家に帰り、ソファに飛び込んだのは深夜の1時半頃。

俺は眠りに着いた。

 

 

 

「真ー!!こっちだよー!!」

 

一面に広がる花畑。その遠くに心音がいた。

 

「早くー!!真ー!!」

 

俺は彼女の方へ歩き出した。

そのときだった。

 

「!? きゃあっ!?」

 

心音は、地面に引きずり込まれた。

 

「!? 心音!!」

 

俺は走り出した。

 

「真!助けて!!」

 

地面から生えた触手に引きずりこまれており、必死に左手をこちらに伸ばす心音。俺はその手を掴む。

 

「心音!!くっ……おおおおおっ!!」

 

俺はその手を引っ張った。

 

ーブシャアッ!!

 

「!?」

 

俺の手が赤く染まる。

 

「キャアアアアアア………」

 

心音が引きずり込まれてしまった。

俺は掴んでいる手を見た……。

 

「!!!」

 

俺が掴んでいたのは……肩から斬り落とされた、心音の腕だった。

 

「あ………あぁ…………っ!!!」

 

 

 

「うああああああああああああああっ!!!!」

 

目が覚め、飛び起きた。

 

「ハァッ……ハァッ……!!」

 

酷い汗だ。俺は即座にシャワーを浴びに風呂場へ駆け込んだ。

汗だくの体をシャワーで洗い流し、全身を洗って風呂場を出た。体をタオルで拭き、肌着を着る。

……まただ。またあの夢だ。

定期的にあんな夢を見る。その度に最悪な目覚めをする俺であった。

時計を見る。朝の7時か。

俺は着替えて身支度をし、コーヒー牛乳とクリームパンを口に放り込み、その三時間後に家を出た。

 

 

「ふんふんふふ〜ん♫」

明島民間警備会社のキッチン。

そこで料理しているのはこの私、徳崎 心音だ。

ここは普段、私と実緒が生活をしている場でもある。社長の明島 信也は「社長出勤」と称して昼の1時頃にやってくる。よって、普段の朝は私がここで朝食を作るのが日課だ。

 

「おはよーございまぁす……ふわぁあ………」

 

実緒が起きてきた。

 

「おはよ。お顔洗ってきていらっしゃい。」

 

「ふぁーい……」

 

実緒は洗面所に向かった。

 

「心音お姉ちゃん……おはよ……」

 

実緒に続くかのように、昨日真が連れてきてくれた少女…リコちゃんも起きてきた。

 

「あら、リコちゃんおはよ。大丈夫?具合、悪くなぁい?」

 

「うん、へいきだよ。実緒お姉ちゃんがね、一緒に寝てくれたの。」

 

「そっか。じゃ、顔洗ってきてね。一人で出来る?」

 

「うん。」

 

リコちゃんも洗面所に向かった。

 

「よし!」

 

ごはん、よし。お味噌汁、よし。卵焼き、よし!

完成した朝食を盛りつけ、4人分を食卓に並べた。

 

「………あ。」

 

いけない。一人分多く作っちゃった。また癖だ……。

 

「真……」

 

ご飯……ちゃんと食べてるかな?

私はどうしても、彼のことが気になっていた。

真が……相棒が。

 

 

勾田公立大学付属病院。

俺はここに定期的に来ている。用があるのはここの地下。

薄暗い急な階段を降りたところにある扉を開く。

 

「……先生、小鳥遊です。」

 

「んー……?おお、確か君は……ことりあそび君だったかな?唯一の男の子イニシエーターの。」

 

「……『たかなし』です。」

 

俺は、その部屋の主……室戸 菫の前に座った。

怪しげな雰囲気を醸し出しているこの女医は「神医」と呼ばれている。かつてガストレア大戦時に持ち上がった「新人類創造計画」。それの最高責任者であった。そう、心音の左手を手術したのは彼女だ。

 

「それで?今日は……あぁそうか。身体検査だったね。じゃ始めようか。まずは服を……」

 

俺は上半身を露にした。

 

「あの、先生。」

 

「何だい?」

 

「口元から何か垂れてます。」

 

「……ジュルルッ。すまない。飽くなき探究心が体の外へにじみ出ていたようだ。」

 

「死体にしかそんな風な反応するんじゃないんですか。」

 

「君の体は別だよ。死体並みに興味がある。男のイニシエーターなんて君しかいないんだから。」

 

やれやれ、この人は相変わらずだな。

俺は菫先生による検査を受けた。

 

 

「……特に異常はなし。汚染度も低いし長生きできるだろうね。」

 

検査が全て終わり、俺は服を着て菫先生の前に向かって座っていた。

 

「そうですか。」

 

「ただ……」

 

菫先生は俺にペンを向けた。

 

「心の中、ちょっと抱えてるみたいだね。」

 

「……分かりますか。」

 

「当然だ。私を見くびらないでおくれよ。」

 

「はぁ。」

 

「……また例の夢かい?」

 

図星だった。以前にもこの話をしたことがあった。

 

「はい……」

 

「やはり、まだ抱えているのか……あの事を。」

 

「これは……」

 

俺は立ち上がり、言った。

 

「俺の問題、ですから。」

 

ありがとうございました、と言いながら俺は部屋を出た。

 

 

「全く……何でそんなに一人で抱え込むのやら……」

 

菫はケータイを取り出し、電話を掛けた。

 

「私だ。今から来れるかい?……そうか。少しね……うん。そうか、じゃあ、待っているよ。」

 

菫は電話を切り、メスで肉団子を刺して口に放り込んだ。




感想の方で菫せんせーと真の絡みがみたいとありましたので、早速書きましたwww
次の話では、ブラック・ブレットを見てるなら誰でも知ってるあの二人も出ますよ!
お楽しみに!!

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