ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜   作:神武音ミィタ

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久々に戦闘シーン書いて、色々盛り込んだら長くなった………(笑)

「そんな感じで大丈夫か?」

大丈夫だ、問題ない……多分。


第15話〜装備と力〜

「はぁっ‼︎」

 

プロモーター、徳崎 心音の振るう刀が、改造された人間の腕を切り裂く。

 

「ちっ……‼︎」

 

「それが余所見だっ‼︎」

 

すかさず、改造人間の脚にも弾丸を撃ち込むイニシエーターの俺、小鳥遊 真。

 

「ぐぉっ‼︎」

 

「心音っ‼︎」

 

「うん‼︎」

 

俺たちは駆け出す。俺はライフルの先端に、新たに取り付けたナイフの刃を出す。

 

「はああっ‼︎」

 

「せりゃあああっ‼︎」

 

俺と心音の刃は、改造人間の両腕を切り落とした。

 

「ぎゃあああああっ‼︎」

 

叫び、倒れる改造人間。俺はそいつに歩み寄る。

 

「………烏丸 凌馬はどこにいる。」

 

「しっ、知るかよ……っ‼︎ 貴様らになんか……教えたくもないっ‼︎」

 

俺はそいつを踏みつける。

 

「うごっ⁉︎」

 

「………脚も切り落とされたいか?」

 

「ま、ままっ、待ってくれっ‼︎ 俺は本当に知らない‼︎ 確かに、凌馬様は俺を改造して下さった‼︎けど、場所は知らないんだ‼︎俺は………っ⁉︎」

 

突然、改造人間の身体が跳ねた。

 

「うぐぅっ⁉︎ があああっ‼︎ くっ、苦しいっ……‼︎」

 

俺はそいつから距離を置く。『また』か……っ‼︎

 

「ごはあああっ‼︎」

 

そいつの身体は溶け出し、肉片だけが残った。

 

「こいつも、か……」

 

「真………」

 

心音が俺の肩に手を置いた。何も焦ることはない。そう言いたいんだろうな、この目は。

 

「……帰るか。」

 

「うんっ。」

 

俺たちはその場を後にした。

 

 

 

ここ一週間は、烏丸 凌馬により作られた改造人間による被害が増えている。詳細を知らない民警も多くないため、苦戦を強いられているペアも少なくない。

よってここ最近は、改造人間の撃退は明崎民間警備会社と、天童民間警備会社のプロモーターとイニシエーターに任されていることが多い。

 

「ただいま戻りましたー。」

 

俺と心音は事務所に戻ってきた。

玄関で出迎えていたのはリコちゃん……俺が助けた少女だ。

 

「おかえりなさい、心音お姉ちゃん!」

 

随分と元気になったな。良かった。

俺たちはオフィスに入り、机に座る。

 

「おお、おかえり。ご苦労だったな。」

 

「烏丸の居場所は掴めなかったがな。」

 

あの改造人間が溶けていく現象……ここ最近はあればっかりだ。どうやら、問い詰められたときの証拠隠滅が目的だろう。仕組みは分からないが、な。

 

「……あ、そうだった。心音。紅音から連絡があったぞ。真とお前の新装備が出来たらしい。」

 

「え、お姉ちゃんから?」

 

「もうすぐ、それを持ってトラックで来るみたいだ。」

 

……ピーンポーン…

 

「噂をすれば……ですね。」

 

実緒がタイミングよく言った。

心音が玄関に向かう。

 

「はぁーい……」

 

「はいはいはい‼︎どくどくどく‼︎」

 

ズカズカとオフィスに入って来たのは、徳崎 紅音(とくさき あかね)。心音の姉で、徳崎重工の社長にして職人だった。

 

「信くぅーん‼︎ 会いたかったよ〜‼︎」

 

紅音は社長に抱き着く。そう、紅音は社長にぞっこんなのだ。

 

「あー、分かった。それで、新装備ってのは?」

 

「あ、下にトラックに積んでるよ‼︎でも、その前に皆の武器、メンテしたいんだけど…大丈夫?」

 

「是非頼むよ。心音、真、実緒。」

 

俺たちは武器を取り出す。

紅音は手に持っていたツールボックスを開けた。俺たちは彼女の近くに武器を置いた。そこに、社長も武器を置いた。

 

 

 

そして、10分後。

 

「完璧ね。変わった異常も無いし、ちゃんと手入れしてるみたいね、良かった。」

 

武器が戻される。

 

「あ、大切なこと……忘れてた…」

 

紅音は社長を見つめた。

 

「信くん、あのね……私のココロのメンテもして欲しいの……ダメ?」

 

「んで、新装備は?」

 

紅音スルー。見事なもので、いつものことだった。

 

「あ、心音とマコちゃんのね‼︎ 2人とも、来てくれる?」

 

「マコちゃん言うな‼︎」

 

紅音はいつも俺のことをそう呼ぶのだ。

紅音と俺たち2人は、トラックに向かった。

 

 

「っしょ……はいこれ。心音の分。」

 

心音に渡されたのは中サイズのアタッシュケース。

心音はそれを開けた。

 

「‼︎ これって……」

 

それは、バラニウム製のアンクレットだった。

 

「最近、改造人間が多いでしょ?射撃だけよりも格闘も備えた方が良いわよっ。おまけに、あんたハイキック得意でしょ?」

 

「なるほどね……ありがとう、お姉ちゃん。」

 

「ちょっと、着けてみて。」

 

そう言われ、心音はそのアンクレットを両足に取り付け、軽く脚を上げた。

 

「すっごい!あんまり重さを感じない‼︎」

 

「けど、硬さはそのままよ‼︎ホント、空気含有量かなり調節したのよー。」

 

紅音の作る武器は、全てハンドメイド……彼女のお手製なのだ。

使用者のことを第一に、それが彼女のモットーなのだ。

 

「あんたの脚力が上がれば、かなりの威力を発揮するわよっ。」

 

「うん、ありがとう‼︎……それで、真のは?」

 

「ふっふっふ……マコちゃんには、私の最高傑作をプレゼントしちゃうわよ…‼︎」

 

「最高傑作……?」

 

紅音はトラックから……俺の身長と同じくらいのケースを取り出した。

 

「ケースも特注で作ってもらったのよ〜。」

 

そのケースを、地面に置く。

 

「開けてみて‼︎」

 

俺はケースをあける………

 

「‼︎ これは………‼︎」

 

ケースの中には……折りたたみ式のライフルが入っていた。俺はそれを持ち上げる。中々の重さだ。

 

「銃身が折りたたみ式なの。グリップのとこに、ロック解除のボタンがあるから、押してみて。」

 

これか。俺はボタンを押した。すると。

 

「っ⁉︎」

 

銃口が伸び、俺の身長の1.5倍ほどの長さのライフルになった。鍛えているものの、かなり重い。

 

「すごい……‼︎」

 

「これは、レールガンユニット『天の梯子』を基に、負担を最小限に、威力をそのままに…とは言っても若干おちるけど、ギュッと凝縮した最高傑作‼︎」

 

「あ、天の梯子を⁉︎」

 

天の梯子。ステージ5のガストレアも葬り去ることの出来る、東京エリア最強の兵器だ。それを凝縮したとなると……最小限とはいえ、かなりの負担が来るだろう。

 

「凄いわ、お姉ちゃん……」

 

「どうかな、マコちゃん?」

 

「………そうだな。」

 

持った感じは悪くない。少し重い程度だが、さほど問題はない。折りたたみもするしな。

 

「弾丸は、いつも使ってるやつでも大丈夫なように設計したから‼︎ あ、あと、名前は…マコちゃんが決めて。」

 

名前か………天の梯子の力をこの手に。そして……中々の黒さだな。こいつ。

 

「……『ノクターナル・ホーク』。」

 

「え?」

 

「………夜行性の鷹…俺のことだ。こいつには俺の呼び名が相応しい……。まぁ、普通にライフルとしか言わないと思うけど。」

 

「クスッ……マコちゃんらしいね。」

 

「………マコちゃん言うな。」

 

「じゃ、私はこれで‼︎信くんによろしくねっ‼︎」

 

「うん‼︎ お姉ちゃんありがとう‼︎」

 

紅音はトラックに乗り込み、走り去った。

 

「よっし、良かったね真‼︎」

 

「お前もな。」

 

俺たちは武器をケースに収め、オフィスに戻った。

 

「……俺のケースデカッ…」

 

取手があって助かった。

 

 

 

「もう少しだ………」

 

薄暗い実験場。試験管でウイルスの研究をしているのは、烏丸 凌馬。

 

「もっとデータを集め、最強の生物を生み出す。そして、私のウイルスを更に強力にし、注ぎ込む………。フハハ…考えただけでも昇天してしまいそうだ…っ‼︎」

 

それを影から見ていたのは……黒手袋の少年。

 

「……………っ。」

 

その瞳は……何処か悲しげだった。

 

 




黒手袋の少年ですが、名前はちゃんとあります‼︎モブじゃないよ、ホントだよ‼︎(笑)
真の新装備ですが、次回恐らく、皆さんの予想している通りの事が起きます‼︎(笑)

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