ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜   作:神武音ミィタ

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遂に20話まできてしまったぜ、おい(笑)
そろそろオリジナルも書かねば……アイデアが思いつかない……(T . T)


第20話〜涙と傑作〜

「うおおおっ‼︎」

 

地上の改造人間は全滅。

蛭子は銃を収めた。

 

「まぁ、こんなものだろう…。里見くん。後は任せたよ。」

 

「………お前、何がしたかったんだ?」

 

蓮太郎も銃を収める。

 

「別に。敵の敵は味方……それに基づいただけだよ。それに、私がいて助かっただろう?」

 

「………確かにな。今回ばかりは礼を言うぜ。」

 

「おや、いつになく素直じゃないか?」

 

「知るかよ……行くぞ延珠。」

 

「あ、あぁ‼︎」

 

蓮太郎と延珠は、地下へと向かった。

 

「パパ………烏丸って人の所には行かないの?」

 

「そこまで民警の手助けをする必要はないさ……帰るぞ我が娘よ。」

 

「ちぇー、もうちょっと斬りたかったのにぃ。」

 

蛭子親子は暗闇に消えていった。

 

 

 

 

「てやああっ‼︎」

 

心音の刀が空を斬る。それを躱す、改造人間…東 雫。

 

「ふんっ‼︎」

 

雫は心音を蹴り飛ばす。

 

「くっ‼︎」

 

着地し、膝を着く心音。

俺はNHライフルの照準を雫に合わせる。

 

『発射可』

 

5分チャージ完了。

 

「くらえっ‼︎」

 

俺は引き金を引く。弾丸は雫を目掛けて飛んでいく。

 

「はっ‼︎」

 

しかし、弾丸は躱された。早い………これが改造人間の本当の力なのか?

 

「隙ありっ‼︎」

 

「はあああっ‼︎」

 

実緒と木更が同時に斬りかかる。

しかし、雫はその攻撃を受け止める。

 

「おおおおっ‼︎」

 

そして両手の鎌を振るい、2人の武器を切断した。

 

「えっ⁉︎」

 

「バラニウムを斬り裂いた⁉︎」

 

『対バラニウム用のコーティングさ‼︎ある程度のバラニウム製兵器は、このコーティングには効かない‼︎』

 

烏丸のマイク越しの声。

 

「うおおおっ‼︎」

 

そして二人は蹴り飛ばされ、壁に叩きつけられる。

 

「きゃあっ‼︎」

 

「くあっ‼︎」

 

「はあああっ‼︎」

 

実緒の方に追い打ちをかけようと、駆け出す雫。彼の前に社長が立ちはだかり、両手の剣で雫を受け止める。

 

「くぅっ………‼︎」

 

「まだまだ………っ。」

 

木更は立ち上がるも、その場に倒れた。ティナが彼女に駆け寄る。

 

「木更さん‼︎」

 

マズイ……‼︎

 

「ティナ‼︎ ここは退け‼︎」

 

俺は叫ぶ。

ティナは頷き、木更を負ぶってその場を後にした。

 

「ぐああああっ‼︎」

 

社長が吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられる。

 

「うおおおおおおおおっ‼︎」

 

吠える雫。

 

「くっ……‼︎このままじゃ……‼︎」

 

「…………っ‼︎」

 

心音は立ち上がり、再び駆け出す。

 

「‼︎ 心音⁉︎」

 

「ぐおおっ‼︎」

 

雫は心音に鎌を振るう。それを心音は受け止めた。

 

 

 

「雫くん………私が分かる?心音だよ。あなたが助けてくれた……」

 

私は一か八かの賭けに出た。雫くんは洗脳されている。よく漫画であるシチュエーション……声をかけつづれば、目を覚ましてくれる。

アホらしいかもしれない……それでも、私は信じたかった。

 

「ぐぅうう…っ‼︎」

 

鎌に入る力が強まる。

 

「雫くん………烏丸の計画を潰すってお願い、私たち……叶えて来たんだよ?雫くんの願いでしょ?」

 

「ううう……っ‼︎」

 

雫くんの表情が歪む。

 

「雫くん……私ね。あなたの瞳を見たとき、思ったの。この人は……味方だって。そして、その通りだった。だから……私はあなたを信じる。あなたは操られているだけ……。無駄な殺しはしないんでしょ?だったら……もっと自分を強く持って……‼︎ 私は……あなたを人殺しにしたくない‼︎」

 

「ぐっ………⁉︎」

 

雫くんは……その場に崩れ落ちた。

 

「ぐああああっ‼︎ぐぅっ…⁉︎あああああっ‼︎」

 

 

 

「こ、これは…⁉︎」

 

心音が………心音の声が…届いた⁉︎

 

「うぐああああああああああああっ‼︎」

 

雫は声をあげ、項垂れた。

俺は心音と雫に駆け寄る。

 

「雫くん‼︎」

 

雫の瞳から……赤色が消えた。

 

「ここ……ね……。」

 

「‼︎ 雫くん‼︎」

 

「す…まない………。」

 

「ううん………大丈夫だよ。」

 

心音の表情は暖かかった。誰にでも優しいのだ、こいつは。

 

「あーあ………つまらないなぁ。」

 

暗闇から声。そして、姿を現したのは……

 

「‼︎ 烏丸……‼︎」

 

「マンティス………何故私を裏切る?私は君の命を助けた……恩を仇で返すというのかい?」

 

「違う………お前はただ…俺を騙して……利用した、だけ……‼︎」

 

「やれやれ……幼い死にかけの君を助けたのは間違いだったようだね……。」

 

幼い……死にかけ?

 

「助けた……だと?」

 

俺は問う。

 

「あぁ、彼はね。幼くしてガストレアに両親を奪われている。そして、彼はガストレアの襲撃をまぬがれたものの、死にかかっていた。私はそれを見て可哀想と感じたよ……。私は彼に延命措置を施した………改造さ。しかし、彼は私には懐かなくてね…。今の今まで耐えていたわけさ。」

 

何て奴だ……狂ってやがる……‼︎

 

「貴様……‼︎」

 

「だが、もういい。ここで死ぬがいい。」

 

烏丸は銃を向ける。雫の前に、心音が立ちふさがる。

 

「そんな、生きる価値も守る価値の無いものの盾になるとは………君も好きものだね。」

 

「……そんなの、あなたが決めるものじゃない‼︎」

 

「心音……‼︎」

 

俺はマシンガンを構えた。

 

「‼︎」

 

烏丸が引き金を引く。

銃弾は………雫の心臓部に当たった。

即座に心音を庇ったのだ。

 

「⁉︎」

 

「っ……かはっ……‼︎」

 

血を吐き、雫は倒れた。

 

「雫くんっ‼︎」

 

「やれやれ……ま、結果オーライか。」

 

「てめぇっ‼︎」

 

俺はマシンガンを烏丸に放つ。烏丸は走って躱す。

そして、奥の方へ逃げていく。

 

「く……っ‼︎ 待てっ‼︎」

 

俺は烏丸を追った。

 

 

 

 

「雫くん‼︎ 雫くん‼︎」

 

私は彼を揺さぶった。雫くんは目を開ける。

 

「はは……やっちまったぁ………っ。」

 

「雫くん⁉︎」

 

「俺さ…………民警になりたかった。家族の仇を……討ちたかった…………っ。」

 

その目からは、涙が流れていた。

 

「……………まぁ、でも、いいかな……?」

 

「雫くん………?」

 

雫くんは………力無く言った。

 

「最後に……命が守れてよかったから……さ……っ。」

 

雫くんは………目を瞑った。

 

「雫……くん?」

 

返事がない。動かない。

 

「そんな………っ‼︎」

 

私の涙が、彼の胸に落ちた。

 

「心音さん………。 」

 

実緒ちゃんと社長が、私の肩に手を置いた。私は、声を押し殺して泣いた。

 

 

 

 

「烏丸っ‼︎」

 

奥に階段があり、それを下り地下へ。

檻が並んだ部屋だった。

 

「何処だ‼︎」

 

………ウオオオオッ…。

 

「⁉︎」

 

呻き声。しかも、かなりの大きさの。

俺は奥の方へ……巨大な檻の前に烏丸がいた。烏丸は、その檻の鍵を外した。

 

「君たちには感謝しているよ……興味深い戦闘データを提供してくれてね。」

 

「何だと⁉︎」

 

檻の扉が開く。そこから出て来たのは……

 

「⁉︎ 何だよ……これは……っ⁉︎」

 

人型の化物………体調は3メートル程はある。全身にあらゆる動物や、兵器を宿している。

 

「これが、私の最高傑作……ガストレア・ヒューマン『タイタン』だ‼︎」

 

タイタン……そう呼ばれた怪物の瞳が赤く光った。

 

「さぁ、タイタンよ………手始めに彼らを潰せ‼︎」

 

マズイ‼︎

俺は駆け出し、階段を登った。

 

何てことだ……あんな化物を生み出すとは……‼︎

 

 

 

 

「雫…くん。」

 

私は立ち上がり、涙を拭った。

 

「心音…。」

 

「すみません、社長…。」

 

そこへ、真が戻ってきた。

 

「真⁉︎ 烏丸は…」

 

「逃げろ‼︎」

 

………ドゴォォオオン‼︎

 

「⁉︎」

 

地面が破壊された。そこから何かが出てくる。それは……巨大な人型の怪物……‼︎

 

「な、何よこれ……‼︎」

 

「これが奴の最高傑作らしい……。」

 

「そう‼︎ガストレア・ヒューマン『タイタン』さ‼︎」

 

怪物の足元に烏丸が歩み寄る。

 

「美しいだろう?人はここまで力を得られるのだよ‼︎」

 

烏丸は高々と言い放つ。

 

「さぁ、タイタン……奴らを蹴散らせ…」

 

タイタンは……烏丸の身体を握って持ち上げた。

 

「うおおあっ⁉︎お、おい‼︎違う‼︎私ではない‼︎あっちだ‼︎」

 

言うことを聞いてない……?

タイタンは……その巨大な口を開けた。

 

「や、やめろ‼︎私は食べても美味しく……ぎゃああああ………」

 

そして、自らを作り上げた人物を口に含み、そのまま噛み砕き、飲み込んだ。

 

「そんな……⁉︎」

 

嘘でしょ……⁉︎

こんなやつと……どうやって戦えば……っ‼︎

 

 




大ピンチ‼︎ てか軽くグロ表現出しちゃったよ(笑)
雫くんは正直長生きさせたかったけど、そうなると色々と狂ってしまう……(笑)
余力があれば、彼のスピンオフも書きたいなぁ…

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