ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜   作:神武音ミィタ

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ここ最近パッとしない話になっている気が…まっこと申し訳ないです。
次回からエンジンかけないとな…‼︎
よし、ファイトだ俺。


第28話〜逃走と襲撃〜

「準備は完了だ。」

 

信也……ファイは、カメラの前に立っていた。

 

「テレビ局と市街地のモニター全てをジャックできましたぜ。今すぐにでも……」

 

怪しげな眼鏡の白衣男が笑う。

 

「あぁ…………」

 

 

 

 

実緒ちゃんが意識を取り戻してから、俺たちは事務所に戻ってきた。今後どうするかを即座に話し合った。

まずは、敵の身元の調査。拠点への突入、捕獲されたイニシエーターの救出……そんなところだった。

 

「とりあえず、さらわれたイニシエーターのプロモーターに話を聞けば、何かわかるかもしれませんね。」

 

「そうね………」

 

心音はテレビをつけた。昼のニュースが流れていた。

 

『次のニュースです。昨晩………?』

 

…ザザザッ……ザザッ…ザッ……

 

映像が乱れている。

 

「? 故障か?」

 

「これ、まだ半年経ってないわよ…?」

 

『ちょ、ちょっと………な…………よ、こ……え……っ……』

 

ノイズが酷くなる。すると、いきなり画像が切り替わる。そこに映ったのは……

 

「⁉︎」

 

「し、信也さん⁉︎」

 

 

 

 

その頃、市街地では……

 

 

 

「? 蓮太郎。あのモニター、映像が乱れておるぞ?」

 

延珠が指差す。蓮太郎は見上げる。

 

「放送事故、か?」

 

段々とノイズが酷くなる。すると、画面が切り替わり、信也が映し出される。

 

「⁉︎ あれは……明崎さん⁉︎」

 

 

 

 

 

『東京エリアに住む、全ての存在に告げる。我々はミュータント……この世界の救世主だ。』

 

「ミュータント…⁉︎」

 

「真、知ってるの⁉︎」

 

「いや、知らん。聞いたことがない…」

 

『我々は耐えてきた。この時が訪れるまで、ずっと。今こそ、ガストレアを根絶やしにする時なのだ。真の平和を取り戻すためには、ガストレアを生み出すウイルス……そして、その因子となり得るものを排除すべきことから始めるべきなのだ‼︎』

 

「⁉︎ そ、それってまさか…⁉︎」

 

イニシエーターの誘拐は、そのために…⁉︎

 

『今ガストレアを狩っているのが、その因子を持った呪われた子供たちなのだ。しかしだ。彼らがガストレアを倒していれば、全てのガストレアが滅ぶのか⁉︎答えはNoだ‼︎ガストレアに変貌する危険性を孕んだ、そんな危険な者たちを、野放しにしておくわけにはいけない‼︎今こそ、皆様の協力が必要なのだ‼︎ただいまより、そのようなイニシエーター、呪われた子供の情報の提供を、市民の皆様にお願いしたい‼︎ 我々は約束しよう‼︎ ガストレアに脅かされることのない、真の平和を‼︎』

 

映像が戻った。

 

「なんてこった……‼︎」

 

「市民を味方につけるなんて…‼︎」

 

俺たちは驚愕した。そうする以外、出来なかった。

 

 

 

 

 

「見事な演説だったわよ?ファイ…?」

 

黒髪のロングヘアの女が、ファイに微笑む。

 

「……イプシロン…。」

 

「行くわよ、早速情報提供の嵐よ〜。」

 

イプシロンは、ファイに武器を投げ渡す。

 

「あぁ……分かっている。」

 

 

 

 

「逃げる⁉︎」

 

「あぁ、ここも危険だ。あいつら、民警がどこにいるか教えてくれって言ってるようなもんだろ!」

 

俺は急いで身支度をしていた。それに釣られ、心音と実緒ちゃんも支度を始める。

 

「とにかく、安全な場所を探そう‼︎民警が立ち寄る所は危険だ‼︎」

 

「じゃ、じゃあ、病院はアウトですか⁉︎」

 

「そうなるな……あと、なるべく戦闘は避けるべき、といったところか…」

 

心音がそこで、ひらめいた顔をした。

 

「じゃあ、お姉ちゃんの所にしよ‼︎ あそこ、民警の武器を作っていることは公表してないし、地味な場所にあるし‼︎」

 

そうか、その手がある‼︎

 

「決まりだな‼︎」

 

そして俺たちは事務所を後にし、人目を避けながら徳崎重工へと向かった。

 

 

 

 

 

「くっ………‼︎」

 

天童民間警備会社前。蓮太郎と延珠、木更とティナが、黒スーツを身に纏った三つ子の3人の男……ミュータントに囲まれていた。

 

「ヒャハハハ‼︎」

 

「大人しくしろよ‼︎」

 

「捕まえるんだからよ‼︎」

 

三つ子のミュータントは、右手に装備したクローの爪を鳴らす。

 

「このっ‼︎」

 

銃弾を放つ蓮太郎。しかし、銃弾は爪で弾かれる。

 

「遅いんだよぉぉおおっ‼︎」

 

襲いかかる男。

 

「はぁっ‼︎」

 

刀で受け止める木更。そのまま弾き飛ばす。

 

「ぎゃっ‼︎」

 

「に、兄ちゃん‼︎」

 

「ベータ‼︎」

 

弾き飛ばされた男に駆け寄るもう2人。

 

「お前ら……イニシエーターを捕まえてどうする気だ‼︎」

 

「それは捕まってのお楽しみだぜ‼︎ さっさ捕まれよぉっ‼︎」

 

3人がかりで襲いかかる。延珠が跳び上がる。

 

「お主らに……捕まるつもりはないっ‼︎」

 

1人の男の脳天に踵で蹴り落とす。

 

「ぐぉおおおおおっ‼︎」

 

「ガンマ‼︎」

 

「そこです。」

 

ティナがトリガーを引く。銃弾は真ん中の男の肩と右足に着弾する。

 

「ぐああっ⁉︎」

 

「に、兄ちゃん⁉︎」

 

「はああっ‼︎」

 

「うおおおおあっ‼︎」

 

1人に木更が刀を、蓮太郎が拳を叩き込む。

 

「のぶぅううううっ‼︎」

 

三つ子はその場に倒れた。

 

「何なのよ、こいつら……」

 

「蓮太郎‼︎これからどうするのだ⁉︎ここにいるのは危険じゃろう?」

 

「…とりあえず、人気の無い所でやり過ごすしかない。行こう。」

 

天童民間警備会社の人員も移動を開始した。

 

「真……心音さん………。」

 

 

 

 

 

「ケータイの電波で逆探知もあり得るよな……」

 

と、呟いてケータイの電源を切る。

俺たちは徳崎重工にいた。

 

「可能性としては、低くはないね。流石マコちゃん‼︎」

 

紅音がサムズアップする。

 

「その呼び方やめろ。」

 

「でも良かったわ〜、マコちゃんの記憶戻ってさ。私……どうしようかと思ったよ。」

 

「謝る必要は無いと、先に言っとくぞ。むしろ感謝するぜ。」

 

「……うん‼︎」

 

紅音は作業を再開した。

心音は今日の夕飯の支度。実緒ちゃんは窓の外で見張りをしていた。

俺はというと……パソコンの画面に向かっていた。ミュータントについて、だ。序列があれから上がったらしく、350位になったため、有る程度の情報を閲覧することが出来るようになった。データベースを閲覧する。

 

「ミュータント………あった、これか。」

 

俺はミュータントのデータをダウンロードし、開く。

 

「………なるほどな。」

 

そういうこと、か。

 

 

 

 

 

「……………」

 

ファイは檻の前にいた。檻の中には、捕まったイニシエーターが1人ずつ収監されていた。

 

「………。」

 

そこへ現れたのは……銀髪の赤い瞳を持った、無表情な少女。

 

「交代です。ファイ様。」

 

「あ、あぁ……。」

 

ファイはその場を後にした。

 

「………可哀想に。」

 

その少女は、どこか悲しげな顔をしていた。

 




銀髪の少女ですか?モブじゃないよ‼︎ホントだよ‼︎(笑)

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