ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜   作:神武音ミィタ

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心音さんのリミッターが破壊されそうで怖い(笑)
自分でここまでやっておきながら、実はちょっと、いやかなり心配です(笑)


第24話〜恋と妄想〜

「ハハハ……死体愛好家でしかない私に恋愛相談とは……君も好き物だね…ハハ……。」

 

「わ、笑い事じゃありませんよっ。」

 

真の病院に迎えに行くついでに、室戸先生に相談に乗ってもらっていた私。

 

「それで?自分は俗にショタコンと言うやつではないのかと、不安な訳かい?」

 

「まぁ、そんな所です。」

 

「ふぅむ………俗に言うそう言った類の言葉の基準は曖昧だな。ロリコンにショタコン………幼女と少年……うーむ、基準は確かに難しいな。人によるだろう。逆に聞こう。君のショタコンの基準は、どの程度なのかな?」

 

「どの程度……ですか。」

 

真は今、15歳。私は24……その差、9つ。真が二十歳で、私は29……三十路⁉︎ 三十路の一歩手前⁉︎

 

「………年の差9つって、どうなんですかね?」

 

「………私は別にアリだと思うぞ?私的には、ショタコンとは二桁程年の差が離れた方が、それに値するかと…。」

 

「は、はぁ………。」

 

「まぁ、気長に頑張りたまえ。ただ……」

 

少し表情を硬くした室戸先生。

 

「ことりあそび君は、記憶喪失だ。あまり無理なことはしてはいけない。それを分かっておいてくれよ…?」

 

そ、そうか。やっぱり、第一にそこだよな。

 

「分かりました。」

 

「じゃ、頑張りたまえよ、恋する乙女。」

 

室戸先生は怪しげに微笑む。

私は何も言わず、病室を後にした。

病室を出た所で、真が座って待っていた。

 

「あ、心音さん。」

 

「おまたせ、真。」

 

「何の話……だったんですか?」

 

「あ、あぁ……まぁ、色々ね。真の記憶の話もだけど…他にもね‼︎私も色々有るのよ…えへへ。」

 

「あの……あまり無理しなくても大丈夫ですよ?」

 

心配そうな表情……キュン…ッ‼︎

はっ‼︎いかんいかん……‼︎

 

「大丈夫。無理はしてないよ?ホントに。」

 

真の頭を撫でる。

んもー、可愛いなぁ……。

 

「は、はい………。」

 

「よし、じゃ帰ろっか。」

 

私と真は横に並びながら帰路についた。

 

 

 

その日の夜。

夕飯を終え、風呂から上がった真はソファに座り、テレビを見ていた。

見ていたのは、ガストレアのニュースだった。

私は真の隣に座った。

 

「………俺、あんな奴らと戦っていたんですよね…。」

 

「信じられない?」

 

「はい………今の俺には…怖くてしょうがないです。」

 

ガストレアに関する記憶も無くしている……それ故の恐怖心、か。

 

「大丈夫だよ。今のあなたは、戦う人じゃないから…ね?」

 

「はい………。」

 

暗い表情………こんな真、見たことない。最早、気の弱い1人の男の子だ。

私は……真を思わず抱きしめた。

 

「え……ちょ、ちょっと…心音さん……?」

 

「大丈夫。あなたは、私が守るから、ね?」

 

……………ヤバい。

鼓動が速まっているのが、自分でもわかる。

どうする?この後……私は………‼︎

私の理性が崩壊しようとしかける寸前だった。

 

「こっ、こここっ、心音さんっ⁉︎」

 

実緒とリコちゃんが風呂から戻ってきた。

 

「あ………ち、違うの‼︎なんか…そう‼︎記憶を思い出させるスキンシップを…」

 

「心音さん…そんな大胆に…はぅぅぅ………」

 

実緒は回路がショートしたようだ。その場に倒れこむ。

 

「実緒おねえちゃん?大丈夫ー?」

 

リコちゃんが揺さぶる。

やれやれ………やっちゃったかも。

 

「リコちゃん……もう寝なさい…実緒は私がベッドに連れてくから。」

 

「はーい。」

 

リコちゃんは部屋に入っていった。私は実緒を抱え、部屋の彼女のベッドに寝かせた。

 

「実緒おねえちゃん、大丈夫かな?」

 

「大丈夫よ。じゃ、おやすみなさい。」

 

「おやすみなさーい。」

 

私は彼女たちの寝室の電気を消した。ドアを閉める。

そして、真に歩み寄った。

 

「ご、ごめんね?なんか変な感じになっちゃって……い、嫌だった?」

 

「………………」

 

真は胸を両手で抑え、うつむいていた。

 

「真……?」

 

「…………なんか、少しだけ思い出せたかもしれません。」

 

え?まさかの私のハグ、効果あり⁉︎

 

「ほ、ホントに?」

 

「心音さん。」

 

「うん。」

 

「俺たちって………」

 

「うんうん。」

 

「…………『恋人同士』…だったんですか?」

 

「………………うん?」

 

今、何て言った…?

こ、い、び、と………コイビト?

どうも、徳崎クリステルです……じゃなくて。

 

「あ、あの、真?私たちはあくまで仕事仲間だったわけでね?えっとね?まぁ、確かに私は真のことが好きだったのかも?しれないけどさ、何ていうかそれはえっと……」

 

「………っ。」

 

真は立ち上がり、私に抱きついた。

 

「ほぇっ⁉︎ ちょ、真⁉︎」

 

「………心音さん…。」

 

ま、待って待って‼︎ちょっと、真⁉︎

そんな大胆な……あぁ、いっそこのまま……ってバカー‼︎

 

「ま、待って…‼︎」

 

私は真の肩に手を置いて離す。

 

「あ………ご、ごめんなさい……。」

 

真はうつむく。

 

「あの、心音さん……。」

 

「も、もう寝るね‼︎おやすみ‼︎」

 

私は部屋に入り、ベッドに飛び込んだ。

枕に顔を埋め、タオルケットを頭から被る。

ヤバいヤバいヤバい……‼︎

どうしようどうしようどうしよう…‼︎

 

「好きになっちゃってる……私、真が好きになっちゃってる…‼︎」

 

私はとりあえず、深呼吸。そして、深呼吸しているうちに眠りについた。

 

 

 

 

「心音……。」

 

「真………。」

 

何故か向かい合っていた私たち。そして……真が小さい黒い箱を取り出し、それを開けた。中に入っていたのは…キラキラと輝く、指輪。

 

「心音……俺には、お前以外あり得ない……結婚しよう。」

 

「ま、真……そんな。こんなはしたない女より、もっと可愛い娘がいるだろうに……」

 

「はしたないわけないだろ……?俺の恋人なんだからよ……?」

 

そのまま抱きつかれる私。

 

「ま、真ぉ……‼︎」

 

「大好きだ、心音……」

 

「わ、私も……‼︎」

 

顔が近づく……あぁ……後少しで……‼︎

 

 

 

「………はっ‼︎」

 

私は飛び起きた。ゆ、夢か。しかしまぁ、なんてロマンチックな夢なんだろうか。

 

「うーん………」

 

私は、自問した。

 

「………妄想?」

 

 




そろそろ心音ヤバいかな?(笑)
ホントに、ショタコンとロリコンの定義ってなんでしょうか?僕は室戸さんの意見を支持しますけど(笑)

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